『自分で選ぶ終末期医療――リビング・ウィルのすすめ』
大野 竜三 20010825 朝日新聞社,朝日選書681,189p. ASIN: 402259781X 1155
■大野 竜三 20010825 『自分で選ぶ終末期医療――リビング・ウィルのすすめ』,朝日新聞社,朝日選書681,189p. ASIN: 402259781X 1155 [amazon] ※ b d01.
■内容
(「BOOK」データベースより)
健康で尊厳ある老後生活の送り方と死の迎え方についての恰好の手引き。
(「MARC」データベースより)
苦しみの後に意識を失い、たくさんのチューブで生命維持装置に繋がれたままの死でいいのか。健康で尊厳ある老後生活の送り方と死の迎え方について、医師が具体的に語る。
■著者紹介
大野 竜三:東海ターミナルケア研究会会長/愛知県がんセンター名誉総長
http://www.tokai-medi.co.jp/tamiken/newsreport/kouen.html
愛知淑徳大学医療福祉学部教授
http://www.aasa.ac.jp/faculty/so_list.html
■目次
第1章 リビング・ウィルとはなにか
第2章 現代医療と延命治療
第3章 健康で尊厳ある老後生活をおくるために
第4章 延命治療とはどういうことか
第5章 日本の医療と延命治療の実態
第6章 人生の終末期と延命治療
第7章 リビング・ウィルは日本で受け入れられるか
第8章 延命治療の中止と意思表明書
第9章 死にゆく人たちと共にいて
あとがき
■引用
第2章 現代医療と延命治療
日本の現代医療と延命治療
「現代医療、少なくとも現代の日本の医療現場においては、患者の生命の延長が至上命令とされており、最善を尽くして患者さんの生命を延長することが、日常の診療において行われています。そして、医学教育の場でも、当然のこととして、そのように教えられています。
終末期の延命治療もその延長にあり、最善を尽くして患者さんの延命をはかっています。しかし、延命治療には相当の費用を要します。欧米の医療現場においては、要した費用に見合うだけの効果が得られるのかということが問題にされ、費用対効果という解析がしばしば行われます。一方わが国の医療界にあっては、正面きって費用のことを論ずるのは恥ずかしいことであると見なされ、むしろタブー視される傾向にあり、費用対効果が論ぜられることも、医学生に教育されることもほとんどありません。」(大野[2001:171-172])
あとがき
「冒頭にも書きましたように、世界に誇れる日本の国民皆医療保険制度は、いま存続の危機に瀕しています。それどころか、このままでは破綻することが確実となっています。
[…]<0171<
高騰している老人医療費のすべてが、無駄な終末期医療のためであるとは、私は毛頭考えていません。しかしながら、日本の医療機関も、無駄な終末医療をまったくしていないとは言えない状況にあることも否定できません。
[…]全力を尽くして延命をはかるという医療側の至上命令に対し、無理やり延命させられているという苦情も出ています。たくさんの管につながれて生かされる、いわゆる「スパゲッティ症候群」という言葉で代表される批判です。
人の生命は尊い。いつ延命治療を中止すべきかは、たいへん難しい課題です。
しかし、たった一人、あなたの終末医療[ママ]を決定する権利を持っている人がいます。それは、<0172<家族でもなく、ましてや医師でも看護婦でもありません。
いつかは終末医療に直面するであろう、あなた自身です。
[…]
読者であるあなたも、必ず一回は自分の終末医療問題に直面します。
その時に備え、ぜひとも、リビング・ウィル、「終末期医療[ママ]についての意思表明書」を書いて下さい。
願わくば、すべての日本人に、これを書いていただきたいものです。」(大野[2001:171-172])
「終末治療の中止をもとめる意思表明書(著者案 一五九ページ参照)
私はこまでの人生を、私なりに一生懸命生きてきました。
ここに、私の人生が終わるとしても、決して悔いはありません。
いま、私は意識を失うような状態に陥っていると思います。あるいは、呼びかけには応じているかもしれませんが、意識は朦朧としていると思います。
ということは、私はいま自分の力では水も飲めないし、食べ物も食べられないでしょう。
自分で呼吸ができない状態にあり、人工呼吸器により呼吸をしているかもしれません。
繰り返しますが、私は、いま、私の人生が終わるとしても、決して悔いはありません。
ですから[…]」188
■言及
◆立岩 真也 2008 『…』,筑摩書房 文献表