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『他の誰かになりたかった――多重人格から目覚めた自閉の少女の手記』
藤家 寛子 20040405 花風社,230p.
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藤家 寛子
20040405 『他の誰かになりたかった――多重人格から目覚めた自閉の少女の手記』,花風社,230p. ISBN: 4907725620 1680
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内容(「MARC」データベースより)
この世界に違和感がありすぎて、私は私でいられなかった。「もう一人の私」と話し合って、私は再び「本物の私」になった。そして、違和感の原因を知った…。「アスペルガー症候群」と診断された少女が自らの世界観を綴る。
■著者紹介
藤家寛子[フジイエヒロコ]
1979年生まれ。解離性人格障害を克服したあと、2002年にアスペルガー症候群と診断される。現在、通信制大学の4年次に在籍中
■目次
第1部 私が私でいられなかった理由
他の誰かになりたかった
怒涛の「なせばなる」人生 ほか
第2部 アスペルガーとして生きていく
否定できなくなった「変人」
私の頭の構造
ほか
第3部 アスペルガーの私に、家族が愛せるか?
私の生まれた環境
必ず通り過ぎるべき時代
ほか
第4部 本物の自分を受け入れられ
私、藤家寛子という人
隠された自分への興味
ほか
■引用
「私と同じように高機能自閉症者であるグニラ・ガーランドさんはその著書、『ずっと「普通」になりたかった。』の中で、ご自身の半生を綴っていらっしゃいますが、私の体験も、ほとんどが同じでした。視覚的イメージによって物事を理解する方法も同じだったので、彼女の本を読んだ時はどんなに気持ちが救われたことか! なぜなら、長らく「得たいのしれない生物」だっ<0013<た私が、やっと自分の存在できる世界を探し出すことができたのですから。」(藤家[2004:13-14])
「私が一番嫌いなのは、どっちつかずの状態。「変人」なら「変人」でいいし、とりわけ変わってもいないなら、堂々と「普通なのよ」と思って生活したかったの。お医者様は、自閉スペクトラムの知的障害を伴なわず、言語能力の高い「アスペルガー症候群」の可能性が強い、と、私に数種類のテストを勧めてくださっ<0073<たわ。
この障害に当てはまるのかどうかを調べるテストを受けて、私は幸か不幸か「アスペルガー症候群」と名前のついた「変人」になった。お医者様は、この病気を知らない人たちのためにわかりやすく「典型的な症状」をまとめてある冊子を下さったわ。ローナ・ウィングという精神科医さんが監修した本のコピーだった。特徴として上げられていた項目が全部目次のところに記載してあるのだけれど、内容を読むまでもなく、それは、確かに「私」についてまとめた本だったわ。」(藤家[2004:73-74])
「誰かに「自閉症スペクトラムの(アスペルガー症候群)の人は、わりといるものよ」なんて言われると、実はかなりムッとする。なぜって? 「大したことないのだから文句を言っていないでがんばりなさい」と思われているんだわ……って感じるんだもの。これは私にとって決して被害妄想なんかではないの。とんでもない! 「わりといる」っていうのは、もちろん他にも苦しんでいる人がいるということだから安心する時もあるわ。努力しているのは私だけではないって思えるでしょ? でも「わりといる」ってだから何なの?
[…]症状はその患者数だけあるはずだわ。もう途方も<0097<ない数よ。
それなのに、「わりといる」って一体何なの? 私にお説教しているのかしら? だとしたら一言も聞き逃さないように、しっかり聞かなければならない。だけど、その表現はどうしても納得がいかないの。私はアスペルガーの割合を聞きたいんじゃない。慰めて欲しいだけよ。決してこんな言葉はもらえない。誰も「知らなかったわ。大変なのね」なんて言ってくれないわ。なぜかしら? 大抵の人はご丁寧に励ましてくれるだけ。「大丈夫よ。頑張って」って。何が大丈夫なの? 何を頑張るの? 本当に、一体何が???
お医者様は、それは「決り文句」みたいなものですって。だったら「そうだったの。大変ね」を決り文句にしてくれたらいいのに。」(藤家[2004:97-98])
(本の出版のための打ち合わせに東京に出てきて、混乱して、泣いてしまうのだが)「逃げださなかったのは、これを書くため。泣きながら『ぼくとクマと自閉症の仲間たち』を読んだ単身上京最初の夜、私も誰かの涙を止めてあげたいと思ったから、逃げなかったの。」(藤家[2004:223])
◇Gerland, Gunilla 1997
A Real Person
=20000430 ニキ・リンコ訳,
『ずっと「普通」になりたかった』
,花風社,286p. ISBN:4-907725-14-0 1785
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※
◇McKean, Thomas A. 1994
Soon Will Come the Light : A View from Inside the Autism Puzzle
Future Horizons Inc=20031107 ニキ リンコ 訳,
『ぼくとクマと自閉症の仲間たち』
,花風社,286p. ISBN:4-907725-56-6 1680
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※ a07
■言及
◆立岩 真也 2008- 「身体の現代」,『みすず』2008-7(562)より連載
資料
,
↓
◆立岩 真也 20140825
『自閉症連続体の時代』
,みすず書房,352p. ISBN-10: 4622078457 ISBN-13: 978-4622078456 3700+
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※
「まだまだあるのだが、幾つかを並べてみた。書かれることにはいくつも共通性があった。そしてそれらをどんな思いで書くのか。その思いも連鎖する。藤家寛子は本の出版のための打ち合わせに東京に出てきて、混乱して、泣いてしまう。けれども
「逃げださなかったのは、これを書くため。泣きながら『ぼくとクマと自閉症の仲間たち』を読んだ単身上京最初の夜、私も誰かの涙を止めてあげたいと思ったから、逃げなかったの。」(藤家[2004:223]、言及されている本はMcKean[1994=2003])」(立岩[2014])
「わかることは対処法を知るために必要なこととして求められることが多い。また責任の所在が関わってわかることが求められることもある。これらについても後で見る。だがそれだけでもない。人にもよるだろうが、名づけられない、説明されない事態が起こっていると感じることは不安を呼び起こすことであるかもしれない。そしてとくに、人々はまわりにたくさんいるのだが、どうも自分だけが変わっている、同じでないようであることが次第に感づかれている場合がある。どんな説明であれ、名がつけられ、説明がなされると――それが当人にとって受け入れられるものであればだが――なんだかわからない事態ではなくなり、それはよいことであるかもしれない。
「グニラ・ガーランドさんは[…]『ずっと「普通」になりたかった。』の中で、ご自身の半生を綴っていらっしゃいますが、私の体験も、ほとんどが同じでした。[…]彼女の本を読んだ時はどんなに気持ちが救われたことか! なぜなら、長らく「得たいのしれない生物」だった私が、やっと自分の存在できる世界を探し出すことができたのですから。」(藤家[2004:13-14])
「私が一番嫌いなのは、どっちつかずの状態。「変人」なら「変人」でいいし、とりわけ変わってもいないなら、堂々と「普通なのよ」と思って生活したかったの。お医者様は、自閉スペクトラムの知的障害を伴なわず、言語能力の高い「アスペルガー症候群」の可能性が強い、と、私に数種類のテストを勧めてくださったわ。/[…]私は幸か不幸か「アスペルガー症候群」と名前のついた「変人」になった。」(藤家[2004:73-74])」(立岩[2014])
UP: 20090425 REV: 20090502, 0830, 20140824
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藤家 寛子
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