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『聾教育の脱構築』
金澤貴之編著 200108 明石書店,352p 4750314560 \3200
last update:20100905
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金澤貴之
編著 『聾教育の脱構築』200108 明石書店,352p 4750314560 \3200
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■内容
聾者の言語=日本手話を解することなく進められる聾教育とは何なのか。「聴覚口話 法」という聴者の理論に立って構築されてきた日本の聾教育を、聾者主体の聾教育に 再構築すること。この問題意識に立って、聾者、親、教員、研究者が聾教育の歴史と現状を検証し、本質的転換を迫る必読の書。
■目次
目次
第1章 聾教育のパラダイム転換
一 聾教育のパラダイム転換[金澤貴之]
1 聾者を知らない聾教育
2 「聾者の声を聞こう」という誤り
3 「ロールモデル」としての聾者
4 「聴者が聾児に教える」から「聾者が聾児に教える」へ
5 「手話法」の空虚さ
6 論議のズレのもとは
第2章 聾教育・聾研究の社会的構成
一 歴史解釈の違い[上野益雄]
1 歴史の真実は
2 アメリカへの手話導入は一般にどう考えられたか
3 もとになった著書
4 口話聾学校設立時の論争
5 手話導入についての相反する意見
6 真実はどうか
まとめ
二 聾教育におけるリアリティのズレ[金澤貴之]
1 論議以前の問題
2 聾者と聴者の価値観のズレ
3 聴者にとっての「聾」
4 聾者にとっての「聾」
5 聾の人口学的構成――九〇%ルールの意味するところ
6 聴者の親の願いと専門家の願い
7 誰に対する、誰の責任か
8 IT革命と聾教育
さいごに
三 聾の心理学的研究の再構築に向けて[中野聡子]
はじめに
1 聾児を評価することの難しさ
2 言語発達研究の移り変わり
3 これまでの聾児の認知・知的発達における通説とその検査法について
4 聾児を対象とした認知発達、知能検査における問題性
5 ろうと記憶
6 新しい試み――手話で認知発達言語発達を評価しよう
さいごに
四 ろう教育は手話を言語として認知できるか[市田泰弘]
はじめに
1 手話には助詞がない
2 NMS(非手指動作)
3 主語と目的語
4 終助詞にあたるもの
5 従属節
6 関係節
7 使役構文
8 助動詞
9 ろう教育は手話を言語として認知できるか
第3章 指導法で求められてきた価値観
一 聴覚障害者の理想像[池頭一浩]
1 聴覚障害教育の現状
2 聴覚障害と聴覚障害者
3 聴者が描く聴覚障害者の理想像
4 「理想像」となるための条件
5 「理想像」の実態と、彼らが問われてこなかったもの
6 聴者は「理想像」をどのように扱っているのか
7 「ややこしさ」をこえて
二 見えてくるものがある[八木治]
1 見えてくるとしんどくなる
2 永遠に見えない人たち
3 願っているのは誰なのか
4 しんどいとは言っていられない
第4章 聾児を育てている親として
一 インテグレーション、龍の子学園、そしてろう学校[岡本みどり]
はじめに
1 告知
2 知られざる事実
3 現在のろう教育
4 インテグレーションを選択した理由
5 インテグレーションから得られるもの
6 「龍の子学園」との出会い
7 ろう教育の矛盾
8 親の役割
おわりに
二 聾の娘を持つ立場と手話との出会い、そしてトライアングルでの実践[南村洋
子]
はじめに
1 聴こえない子どもとの出会い
2 聴こえる世界と聴こえない世界
3 トライアングルでの教育実践
おわりに
三 聾教育とインターネット[佐伯英一]
はじめに
1 私が“本当に必要な情報”を得るまで
2 手話への偏見
3 知らなかった聴覚口話法の問題点
4 幼児期に大切なこと
5 聞こえない子をもった親に伝えたいこと
6 情報を得た親の反応
7 最初から情報を得た親の反応
8 聾学校での手話
9 多くの議論
10 二年がすぎて
第5章 聾児にとってのリアリティ
一 ろう学校のリアリティ[木村晴美]
1 ろう者が語ることの意味
2「できる子ども」とは?
3 「聴能訓練」のリアリティ
4 口話法の「成果」と現実
5 教科学習のリアリティ
6 授業時間以外の活動について
7 日本語の獲得をめぐって
8 最後に
二 インテグレーションのリアリティ[中野聡子]
1 今も見る夢
2 現在の障害児のインテグレーション状況
3 インテグレーションに向かわせるレトリック
4 専門家の想定する「サポート」――その虚と実
5 話し相手と目を合わさない聴覚障害児
6 いつまでも「子ども」ではない――「わからない」ことがわかるとき
7 「努力」からは逃れられない
8 専門家が作った「もう一つの世界」
9 どこに「アイデンティティ」を見いだすか
あとがき
■執筆者紹介
金澤貴之(かなざわ・たかゆき)
群馬大学教育学部専任講師。
主な著書・論文に「聴者による聾者のための学校」(『現代思想』24(5)、青土
社、1996年4月臨時増刊)、(『ろう文化』(青土社、2000年)に再録)、
「聾教育における「障害」の構築」(『障害学への招待――社会・文化・ディスアビ
リティ』長瀬修・石川准編、明石書店1999年)など。
上野益雄(うえの・ますお)
つくば国際大学教授。
主な著書・論文に『19世紀アメリカ聾教育方法史の研究』(風間書房、1991年)
。『聴覚障害児教育の革新』(井原栄二・上野益雄・草薙進郎編、コレール社、19
97年)など
中野聡子(なかの・さとこ)
心身障害学博士・国立身体障害者リハビリテーションセンター学院手話通訳科非常勤
講師。
主な著書・論文に「聾幼児における3次元物体の手話表現と描画表現」(吉野公喜と
の共同執筆『特殊教育研究』38(1)2000年)、「聴覚障害児のインテグレー
ションに関する一考察――トライポットモデルの事例から考える」(相良啓子・吉野
公喜との共同執筆『ろう教育科学』39(2)1997年)など
市田泰弘(いちだ・やすひろ)
国立身体障害者リハビリテーションセンター学院手話通訳学科教官
主な著書・論文に『はじめての手話』(共著、日本文芸社、1995年)、「誤解さ
れる言語・手話」(『現代思想』24(5)、青土社、1996年4月臨時増刊)、
(『ろう文化』(青土社、2000年)に再録)
八木 治(やぎ・おさむ)
三重県立稲葉養護学校教諭。
主な著書・論文に『聴覚障害教育情報ガイド』(共著、コレール社、1996年)、
『聴覚障害児のコミュニケーション指導』(共著、保育出版社、1998年)など。
池頭一浩(いけとう・かずひろ)
広島県立広島ろう学校教諭。
主な著書・論文に「手話がもたらしたもの――ろう児にとっての“当たり前”とは何
か」(『ろう教育科学』42(4)、2001年)、『第12回ろう教育を考える全
国討論集会号稿集』(「第12回ろう教育を考える全国討論集会」実行委員会発行、
2000年)など。
岡本みどり(おかもと・みどり)
全国ろう児をもつ親の会会長。
南村洋子(みなみむら・ひろこ)
聴覚障害児と共に歩む会・トライアングル教育部主任。
主な著書・論文に『タンポポの道』(共著、財団法人聴覚障害者教育福祉協会、19
98年)など。
佐伯英一(さいき・えいいち)
聞こえない子を持つ父親。
木村晴美(きむら・はるみ)
国立身体障害者リハビリテーションセンター学院手話通訳学科教官。
『はじめての手話』(共著、日本文芸社、1955年)、「ろう文化宣言」(市田泰弘
との共同執筆(『現代思想』23(3))(『現代思想』24(5)、青土社、19
96年4月臨時増刊、『ろう文化』青土社、2000年に再録)など。
■書評・紹介
■言及
*作成:
UP:20100905 REV: 20150407
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