◆英語研究論文を書くにあたってはもちろん執筆者の英語能力が問われるが、それ以上に重要なのは英語研究論文の構成を熟知することである…/社会科学系の論文には主に量的データを使った実証研究論文(Quantitative Empirical Research Paper)、質的データを使った記述的研究論文(Qualitative Empirical Research Paper)、理論の発展や構築の可能性を提示する理論論文(Theoretical Paper)、既存の方法論の修正や新しいアプローチなどを提示する方法論論文(Methodological Paper)と先行研究のレビューと批評の総説(Review Paper)がある。[2010:11]
◆質疑応答は日本からの研究者にとっては一番不得意な部分かもしれない。…/英語があまり得意でなく、質問内容が明確にわからない場合は、質問者へCould you please repeat that question?(質問をもう一度していただけますか)、Can you speak more slowly?(ゆっくり話していただけますか)あるいはYou mean...?(……という意味ですか)などのように訊ねてわかりやすく質問してもらうようにしよう。それでも理解できない場合は、素直に座長(Chair)の援助をCould you repeat that question for me?(その質問をもう一度していただけますか)あるいはCan you please clarify that question for me?(その質問の意味をわかりやすく言って下さいますか)などと言って助けを求めることである。…またセッションがはじまる前に、もしかしたら質問がわからないかもしれないと座長にことわりを入れておいてもよい。大切なのはしぶとく相手の質問がわかるまでねばることである。…どうしても理解できない場合は、セッション後に一対一でその質問者と話がしたい(I would like to talk with you individually after the session.)と提案するのがよいだろう。よい発表をしても質問の内容がわからずに適当に答えていれば、研究者としての評価が落とされるので、質問への対応はとくに気をつけなければならない。[2010:266]