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『精神障害者の経済的支援ガイドブック――事例とQ&Aから理解する支援の意義と実務』

青木聖久 20150715 中央法規,232p.

last update:20210220

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■青木聖久,2015,『精神障害者の経済的支援ガイドブック――事例とQ&Aから理解する支援の意義と実務』中央法規出版.[amazon][kinokuniya]

■内容紹介

(出版社ホームページより)
障害年金や生活保護制度等は、精神障害者の地域生活を支える大きな柱となっている。
本書は、精神障害者の暮らしを支える上で欠かせないそれらの経済的支援施策について、基本的知識から手続き、留意点等をQ&Aを交えて紹介。
PSWやケースワーカー等の実務に役立つ一冊。

■目次

はじめに
本書の構成と活用の仕方
第1章精神障害者の暮らしと経済的支援
1精神障害者の生活支援
2経済保障が果たす機能と役割
3精神障害者の経済保障の利用実態と課題
4「知る」から「利用できること」「利用すること」への創造
5精神障害者に対する経済保障の制度やサービスの全体像
第2章知っておきたい経済的な支援施策の仕組み
1障害年金制度の理解
2生活保護制度の理解
3手当
4精神障害者保健福祉手帳
5心身障害者扶養共済制度
6医療保険
7労働者災害補償保険・雇用保険
8医療費助成制度
9税金
10生活福祉資金
11障害者総合支援法と介護保険制度
第3章経済的支援をよりよく実践するためのQ&A
1障害年金制度
2生活保護制度
3手当
4精神障害者保健福祉手帳
5心身障害者扶養共済制度
6医療保険
7労働者災害補償保険・雇用保険
8医療費助成制度
9税金
10生活福祉資金
11障害者総合支援法と介護保険制度
第4章経済的支援を通して変化し成長を遂げる支援者
用語解説
資料
おわりに
執筆者一覧

■引用

はじめに(青木聖久)
精神障害は、継続的な社会活動、とりわけ、就労に影響を及ぼすのです。結果的に、精神障害者は、経済的に厳しい状況におかれやすくなります。精神障害者はサボっているのではなく、障害特性から、就労制限を受けやすくなり、経済的支援の必要性が高まる、ということなのです。

p. 7(青木聖久)
【生活の基礎的部分の保障】精神障害は、@外見ではわからない、A経験則で理解がしづらい、という2つの特徴があります。そのために、周囲の理解が得られにくいといえます。しかし、理解ができていないのは、周囲の人だけではありません。精神障害者本人や家族もまた、これら2つが影響し合って、障害を客観的に捉えることが難しく、そのため、かなり無理をして就職活動に臨んでしまう場合があります。その一例が、「フルタイム労働ができるはずだ。仮に、仕事ができれば、病気も治ると思う」と考えて、必死になって一般就労にチャレンジを繰り返す、というものです。なかには、副作用を嫌い、就職時に薬を自己判断でやめてしまう人もいます。その結果、しばらくすると、状態が悪化して仕事を続けられなくなるばかりでなく、エネルギーが減退して自宅から出られなくなることさえあります。そしてまた、エネルギーが湧いてくると、フルタイムを目指して就職活動を再開する、ということを繰り返し、アップダウンの大きい暮らし方になることがあります。一方、障害受容の葛藤に苛まれながらも、苦しい生活実態に耐えられず、障害年金を受給する人がいます。ただし、例えば障害基礎年金2級は、月額約6万5,000円ですから、障害年金のみで暮らしを成り立たせることは困難です。ところが、障害年金は、生活の基礎的部分への充当という考え方ができます。つまり不十分な額ながらも、障害年金を基礎的収入として据えることによって、「生活をするために、足らない分をアルバイトで補う」という、新たな選択肢が生まれるのです。【開き直る】それだけではありません。障害年金をはじめ、経済保障を受けることによって、いわば、”肩の荷が降りる”という効果があります。経済保障の利用によって、これまで、自分自身のなかにある偏見から精神障害を認めづらかった、いや、認めることに向き合ってこられなかった精神障害者が、「精神障害をもって生きる」ことを受け入れるターニングポイントになるのです。それによって、等身大の働き方・生き方が見えてくることになります。

pp. 11-13(青木聖久)
【精神障害者の経済保障の利用実態と課題】年金を受給していない精神障害者は6割以上。経済保障は申請主義に基づいています。制度を利用していない人のなかには、@制度を利用できる要件を満たしていない、A制度を知らない、B制度を知っているものの利用を拒否している、という場合が予測されます(p.11)。国の調査では、6割以上の精神障害者が年金を受給していません。一方、家族会の調査では、年金を受給していないのは1〜2割に過ぎません(p.12 )。この差はどこからきていると考えられるでしょうか。1つには、間違いなく情報の差があるといえるでしょう。また、単に障害年金のことを知るだけであれば、インターネットや書籍でも、その機会を得ることができます。ところが、具体的に請求する段階になると、精神障害者も家族も躊躇するといいます。そのようなとき、家族会やセルフヘルプグループが「私たちも通ってきた道」と背中を押してくれるといいます(p.13 )。

pp. 32-33(高橋裕典)
これら障害に関する給付は、使い道が限定されない貴重な現金給付です。治療費や生活費として使うことができます。また就労による収入と組み合わせることにより、生活の自立を促す効果が期待できます。(p.32)。根拠法は、国民年金法(昭和34年4月16日法律第141号)1959年、厚生年金保険法(昭和29年5月19日法律第115号)1954年、特別障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律(平成16年12月10日法律第166号)2004年。(p.33)

pp. 38, 40(高橋裕典)
生活保護の対象は、「本人の預貯金や労働能力、家族(扶養義務者)等による経済的支援、年金や手当等の社会保障制度などのあらゆる手段を講じてもなお、経済的な困難から抜け出すことのできなかった人であるということです。生活保護で保障されるのは、日本国憲法第25条によって保障されている「健康で文化的な最低限度の生活を営む」ことのできる水準の生活です(p.38)。生活保護法(昭和25年5月4日法律第144号)1950年(p.40)

■書評・紹介

■言及



*更新:伊東香純
UP:20210220 REV:
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