『真実委員会という選択――紛争後社会の再生のために』
阿部 利洋 20080424 岩波書店,216p.
last update:20120118
■阿部 利洋 20080424 『真実委員会という選択――紛争後社会の再生のために』,岩波書店,216p. ISBN-10:4000234501 ISBN-13:978-4000234504 \2310 [amazon]/[kinokuniya] ※ 2saf
■内容
内容(「BOOK」データベースより)
いま紛争後の社会で「真実委員会」という新しい解決手段が選択されている。紛争後・体制転換後の政府によって、過去の不正や犯罪、そして無数の被害に対して設置される公的機関で、裁きや賠償ではなく、紛争後の社会をいかに「再生」するかにその目的がある。豊富な事例を通して、「真実委員会」の実像に迫る。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
阿部 利洋
1973年生。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。日本学術振興会特別研究員を経て、現在、大谷大学文学部講師。専攻は社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
■目次
はじめに
序章 なぜ真実委員会なのか
紛争後社会への新たなアプローチ
和解は理想か現実か
理念をどう捉えたらよいか
真実を追求するという復讐
以下の構成
第1章 真実委員会の登場
壮大な実験
時代背景――一九九〇年代の紛争
どこで行われてきたか――実はたくさんある
真実委員会の定義――類似する組織との区分
何をするか――公聴会まで
人々はどのように真実委員会を体験したか――公聴会
理念について、もう一度問いかける
第2章 真実のモザイク
真実は定義されていない
真実への懐疑
真実に対する葛藤
多元的な真実認識
記憶の復元に着目する
駆け引きのなかの真実
真実はどこへ向かうのか――入手した情報の扱い
真実はどこへ向かうのか――「真実」は真実委員会だけが管理できるものではない
真実のモザイク――第2章における理念と現実の重なり合い
第3章 和解の逆説
和解という言葉は初めから戸惑わせる
和解とは心の変化のことか?
和解は相互理解として考えられるか
儀礼として和解を考える
逆説的な和解の理解
第4章 真実委員会を/がもたらす思考――その同時代性
消極性のプラグマティズム
不信の時代に集合行為を方向づける
加害・被害の人間関係が変わりうるという発想
注
参考文献
おわりに
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:樋口 也寸志