last update:20210204
中部学院大学 社会福祉学科
■論文
◆加藤大輔,2017,「クラブハウスメンバーが評価している国際基準と支援について――クラブハウス実態調査を通して」中部学院大学・中部学院大学短期大学部『研究紀要』18:141−146.
p. 141
本研究は、2015年に日本クラブハウス連合に加盟している5 ヶ所のクラブハウスに対して行った実態調査のうち、「障害者総合支援法の枠組みの中でクラブハウスを実践し続ける理由」において、クラブハウスの利用者(メンバー)から挙げられた自由記述に着目し、それらの内容と国際基準との関連について考察した。自由記述の内容と国際基準との関連では、「日中活動(Work-ordered Day)」の区分に含まれる、「国際基準15(横並びの関係とストレングスの視点)」、「国際基準18(意味のある仕事と人間関係の形成)」、「国際基準19(自尊心の回復と主体性の尊重)」との関連が多くみられた。調査結果から、メンバーはクラブハウスの日中活動に関する国際基準を評価しており、実践を通して形成されるメンバー同士のつながり、またメンバーとスタッフの関係性を意識していることが明らかになった。
■科研費
◆加藤大輔,2017,「精神障害者リハビリテーションとしてのクラブハウスモデルに関する日韓中の比較研究」科学研究費助成事業 研究成果報告書(若手研究B).[外部サイト]
p. 1
クラブハウスモデルは「国際基準」といった明確な枠組みがあるからこそ、国や地域が異なったとしても、一定の質や方向性を維持することが可能となる。(But クラブハウスモデルとしては一定の質を保てても、結果を出しているのは韓国)
p. 2
日韓のクラブハウスを取り巻く共通点や相違点の背景には、社会的、文化的なものが影響し、精神科医療や精神保健福祉制度とも深く関与していることは理解できたが、具体的な要因については明らかにすることができなかった。本研究では、日本、韓国、中国の3ヶ国におけるクラブハウスモデルに焦点を当てながら、精神障害リハビリテーションや地域精神保健福祉のあり方、今後のわが国における実践モデルを提案する。
p. 2
ソウル市で活動している4ヶ所のクラブハウスに焦点をあて、ヒアリングを行った。ヒアリング調査は施設長に対して行ったが、クラブハウスのメンバーやスタッフにも可能な限り、同席してもらい、それぞれの立場からの意見を求めた。(同席では、それぞれの立場から本質的な発言がなされにくいのでは?)
p. 3
メンバーとスタッフがクラブハウスモデルをより理解するために、国際基準の学習会を定期的に開催するなど、共に学び合う関係や環境づくりを意識的に設定していた。これは、メンバーの主体性の回復や権利擁護の意識向上につながっていると考えられる。(当事者側の意見を聴いていないので、本当にそうかどうかはわからない)。近年、ソウル市からメンバーがクラブハウスを利用することに伴っての変化や成長といった客観的な評価(エビデンス)を示す必要がある、といった指示が出始めている。
pp. 3-5
クラブハウスモデルの理念と障害者総合支援法が目指すべき方向性の整合性が図れず、クラブハウスが有する、包括的・柔軟的・総合的な取り組みを実践することが困難な状況になっていることが明らかになった(p.3)。(それでも)「障害者総合支援法の枠組みの中でクラブハウスを実践し続ける理由」において挙げられた自由記述に着目し、それらの内容と国際基準との関連について考察した。その結果、メンバーは日中に行う活動に関する国際基準を評価しており、実践を通して形成されるメンバー同士のつながり、またメンバーとスタッフの関係性を意識していることが明らかになった(p.4)。日本では障害者総合支援法で規定された事業体系とクラブハウスモデルの理念の隔たりが生じているため、運営や活動が閉塞的な状況に陥りつつある(p.5)
*作成:伊東香純