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【訳】コミュニティポリシー

"Community Policy"

フェミニストライブラリー[Feminist Library] n.d.
(訳:村上 潔Murakami, Kiyoshi] 2025/07/06)

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last update: 20250808

■書誌情報[Bibliographic Information]

◇Feminist Library, n.d., "Community Policy", Feminist Library, (https://feministlibrary.co.uk/who-we-are/).*=2025,村上潔訳,「コミュニティポリシー」,arsvi.com:立命館大学生存学研究所,2025年7月6日,(https://www.arsvi.com/2020/20250706mk.htm)
*[PDF] https://feministlibrary.co.uk/wp-content/uploads/2025/04/community_policy.pdf

■訳文[Translation]

〈フェミニストライブラリー[Feminist Library]〉(以下「FL」と略記する)★01は、アボリショニスト[廃絶主義者]で、トランスインクルーシヴで、インターセクショナルな[交差的な/交差性を重視した]フェミニストスペースである。私たちは、性差別・同性愛嫌悪・人種主義・トランス嫌悪、そして――障害〔の有無〕、社会経済的地位、セクシュアリティ、年齢、教育〔=学歴〕、信仰している宗教、ジェンダー表現[Gender Expression]を含む――構造的不平等に基づいた抑圧的言動のすべてを許容しない。
私たちの目的は、あらゆる〔タイプの〕フェミニズムを包括すること、そしてとりわけ社会全体やフェミニズム運動のなかで歴史的に周縁化されてきた人々を歓迎することである。
ここでは、敬意ある討論と議論が奨励される。
FLは、集合的/共同的空間[Collective Space]である。それゆえ、現地のライブラリー空間、デジタル空間のいずれも、利用するすべての人にとって安全な、歓迎される空間として維持する責任が〔関係者全員に〕ある。
他者の発言や行動によって疎外されたり抑圧されたりしている人たち〔本人=当事者〕だけが、そのことを指摘する責任を負うべきではない。スペースを利用するすべての人は、他者〔の存在/状況〕を意識するよう努める必要がある。
もしあなたが、誰かが不適切な行動をとったと感じたら、〔あなた自身が〕そのことを思慮深い態度で相手に知らせるよう試みること。また、あなたの言動が不適切だと誰かから指摘された場合も同様に、熟慮の上で、思慮深い態度で受け止めること。私たちのコミュニティにおける抑圧的な行動に対して異議を唱えられるようになることは、すべての人の利益となる。
FLはインクルーシヴなスペースであるが、私たちのコミュニティポリシーを遵守することを条件として、自己定義[Self-Defining]グループが自律的に組織化するニーズを尊重する。
FLで企画されるすべての「女性限定」イベントは、女性だと性自認するすべての人が参加できるものでなければならない。企画者グループに対しては、広報の際にこのことを明示するよう求めている。この趣旨に反してFLでイベントを企画することは、いかなるグループに対しても許可されない。
FLのコレクティヴは、大部分がボランティアである。私たちは、非ヒエラルキー的な実践に尽力している。したがって、コミュニティ内部で生じるいかなる対立も、集団的で透明性のある非ヒエラルキー的プロセスを通じて対処することを目指している。
コレクティヴは、現実の空間とヴァーチャルスペースを維持し、利用者を保護する責任をもつ。そのため、他の利用者の安全が侵害されるのを防ぎ、またコレクティヴメンバーの安全を保護することを目的として、必要に応じて、状況を鎮めるための最善の判断に基づいた行動をとる。具体的には、〔現実の空間におけるトラブルであれば〕個人に対して自発的にその場から退去するよう要求することがある。ヴァーチャルな会合において衝突があった場合は、ディスカッションを終了させたり個人を退出させたりすることがある。
私たちに何か問題を指摘したい場合や、本ポリシーに従って私たちが介入することを要請したい場合は、FLのコレクティヴメンバーに知らせてください。質問や懸念事項は、admin@feministlibrary.co.uk 宛に連絡してください。
また、FLコレクティヴの内部で合意形成されたこのコミュニティポリシーについて、何か改善案を提案できる場合も、知らせてください。それは継続的な対話の一部であり、私たちのコミュニティのニーズに最大限応えるために必要な変更を受け入れるものです。

訳注

★01 1975年、ロンドンで設立。フェミニストヒストリーのアーカイヴ、図書館、そしてコミュニティスペースとしての機能をもち、研究者・アクティヴィスト・コミュニティプロジェクトの活動を支援している。インターセクショナル[交差性重視]、アボリショニズム[廃絶主義]、トランスインクルーシヴ[トランスジェンダー包摂]、を方針として掲げる。大手機関による資金援助を受けず、ボランティアの協同による非ヒエラルキー的運営を一貫して続けてきた。数度の移転を経て、現在はペッカム[Peckham]を所在地とする。
*Webサイト:https://feministlibrary.co.uk

■注記[Note]

◆許諾に関する説明[Explanation of Permission]
この訳文の掲載にあたっては、〈フェミニストライブラリー〉の許可を得ています。
Permission to publish this translation has been granted by the Feminist Library.

■参考/関連情報[Related Information]

この訳文を使用した講義

◆神戸市外国語大学2025年度前期科目《ジェンダー論入門》「アーカイヴィングから見るジェンダー(2nd Round)」(担当教員:村上潔)
◇第11回:「アーカイヴ、ライブラリー、そして出会い・連帯・抵抗の拠点――ロンドン〈フェミニストライブラリー[Feminist Library]〉に見る場の力(4)」[2025/06/27]
https://www.arsvi.com/d/2025igs.htm#11

〈フェミニストライブラリー〉関係のその他の翻訳

◇Feminist Library, 2025, "Following the Supreme Court Judgment", Feminist Library (Facebook), May 1, 2025, (https://www.facebook.com/FeministLibrary/posts/1102569495231513).=2025,村上潔訳,「最高裁判決を受けての声明」,arsvi.com:立命館大学生存学研究所,2025年6月20日,(https://www.arsvi.com/2020/20250620mk.htm
◇Feminist Library, 2025, "For Five Decades, the Feminist Library Has Been a Crucial Site for …", Feminist Library (Facebook), June 14, 2025, (https://www.facebook.com/FeministLibrary/posts/1137010031787459).=2025,村上潔訳,「50周年を迎えて」,arsvi.com:立命館大学生存学研究所,2025年7月10日,(https://www.arsvi.com/2020/20250710mk.htm

「セーファースペース・ポリシー」関連

◇Disabled People Against Cuts (DPAC), 2025, "Safeguarding Information", Disabled People Against Cuts (DPAC), July 31, 2025, (https://dpac.uk.net/2025/07/safeguarding-information/).=2025,村上潔訳,「安全確保に関する情報」,arsvi.com:立命館大学生存学研究所,2025年8月1日,(https://www.arsvi.com/2020/20250801mk.htm
◇村上潔 2020 「DIYの文化シーンとアクセシビリティ――その精神・実践・意義」,Webマガジン『AMeeT』(一般財団法人ニッシャ印刷文化振興財団),2020年3月24日,(https://www.ameet.jp/column/2930/
◇村上潔 2019 「[Lecture & Workshop]セーファースペースとしてのジン・コミュニティをつくる」(ゲスト講義:2019年5月26日/於:ナゴヤ駅西 サンサロ*サロン),arsvi.com:立命館大学生存学研究所,(https://www.arsvi.com/2010/20190526mk.htm

〈フェミニストライブラリー〉を題材とした過去の講義

◆神戸市外国語大学2024年度前期科目《ジェンダー論入門》「アーカイヴィングから見るジェンダー」(担当教員:村上潔)
◇第13回:「第2波フェミニズムから生まれた自律的フェミニストスペースが担うアーカイヴィング――ロンドン〈Feminist Library〉の事例」[2024/07/19]
https://www.arsvi.com/d/2024igs.htm#13

村上潔

◇村上潔 2025 「フェミニストアーカイヴィング実践におけるオーラルヒストリーの取り組み――イギリスの自律的地域アーカイヴの事例から」(研究会報告:第7回オーラルヒストリー・アーカイブ・プロジェクト研究会:2025年2月12日),arsvi.com:立命館大学生存学研究所,(http://www.arsvi.com/2020/20250212mk.htm
◇村上潔 20210715 「地域のウーマンリブ運動資料のアーカイヴィング実践がもつ可能性――二〇〇〇年代京都市における活動経験とその先にある地平」,大野光明・小杉亮子・松井隆志編『[社会運動史研究 3]メディアがひらく運動史』,新曜社,72-94
◇Knight, Rosie, 2018, "How Zine Libraries Are Highlighting Marginalized Voices", BuzzFeed News, December 30, 2018, (https://www.buzzfeednews.com/article/rosieoknight/zines-libraries-marginalized-voices).=2019 村上潔訳,「ジン・ライブラリーはいかにして周縁化された声を強調しているのか」,arsvi.com:立命館大学生存学研究所,2019年8月29日,(https://www.arsvi.com/2010/20190829mk.htm

■その他[Others]



*作成:村上 潔Murakami, Kiyoshi
UP: 20250808 REV:
生を辿り途を探す――身体×社会アーカイブの構築  ◇アーカイビング――障害/クィア/BIPOC/フェミニズム(海外)  ◇性[Gender/Sexuality]  ◇LGBTQ+ Rights  ◇フェミニズム/家族/性[Feminism/Family/Sex]  ◇全文掲載
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