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橋本 理

はしもと さとる


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last update:20210212


■論文

◆橋本理,2017,「韓国における社会的経済組織の最近の動向――社会的協同組合と社会的企業の事例を中心に」『関西大学社会学部紀要』49(1):33-61
p. 33
本稿は、韓国における社会的経済組織の最近の動向を紹介する。第一に、韓国の社会的経済組織をめぐる制度的背景について説明する。第二に、社会的経済組織について事例をあげて紹介する。まず、介護サービスを供給する協同組合の現状を示す。次に社会的企業について、事業組織を支援する中間支援組織の取り組みについて触れるとともに、認証社会的企業の事例をとりあげてその現状を示す。

p. 34
筆者はこれまでに自活共同体や・・・の動向について扱ったことがあるが、それらや先行研究を踏まえて、韓国の社会的経済組織の最近の動向を事例によって説明し、社会的経済組織の現状や課題の一端を示す。本稿が扱う事例は、韓国の社会的経済組織のなかのごくわずかなものに限られているが、活動の具体的な様子や問題点を明らかにすることに努める。韓国の社会的経済組織について歴史的な背景や法律・制度・支援体制等を説明した文献は日本でもみられるようになってきたが、本稿はそれらを踏まえながら、現場の状況を具体的に記すことによって、韓国の社会的経済組織の動向を知るうえでの一助となることを目指している。

p. 35
社会的企業は2007年の社会的企業育成法によって制度化された。

p. 36
社会的経済組織の新たな制度化の動きとしては、2012年に成立した協同組合基本法があげられる。―中略―協同組合基本法のもとでは5人以上の参加者が集まれば自由に協同組合が設立できるようになったほか、一般の協同組合とは別に社会的協同組合という形態が制度化された。―中略―自活企業、社会的企業、協同組合、マウル企業の4つの組織類型は、社会的経済に関わる活動を担う社会的経済組織として捉えられ、政策的に育成・支援の対象とされるようになっている(福沢,2017:9)

pp. 52, 54
認証社会的企業:会社代表のシンバダさんの個人史とのかかわりから、 株式会社ZARI(カフェ4店舗、オープンキッチン)について説明する(p.52)。シンさんは自分がシングルマザーの子供であり、非行少年でもあったので、彼ら彼女らの仕事の場をつくることを社会的ミッションとして定めた(p.54)。

p. 60
社会的ミッションを達成しつつ事業活動を軌道にのせるには、育成・支援策の活用が欠かせない。社会的ミッションを実現するという強い意思、ビジネス感覚、制度を活用する能力のいずれもが社会的企業の代表には必要とされている。なお、  韓国の社会的経済組織をみるうえでは、自治体による育成・支援策も見逃すことができない。2011年に誕生したソウル市長のパクウォンスン(朴元淳)は市長就任以前に社会的経済に関わる事業をたちあげてきた経歴もあり、社会的経済組織を支援する施策を積極的に展開しており、韓国の社会的経済分野の諸活動を推進するうえで重要な役割を果たしている。韓国ではマウルづくり(地域づくり)の意義が説かれるようになっており、自治体独自の社会的経済組織の育成・支援政策が果たす役割について検討することも今後ますます重要性が高まるであろう。




*作成:伊東香純
UP:20210212 REV:
精神障害/精神医療 障害者と労働  ◇障害学  ◇WHO
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