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感想

立岩 真也 19980321 於:京都・けいはんなプラザ
科学技術と社会に関する国際会議「科学と社会の技術化」公開シンポジウム
「遺伝子治療を考える市民の会議からの報告」に対して


 時間がないので,(コンセンサス会議※という方法についてのコメントではなく)
今回出された報告に限っての,ごく短い感想に限らせていただく。
 二つあります。

 ※やり方についての感想はかなり米本さんと共通している。

◆ 第一に,ある治療を認めるかどうかという決定にせよ,ある個別の治療を行な
うかどうかという決定にせよ,その決定をするのは少なくとも研究者ではないとい
うこと。このことは報告の中で基本的には指摘されている。(論点1・2・4・5)
 その理由はいくつかある。
 一つに,この技術が,人の生死,人が生ていくそのありようにかかわっているの
であり,そして,その人とは私達のことだということ。技術の利用者,消費者とし
ても,それを使うかどうかを決めるのは,私達である。
 一つに,研究者は,当然のことであるが,技術の開発・応用を推進しようと考え
ている。だから,そういう志向をもっている人達だけに決定をまかせることはでき
ない。
 (他に,こうした研究においては,研究者達は自分のお金で研究を行っているの
ではない,かなりの部分が税金によってまかなわれているということもあるかもし
れない。)
 そこで,どのような社会的決定の方法がよいのか。また決定の前提として,どの
ような知識の伝達の方法がよいのか。インフォームド・コンセント等については相
当具体的な指摘もなされているが,まだまだ具体的に考えていかないとならない部
分はたくさんある。こうしたスタイルの会議をそこにどう組み入れていくか,ある
いはどのような会議にしていくのかということもこれらの検討課題に含まれる。

 cf.論点2−3&4(&6)
  情報伝達のルート
  情報提供の仕方(理解可能な方法で…5−1−(2))
  決定のシステム
 3:「研究者だけではない広い多面的な評価で補う必要がある」
 4:「技術の安全性を評価する第三者的な機能が必要がある」
 6:「広範囲にわたる情報の収集と開示が必要である。」

◆ 第二に,いくつかのポイントについて積み残しになった(論点3)。少なくと
も「コンセンサス」に達していない。それは,遺伝子治療が他の治療よりも考える
べき倫理的・社会的問題が多い,大きいとすればそれはなぜか。具体的には例えば
「生殖細胞」の遺伝子治療を認めるのか認めないのか,通常言われる意味での病の
治療以上のことができるとしたらそれを行なってよいのかそれともよくないのか。
その答がいずれであっても,その根拠は何なのか。こういった点である。
 しかし,積み残しになったことは当然のことであるとも私は考える。「専門家」
においても,明確なかたちで論じつくされてはいないのだということは私も第2回
の会合で述べた。報告では論点3「「曖昧な」不安も重要である」という文書にな
っている。
 少なくともその漠然としたものがなんであるのかがはっきりとわかり,確かに氷
解した時にはじめて,それは杞憂であったとして退けることができるのであり,そ
れまで「漠然とした不安」は大切に持ち続け,それがいったいなんであるのかを考
え続ける必要があるのだと思う。この点を確認したことの意味はあったのだろうと
思う。

◆ 時間があったら:
 論点をはっきりさせる必要がある。時間がない。

……

cf.■市民パネラーからのコメント(の一部)

市民パネルの副島さん:論点2
 危険性がよくわからない。
 「多面的な評価」
 研究しているのは楽しそうだが それゆえに一面的…

笠井さん:論点3
 宗教的な問題 開発 特定の宗教的な意図:オウム心理教
 倫理的な問題 リスクに還元されない

……さん:論点4 具体的な
 女性の関心が高かった。

森田さん:少数意見
〇1について 成功例少ない 癌の場合は… 環境要素が重要 これらが看過され
       ていない
〇2について 危険性:野生化する
〇5について 理由 根拠を具体的に示す必要がある しかしそれが明らかになっ
       ていない。
〇少数意見を報告書を入れてほしい。

cf.■小林氏のまとめ(の一部)

 手続き論
 実質論
 「市民パネル」の代表性
 「専門家パネル」の役割
 私たちの役割
 遺作決定過程との関係〜「正統性」

cf.■専門家?コメント(の一部)

〇小澤(自治医科大学)
 米国:患者団体が勉強して…
〇米本昌平(三菱生化学研究所)
 賛否両論してよい
 ぐちゃぐちゃになってよい
 代案をまとめる
〇青野由利(毎日新聞)
 新鮮な部分とものたりない部分
〇田中紀章(岡山大学)
 インフォームド・コンセント だいぶ苦心したのに
 アリバイ作りという指摘 →ショック 意見を寄せてください
〇シェイラ・ジャザノフ
 2つ
 1:悪いコンセンサスもある
  理由:1早くしすぎる
    2表には現われなくても現実にはコンセンサスがない場合
    3すべての適切な当事者が入っていない可能性
    4状況の時間による変化
 2:手続き
  政治的側面 1回だけで終わらないか
  米国ではバイオテクノロジーについて25年間
  政府との関わり 民間の資金
  システムとして 政府がどうとらえるか おおやけの結果
〇ジョン・デュランド
  デンマークで始まったがそれぞれの国の文化に合うようにされている
  調整が行なわれている よく機能している
  1一般市民 不可欠
  2意見を表明する機会
  3意見が意志決定者にとりあげられること
  1〜2はよかった
  しかし3については起こったかどうかはわからてい あったらいい
  デンマークでだけ政策決定に影響を与えた

〇質問(柘植)
 「危険性」をどう考えるか
 「インフォームド・コンセント」意味が違う
 もっと当事者から聞いてほしい

〇質問
 被害者がはっきり特定できない問題
 どこに訴えていいかわからない

〇市民パネラーの人
 時間が少なかった
 固定的なものではない

〇遺伝子治療は総論賛成というものだと思う
 総論反対というようになる場合 可能か 反対者を入れることは大切
 ↓
 若松:是非がはっきりしない問題だけコンセンサス会議が成立する

〇村上陽一郎
 文化の中で変容していく  わるい方にいくかもしれない
 :IRBはその精神を発揮していない 専門家だけ
 アレンジされている会議?
 TA:生活に関係する ただ SA(科学アセスメント)の場合
 税を払う側に権利があるかどうか 追究してもらいたい



立岩 真也
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