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『社会的企業への新しい見方――社会政策のなかのサードセクター』

米澤 旦 20170520 ミネルヴァ書房,312p.

last update:20210212

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■米澤 旦 20170520 『社会的企業への新しい見方――社会政策のなかのサードセクター』,ミネルヴァ書房,312p. ISBN-10: 4623080161,ISBN-13: 978-4623080168 [amazon][kinokuniya]

ミネルヴァ書房のHP https://www.minervashobo.co.jp/book/b285603.html

■内容紹介

内容(出版社ホームページより)
ポスト福祉多元主義の時代の社会政策研究において、サードセクター・社会的企業をどのように捉えるべきか。本書は、新制度派社会学などを活用しながら社会的企業の概念を精緻化し、労働統合型社会的企業の成立と活動の論理を実証データによって明らかにする。一次データのほか、複数の二次データを組み合わせることにより、サードセクターや労働統合型企業の輪郭を描くことを試みた労作。

■目次

序 章 サードセクター研究の行き詰まりをどのように乗り越えるか
 1 福祉多元主義の時代のあとのサードセクター
 2 本書の構成

 第T部 理論編――社会政策・サードセクター・社会的企業

第1章 社会政策におけるサードセクターの位置
    ――サービス給付拡大に注目して
 1 社会政策研究においてサードセクターはなぜ重要なのか
 2 社会政策研究へのサードセクターの取り込み
 3 福祉国家の再編とサードセクター
 4 サービス給付拡大とサードセクターの多元性

第2章 サードセクターを捉え直す
    ――弱い境界区分と制度ロジック・モデル
 1 サードセクターをいかに捉えるか
 2 サードセクターの強い境界区分
 3 サードセクターの弱い境界区分
 4 制度ロジック・モデルの有効性
 5 弱い境界区分、制度ロジック・モデル、次なる課題

第3章 社会的企業の二重の特定困難性とその対応
    ――複数の組織形態とハイブリッド性
 1 社会的企業とサードセクターの対象特定問題
 2 サードセクターの典型例としての社会的企業――対象特定の困難@
 3 ハイブリッド組織としての社会的企業再考――対象特定の困難A
 4 社会的企業研究は対象特定問題にいかに向かい合うべきか
 5 経験的研究における主題の設定


第U部 労働統合型社会的企業の成立と展開

第4章 労働統合型社会的企業の制度化
    ――政策導入と組織フィールドの形成に注目して
 1 労働統合型社会的企業の成立をめぐる論点
 2 労働統合型社会的企業の「発見」と「発明」
 3 日本国内の社会的企業の受容と政策導入
 4 労働統合型社会的企業の組織フィールドの構造化
 5 労働統合型社会的企業の(未完の)制度化

第5章 労働統合型社会的企業の二つの類型
    ――制度ロジックの観点から
 1 労働統合型社会的企業の多様性
 2 労働統合型社会的企業の類型の研究と課題
 3 法制度間比較――生活困窮者自立支援法と社会的事業所促進法の社会的企業像
 4 事例間比較――ホームレス資料センター調査を中心に
 5 制度ロジックと二つの類型
 6 組織形態と制度ロジックの多元性

第6章 支援型社会的企業の支援の論理
    ――専門職のロジックと市場のロジック
 1 支援型社会的企業による福祉の生産
 2 中間的就労についての評価と研究課題
 3 方法――分析の焦点と使用するデータ
 4 「生活クラブ風の村」における福祉の生産
 5 中間的就労の意義と限界
 6 均衡点のズレと制度ロジック
 7 支援型社会的企業の「福祉の生産」――専門職と市場の論理の狭間で

第7章 連帯型社会的企業における就労環境
    ――民主主義のロジックと市場のロジック
 1 就労の場としての連帯型社会的企業
 2 社会的事業所の成立過程
 3 枠組みと方法
 4 分析結果――連帯型社会的企業の就労環境の長所と短所
 5 連帯型社会的企業の対等性が果たす役割と課題
 6 連帯型社会的企業のなかの就労の場――対等性と市場の論理の両立

終 章 ポスト福祉多元主義のサードセクター研究
 1 本書の知見とその意義
 2 サードセクターと社会政策をめぐる研究の方向性

参考文献
あとがき
索引

■引用

p. 192
労働統合型社会的企業の組織の形態は多様である。そのなかで支援型(一般就労への支援)と連帯型(一般就労が困難な立場にある人たちを想定した継続的就労機会の創出)の2つの類型に焦点があてられる。支援型では、「専門職(その下位類型としての社会福祉)のロジック」、すなわち、専門職が当事者の意思を尊重しつつ適切に支援し、生産活動への包摂を促すこと(p.192)が強調され、連帯型では「民主主義のロジック」、すなわち、当事者の尊厳や自律性、意思決定過程への参加と報酬に関する対等性が強調されていることが示される。しかし、支援型の労働統合型社会的企業活動に関する事例調査では、当事者のステップアップにばらつきがあり、就労から得られる所得のみでは生活できないという課題が指摘される。もうひとつの連帯型の活動事例では、低賃金という課題が存在すること、そして民主主義と市場のロジックの矛盾として、生産性に応じた賃金分配が難しく、また働く側の自律性の尊重と経営の効率性の両立もはかりがたいという説明が、制度ロジック・モデル応用の成果として示される。

■書評・紹介

■言及



*更新:伊東香純
UP:20210212 REV:
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