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Rosanvallon, Pierre 1995 La nouvelle question social: Repenser l’État-providence, Seuil. =20060520,北垣徹訳『連帯の新たなる哲学――福祉国家再考』,勁草書房,264p. ■Rosanvallon, Pierre 1995 La nouvelle question social: Repenser l’État-providence, Seuil. =20060520,北垣徹訳『連帯の新たなる哲学――福祉国家再考』,勁草書房,264p. ISBN-10: 4326653094 ISBN-13: 978-4326653096 3465 [amazon] ■著者/訳者紹介(訳書奥付より) [著者] Pierre, Rosanvallon 1948− ブロワ生まれ。主な著作に『ユートピア的資本主義―市場思想から見た近代』(1979)『福祉国家の危機』(1981)『ギゾーのモーメント』 (1985)『市民の聖別―フランスにおける普通選挙の歴史』(1992)『どこにもいない人民―フランスにおける代表制の歴史』(1998)『未完の民 主制―フランスにおける主権の歴史』(2000)『フランスの政治モデル―1789から今日に至るまでのジャコバン主義に抗する市民社会』(2004)な ど [訳者] 北垣徹 1967年、兵庫県生まれ。1995年、京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。現在、西南学院大学文学部助教授。論文「新たな社会契約―フラ ンス第三共和制期における福祉国家の哲学的基礎」(『ソシオロジ』123号、1995年)「道徳の共和国―ジュール・バルニと新カント派の政治思想」 (『人文学報』81号、1998年)「道徳の在処を求めて―19世紀フランス社会思想の探求」(『西南学院大学フランス語フランス文学論集』46号、 2005年)他。訳書F.K.リンガー『知の歴史社会学―フランスとドイツにおける教養1980~1920』(共訳、名古屋大学出版会、1996年)M. ゴーシェ『代表制の政治哲学』(共訳、みすず書房、2000年)他。 ■内容 (「BOOK」データベースより) 搾取ではなく排除こそ問題だ。危機に瀕した「国民の連帯」を再創造するため、社会契約の原理にまで遡って民主主義を考える。 (「MARC」データベースより) 搾取ではなく排除こそ問題だ。排除という新たな現象は、搾取というかつての範疇には収まらない。危機に瀕した「国民の連帯」を再創造するため、社会契約の 原理にまで遡って、民主主義を考える。 ■目次 日本語版への序文 序論 新たなる社会問題 第一部 連帯を基礎づけ直す 第一章 保健社会の衰退 第二章 国民の再創造 第三章 連帯への新たなる道 第二部 権利について再考する 第四章 受動的福祉国家の限界 第五章 労働への権利 ある問題の歴史 第六章 社会への参入 第七章 社会的なものの個人化 結論 社会進歩について再考する 訳者あとがき 索引 ■引用 *〔 〕による補足は引用者=安部 「社会問題」―十九世紀末に用いられるようになったこの表現は、当初は生まれたばかりの産業社会が抱える機能不全を意味していた。その後、経済成長の恩 恵を受け、また社会闘争によって得た成果により、当時のプロレタリアの生活条件は根底から変わっていく。福祉国家の発達はほぼ、過日の社会不安を拭いさ り、明日への恐れをうち消すまでに至った。「栄光の三十年」の終わりを迎えた1970年代末頃には、社会が必要から解放され、個人は生存のリスクから保護 されるというユートピアが、手の届くところにあるようにみえた。逆に1980年代初頭からは、失業の増加と新たな形態の貧困によって、われわれははるか後 方に連れ戻されるかのように思われた。しかし同時に、たんに過去の問題へと回帰していくのではないのだということも分かってくる。排除という新たな現象 は、搾取というかつての範疇には収まらない。かくして新たな社会問題が現出したのである。その形態と解決のための条件を探ることが、本書の目的である。 (: 1-2) 新たな社会問題が現出したということは、社会的なものの管理にかかわるかつての方法が、もはや時代に適合しなくなったということだ。1970年代以来指 摘されてきた福祉国家の危機が、性質を変えてきたという事実も、そのことを証言している。1990年代初頭以来、危機は新たな段階に入った。たえず制度を 圧迫してきた悩ましき財政問題や機能不全を越えて、連帯を組織するための原理や社会権の概念そのものが再検討されるようになる。今や問題は哲学的次元にあ るのだ。/こうした新たな事態の流れを理解するために、三つの局面を区別することができよう。この三つはまた、福祉国家の領域における三段階を構成する。 最初の二つは、財政的次元そしてイデオロギー的次元のものである。私は『福祉国家の危機』という以前の著作で、この原因について分析している。財政危機は 1970年代に始まった。実際この時期から、社会保障にかかわる歳出とりわけ医療費は、以前と同じ伸び率、つまり一年ごとに7〜8パーセントで増加して いったのにたいし、歳入の方は1974年以来減速した経済成長に合わせて、もはや1〜3パーセントしか増えなかった。こうした歳入と歳出の開きは、義務徴 収(租税+社会保険料)をいたるところで急激に増加させることで埋め合わされた。義務徴収の額は、「栄光の三十年」のあいだは実際上安定していたのにたい し、たとえば1975年から1985年のあいだには、対国内総生産で35パーセントから45パーセントへと跳ね上がる。イデオロギーの危機が浮上してくる のは、とりわけ1980年代だ。これは、福祉国家よりも企業的共同体の方が、社会の諸問題を効率的に管理できるのではないかという疑念のあらわれである。 またこの危機は、ますます不透明で官僚的になる制度機構を再検討する動きにも対応していた。そのような制度機構によって目的が見えにくくなり、正統性が危 機に瀕していたのである。(: 2-3) *作成:安部彰 UP:20080108 ◇連帯 ◇本 |