『助走、ひきこもりから――共同作業所エルシティオのいま』
金城 清弘/山本 耕平 編 20031130 クリエイツかもがわ,215p.
last update:20100712
■金城 清弘/山本 耕平 編 20031130 『助走、ひきこもりから――共同作業所エルシティオのいま』,クリエイツかもがわ,215p. ISBN-10:490224411X ISBN-13:978-4902244113 \2100 [amazon] /[kinokuniya] ※
■内容
(「BOOK」データベースより)
わが国ではじめてのひきこもりの人たちの共同作業所―心休まる場所づくりからみえてきた、心もようと、その展望。今や100万人ともいわれる、全国のひきこもりの人たちを勇気づける、多面的な実践報告。
(「MARC」データベースより)
2002年和歌山市に、わが国ではじめてのひきこもりの人たちの共同作業所「エルシティオ」が誕生した。心休まる場所づくりからみえてきた、心もようとその展望とは。全国のひきこもりの人たちを勇気づける多面的な実践報告。
■目次
社会的ひきこもりへの「助走」に寄せる 1
グラビア エルシティオ! 2
エルシティオからの発信 13
第1章 私たちにとっての「ひきこもり」 21
1 「ひきこもる」なかで――当事者たちの思い 22
2 「ひきこもり」の親になって――親から社会への発信 47
第2章 ひきこもりへの支援とその実践 65
1 エルシティオのメンバーたち 66
2 エルシティオの毎日 70
3 共同作業所は、いま 79
4 若い支援者たちの育ちとプラットホームの実践哲学 90
5 セルフヘルプグループのなかでの育ち 96
6 ある試み――和歌山大学の実践から 103
7 地域生活支援センターの活動と地域ネットワーク
――「Muginosato Mind」を和歌山の実践の基盤に 125
第3章 「ひきこもり」への社会的支援の視点 133
1 教育相談の現場から 134
2 ひきこもり青年との出会い 140
3 青年サークルの誕生 143
4 精神保健福祉実践のなかで 153
第4章 歩み始めたエルシティオから 169
1 児童福祉や保健福祉の現場へ 170
2 教育の現場へ 180
3 医療の現場へ 188
あとがき 193
関連資料 197
1 エルシティオ関連年表 198
2 「社会的ひきこもり」ガイドライン(暫定版) 199
■引用
社会的ひきこもりへの「助走」に寄せる
秋元 波留夫
社会的ひきこもりの人たちは、自分の居場所を見失い、それを求めているサルベーション・ハンタースである。最近のひきこもりの急激な増加は、現代のわが国社会のひずみのあらわれであり、それへの抗議でもある。
国は一九九二年、ひきこもりに対する対策として盛りだくさんの「モデル事業」なるものを公表した。それから一〇年、減るどころか増える一方である。ひきこもりの人たちの心休まる居場所がこの「事業」で作られてこなかったからである。
まことにうれしいことに、二〇〇二年九月、紀州和歌山市の一角に、わが国ではじめての社会的ひきこもりの仲間たちの共同作業所エルシティオ(el sitio 場所を意味するスペイン語)が生まれ、ひきこもり、不登校の教育と福祉に豊富な経験をもつ山本耕平さん、金城清弘さんの編で『助走、ひきこもりから』が刊行された。この和歌山の発信は全国のひきこもりの人たちを勇気づけるにちがいない。
p1
■書評・紹介
■編者/執筆者紹介
金城 清弘(きんじょう きよひろ)
1933年 和歌山に生まれる。現在、共同作業所エルシティオ代表
1955年 和歌山市小学校教諭
1992年~1994年 和歌山市立小倉小学校長を最後に退職
「子どもと教育」(和歌山県国民教育研究所)に論文多数
山本 耕平(やまもと こうへい)
1954年 和歌山に生まれる。現在、大阪体育大学講師
1979年 日本福祉大学大学院修士課程卒業
和歌山信愛女子短期大学非常勤講師
1987年 和歌山市入職(保健所 精神衛生相談員)
2003年 大阪体育大学
共著 「みんなで行なう精神障害リハビリテーション」2002年 星和書店刊
執筆者(五十音順)
第1章は、エルシティオに関わる当事者、家族、支援者の座談会です。
金城 清弘 共同作業所エルシティオ代表(第3章1,2 第4章3 あとがき)
杉田 美江 登校拒否の子を持つ和歌山県親の会の事務局長(第4章2)
永井 契嗣 共同作業所エルシティオ事務局長(第2章2)
野中 康寛 社会福祉法人一麦会麦の郷岩出地域生活支援センター(第2章7)
宮西 照夫 和歌山大学教授 保健管理センター所長(第2章6)
山本 耕平 大阪体育大学健康福祉学部講師(エルシティオからの発信 第2章3,4,5 第3章4 第4章1)
倭田 昭 共同作業所エルシティオ教育相談員 (第2章1 第3章3)
*作成:三野 宏治