この本はまず実用的な本で、そして正統な社会科学の本だ・5
「身体の現代」計画補足・544
立岩 真也 2018/11/
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■仲尾 謙二 20180930 『自動車 カーシェアリングと自動運転という未来――脱自動車保有・脱運転免許のシステムへ』,生活書院,300p. ISBN-10: 4865000860 ISBN-13: 978-4865000863 3000+ [amazon]/[kinokuniya]
本センター客員研究員の仲尾謙二さんの本『自動車 カーシェアリングと自動運転という未来――脱自動車保有・脱運転免許のシステムへ』が刊行された。この本のもとになった博士論文の主査(大学院における主担当)を務めた私は、この本に「この本はまず実用的な本で、そして正統な社会科学の本だ」という短文を書かせてもらっている。この本がたくさん売れてほしいので、それを何回かに分けてここで掲載していく。
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自動運転になると使いすぎる可能性がある、ではどうするかという議論(二四四頁から)もおもしろかった。たしかに増えるかもしれず、それでは困ることがあるかもしれない。そうかもしれず、こういうことも考えておく必要があるということだ。
それでどうするか。自家用車にしないこと(二四六頁)、使用について優先順位をつけること(二四七頁)という案が出される。車はたくさんいない方がよいという条件をよしとすると、いまの状況では移動が困難である人を優先するというのは、正当性を得られるはずだ。それはたんに必要度のより大きな人を優先するということではないと私は思う。移動のために、原理的・現実的に可能な手立てがあり、他の人たちがそれを実現できているのに、できない人がいるなら、その移動は実現されることが望ましい、ではなく、実現されるべき、なのだと言えるということだ。
しかしそれにしても田舎はどうなるのだろうとは思う。その人たちは白い軽トラックをサンダルのように使っていて、方向指示器を出さずに曲がり、たいがい低速なので、そう危険はないのだが、突然止まる。そういうふうに生きている。駐車場のための場所には困らないし、自動車に金をかけているわけではない。あるいは他にかけるものがない。家と家の間が離れていることもある。カーシェアリングはよいが、そして大きな都市というのでなくても実現可能性があることは本書で示されている通りだが、本格的な田舎ではやはりあまり現実的でないように思える。
ただ、本書が教えているのは、いろいろと考えてみたらよいということだ。私が十八までいた佐渡島の路線バスといったものは、[…]
生存学研究センターのフェイスブックにあるこの文章と同じものは
http://www.arsvi.com/ts/20182544.htm
にもある。