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中條 大輔

なかじょう だいすけ


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last update:20210220


■論文

◆中條大輔,2016,「日本の精神保健福祉施策の展開とリカバリーに関する一考察」『鹿児島国際大学大学院学術論集』8:19-33.
pp. 30-31
日本における精神保健福祉の歴史を概観した際、その歴史に(精神障害者の)主体性が長い間存在しなかったことが、ユーザーのリカバリーを阻害していた最大の要因であると言える。〔中略〕国家の統治性が高まるにつれ、ユーザーを含む多くの弱者とされた人々は、フーコーの指摘した国家による「生権力」により人間を一個人ではなく集合体として管理、統治され、特にユーザーにおいては、その個別性は失われ、精神障害者=隔離の対象という図式で社会から管理され続けた。〔中略〕日本の近代における隔離主義、現代における社会保障を含む弱者政策としての国家の介入が、個人の権利の侵害を生み出すという矛盾と(p.30)その再構築の流れの中で、国家の介入と個人の権利というバランスという点において、近代から現代に至るまでのユーザーへの施策とその思想的背景は、日本という国家が陥りやすい傾向の一端と、その権力性を映し出しているのではなかろうか。(p.31)

p. 31
精神保健福祉法への改正、障害者基本法改正、障害者自立支援法制定、その総合支援法への改正など、制度面における充実が進む中、2000年代に入り、日本にようやくリカバリーという思想が定着する時期を迎える。日本においては、ベてるの家における「『非』援助論」(浦河べてるの家 2002)やJHC板橋における「相互支援システムによる街づくり展開」(寺谷 2008: 134-200)など、その思想に基づく先進的な取り組みは点在していたものの、その当時はこれほどにリカバリーが声高に言われる状況にはなかったことを鑑みると、2000年代以降のリカバリーという思想の取り扱いとその思想に基づく活動の在り方には目を見張るものがあろう。




*作成:伊東香純
UP:20210220 REV:
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