青竹 豊
あおたけ ゆたか
last update:20210212
■論文
◆青竹豊,2019,「社会的経済と協同組合の可能性」『Japan Co-operative Alliance 研究レポート』No.7:1-11.
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「グローバル社会経済フォーラム(GSEF)2018」では、協同組合など社会的経済が地域においてSDGsに貢献することを確認。SDGsとは、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称。2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016〜2030年までの国際目標。そこで、「地球上の誰一人として取り残さない(Leave no one behind)ことを誓っている。協同組合は社会的(連帯)経済の有力な一員とされるが、共益性と公益性などの観点から議論が必要である。ワーカーズコープはわが国において社会的(連帯)経済として活躍し、福祉をはじめ、社会的弱者の就労や生活を支援する分野、近年では農福連携なども進めており、その法制度整備が期待される。
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「GSEF大会は、韓国ソウル市で始まり(2013年)、今回で4回目を迎えた。GSEFは自治体と市民との連携を重要なテーマとしており、今大会には84カ国から、社会的経済に関わる非政府組織(協同組合、社会的企業や事業体、市民組織、国際NGPなど)、研究者など1700人が集まった。大会では、「一人ひとりが主人公、誰も置き去りにしない経済が目標」(ビルバオ市長)、「富が平等に配分されるよう、協同組合をはじめ社会的経済を強化していく必要がある」(国際協同組合同盟会会長)などの発言があり、分科会も含め、各国における社会的経済の取り組みの報告やそれへの期待が語られた。※ビルバオ市周辺にある失業者や障がい者を雇用する事業体や労働協同組合を視察。
p. 5, 6, 8
協同組合のなかでもワーカーズコープは社会的(連帯)経済の性格を強く有している。ワーカーズコープは組合員が出資し、経営に参加しつつ労働する(事業を運営する)という協同組合である。日本労働者協同組合連合会(労協連)はそうした労働のあり方を「協同労働」と表現する。実施している事業は後述するが、社会経済の変化に応じて多岐に広がっており、失業や疾病、障害などさまざまな理由で就労困難な人が組合員となって、地域において自ら仕事(事業)を起こすことを目指している(p.5)。ワーカーズコープ運動に取り組み始めたばかりの中西五洲さんの講演を聞く機会があった。「雇われ根性を捨て協同組合をつくって自分たちで仕事を起こしていく」ということを熱く語られた(p.6)。ワーカーズコープの基本は「協同労働」にあり、自らが主体的に参加する、自分らしく働いたり参加することで相互に成長していく、働くことや参加を通じて地域に関わっていくというところに特徴がある(p.8)。―中略―しかしながら、今もなお、ワーカーズコープはその根拠法を持たず、多くはNPOや企業組合として活動している。2017年以降、超党派の「協同組合振興研究議員連盟」や与党法制化ワーキングチームにおいて法制化に向けた取り組みが進んでいる(p.8)。
*作成:伊東香純