last update: 20260324
■関連法令
◇障害者に関する法律関連(障害保健福祉研究情報システム)
https://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/law/archives.html
◇『障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(障害者総合支援法)』
(前身:『障害者自立支援法』、平成十七年法律第百二十三号)(2005年)(2013年に現行法へと改正)
https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000123
(目的)
第一条 この法律は、障害者基本法(昭和四十五年法律第八十四号)の基本的な理念にのっとり、身体障害者福祉法(昭和二十四年法律第二百八十三号)、知的障害者福祉法(昭和三十五年法律第三十七号)、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和二十五年法律第百二十三号)、児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)その他障害者及び障害児の福祉に関する法律と相まって、障害者及び障害児が基本的人権を享有する個人としての尊厳にふさわしい日常生活又は社会生活を営むことができるよう、必要な障害福祉サービスに係る給付、地域生活支援事業その他の支援を総合的に行い、もって障害者及び障害児の福祉の増進を図るとともに、障害の有無にかかわらず国民が相互に人格と個性を尊重し安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目的とする。
(基本理念)
第一条の二 障害者及び障害児が日常生活又は社会生活を営むための支援は、全ての国民が、障害の有無にかかわらず、等しく基本的人権を享有するかけがえのない個人として尊重されるものであるとの理念にのっとり、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するため、全ての障害者及び障害児が可能な限りその身近な場所において必要な日常生活又は社会生活を営むための支援を受けられることにより社会参加の機会が確保されること及びどこで誰と生活するかについての選択の機会が確保され、地域社会において他の人々と共生することを妨げられないこと並びに障害者及び障害児にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものの除去に資することを旨として、総合的かつ計画的に行わなければならない。
◇『介護保険法』(平成九年法律第百二十三号)(1997年)
https://laws.e-gov.go.jp/law/409AC0000000123
(目的)
第一条 この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする。
◇『介護保険法施行規則』(平成十一年厚生省令第三十六号)(1999年)
https://laws.e-gov.go.jp/law/411M50000100036
■関連ニュース・記事
【3月】◇2026/03/24 「筋ジス入所者死亡、看護師のミス認定 鳥取県「賠償前提に和解協議」」,『朝日新聞』(有料記事)
https://www.asahi.com/articles/ASV3R3RZYV3RPUUB006M.html?iref=pc_ss_date_article
報告書によると、昨年3月25日、難病の筋ジストロフィーで全身介助が必要な入所者を看護師2人が入浴させた後、高さ約70センチのストレッチャーから転落させ、左足を骨折させた。ストレッチャーをストッパーで固定していなかった。
[・・・中略・・・]
報告書は、入浴介助の専任者を配置することや、看護職員らの入浴介助業務に関する定期研修などを提言。転落事故後の医師らの対応を踏まえ、診療録の記載方法のルール化や、救急搬送先となる病院と事前に入所者の情報を共有したり、容体の変化などについて看護師が医師に相談する具体的な基準を明確にしたりすることを促した。
◇2026/03/23 「入浴介助集中できずと指摘 筋ジス入所者死亡、鳥取」,『共同通信』
https://www.47news.jp/14039989.html
鳥取県は23日、2025年3月に県立の障害児入所施設で難病「筋ジストロフィー」を患っていた14歳の入所者が入浴後の移動の際に転落、その後死亡した事故で調査委員会の検証結果を公表した。介助した看護師の1人が他病棟の業務を兼ね「職員が入浴介助に集中できる体制が確保されていなかった」と指摘した。
[・・・中略・・・]
報告書によると、事故は「県立総合療育センター」(同県米子市)で発生。入所者が看護師2人の介助で入浴後、ストレッチャーに移る際の操作ミスで転落し左脚を骨折。施設で療養していた翌日未明に心肺停止となり、搬送先の病院で死亡が確認された。
◇2026/03/22 「訪問介護経営難 人材確保と収益の安定化急げ」,『読売新聞』
https://www.yomiuri.co.jp/editorial/20260321-GYT1T00318/
民間の信用調査機関によると、昨年、倒産や廃業をした訪問介護の事業者は556社に上り、4年連続で最多を更新した。人手不足や、物価高騰による経営悪化が主な理由とみられている。
人手不足は介護事業者に限った話ではないが、一般企業では待遇改善によって人材を確保しようとしているのに対し、介護業界は、事業者に支払われる報酬が公定価格のため待遇を改善しにくい。
実際、2024年の介護職員の平均給与は、全産業の平均より約8万円低い月額30万円だった。
介護職は、入浴の介助など力仕事が多く、利用者の命を預かっている。そうした重い役割に待遇が見合っているとは言い難い。
政府は昨年、介護報酬を臨時に改定して介護職員の給与を増額する方針を決めたが、来年度の引き上げ額は月最大2万円弱にとどまる。一層の待遇改善が急務だ。
現在、訪問介護の利用者数は110万人程度で増加傾向にある。一方、介護業界全体では、40年度に約57万人の介護人材が不足すると推計されている。
[・・・中略・・・]
政府は、過疎地に限り、利用回数や時間に関係なく、利用者数などに応じて報酬を支払う「定額制」の導入を検討している。職員の移動時間なども考慮し、安定した収入を得られるようにすべきだ。
◇2026/03/20 「両親が亡くなった重症心身障害の双子姉妹 自宅が障害者グループホームに(神奈川)」,『福祉新聞』
https://fukushishimbun.com/series06/44795
重症心身障害のある双子の姉妹(24、神奈川県小田原市)が施設暮らしを経て市内の自宅に戻った。
[・・・中略・・・]
寺島歩さん(姉)と和さん(妹)はいずれも車いすを使う重度障害者。2020年7月、一緒に暮らしていた母が急逝した。父はすでに他界しており、2人は別々の施設で暮らすことになった。
母方の叔父は2人が自宅での暮らしを望んでいることを踏まえ、改装してGHにすることを決断。2人の後見人となって運営先を探し、22年4月に、おだわら虹の会が事業所指定を受けた。
歩さんがGHに入居したのは23年8月。重症心身障害児(者)施設太陽の門福祉医療センター(小田原市)で暮らす和さんは受け入れ体制を整えるのに時間がかかり、25年10月に入居した。
現在、姉妹は平日の昼間はそれぞれ別の生活介護事業所に通い、平日の朝夕と土日はヘルパーさんに来てもらう。音楽とおしゃべりが大好きな2人は近くのショッピングセンターで買い物するのが楽しみだ。
◇2026/03/18 「介護で子に負担かけたくない? 親世代の8割が同居望まず」,『毎日新聞』
https://mainichi.jp/articles/20260318/k00/00m/100/149000c
介護のために同居したくないと考える30~40代の子世代は6割なのに対し、50代以上の親世代は8割が同居を望んでいないとの結果が民間企業の調査で明らかになった。子に介護の負担をかけたくないと考える親世代が多いという。
調査は3月初旬、老人ホームや介護施設の検索サイト「ライフル介護」を運営するライフルシニアが実施。親と子で同居していない計1081人(親世代536人、子世代545人)を対象にインターネットで同居に関する意向を尋ねた。
[・・・中略・・・]
ライフルシニアによると、同居介護には体調の変化に気付きやすい一方で、介護と育児が重なる「ダブルケア」で負担が増える場合がある。別居は遠方だと交通費の負担が大きい半面、訪問介護などのサービスが組み合わせやすい良さもあるという。
◇2026/03/17 「人手不足に低賃金… 苦境の介護現場伝える映画へ 83歳監督がCF」,『毎日新聞』
https://mainichi.jp/articles/20260316/k00/00m/100/166000c
介護をテーマに映画を作り続けている東京都内在住の映画監督、宮崎信恵さん(83)が、介護の現状に迫った新作「住み慣れたところで安心して暮らしたい ホームヘルパーのいる風景(仮題)」を制作、クラウドファンディング(CF)で制作資金を募っている。2040年には65歳以上の人口が35%になると推計される状況を前に、人手不足や低賃金などで介護の現場から上がる“悲鳴”に正面から向き合った作品だ。
[・・・中略・・・]
今回の作品では、約1年半にわたり、都内や新潟県村上市、上越市、鹿児島県など全国10カ所を超える介護の現場を取材した。現場では経営難から介護事業所の倒産、事業からの撤退も相次いでいた。取材を進める中で、当事者や研究者らが映画製作を支援する会を結成してくれた。今回CFで映画製作の支援を呼び掛け、完成を目指す。
[・・・中略・・・]
映画は90分、今年10月に公開予定。
◇2026/03/16 「介護にマッチョを! 介護施設で働くマッチョ介護士たち」,『毎日新聞』
https://mainichi.jp/articles/20260306/k00/00m/040/181000c
障害福祉事業などを手がけるビジョナリー(名古屋市中区、丹羽悠介社長)は、全国的にも珍しいボディービル実業団チームを持つ。選手たちは介護関連の仕事をしながらトレーニングを継続し、ボディービルの全国大会などで上位入賞を果たす実績を積んでいる。
介護職員340人の中で、現在は約20人がマッチョ介護士。さらにその中から、勤務態度や「周りの人から応援してもらえる人間性」などを考慮して選抜された7人のメンバーで、フィットネス実業団「7SEAS」は作られている。
仕事は6時間の介護などの業務と2時間の筋トレ。毎月2万円のプロテイン代や大会への出場費、交通費などの特殊雇用手当も支給される。
[・・・中略・・・]
仕事がきつい印象の介護業界で、かっこいい人材が活躍すれば若い世代にも介護職に興味を持ってもらえるのではないか。そんなイメージの変革を目指して18年にチームは設立された。
そうした一翼を担ったマッチョ介護士の効果は如実に表れている。働き手の高齢化が問題となっている業界において、同社の平均年齢は30代前半と突出して若い。年齢のギャップが小さいことから、コミュニケーションが容易となり、相談もしやすい職場環境を作れているという。
また採用面では、導入以前は年間10人ほどの応募だったが、今年度は約1200人を見込むまでに増加。事業規模も拡大して、今後は高齢者介護に本格参入し、海外進出や運動を中心とした介護予防サービスの展開も視野に入れている。
◇2026/03/15 「社説:ホスピス型住宅 訪問看護不正防ぎ、質担保を」,『京都新聞』
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1676834
草津市など各地でホスピス型住宅を運営する大手上場企業に、国が調査に入った。医療保険は30分以上の滞在が原則なのに、数分しか滞在しない看護や、不要な訪問を繰り返していたとされる。
京都市右京区や大津市にパーキンソン病など難病患者向け有料ホームを設ける企業や、精神障害者への訪問看護でも同じ問題が指摘されている。 [・・・中略・・・]
政府が先月決めた診療報酬改定では、訪問看護事業者に対し、20分未満の訪問には報酬を払わないように改め、多人数への頻繁な訪問には報酬を減算するとした。有料ホームなどに隣接する訪問看護ステーションは出来高払いでなく、報酬をまとめて定額で払う「包括払い」も新設した。
厳しい目を訪問看護に注いだ見直しだ。介護保険分野や障害福祉サービスでも、全国展開する企業の系列で報酬の不正請求事例が多発している。一層の監査強化が求められよう。
◇2026/03/15 「介護職の処遇改善は基本給増が望ましい 厚労省が考え方や事務処理の文書案公表」,『福祉新聞』
https://fukushishimbun.com/series05/44766
26年度介護報酬改定では、介護職以外も含む介護従事者を対象に月1万円相当の賃上げを行う。さらに一定の要件を満たせば、介護職に7000円相当を追加する方針。定期昇給の2000円を含めると、介護職には最大で月1万9000円の賃上げが実現する。
◇2026/03/15 「グループホームで前例のない障害者の育児 区役所も巻き込んだ支援体制、生まれた自覚…「一番大事なのは」(連載③)」,『東京新聞』(有料記事)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/472537
施設内の子育ては法人としても前例がない。「育児放棄を心配した」という担当職員の山口博之さん(48)は行政に掛け合い、支援態勢を整えた。
娘が保育園に入るまで、保健師が週1回、法人の女性職員が週2回、GHの居室を訪問し、離乳食の作り方などを教えた。半年に1度は保育士やいっこさんを担当する相談員、区役所職員ら最大15人が参加して会議を開催。「時々、保育園に忘れ物がある」「お風呂は入れている」など、母娘の状況や課題を共有した。
[・・・中略・・・]
いっこさんは山口さんらに相談して意見が食い違うと、ママ友の話も聞いて落としどころを見つけた。2019年に亡くなった実父が残した「子どもを守るためにしんどい時はSOSを出せ」との言葉が胸にある。娘の小学校進学を機に会議は終了した。支援者らが、助けがあれば順調に子育てできると判断したからだ。
GHでの成功例を示せたが、山口さんは「他の多くの利用者も子育てするとなれば、実際には対応は難しい」と口にする。障害者総合支援法に基づく制度上、子育ては想定されておらず、人員の配置や費用を担保できないからだ。
◇2026/03/15 「「どうせ私を見捨てる」 世間が信じられない24歳を説き伏せた、グループホーム職員の決意と求めた覚悟(連載②)」,『東京新聞』(有料記事)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/472536
中学校では支援級に通ったが、通常級の生徒からいじめを受け、勉強も理解できず、不登校に。特別支援学校の高等部に進んでできた当時の交際相手からは暴力を受けた。「生きていても仕方ない」とリストカットを繰り返した。
卒業後、同法人のGHに入所したが生活は乱れ、異性や飲酒の関係で問題を度々起こした。職員から注意されては、ふてくされた。「どうせいつか私を見捨てるんだろう」と。
一方、担当職員の山口博之さん(48)は「目の前に妊娠した利用者がいれば、一緒にやっていく以外の選択肢はなかった」と言い切る。いっこさんが退所すれば、社会との接点が途切れ、万一虐待や育児放棄などがあった時に周囲が気付かない懸念もあった。
◇2026/03/15 「知的障害のある人の育児って? 「子育てを想定しない」グループホームが「親で、友だち」になるまで、積み重ねた信頼(連載①)」,『東京新聞』(有料記事)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/472529
誰もが子どもを産み、育てる権利があるのは言わずもがなだが、障害者への支援制度や社会の理解は十分だろうか。知的障害のある人が支援を受けながら共同生活をするグループホーム(GH)で子育て中の女性の例から考える。
知的障害がある岸村いっこさん(32)は、横浜市内のGHで7歳の娘を育てる母親だ。
[・・・中略・・・]
ここで子育てをするのはいっこさんだけ。全国的にも珍しい例とみられる。というのも、GHの制度は子育てを想定しておらず、特定の補助金や運営のガイドラインはないからだ。
2023年度、厚生労働省の関連事業で、無作為抽出された全国のGH事業所調査が行われた。有効回答のあった300事業所のうち、利用者への子育て支援例があった事業所は8、うち利用者がGHに住んでいた例は2。それ以外では、利用者が賃貸住宅などに住み、支援を受けていた。
◇2026/03/12 「「親亡き後の生活は…」障害者の家族、90%が抱える不安 親やきょうだいも「自分の人生」歩める仕組みを」,『京都新聞』(有料記事)
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1671582
民間団体「全国障害児者の暮らしの場を考える会」などが行い、京都や滋賀を含む24都府県の障害者家族2151人から回答があった。50~80代の親が大半で、子らは重度知的障害者が多かった。
親亡き後の心配は「とても」が約73%、「少し」が約17%で、計90%。
◇2026/03/10 「次の介護保険計画、地域最適のサービス体制構築を推進 厚労省案 中山間地など3類型を反映」,『介護のニュースサイトJoint』
https://www.heartpage.jp/contents/news/01-01392
高齢化がピーク期を迎える2040年度を見据え、「地域の実情に応じたサービス提供体制の構築」を重要テーマの1つに掲げた。厚労省は今夏にも基本指針の見直し案を明らかにする。
投入可能なリソースや介護ニーズがエリアによって大きく異なることを踏まえ、厚労省はそれぞれの特性に応じた「地域最適」のサービス提供体制の構築に乗り出す。昨年末には審議会で、全国を「中山間・人口減少地域」「大都市部」「一般市等」の3類型に分ける方針を決定。今回の基本指針の主要事項にもこれを反映し、自治体に“わが町の地域特性”を念頭に置いた計画づくりを求める姿勢を明確にした。
[・・・中略・・・]
厚労省は今回の主要事項で、1人暮らしなど頼れる身寄りがいない高齢者らの支援のあり方にも言及した。これを「地域課題」として位置付け、市町村が主体となって関係者間で必要な対応策を話し合い、切れ目のない支援が提供される地域づくりを目指すよう求める考えを示した。
◇2026/03/09 「介護職員配置基準の緩和 規制改革会議が過度な地域限定を危惧」,『福祉新聞』
https://fukushishimbun.com/series05/44686
政府の規制改革推進会議は2月26日、力強い経済成長の実現に向けた中間答申案を発表した。
介護に関する項目では、今後、人口減少地域で職員の人員配置基準を緩和する際、過度に地域を限定しないようにすることなどが盛り込まれている。
[・・・中略・・・]
これまで厚生労働省は、中山間・人口減少地域でも必要なサービスを受けられる体制を維持するため、人員や設備基準を満たしていなくても市町村が認めれば、柔軟に支援できる「特例介護サービス」の枠組みを拡張して対応する方針を示している。2026年の国会に必要な法案を提出する予定だ。
これに対して中間答申案は、大都市部や一般市でもすでに介護サービスの提供が困難なエリアがあると指摘し、中山間・人口減少地域の対象範囲を過度に限定しないよう訴えた。同時に人口減少率など客観的要件だけでなく、市町村の意向を反映するよう求めた。
◇2026/03/06 「生命維持治療終了の指針案に懸念 難病患者らに「拡大解釈のおそれ」」,『朝日新聞』(有料記事)
https://www.asahi.com/articles/ASV363JLVV36UTFL005M.html
日本集中治療医学会など4学会が公表した生命維持治療の終了をめぐる指針案について、難病患者や障害者の当事者らが6日、厚生労働省で会見を開き、病院や家族の都合で人工呼吸器などの治療が終了されたり、難病患者らにも拡大解釈されたりする恐れがあるとして、懸念を表明した。
指針案では、救急・集中治療の現場で、人工呼吸器などの生命維持治療を終了する際の意思決定の方法、緩和ケアの手順などを記載した。終末期の定義については明記せず、適切な情報提供や説明をしたうえで十分に話し合い、本人の意思決定を基本として、患者や家族、医療・ケアチームが共同で意思決定する、などとしている。
[・・・中略・・・]
当事者らは指針案について、「救われたかもしれない命を見捨てることになる」と指摘。治療を終了するかの判断について、十分な時間的猶予がない中で、家族の介護や経済的負担といった事情が優先される恐れや、ALSなど人工呼吸器を利用して長期に治療を受ける患者や重い障害者にも拡大解釈される恐れがあるなどとして、懸念を示した。
◇2026/03/05 「介護の処遇改善加算、新ルール全容判明 厚労省が通知 新たな賃上げは「ベアを基本に」」,『介護のニュースサイトJoint』
https://www.heartpage.jp/contents/news/01-01390
厚労省は新年度の臨時改定で、深刻な人手不足などを踏まえて処遇改善加算の拡充に乗り出す。
対象を「介護職員」から「介護従事者」へ広げ、月額1万円の賃上げを行う。生産性向上などに取り組む事業所・施設の介護職員には月額7千円を上乗せし、事業者の定期昇給分を含めて最大で月額1.9万円の賃上げを図る。また、これまで対象外としてきた居宅介護支援、訪問看護などにも処遇改善加算を新設する。
◇2026/03/05 「「寝たきりでも人生選べる」 動くのは右手だけ、開いた大阪移住の道」,『朝日新聞』(有料記事)
https://www.asahi.com/articles/ASV3223HCV32OXIE04HM.html
大阪府内のマンションの一室。記者がインターホンを押すと、自動でドアの鍵が開いた。部屋の奥から「こんにちは、よろしくお願いします」。ベッドに横たわる男性(27)ののどには、人工呼吸器がつながっていた。
男性はSNS上で「ウッディ」と名乗る。生後10カ月で脊髄(せきずい)性筋萎縮症を発症。運動神経細胞が変性し、筋肉が萎縮していく難病だ。
故郷の愛媛県から引っ越してきたのは昨年11月末。国の重度訪問介護サービスを使って、一人で暮らし始めた。
◇2026/03/04 「入浴介助中の事故多発、リスク減らすには 急変起きにくい環境作り・浴槽レスにも期待」,『朝日新聞』(有料記事)
https://www.asahi.com/articles/DA3S16416084.html?iref=pc_ss_date_article
自力で入浴できない人にとって、介助を受けながら入浴するのは大切なひとときだ。ただ、高齢者や障害者向けの施設では、入浴介助時の事故が繰り返し起きている。
◇2026/03/02 「介護テクノロジー、特別養護老人ホームでは9割が導入」,『福祉新聞』
https://fukushishimbun.com/series05/44615
見守りや移乗支援、ウェアラブルデバイス、インカムなど介護テクノロジーのいずれかを導入しているかを聞くと、特養が91%で最も高かった。次いで、老人保健施設85%▽地域密着型特養81%▽認知症グループホーム(GH)60%▽デイサービス52%▽訪問介護が39%――だった。
◇2026/03/01 「知的障害者の居場所作りを考える 7日オンラインでシンポジウム」,『毎日新聞』
https://mainichi.jp/articles/20260227/k00/00m/040/371000c
2025年の障害者白書によると、身体障害者の施設入所割合は1・7%、精神障害者の入院患者は4・4%に対して、知的障害者の施設入所は10・1%。大人になっても親元や施設で暮らす人が多いのが実情だ。
一方で、重度訪問介護などの障害福祉サービスを利用して地域で一人暮らしをする人たちもいる。会の運営委員で障害福祉事業所「風雷社中」(東京都大田区)の中村和利さんは長年、重い知的障害がある人と丁寧な関係を築きながら自立生活を支援してきた。「障害のある人が当たり前に街で暮らし、参加していくことがインクルーシブ(包摂的)な社会をつくる」がモットーだ。他の事業所と連携しながらノウハウを蓄積し、自立生活の取り組みはじわじわと広がっている。
【2月】
◇2026/02/27 「職員が平熱で解熱剤を投与、過剰な抗精神病薬も 中井やまゆり園」,『毎日新聞』
https://mainichi.jp/articles/20260227/k00/00m/040/333000c
2024年11月、ある職員が「数多くの違法ないし不適切な利用者支援が行われている」との「告発状」を内部通報窓口に提出。県は外部有識者5人による調査委員会を設置し、園職員へのヒアリングや過去の記録確認を進めていた。
公表された調査報告書によると、同年5月に体温が35度台だった入所者に、看護師の指示で解熱鎮痛薬「アセトアミノフェン」を投与していた。また14年には医師が1日上限3回としていた抗精神病薬「リスパダール」の服用を4、5回に増やしていた。
21~23年度には、園のルールで定めていたのに、食事を取らなかった入所者への代替食が提供されなかった。いずれのケースも不適切と認定され、これらの対応が取られた理由は支援内容の「確認不足」などだったとしている。
◇2026/02/24 「救われた「介護は任せて」の言葉 頼り先が仕事と両立するカギに」,『毎日新聞』(有料記事)
https://mainichi.jp/articles/20260221/k00/00m/040/126000c
仕事をしながら家族を介護する「ワーキングケアラー」人口は、2030年にピークを迎える見込みだ。高齢化や共働き世帯の増加で、介護の主な担い手は、「嫁」から「実子」へと変化もみられる。
[・・・中略・・・]
介護保険制度が始まった2000年ごろは、嫁の介護に代表される「家族の中の問題は家族の中でなんとかする」というのが一般的で、社会がそれを要求してきたと思います。今は子どもの数が減り、女性も自分の親の介護がある。離れた場所に住む親を手助けする方法を考えたり、外出先に付き添ったりといった形で、介護は誰もが直面するものとなっています。
[・・・中略・・・]
介護を抱えて働く人のうち、「介護休業」の取得率は1・6%で、育休に比べて低いのが現状です。
◇2026/02/24 「介護休職中に給付受け取る条件は? 使う立場になり理解した支援制度」,『毎日新聞』(有料記事)
https://mainichi.jp/articles/20260221/k00/00m/040/117000c
休職期間中を振り返ると、障害福祉サービスを使うための煩雑な手続きの他にも、やきもきしたことがあった。仕事を休むにあたって、私は社内外でどんな制度が利用できるのか。休職中の経済的保障があるのかどうか。
休職には厳密に言うといくつか種類があった。
育児・介護休業法は、介護がある時期に仕事との両立を支援する制度として、介護休業▽介護休暇▽労働時間の制限(残業免除)▽時間外労働・深夜業務の制限――などを定めている。
「介護休業」は、要介護状態の家族に対する介護の体制を整えるための期間として、通算93日間、3回まで分割して取得でき、雇用保険から給付金が支給される。「介護休暇」は、通院の付き添いやケアマネジャーらとの打ち合わせなどの目的で、年間5日、時間単位でも取得できる。会社の規定によって、上限日数の上乗せや有給か無給かの違いがある。
総務省の2022年就業構造基本調査によると、企業などに勤めながら介護をしている人は322万人。このうち、介護休業や短時間勤務など何らかの制度を利用しているのは37万2000人で、全体の11・6%にあたる。制度別(複数回答)では、介護休業1・6%(5万1000人)▽短時間勤務2・3%(7万5000人)▽介護休暇4・5%(14万5000人)――などだった。
◇2026/02/23 「私が抱え過ぎてた? 介護休職や福祉サービス、使って見えた希望」,『毎日新聞』(有料記事)
https://mainichi.jp/articles/20260220/k00/00m/040/280000c
休職して、落ち着いて暮らしを見渡すと、気づきもあった。私が担っている父の身の回りの世話や家事が実は、先回りし過ぎていて、父がやれることをかえって取り上げてしまっているのではないか、と。
そこで、私は父に食事後の片付けや食器洗い、朝のゴミ出しや風呂掃除を、自分でできる時はお願いするようにした。
◇2026/02/23 「京都府内で広がる「重度訪問介護」の格差 利用が都市部に集中、ノウハウ不足も一因か」,『京都新聞』(有料記事)
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1664174
重度の障害者が在宅で暮らすために不可欠な「重度訪問介護」。京都市では地域で暮らす手段として定着しつつあるが、京都府北部ではヘルパーの確保の難しさや制度運用のノウハウ不足がハードルとなり、利用が進んでいない。
◇2026/02/23 「京都府内の「重度訪問介護」サービス、自治体で利用度に大きな格差 背景に何が?」,『京都新聞』(有料記事)
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1664168
在宅の重度障害者にヘルパーが長時間付き添う「重度訪問介護」サービスで、京都府内の自治体で支給人数や支給時間に大きな格差があることが22日、京都新聞社の調べで分かった。綾部市がゼロ、宮津市が1人にしか支給していない一方、京都市は466人が利用している。京都府北部の市では1人当たりの月支給時間が7~50時間未満と少ない自治体も目立ち、利用度に大きな格差があることが浮き彫りになっている。
◇2026/02/22 「子どもの未来を奪う「見えない介護」 ヤングケアラー支援の現場から」,『毎日新聞』(有料記事)
https://mainichi.jp/articles/20260220/k00/00m/040/105000c
介護保険がスタートして、今年で26年を迎えます。介護保険制度は「介護の社会化」を掲げ、家族による介護負担の軽減を目指すとされてきました。
しかし、現在でも在宅介護の6割近くを担うのは家族です。さらにサービスの抑制や自己負担増、ヘルパーなど介護人材の深刻な不足で、家族介護への「逆戻り」が懸念されています。
家族介護への依存度が増せば、大人に代わって家事や家族の介護・世話を日常的に担っている子どもや若者たち(ヤングケアラー)の「見えない負担」も増えてきます。
ヤングケアラーは、1クラスに2人程度いるといわれています。しかし、本人が自覚していなかったり、言い出せなかったりする子どもは統計には表れにくいので、実際にはもっと多いと思われます。
◇2026/02/22 「厚労省が介護の経営実態調査案を説明 訪問介護の正確な把握求める声」,『福祉新聞』
https://fukushishimbun.com/series05/44532
厚生労働省の社会保障審議会介護給付費分科会(分科会長=田辺国昭東京大大学院教授)が16日に開かれ、同省は2026年度の介護事業経営実態調査案について説明した。委員からは、特に訪問介護の経営実態を正確に反映するよう求める意見が出た。
[・・・中略・・・]
厚労省は、訪問介護の調査については、有効回答率が全体平均を下回ったことなどから抽出率をこれまでの10分の1から8分の1へと引き上げると説明。訪問の移動手段や時間だけでなく、26年度からサービス付き高齢者向け住宅などに住む人への、訪問回数をより正確に把握できるよう見直す方針も示した。
[・・・中略・・・]
全国市長会の長内繁樹大阪府豊中市長は「訪問サービスとしてひとくくりに収支差率を公表すれば、前回のように収益性の低い小規模事業者の実態が結果に反映されないのでは」と指摘。事業者を規模別に調査するなど、より正確に実態を反映する工夫をするよう求めた。
◇2026/02/20 「入浴介助中の死亡事故、対策は浴槽レス? お湯につかる効用の研究も」,『朝日新聞』(有料記事)
https://www.asahi.com/articles/ASV2K1F7NV2KUNHB01HM.html
朝日新聞が障害者、高齢者支援施設を所管する東北6県の各県庁、仙台の1政令指定都市、青森、八戸、盛岡、秋田、山形、福島、郡山、いわきの8中核市に、22年4月~25年12月の期間で情報公開を請求した結果、入浴介助時の死亡事故が計18件あったことがわかった。
18件の死因の内訳は、急性循環不全など病死が5件、水死が4件、溺れたことによる誤嚥(ごえん)性肺炎が2件、その他が2件、非公表が5件。発生時期は、12月3件、1月4件などと冬季が目立った。
10件は1人で入浴中で、うち5件は浴室の外から声をかけて見守っていた。
◇2026/02/17 「介護施設の協働化や大規模化を後押し 厚労省がガイドライン」,『福祉新聞』
https://fukushishimbun.com/jinzai/44467
厚生労働省は1月30日、介護施設の協働化や大規模化に関するガイドラインを公表した。具体的なプロセスに向けたチェック項目や、すでに実践している16事例を紹介している。
[・・・中略・・・]
協働化についてガイドラインは(1)仲間をつくる(2)協働化を検討する(3)協働しPDCA(計画、実行、評価、改善)を回す―という3ステップを紹介。検討にあたっては、自法人の課題を明確にし、解決に向けた手段の一つとして位置付けることが重要だとしている。
一方、大規模化については、利用者定員の拡大や事業所の増設、合併・事業譲渡などの類型を紹介。同様に(1)大規模化を検討する(2)具体的な準備を進める(3)大規模化し、PDCAを回す―という3ステップについて解説した。
◇2026/02/17 「猛暑でも大雪でも訪問するヘルパー 「移動」の労力、評価は正当か」,『朝日新聞』(有料記事)
https://www.asahi.com/articles/ASV2D1P24V2DUTFL01DM.html
2月初旬、場所は愛媛県西予市の明浜町だった。宇和海を望む風光明媚(めいび)な土地だが、人口減が進み高齢化率は50%を超す。同町にある訪問介護事業者の車に同乗させていただき、拠点から最も遠い地区の訪問先まで移動した。 [・・・中略・・・] 距離にして車で30~40分。[・・・中略・・・]ここで1時間近く介護支援をして拠点に戻ると、ゆうに2時間はかかる。これに対する介護報酬は、訪問1回につきいくらの「出来高払い」で、移動時間の長短は原則、考慮されない。食事作りや掃除などの「生活援助」なら2千円を少し超えるぐらいだ。訪問介護事業所の運営会社である「百笑一輝」の清家真知子さんは「こうした訪問をすればするほど赤字が増える」と話す。
踏みとどまるのは、介護だけではなく地域を見ているからだ。
◇2026/02/16 「身寄りなき高齢者の支援、新たな事業に位置づけ 法改正案の概要判明」,『朝日新聞』(有料記事)
https://www.asahi.com/articles/ASV2J3QMCV2JUTFL016M.html
高齢の単身世帯が増加するなか、入院手続きや死後事務などのサポートを有料サービスで提供する民間事業者も増えている。ただ、契約時に高額な預かり金が必要なことも多く、経済力が十分ではない人が利用しづらい課題もある。
厚生労働省の社会保障審議会福祉部会が昨年12月にとりまとめた報告書では、家族や親族らが担ってきたと考えられる入院・入所手続きや死後事務の支援がないことで、「必要なサービスの利用などが困難な場面」が生じていると指摘。経済力が十分でなくても利用できるよう、利用者の一定割合以上が無料または低額で利用できる事業にする必要があるとしている。
◇2026/02/15 「診療報酬改定、身体拘束最小化を評価 包括期、慢性期を充実」,『福祉新聞』
https://fukushishimbun.com/series06/44457
身体拘束の最小化に組織的に取り組む地域包括ケア病棟などに対し、加算を創設する。
[・・・中略・・・]
難病など重症度の高い患者に24時間対応する精神科訪問看護は「機能強化型」の一類型として新しい加算を設ける。常勤の看護職員が4人以上いること、地域の関係機関と連携することなどが算定の条件だ。
全体の改定率は26、27年度の2カ年平均でプラス3・09%。特に医療従事者の賃上げに厚く配分する。施行は6月。人口減少や労働力不足への対応を意識し、ICT(情報通信技術)を活用した業務の効率化、医師偏在対策も重点事項とした。
◇2026/02/15 「車椅子の列車移動もウェブ予約でスムーズ 阪急の介助システム」,『毎日新聞』
https://mainichi.jp/articles/20260213/k00/00m/040/150000c
阪急が導入したPAは、英スタートアップ企業が開発。事前にアカウント登録することで、利用日の70日前から予約できる。経路検索画面から乗車、降車する駅や日時を決め、スロープの利用や視覚障害がある場合の誘導など必要なサポート内容にチェックして送信。内容を駅係員側が承認すると、利用者は予約の確定情報をメールで受け取れる。視覚障害者向けに、画面読み上げ機能も使える。
◇2026/02/12 「障害者「親なき後」、家族の8割不安 「地域の受け皿、必要」 日本財団調査」,『毎日新聞』(西部朝刊)(有料記事)
https://mainichi.jp/articles/20260212/ddp/041/040/007000c
◇2026/02/12 「障害者家族「将来不安」85% 日本財団調査」,『毎日新聞』(東京朝刊)(有料記事)
https://mainichi.jp/articles/20260212/ddm/041/040/055000c
◇2026/02/12 「厚労省「サービス継続支援事業」 介護事業者の経費を全額補助」,『シルバー産業新聞』
https://www.care-news.jp/news/Qr88c
厚労省は、物価高騰対策として行う25年度補正予算事業「介護事業所等に対するサービス継続支援事業」の要綱を示した。今後、各都道府県で実施要綱が定められ、順次申請の受付が始まる。
同事業では居宅療養管理指導を除く介護サービス事業所・施設を対象に、移動経費や猛暑・雪害対策物品、災害備蓄品の購入費に対し、サービス種別・規模ごとの上限額まで全額助成する(表)。
◇2026/02/11 「インタビュー 上野賢一郎厚生労働大臣「介護の処遇改善は喫緊の課題」」,『シルバー産業新聞』
https://www.care-news.jp/news/OQDDb
上野賢一郎厚生労働大臣は本紙の取材に応じ、総額1920億円規模となる補正予算での処遇改善策や、今年6月に実施する臨時の介護報酬改定の狙いについて語った。また、賃上げ支援にとどまらず、ICT・介護ロボットの活用促進、ケアマネジャー支援、福祉用具の普及拡大までを含めた総合的な対策の重要性を強調した。
[・・・中略・・・] 今回の期中改定により、最大6.3%の賃上げが可能な水準となった。他産業の賃上げ動向を見極める必要はあるが、賃金差は一定程度縮小されると考えている。
ただし、これを一過性の措置にとどめるのではなく、物価高やインフレが今後も続くことを踏まえれば、「物価高に負けない賃上げ」を政府全体で掲げている以上、介護分野においても継続的な対応が不可欠である。
◇2026/02/07 「「介護の未来も考えませんか」人手不足深刻、事業者が選挙に託す思い」,『毎日新聞』(有料記事)
https://mainichi.jp/articles/20260207/k00/00m/010/088000c
◇2026/02/06 「危機的状況の訪問介護 「農家が老後を地域で暮らせないと食は……」」,『朝日新聞』(有料記事)
https://www.asahi.com/articles/ASV242WF1V24UTFL005M.html
東京商工リサーチによると、2025年の介護事業者の倒産・休廃業は829件で過去最多となり、その約7割を訪問介護が占めた。とりわけ人口減が進む地方では、訪問介護の消滅は地域社会の存続にもかかわる事態だ。
[・・・中略・・・]
地方特有のヘルパーの移動距離の長さだ。町内には車で片道30~40分かかる訪問先もある。ガソリン代をかけて移動し、「生活援助」サービスを約1時間提供しても、介護報酬は2千円を少し超える程度。ヘルパーは実質2時間以上拘束される。こうした依頼を受ければ受けるほど赤字が増えてしまう状況だ。 加えて、24年度からの基本報酬の減額、物価高騰が打撃となった。人手不足も深刻だ。
[・・・中略・・・]
政府は来年度の介護報酬改定で、介護職員1人あたり最大月1万9千円の賃上げを実現する方針を示す。清家さんは「支給には条件がありウチのような小さな事業所はそこまでの賃上げはできない」と話す。
◇2026/02/03 「車いす行進と国際協力、米中にはない日本への期待」,『産業新聞』
https://www.sankei.com/article/20260203-JFYIKPUIPRPB7OEACXWH3UXJNE/
ウェンディ・バランテスさん(52)は2歳半で筋ジストロフィーを発症し、車いす生活を送る弁護士だ。障害者が運営する組織の代表を務め、障害者の自立生活を支援してきた。
同国が2016年に障害者自立推進法を制定し、中南米諸国で初めて公的財源での介助者派遣サービスを確立したのは、彼女らの働きかけが実ったものだ。障害分野の世界的なリーダーの一人とも評される。
[・・・中略・・・] JICAは一連の活動を草の根技術協力として継続的に支えてきた。バランテスさんは先月、JICAの国際協力賞を受賞し、東京での授賞式に出席した。
[・・・中略・・・] バランテスさんの活動は中南米諸国に広がり、20年には自立生活センターの設立支援などで連携するネットワークを結成した。メンバーは計14カ国に及ぶ。
日本の支援で技術や知見を高めた国が、それを周辺の国々に広げる。「三角協力」と呼ばれるこの形態は日本が進めるべき国際協力の在り方を示す。「バランテスさんの事例はモデルケース」(伊藤圭介JICA中南米部長)である。
◇2026/02/02 「介護職賃上げの詳細判明 厚労省「速やかに実施を」」,『福祉新聞』
https://fukushishimbun.com/series05/44315
政府は補正予算で、25年12月から26年5月までの半年間、介護職以外も含む介護従事者を対象に月1万円相当の賃上げを実施。さらに事業所が一定の要件を満たせば、介護職に9000円相当を追加する方針を示していた。
厚労省は同日の事務連絡で、26年3月末までに補助金を受けた場合、25年12月から26年3月末までの間に賃金改善や職場環境改善を行う必要があるとの方針を示した。26年4月以降であれば、各自治体が定める実績報告書の提出期限までの間に実施する。その上で「賃金改善は事業所などに対する緊急支援という補助金の趣旨であるため、速やかに実施してほしい」と求めている。
【1月】
◇2026/01/29 「要介護認定の申請しやすく、代行可能な施設拡大 厚労省が27年度に」,『日本経済新聞』(会員限定記事)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA23A0H0T20C26A1000000/
厚生労働省は2027年度に要介護認定の申請を代行できる事業所を増やす方針だ。認知症対応型の共同生活介護を提供する施設など新たに4種類の事業所を加える。介護を受ける人は増加しており、利便性の向上につなげる。
◇2026/01/27 「少ない トイレの介助用ベッド 車いす利用者 おむつ交換や衣類着脱に必要」,『北海道新聞』(会員限定記事)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1267281/
◇2026/01/26 「「わけわからない仕組みに」 介護保険制度「見直し」の裏にあるもの」,『毎日新聞』(有料記事)
https://mainichi.jp/articles/20260122/k00/00m/040/107000c
焦点だった「給付と負担」を巡る重要項目では、「介護サービス利用時の2割負担対象者の拡大」で年内の結論を先送りしました。
対象者の年収の基準を現在の280万円以上から230万~250万円以上に引き下げ、対象となる人を拡大する選択肢を示していました。
しかし、委員の中に強い反対意見があることに加え、この物価高です。医療でも高額療養費制度の見直しなどで負担増があるため、政府も高齢者の生活への影響を考えると、なかなか踏み込めなかったようです。26年度にかけ、議論が続きます。
◇2026/01/23 「介護従事者の悲鳴届くか 低賃金「やりがいだけでは働けない」<暮らしの現場から 2026衆院選>」,『北海道新聞』(有料記事)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1266641/
◇2026/01/23 「介護事業者の休廃業、昨年最多の653件 物価高、人手不足で苦境に」,『朝日新聞』(有料記事)
https://www.asahi.com/articles/ASV1R1PS5V1RUTFL014M.html
休廃業・解散した事業の内訳は、訪問介護事業が465件で最も多く、通所・短期入所事業が95件、有料老人ホームが23件と続く。倒産の内訳も、訪問介護が91件で最も多い。
◇2026/01/21 「介護事業所の閉鎖相次ぐ白老町で作業療法士が訪問看護ステーション開設へ CFで支援募る」,『北海道新聞』(有料記事)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1265384/
◇2026/01/16 「旭川市の要介護認定、調査員不足で遅れ 法定期間大きく上回る65日 ケアプラン確定できず現場混乱」,『北海道新聞』(有料記事)
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1263656/
◇2026/01/16 「後絶たぬ介護事故、施設と家族はどう備える 専門家や遺族が提言 介護事故と向き合う・インタビュー編」,『日本経済新聞』(会員限定記事)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD16AYF0W5A211C2000000/
◇2026/01/15 「介護事業所と有償ボランティアのマッチングサイト、清掃など頼んで業務に集中…人材不足で国も後押し」,『読売新聞』
https://www.yomiuri.co.jp/local/kyushu/news/20260115-GYS1T00093/
厚生労働省によると、全国の介護職員は22年度に215万人だった。高齢化の進展で、26年度は240万人、40年度には272万人が必要とされるが、現状のままでは人材が足りなくなる恐れがある。
厚労省は今年度から介護未経験者と事業所をマッチングするモデル事業を始めた。実施する自治体の費用を国が一部負担し、事例を他の自治体にも広げていく狙いだ。厚労省の担当者は「スケッターだけをモデル事業の対象としているわけではないが、他に同種サービスをしているところは知らない」としている。
昨年3月にプラスロボと協定を結んだ熊本市は、厚労省のモデル事業に参加。通常、事業所がスケッターのサイトを利用する際は料金が発生する。3月までは国の補助金を活用して無償で利用できるようにし、導入のハードルを下げた。
[…中略…]
将来的には国内の産業全体が人手不足に陥るリスクも念頭に、「CSR(企業の社会的責任)事業の一環で介護ボランティアに取り組むことを促したり、自治体がマッチングサービスの基盤を整備したりすることも検討するべきだ」と指摘する。
◇2026/01/13 「相次ぐ介護事故訴訟、見えぬ責任の基準 現場「どこまでケアすれば…」介護事故と向き合う㊤」,『日本経済新聞』(会員限定記事)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD019910R01C25A2000000/
◇2026/01/13 「おひとり様の介護、甥・姪も担う 休業制度の対象外など課題も」,『日本経済新聞』(会員限定記事)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD194AF0Z11C25A2000000/
◇2026/01/13 「介護の「空白地帯」で起きていること 赤字覚悟の訪問、加速の背景」,『毎日新聞』(有料記事)
https://mainichi.jp/articles/20260109/k00/00m/100/364000c
少子高齢化や人口減少が止まらない中、神奈川県内で介護の「空白地帯」が生じている。県内初の過疎地域となった真鶴町では、2011年に訪問介護の事業所がゼロになり、今も解消していない。
◇2026/01/09 「介護事業者の倒産、2025年は176件 人手不足響き2年連続で最多」,『毎日新聞』
https://mainichi.jp/articles/20260109/k00/00m/040/286000c
倒産理由で最も多かったのは、売り上げ不振の140件。求人難など、人手不足関連の倒産は過去最多となる29件だった。売り上げ不振は人手不足が原因となることがあり、賃金水準が他産業と比べて低く、人手不足が深刻な介護業界の課題が顕在化した形だ。
◇2026/01/09 「介護事業者の倒産件数、2025年は176件 過去最多を更新」,『日本経済新聞』
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA091U70Z00C26A1000000/
政府は25年度の補正予算で介護職員の賃上げや職場環境の改善支援として1920億円を用意した。25年12月〜26年5月に介護職員1人あたり最大で月1万9000円を補助する。
26年6月には介護報酬の臨時改定を実施する方針で、継続的に賃上げを支援する。東京商工リサーチの担当者は「一時的な人材確保にはつながるかもしれないが、中・小規模事業者の経営改善は見通しづらい」と話す。
◇2026/01/06 「美談でも悲劇でもない「ケア」とは何か 競争、多数派の価値観の外へ」,『朝日新聞』(有料記事)
https://www.asahi.com/articles/ASTDS25S8TDSULLI00CM.html
【村上靖彦】 ケアにはいろいろな定義がありますが、誰もが行う広い意味では「周囲の人の生活をサポートする働きかけ」、狭い意味のプロによるケアについては「それがなかったら生存を守れなくなる場面で支える働きかけ」と、僕自身は考えています。
広い意味でのケアは、誰もが相互にケアし合い社会ができているという発想とつながります。
[…中略…] 息苦しくなった僕たちみんなが「人間にとって大事なことは別なところにあるんじゃない?」と思い始めた結果、資本主義から排除された場所にあったケアに注目が集まったのだと思います。
ヤングケアラーも、専業主婦制度を前提とした資本主義社会を維持できなくなる中、子どもに家族のケアが押し付けられたから。早くからヤングケアラーに着目して研究する渋谷智子さんはそう指摘しています。
本質的には僕たちみんな、とりわけヤングケアラーが「孤立している」ということが重要な問題として浮かび上がってきました。
◇2026/01/06 「介助する96歳女性から窃盗、事件の背景に支援制度の使いづらさ 「高齢者福祉改善のきっかけに」」,『京都新聞』(読者会員限定記事)
https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/1630281
◇2026/01/06 「重要な仕事を任され、40代女性「認知症の母を、一人にしてしまう」 兄弟も近くにいるのに……介護と仕事の板挟みに」,『まいどなニュース』
https://news.yahoo.co.jp/articles/5fe7924bcc9a14c6f7f1e6eb781cf23e50b44655?page=1
実は、介護によるストレスの実態には典型的なパターンがあります。
▽時間の負担|終わりが見えない日々の疲労
仕事後に病院、夜は食事や入浴介助。休日も通院や手続きで休む暇がない。「自分の時間が消えていく」感覚は、知らず知らずのうちに心身を蝕みます。
▽費用の負担|介護費用と収入減のダブルパンチ
介護サービス利用料、交通費、生活費……。一方で残業や昇進をあきらめ、収入が減るケースも。経済的不安は、精神的ストレスをさらに増幅させます。
▽感情の負担|イライラする自分に自己嫌悪
どんなに親を思っても、介護には限界があります。
怒り、疲れ、そして「もっと優しくできたのに」という自己嫌悪。その繰り返しが、罪悪感のループを生み出していきます。
◇2026/01/04 「「若い女性のヘルパーがいい」「あの子に着替えを手伝ってほしい」80代父の介護セクハラに娘は苦悩 家族はどう向き合う【社会福祉士が解説】」,『まいどなニュース』
https://news.yahoo.co.jp/articles/758b69778271400c0c8ce55670a89be4cb8c0308?page=1
介護現場におけるハラスメントは、利用者やその家族からの身体的暴力、精神的暴力、セクシュアルハラスメントなどが含まれ、深刻な問題となっています。2021年度の介護報酬改定により、すべての介護サービス事業所にハラスメント対策が義務付けられました。厚生労働省の調査では、介護職員の約21.6%がこの問題を経験していると報告されています。
◇2026/01/04 「崩壊迫る地方介護 支える77歳ホームヘルパーの不安「若い人が入ってこない」国の制度変更も追い打ちに」,『北海道ニュースUHB』
https://news.yahoo.co.jp/articles/5cce58f918998ffff6a22dd2cd746ac4afbadcf6?page=1
国の2024年度の調査では、介護サービス全体の利益率が4.7%であるのに対し、訪問介護の利益率は約2倍の9.6%に上るという。ただし、訪問介護の利益率は、事業所の規模や立地によって大きく異なる。
例えば、都市部の大規模な事業所は、高齢者向けマンションなどに併設されていることが多く、効率的に多くの利用者を訪問できるため、利益率は高い傾向だ。
対照的に、「いちご」のような地方の小規模な事業所では、ヘルパーが広範囲を移動して利用者の自宅を一軒一軒訪れる必要があるため、移動コストがかさみ、利益率は低くなる傾向がある。
[…中略…]
「同じ保険料を払ってサービスを受ける権利があったとしても使えるものがないのは、非常に不公平。家で生活することが難しくなることを助長している」(星槎道都大学 大島康雄准教授)
北海道の過疎地域では、一軒家が1キロも2キロも離れているという地域もあり、デイサービスの送迎だけで1時間近くかかることもある。
大島准教授は「移動距離の加算やヘルパーへの処遇改善も必要だが、地域によっての単価をもう少し考えないといけない」と制度の変更を訴える。
*作成:高 雅郁(カオ・ヤユ) *更新:高 雅郁(カオ・ヤユ)