『「弱者救済」の幻影――福祉に構造改革を』
桜田 淳 20020120 春秋社,234p.
■桜田 淳 20020120 『「弱者救済」の幻影――福祉に構造改革を』,春秋社,234p. ISBN-10:4393332091 ISBN-13:978-4393332092 \1890 [amazon]/[kinokuniya] ※
■内容
(「BOOK」データベースより)
「五体不満足」現象で露呈した、戦後日本の「弱者」観の虚妄を衝き、従来の福祉政策を根源的に批判。新たな「福祉」像を提示し、構造改革への指針を探究した、著者入魂の書。(「MARC」データベースより)
「弱者」には手厚い保護を。この善意溢れる施行が「弱者」を縛り付け、社会の中で然るべき役割を果たす妨げとなってきた。その呪縛がどんなものであり、呪縛をとくにはどうすればいいのかを論じ、「福祉」の再構築を図る。
■目次
序 『「福祉」の呪縛』以後の風景
第1部
第1章 「弱者救済」の幻影
1 水戸事件への第1印象
2 「閉鎖空間」と「福祉」
3 「支援」の意味
4 「弱者」という虚像
5 補論―「雄々しさ」と「優しさ」の価値を巡って
(1) 「弱者」の腐敗
(2) 「弱者救済」の思想が生んだ鬼子
(3) 「弱さ」と「優しさ」と
第2章『聖者の行進』の虚妄
1 はじめに
2 『聖者の行進』における「制作の倫理」の虚妄
3 「制作の倫理」が成立する背景
4 テレビ業界に与える若干の項目
5 おわりに
6 補論―「障害者」認識の地平
第3章「五体不満足」現象の後先
1 はじめに
2 「異界からの通信」・『五体不満足』の前提と限界
3 『五体不満足』を演出する理論の虚構
4 「貴重な人材」としての乙武君の位置
5 おわりに
6 補論―「五体不満足」現象の後先
第2部
第1章「グローバリゼーション」と「福祉行政」の将来
1 はじめに
2 「グローバリゼーション」と「福祉国家」の退場
3 「グローバリゼーション」の時代における「福祉」の意味
(1) 「独立自尊」の精神の鼓舞を
(2) 共同体の機能の再興へ
4 おわりに
第2章憲法典改定と「福祉」からの視点
1 はじめに
2 現行憲法典の「呪縛」
(1) 現行憲法典第二十五条の「陥罪」
(2) 現行憲法典第二十七条の「不可思議」
3 憲法典改定の方向性
(1) 憲法典第二十七条修正条項の意義
(2) 憲法典第二十五条修正条項の意義
4 おわりに―「人権の尊重」思想の虚実
第3章 「構造改革」と「福祉」の位置
1 はじめに
2 「福祉」と「労働」の間
(1) 序
(2) 人々の「働き方」と「福祉」の現在
(3) 「働ける人々」と「働けない人々」の境界
(4) 結
3 新「土建国家」論の可能性
(1) 「土建国家」の神話と現実
(2) 新「土建国家」論の意味
(3) 「地方振興」の虚実
4 「多様な教育」の意味
(1) 「卓越性」の認識という前提
(2) 「障害児教育」と「卓越性」の価値
(3) 特殊教育の意義
(4) 「青春の日々」の記憶
5 高度情報通信社会の可能性
(1) 教育の意味
(2) 通信網整備、機会の利便性の向上、言語環境の整備
6 おわりに
結 人間における「高貴」とは何か
謝辞―後書に代えて
■引用
■書評・紹介
■言及
*作成:三野 宏治