『精神治療薬体系／第1巻 向精神薬の歴史・基礎・臨床』
三浦 貞則 監修・上島 国利・村崎 光邦・八木 剛平 編 19960710 星和書店，288p.
■三浦 貞則 監修・上島 国利・村崎 光邦・八木 剛平 編 19960710 『精神治療薬体系／第1巻 向精神薬の歴史・基礎・臨床』，星和書店，288p. ISBN-10: 479110322X ISBN-13: 9784791103225 \4893 [amazon]／［kinokuniya］ ※ d07
■内容
■目次
精神治療薬体系の刊行にあたって………三浦 貞則
I 向精神薬の歴史………八木 剛平
1. 草根木皮の時代（有史前から18世紀まで）
2. 抽出・合成の時代（19世紀から20世紀前半まで）
3. 精神治療薬の出現（1950年代）
3.1 抗精神病薬（神経遮断薬）の出現
3.2 その他の精神治療薬の発見・再発見
3.3 薬物療法時代の開幕と現代精神薬理学の誕生
4. 精神治療薬の改良と多様化（1960年代以降）
4.1 分裂病治療薬
4.2 うつ病の治療薬
4.3 神経症の治療薬
4.4 躁うつ病の治療薬（気分安定薬）
4.5 現在の精神治療薬の問題点
文献
II 向精神薬の分類………石郷岡 純
1. 向精神薬の概念
2. 分類の歴史
3. 向精神薬の命名について
4. 現在の向精神薬の分類
文献
III 向精神薬の薬理・生化学的特徴と作用機序
抗精神治療薬………渡辺 雅幸
1. はじめに
2. 歴史的背景
3. DA受容体の発見
3.1 DA刺激性アデニレートシクラーゼと3H-ブチロフェノン結合部位の発見
3.2 DA受容体の分類（D1とD2の２大別）
4. 受容体結合実験に関する最近の知見
4.1 D1，D2両受容体のイオンならびにグアニンヌクレオチドによる調節
4.2 DA受容体と三複合体モデル（ternary complex model）
4.3 D2受容体といわゆるレシプローカルモデル（reciprocal model）について
4.4 DA受容体の分類
5. DA受容体と生理的機能
5.1 下垂体のD2受容体と生理的機能
5.2 脳のD2受容体と生理的機能
5.3 脳内D1受容体
6. ドパミンと行動
6.1 抗精神病薬とDA作動性行動
6.2 DA作動性行動とシナプス前部ならびにシナプス後部D2受容体
6.3 D1受容体と行動
7. 抗精神病薬の副作用と受容体
8. 精神分裂病とDA受容体異常
文献
付：抗精神病薬・最近の進展………渡辺 雅幸
1. はじめに
2. ドパミン受容体の分子生物学的研究
3. PET（positron emission tomography）による分裂病脳の研究
4. 非定型抗精神病薬について
文献
付：抗精神病薬 その２………渡辺 雅幸
抗うつ薬と抗躁薬………神庭 重信
1. はじめに
2. 主な中枢神経系の神経化学
2.1 カテコールアミン作動性神経
2.2 セロトニン作動性神経
2.3 アセチルコリン作動性神経
3. 抗うつ薬の薬理作用とうつ病の生化学的仮説
3.1 抗うつ薬の急性期効果
3.2 抗うつ薬の慢性期効果：中枢神経系に起こる適応性変化
4. Lithium：薬理生化学的特徴
4.1 Li＋と糖代謝およびアミノ酸代謝
4.2 Li＋とモノアミン神経系
4.3 Li＋とセカンドメッセンジャー
5. Carbamazepine：薬理生化学的物質
文献
抗不安薬………澤 温
1. 抗不安薬の種類と歴史
1.1 古典的なあるいは第二選択の抗不安薬
1.2 ベンゾジアゼピン系抗不安薬
1.3 非ベンゾジアゼピン系抗不安薬
2. ベンゾジアゼピン系抗不安薬
2.1 ベンゾジアゼピンの発見
2.2 ベンゾジアゼピン系抗不安薬の化学構造による特徴
3. ベンゾジアゼピン系抗不安薬の行動薬理学的特徴
3.1 オープンフィールドにおける行動に対する作用
3.2 条件行動に対する作用
3.3 馴化作用
3.4 筋弛緩作用
3.5 抗けいれん作用
3.6 催眠，鎮静作用
4. 抗不安薬の薬物動態
4.1 吸収
4.2 蛋白結合
4.3 臓器分布
4.4 代謝と排泄
5. ベンゾジアゼピンの作用機転
5.1 GABA受容体の発見
5.2 ベンゾジアゼピン受容体の発見
5.3 GABA受容体とベンゾジアゼピン受容体との関係
5.4 内因性リガンドの探求
6. おわりに
文献
IV 向精神薬の体内動態………石郷岡 純，竹内 尚子
1. 向精神薬TDMの臨床的意義
2. TDMのための基礎事項
2.1 コンパートメントモデル理論
2.2 コンパートメントモデル理論（追補）
2.3 測定法
3. 向精神薬のTDM
3.1 抗精神病薬
3.2 抗うつ薬
3.3 ベンゾジアゼピン系物質
3.4 抗てんかん薬
3.5 Lithium
4. おわりに
文献
V 向精神薬の臨床評価………八木 剛平，稲田 俊也
1. 臨床試験の定義・目的・意義
2. 臨床評価の歴史と方法
2.1 20世紀前半までの諸問題
2.2 臨床評価の方法論
3. 臨床試験の倫理的および科学的な基準
3.1 日本における臨床試験の歴史
3.2 第I相から第III相まで（GCP）
3.3 第IV相（GPMSP）
文献
VI 向精神薬療法の特性………上島 国利
1. はじめに
2. 精神科薬物療法の特性
2.1 受診動機の欠如
2.2 誤った疾病観
2.3 向精神薬に対する過剰な警戒心，恐怖心
2.4 プラセボ効果が高い
3. プラセボ効果
4. 向精神薬自体の持つ特性
4.1 比較的安全な薬物だが、副作用も出やすい
4.2 服用しても快感が得られない
4.3 薬用量と中毒量の差が大きい
4.4 服用が長期にわたる
5. 向精神薬療法と精神療法
6. 薬物療法に影響する治療者側の要因
7. 薬物療法に影響する患者側の要因
8. 医師患者関係
8.1 精神神経科受診時の患者心理
8.2 医師の倫理
9. 精神科薬物療法におけるインフォームド・コンセント
9.1 医師の説明について
9.2 患者の同意能力について
9.3 わが国におけるインフォームド・コンセントの実践について
10. ドラッグ・コンプライアンス drug
compliance
10.1 ドラッグ・コンプライアンスに影響を与える諸要因
11. おわりに
文献
索引
■引用
■書評・紹介
■言及
＊作成：角田 あさな