last update:20210204
■論文
◆斉藤環・村上靖彦,2016,「オープンダイアローグがひらく新しい生のプラットフォーム(特集:精神医療の新時代)」『現代思想』44(17),28-58.
p. 32
【斎藤】「ACT(Assertive Community Treatment ; 包括的地域生活支援プログラム)」チームが全国20ヶ所くらいで活動を始めています。これはコミュニティケアの本来のあるべき姿に近く、厚労省もそちらに移行したいわけですが、24時間体制アウトリーチで支えるというあたりが壁になるのか、いまひとつ普及していません。〔中略〕ただ、ACTと「オープンダイアローグ(Open Dialogue)」の相性が意外といいことがだんだんわかってきましたので、これが組み合わされれば急性期患者も慢性期患者も地域で対応できるかもしれないという希望が少し見えてきています。〔中略〕ただ、ACTを広げるということは必然的に病床数を減らすということになってしまいますので、精神科病院が積極的に取り組みにくいという構図があります。〔中略〕何しろACTはまだお金になりませんから。積極的に導入するためのインセンティブに乏しいところがあります。オープンダイアローグが保険診療を認められてそれなりに労働に見合った報酬が得られれば、状況は多少変わってくるかもしれませんが。
*作成:伊東香純