「金野大の本業は公務員だが、所謂医療的ケアを必要とする子がおり…」という、『生存学の企て――障老病異と共に暮らす世界へ』
http://www.arsvi.com/b2010/1603rcav.htm
補章の「3穴があいているので埋める・塊を作る」より「ケア場」の5。
金野大のページは
http://www.arsvi.com/w/kh21.htm
で、そこから金野の論文を読める。
所謂「医療的ケア」については
http://www.arsvi.com/d/a02m.htm
また、杉本健郎医師へのインタビューが掲載されている『現代思想』は
http://www.arsvi.com/m/gs201003.htm
まだ買えるようだ。そしてフェイスブック上のこの文章と同じ文章が
http://www.arsvi.com/ts/20162185.htm
「■3 穴があいているので埋める・塊を作る
■ケア場
[…]
なぜないのか、どうすればあるようになるのか。また、あるにはあるものがなぜ届かないのか、知らされないのか。金野大の本業は公務員だが、所謂医療的ケアを必要とする子がおり、そんなこともあって、そうした子たちが在宅で暮らせるための条件について調べようと研究を始めた。子が退院する時から何か役立つことを聞いたという記憶がなく、病院経由では使えるものもたいしてなく、それ以前に使えるものについて知ることも難しいことを感じて暮らしてきた。NICU(新生児集中治療管理室)からの早期離床、病院からの早期退院という方針は既定のものになりつつ、その後のことはほぼ気にかけられないということになった要因を探ろうと、まず、NICUが一杯でたらいまわしにされた妊婦が亡くなってしまったという事件(2008年)の後に立ち上げられた国の会議で何が問題とされたか(されなかったのか)を調べて論文にした(金野[2015])。
とりわけ子どものことは、法律的にも面倒な複雑なことになっている。子ども用の法律(児童福祉法)が基本とされるとともに、医療が関わり福祉が関わり、家庭が関わり、施設や保育園や学校が関わって、その全体を把握し説明できる人はほとんどいないといった状態だ。それを集めて整理して知らせるのは研究者の義務ではないと思う。しかし他でなされていない。仕方がないから、人と時間をかけて集めていく必要がある。