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『論文・レポートのまとめ方』

古郡 廷治 19970820 筑摩書房,217p.

last update:20110711

■古郡 廷治 19970820 『論文・レポートのまとめ方』,筑摩書房,217p. ISBN-10:4480057226 ISBN-13:978-4480057228  \735 [amazon][kinokuniya]  ※

■内容

内容(「BOOK」データベースより)
文章は内容が大事。しかし、いくら内容があっても、ちゃんとした形式と適切な文章表現をしていなければ、読まれもせず、評価もされない。では、論文・レポートを書くにあたって、どんなことに注意すればよいのか?文、段落、用字、用語から図表の使い方まで具体例を示しながら要点を丁寧に解説するきわめて実用的な文章読本。

内容(「MARC」データベースより)
プログラミング言語などについて教えている電気通信大学教授による、文章の形式や適切な文章表現などの解説書。文、段落、用字、用語から図表の使い方まで、具体例を示しながらコツを教える。〈ソフトカバー〉

■目次

まえがき
第1章 文章の要諦
第2章 論文の構造
第3章 論理の文章
あとがき

■引用

◆文章には、著者がいて、伝えたい情報があり、その向こうに読者がいる。情報を効果的に伝えるためには、著者は対象としている読者に合った形式と内容を備えた文章を書くことが大事である。[1997:10]

◆文章は二つの目的をもっている。文章自体のもつ目的と、それによって著者が何かを達成したいという目的である。……/文章の目的と著者の目的の両方を満たすには中身が問題である。文章は何と言ってもその内容にある。しかし、いかに価値ある内容でも伝達の仕方を誤ってしまうと、 読者には伝わらないことになって、文章自体の目的も著者の目的も達成できなくなってしまう。[1997:10-11]

◆文章は書いたら、
・同僚や指導者に読んでもらう
ことが肝心である。同僚や指導者はうっかりしている誤字や脱字を見つけてくれるだけではない。ときに内容の欠陥や構造の欠点も指摘してくれる。[1997:38]

◆論文やレポートでは、誤字や脱字とともに、次の諸点の照合作業も必要である。
・目次の章や節の見出しと本文中で使っているものを照合する。
・文献の引用(参照)番号と文献リスト中の文献番号を照合する
・図表を使っている場合は、本文中での参照番号と図表につけた番号を照合する。
[1997:39]

◆文章は、書き換えるとき、誤字や脱字、形式上の照合作業のほかに、その種類によって次のような事項のすべて、あるいはその一部を再点検する必要がある。
・わかりやすい書き方をしているか
・構成上の問題はないか
・読みやすさに問題はないか
・文章の構成と合致した内容となっているか
・論理展開に問題はないか
・独創性や新規性があるか[1997:40]

◆論文の要約(概要)は読者に論文に何が書いてあるかを手短に伝えるものである。と同時に情報選択の手助けをするものでもある。
要約(概要)は
・論文の鳥瞰図である。
今日は情報過多の時代といってよい。適切な情報を入手するには情報の選択が必要となる。要約は読者サービスに当たる。多くの読者は、要約をみて本文が読むに値するかどうかを決める。……/ 要約には、論文が目的としたことを本文とは独立のものとして書く。要約は
・自己完結した文章にする
ことが大事である。ここには問題の所在(提起)、それに対するアプローチ (分析、実験、調査の方法、論旨など)、得られた結果(知見)などを書く。論文の本文中で触れられていないことを書いたり、 議論したり、解釈したりはしないようにすべきである。……さらに要約は自己完結した文章であることから、
・文献の参照や図表の使用は避ける
ことも大事である。
[1997:62-63]

◆論文には他人の理論、アイデア、文章、事例、数字、調査データ、図表、などを引用することがある。このとき、他人のものをはっきりと区別することによって自分の論点や主張を明確にする。[1997:88]

◆論文やレポートでは、まずは省略のない文を書くことである。もし、何らかの意味で省略をするなら、書いた後で省略してさしつかえない部分を省くという心構えをもつべきである。[1997:126]

■書評・紹介

■言及




*作成:片岡稔
UP:20110711 REV:
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