『現代平等論ガイド』
竹内 章郎 19991220 『現代平等論ガイド』,青木書店,222p.
■竹内 章郎 19991220 『現代平等論ガイド』,青木書店,222p. ISBN-10: 4250990494 ISBN-13: 978-4250990496 2200 [amazon]/[kinokuniya] ※
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・内容(「BOOK」データベースより)
平等論の最前線をゆく―これを読まずに、もう「平等」は語れない。
・内容(「MARC」データベースより)
21世紀を目前に控え、平等主義の忌避という状況にある今、あえてもう一度平等を真剣に考え直すための基礎的な材料を提供し、平等への理解を深めるとともに、不平等主義に覆われつつある現代への批判を行う。
■目次
序 いま一度、平等ということを真剣に考えたい
第1章 これまでの平等の語られ方
平等という言説の逆説
平等主義と平等論
ほか
第2章 伝統的平等論をめぐる諸問題
平等、とくに平等主体を把握する視野
不平等と平等主義的問題設定
ほか
第3章 現代の平等主義的平等論の概略
現代リベラリズムの平等論
平等主義的平等論の共通の特徴
ほか
第4章 平等主義的平等論の展開
平等論の統一性
平等論と自由(権)の位置
ほか
■引用
「ニーズの測定(者)は可能なのかという問題があり、福祉国家などが測定するニーズに応じた配分グッズでは、個人にとって外的で個人の善にふさわしくない強制的なものにしかならない、という批判がある」(p.80)
「ドゥオーキンを超えてこの傾向をさらに進め、能力をも平等配分グッズとして、他者による当該者の能力を補填し、この意味での能力の再配分を平等論に組み込む<平等の様態化>が、平等主義の進捗にとっては重要なのである。これがなければ、ハイエクやノージックの新自由主義が能力の個人還元主義や個人責任論に基づいて主張する不平等主義には、最終的に対抗できないからである。そのように、<平等の様態化>を能力次元での平等にまで進める議論の端緒は、本章4で見るように、すでにセンやアーナソン、コーエンによって開かれている。」(p.163)
「あらゆる人は、正常範囲内の肉体的必要性や心理的力量をもっている、と私は仮定する。そこで、特別のヘルスケアや精神障害者の取り扱い方に関する問題は生じない。こうした困難な問題を考察することは……、われわれと隔たりのある人々を考えざるをえなくするために、われわれの道徳的な知覚を混乱させてしまう」(Rawls, "A Kantian Consept of Equality", J. Ranjchman & C. West eds. Post-Analytic Philosophy, Columbia ninversity Press, 1985, p206,竹内章郎『現代平等論ガイド』(1999,青木書店)pp.194-195に引用)
※この論文の初出は1975年
「平等主義的制度の形成しだいでは、不平等化へのインセンティブを不可欠とする議論とその根元にある私利私欲的人間を変革しうるのであり、そうした展望をユートピアの彼方に追いやる必要はない。」(p.210)
■言及
◆立岩 真也・齊藤・拓 2010/**/** 『(未定)』,青土社 文献表
◆立岩 真也 2018 『不如意の身体――病障害とある社会』,青土社