『ソーシャルワークによる精神障害者の就労支援――参加と協働の地域生活支援』
御前由美子 20110502 明石書店,194p.
last update:20210204
■御前由美子,2011,『ソーシャルワークによる精神障害者の就労支援――参加と協働の地域生活支援』明石書店.[amazon]/[kinokuniya].
■内容
(出版社ホームページより)
精神障害者の特性を活かしつつ安定した就労や充実した地域生活を支援していくための方策として、エコシステム構想によるコンピュータ支援ツールを介したソーシャルワークを提案する。本人とソーシャルワーカーとの相互変容関係に着目した取り組みを紹介。
■目次
はじめに
I 本研究の焦点
1.前提となる問題
(1)精神障害者の置かれてきた立場
(2)働く意味と就労概念
(3)精神障害者にとっての就労
2.自立概念
(1)社会福祉の理念と自立概念
(2)労働政策・社会福祉政策と自立概念
(3)自立概念の整理
3.本研究の枠組みと流れ
(1)ソーシャルワークの構成要素からみる自立概念
(2)本研究の理論的枠組み
(3)本研究の仮説、目的、方法と流れ
II 精神障害者の就労支援における問題の明確化
1.就労支援施策
(1)国の就労支援施策
(2)地方自治体の就労支援施策
(3)就労支援機関とサービス内容
2.就労支援方法
(1)就労支援と職業リハビリテーション
(2)職業リハビリテーションの概念と流れ
(3)職業リハビリテーションの内容
3.問題の明確化
(1)ボトムアップ的発想の必要性
(2)人と環境の相互変容関係を活用した支援の必要性
(3)ソーシャルワークの必要性
III ソーシャルワークによる精神障害者就労支援の展開
1.ソーシャルワークの概念
(1)ソーシャルワークの実践特性
(2)エコシステム視座の生活への導入
(3)エコシステム構想の概念
2.生活支援ツール
(1)生活システム
(2)生活エコシステム情報
(3)支援ツールの活用方法と特徴
3.精神障害者就労・生活支援ツールの開発
(1)精神障害者の生活システム
(2)精神障害者の就労特性
(3)精神障害者の就労・生活システムとエコシステム
IV ソーシャルワークによる精神障害者就労支援の実証的展開
1.NPO法人と事例
(1)NPO法人設立、活動開始までの経過
(2)NPO法人の概要、活動内容
(3)事例の概要
2.経過の概要(前期)
(1)第1期(平成20年11月初旬〜平成21年3月初め)
(2)第2期(平成21年3月初め〜平成21年7月初め)
(3)第3期(平成21年7月初め〜平成21年10月初め)
3.経過の概要(後期)と考察
(1)第4期(平成21年10月初め〜平成21年12月末)
(2)第5期(平成22年1月初め〜平成22年4月中旬)
(3)考察
事例の詳解
(1)第1期(平成20年11月初旬〜平成21年3月初め)
(2)第2期(平成21年3月初め〜平成21年7月初め)
(3)第3期(平成21年7月初め〜平成21年10月初め)
(4)第4期(平成21年10月初め〜平成21年12月末)
(5)第5期(平成22年1月初め〜平成22年4月中旬)
V ソーシャルワークによる精神障害者の就労と生活支援の考察
1.精神障害者就労・生活支援ツールの活用による利用者の変容
(1)生活への関心
(2)生活変容への関心
(3)精神障害者就労・生活支援ツールの意義
2.環境の相互関係による利用者の変容
(1)NPO活動における協働と利用者の変容
(2)地域住民・地域資源への働きかけと利用者の変容
(3)環境の相互関係とNPO活動の意義
3.人と環境の相互変容関係を活用した精神障害者の地域生活支援
(1)人と環境の相互変容関係と精神障害者の就労支援方法
(2)ソーシャルワークによる精神障害者の就労と地域生活支援
(3)仮説の検証と今後の課題
おわりに
巻末資料
■言及
■書評・紹介
■引用
p. 38
可能な限り就労による自立・生活の向上を図るために、2007年2月にとりまとめた「成長力底上げ戦略」の中の1つである「就労支援戦略として「『福祉から雇用へ』推進5か年計画」が策定されている(厚生労働省 2007)。この計画では、障害者就業・生活支援センターの全障害保健福祉圏域への設置、各省庁/各自治体いおける「チャレンジ雇用」の推進・拡大、全都道府県における「工賃倍増5か年計画」による福祉的就労の賃金底上げの推進等、ハローワークを中心とした「チーム支援」の体制・機能強化、障害者雇用促進法の整備、関係者の意識改革をあげている。
pp. 44-45
福祉的就労のための施設である授産施設は、本来、雇用に移行するための通過施設とされていたが、実態は福祉的就労の継続の場(朝日 2006: 71)や生活支援施設など多様で柔軟な機能を担ってきており(障害者職業センター 2002: 10; 22)、大きな目的は「活動の場」を提供することであった(障害者職業センター 2002: 25)。
*作成:伊東香純