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『銃・病原菌・鉄――1万3000年にわたる人類史の謎』

Diamond, Jared 1997 Guns, Germs, and Steel: The Fates of Human Societies, W.W. Norton & Co.
= 20001002 倉骨 彰訳 草思社, 317+332p.


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■Diamond, Jared 1997 Guns, Germs, and Steel: The Fates of Human Societies, W.W. Norton & Co. = 20001002 倉骨 彰訳 『銃・病原菌・鉄――1万3000年にわたる人類史の謎』, 草思社, 317+332p.  ISBN-10: 4794210051(上); 479421006X(下)  1995円(上・下) [amazon] (上);  [amazon](下)

■内容(「BOOK」データベースより)
なぜ人類は五つの大陸で異なる発展をとげたのか。分子生物学から言語学に至るまでの最新の知見を編み上げて人類史の壮大な謎に挑む。ピュリッツァー賞受賞作。

■目次
プロローグ ニューギニア人ヤリの問いかけるもの
第1部 勝者と敗者をめぐる謎
 第1章 一万三〇〇〇年前のスタートライン
 第2章 平和の民と戦う民との分かれ道
 第3章 スペイン人とインカ帝国の激突
第2部 食料生産にまつわる謎
 第4章 食料生産と征服戦争
 第5章 持てるものと持たざるものの歴史
 第6章 農耕を始めた人と始めなかった人
 第7章 毒のないアーモンドのつくり方
 第8章 リンゴのせいか、インディアンのせいか
 第9章 なぜシマウマは家畜にならなかったのか
 第10章 大地の広がる方向と住民の運命
第3部 銃・病原菌・鉄の謎
 第11章 家畜がくれた死の贈り物(ここまでが上巻、以降は下巻の内容)
 第12章 文字をつくった人と借りた人
 第13章 発明は必要の母である
 第14章 平等な社会から集権的な社会へ
第4部 世界に横たわる謎
 第15章 オーストラリアとニューギニアのミステリー
 第16章 中国はいかにして中国になったのか
 第17章 太平洋に広がっていった人びと
 第18章 旧世界と新世界の遭遇
 第19章 アフリカはいかにして黒人の世界になったか
エピローグ 科学としての人類史

■翻訳の補足
山形 浩生 「Jared Diamond "Guns, Germs and Steel" Further Readings を勝手に訳したぞ。」

■書評・言及
「人々の格差は、しょせんすべては初期条件のせいなのかしら。」
 (雑誌『CUT』書評2000 年9 月、評者:山形 浩生
◆ 銃と軍馬――16世紀にピサロ率いる168人のスペイン部隊が4万人に守られるインカ皇帝を戦闘の末に捕虜にできたのは、これらのためであった事実は知られている。なぜ、アメリカ先住民は銃という武器を発明できなかったのか?彼らが劣っていたからか?ならば、2つの人種の故郷が反対であったなら、アメリカ大陸からユーラシア大陸への侵攻というかたちになったのだろうか?
 否、と著者は言う。そして、その理由を98年度ピューリッツァー賞に輝いた本書で、最後の氷河期が終わった1万3000年前からの人類史をひもときながら説明する。はるか昔、同じような条件でスタートしたはずの人間が、今では一部の人種が圧倒的優位を誇っているのはなぜか。著者の答えは、地形や動植物相を含めた「環境」だ。
 たとえば、密林で狩猟・採集生活をしている人々は、そこで生きるための豊かな知恵をもっている。だが、これは外の世界では通用しない。他文明を征服できるような技術が発達する条件は定住生活にあるのだ。植物栽培や家畜の飼育で人口は増加し、余剰生産物が生まれる。その結果、役人や軍人、技術者といった専門職が発生し、情報を伝達するための文字も発達していく。つまり、ユーラシア大陸は栽培可能な植物、家畜化できる動物にもともと恵まれ、さらに、地形的にも、他文明の技術を取り入れて利用できる交易路も確保されていたというわけだ。また、家畜と接することで動物がもたらす伝染病に対する免疫力も発達していた。南北アメリカ、オーストラリア、アフリカと決定的に違っていたのは、まさにこれらの要因だった。本書のタイトルは、ヨーロッパ人が他民族と接触したときに「武器」になったものを表している。
 著者は進化生物学者でカリフォルニア大学ロサンゼルス校医学部教授。ニューギニアを中心とする長年のフィールドワークでも知られている。地球上で人間の進む道がかくも異なったのはなぜか、という壮大な謎を、生物学、言語学などの豊富な知識を駆使して説き明かす本書には、ただただ圧倒される。(評者:小林千枝子)


*作成:坂本 徳仁
UP:20080719
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