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古木隆氏インタビュー・2
2020/12/12 聞き手:
立岩 真也
Skype for Business使用
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◇
こくりょう(旧国立療養所)を&から動かす
◇
生を辿り途を探す――身体×社会アーカイブの構築
◇文字起こし:ココペリ121
https://www.kokopelli121.com/
※記録を2つに分けました。
◇
古木 隆
i2020a
インタビュー・1
2020/12/12 聞き手:
立岩 真也
西宮・古木さん宅との間 Skype for Business使用
◇
古木 隆
i2020b
インタビュー・2
2020/12/12 聞き手:
立岩 真也
西宮・古木さん宅との間 Skype for Business使用(本頁)
■退院
立岩:そういうことですね。それで23までいて、出るわけだけど、その前後というか、出るにいたった経緯というか、それはどんな感じだったんですか?
古木:ああ、そのときに何となく「ここから出たい」っていう思いがあって、なんか「どうしようかな」って悩んでた感じで。ネットでたまたま自立生活センターっていうの書いてあったんで、「何かな、これ?」みたいな感じです。ちょっと自分で連絡するのあれやったんで、もう1人なんか病院にいた人、おじさんがいて、
立岩:そのおじさんっていうのは、入院してた人ってこと?
古木:はい、入院してた人ですね。だから一緒に自立することにあとでなるんですけれども。その人にちょっと、「どういうところかちょっと電話してみて」って言って(笑)。
立岩:おじさんっていうのは何の障害持ってるおじさんなんですか?
古木:は、筋ジストロフィーで、10歳ぐらいから48ぐらいまで病棟にいた人で。
立岩:38年いたとか、そういうこと?
古木:そうです、そんぐらい。
立岩:ああ。その人も出たいっていう、そういうことですか?
古木:最初はなかったけど、僕がしつこく「電話して」って言うもんだから。
立岩:何? 古木さんも電話しようと思えばできるよね。何でそのおじさんにさせたの?
古木:いや、なんか得意そうだったんで、いつも。
立岩:そのおじさんの方が電話得意そうだったってこと?
古木:はい、そうですね。はい。
立岩:で、そのおじさんがした。
古木:そうですね。ピアカウンセリングっていうのは、をやってるっていうのを聞いて。なんか病院にたまに来てたのかわからないですけど、何となく噂に聞いてたので、「ピアカウンセリング受けに行こう」って言って、行ったって感じです。
立岩:え、それ、
ヒューマンネットワーク熊本
〔1991〜〕ですか?
古木:そうです、ヒューマンネットワーク熊本です。
立岩:へえ。僕ね、熊本3回ぐらい行ったことあるんですけど、1回熊本でしゃべったことあるんだよな。その時期の、まあちょっとあとで調べてみます※、たぶんそんなに違わない時期のような気がしてきた。わかりました。それで、ピアカウンセリングに2人で行ったんですか?
立岩 真也 1999/12/07 「しょうがいを持つ人々の自立生活・自己決定と選択の福祉とは」(与えられた題),フォーラム99 主催:レスパイト試行事業検討委員会・(社福)ライン工房 於:熊本県立劇場,
資料
古木:そうですね、行くことになって。そのとき集中講座っていうので3日間あるやつで、ついでに泊って体験してみよう、みたいな感じで。
立岩:泊るのは、その体験室的なとこに泊ったんですか?
古木:そうですね。自分のお金出して、介助者雇ってっていう感じでやったっていう感じです、はい。
立岩:その病院は、宿泊っていうか外出外泊的なことの制限っていうかは、それはそうだったんですか?
古木:けっこう親とかじゃないといけないとか厳しい感じで、外出そんなできない。近くのコンビニに行くのにも許可がいる感じで。
立岩:それだったらさ、だって、3泊つったっけ? 2泊つったっけ?
古木:はい。
立岩:それ普通、大変じゃないですか?
古木:そうですね。
立岩:それはそのときどうしたの? 許可書を申請して認められたっていうことですか?
古木:ああ、そうですね、はい。
立岩:ちゃんとその目的を書いて出した。
古木:そうですね。「一緒についていく人いるので」って言って。
立岩:ああ、「ついてく人がいるから大丈夫だ」っていうような。
古木:はい。そうです、はい。
立岩:それは実際にいたんですか?
古木:はい、そうですね、ヒューマンネットワークの介助者の人が。
立岩:ああ、そういうことか。その集中講座は2人で行ったの? そのおじさんと。
古木:はい、2人で。と、何人か他にも参加者がいて、
立岩:ピアカウンセリングの集中講座の参加者ってことですね。病院からは2人?
古木:はい。
立岩:ちなみにその、もしそのおじさんの名前、おじさんが良ければですけど、お名前は何ていう方なんですか?
古木:あ、えーと、今、熊本で自立してるかもわからないですけど。たぶんされてると思うんですけど。安武(やすたけ)さんっていう人ですね。[01:00:44]
立岩:やすたけですか?
古木:安武はるじさんっていう人。
立岩:「安」いですかね、高い安いの。
古木:安い。「安」いに、たけ、武士の「武」。
立岩:それで、ヒューマンネットワーク熊本のピアカウンセリングの講座を受けに行った。何年だか覚えてらっしゃいますか?
古木:えーと、それは22歳ぐらいだから、
立岩:2002年とか?
古木:ああ、そうですね、2002年ぐらいです。
立岩:それでどうなったんですか? そのあと。
古木:そのあとで、「自立したい」っていうふうに、他の人とかピアカウンセリングで会ってみて、「一人暮らししてる」っていうの聞いたから、「ああ、これやったら俺にもできるんじゃないかな」っていうふうに思って相談、「自立したいです」って相談したみたいな感じです。
立岩:僕、熊本、まちなかちょっと行っただけなんで土地勘がないんですけど、ヒューマンネットワーク熊本と病院のあいだって距離的にはどのぐらいあるんですか?
古木:けっこうあります。電車で30分ぐらい行って、そこから歩いて行くっていう感じで。
立岩:そしたらまあまああったと。
古木:1時間ぐらいはあると思いますね。
立岩:1時間ぐらいかけて。
古木:はい。
立岩:それで、まあ「そういう人もいるんだ」ということになり、「じゃあ自分も」ということになり、ですか?
古木:はい。で最初、外出の問題がまた出てきたんですけど、1人で電車乗って行くっていう体験がしたくて、介助者が駅まで来てるっていうのを病院に嘘ついて、ほんとは来てないんですけど、駅まで行って、自分で電車に乗って行ってたんです。
立岩:ちょっと待ってよ。病院から電動でまず駅まで行くわけ?
古木:そうですね、はい。
立岩:で、電車乗って降りてっていう話か。で病院には、「駅に行ったら介助者がいるから」って言ったってこと?
古木:ああ、そうですね。許可出ないんで、「1人で行く」って言ったら。はい。
立岩:1人だっていう場合は、病院は許可しないと。
古木:はい、そうです。
立岩:だからそこは嘘言って、「いるから」って言って。電動に乗って駅まで行って、駅から電車乗って、駅から降りて、また電動で、たとえば、
古木:ああ、そうですね。歩いて行ってたんです。
立岩:そういうことをするようになったと。仮にですよ、22のときにそういうことがあって、23で出たってことになれば、そのあいだ1年ぐらいってことですよね?
古木:そうですね。ちょっとずれてるかも、24かもしれないですね、出たのは。
立岩:出たのが24のときだった?
古木:はい、ちょっと時間かかったんで、出るときに。
立岩:じゃあ2年ぐらいかかったってイメージですかね?
古木:そうですね、2年ぐらいかかりました。
立岩:その間に、どういうこう、何を? いろんなことやんなきゃいけないじゃないですか、その前に。生計っていうかね、お金のことね、というのは、これも聞いてくといろいろっていうか、いろんな人がいて、通帳親が持ってて、なかなか金渡してもらえなくて大変だったって人もいれば、いろいろなんですけど。古木さんの場合、お金の管理的なこととか、あるいは自立するにあたってお金もいるじゃないですか、そのへんはどうだったんですか?
古木:は、病院で貯めてた年金があったんで。自分で管理してた感じなんで。[01:05:15]
立岩:ああ。じゃ、障害基礎年金は施設生活でそんなに使わないと。
古木:そうですね。まあ僕の場合はいろいろ出前とか病院でやってたんで(笑)、けっこうお金使ってたんですけど、まあそれでもなんとかあったみたいな感じ。はい。
立岩:(笑) ほかの人よりは使う方だったけど、でもちょっとずつは貯まるっていうか。で、それが積み立ててあってというか、そこそこ、
古木:まあ思ったほどはなかったんですけど。
立岩:(笑) 思ったほどはなかった。
古木:はい(笑)。
立岩:ずっと基礎年金ですよね?
古木:はい。
立岩:1級の年金は取れてたわけでしょ? そうか、お金はそういうんで。いや、そうそう、メインストリームも関わった
古込〔和宏〕
さんのとき、金沢のときがね、あれがちょっと大変で。親が通帳持っててね、それがなかなか大変でしたけど。そっか、古木さんは、まずは自分で通帳は管理してたと。
■
古木:そうですね、親はもういなかったんで、はい。
立岩:そうか。そういうときはいない方がいいってこともあるのかもしれないですね。
古木:そうですね。
立岩:ちなみに、もし聞いてよければですけど、お母さんそれで離婚して離れられたっていうことだが、お父さんっていうのは?
古木:お父さんは小さいとき亡くなったって聞いてて。ほんとは生きてたんですけど。1回だけ会ったことあるっていう感じです、17歳のときに。
立岩:ちょっと待って。今、お父さんの話だよね?
古木:そう、そうです。
立岩:お父さんは何、死んでたって言われてたんだけど生きてたって、そういう話ですか?
古木:そうです。死んだと思ってたんですけど、なんかいきなり会いにきたって感じで。
立岩:えー。自分が17歳のときに?
古木:そうですね、いきなり。
立岩:けっこうなんか、それすごいすね。
古木:はい、めちゃくちゃびっくりしたんですけど。
立岩:そりゃめちゃくちゃびっくりしますよね。
古木:(笑)
立岩:えー。だけど、何で10何年ぶりに突然病院にやって来て。え?
古木:それがなぜかはちょっとわからないんですけどね。
立岩:10何年離れてて、死んでると思った親と会ったときって、ちょっと想像つかないですけど、どんな話をしたんですか?
古木:いや、普通に「何で会えなかった」とか、で、まあ「いろいろあって」って感じで。はい。
立岩:親は何、「いろいろあって」って言ってた?
古木:そうですね。
立岩:具体的にはよくわかんなかったってことですか?
古木:ちょっとわから…、何で離婚したかとかはぜんぜんわからなかった感じですね。
立岩:なんかテレビドラマ的なシチュエーションですよね。そのあと、そのお父さんって方とはどうなるんですか?
古木:そのあと1回しか会って…、あ、1回会っただけで、あとは、
立岩:1回っていうのは最初に、最初にっていうか、
古木:その17歳のときに会っただけ。で、なんかラジカセとか、そういうのくれた。
立岩:ああ、その17のとき、やってきたときに?
古木:はい、そうですね。
立岩:へえー。けっこうなかなかの人生ですね。そうか。そういうんで、事実上「親いない」みたいな状況で、親に通帳取られるもへったくれもないですよね、それだとね。
古木:それはなかったですね。
■
立岩:「じゃあ自分で」っていうんで、お金がある程度はあって。それでその2年ぐらいのあいだに、熊本市内を探したんですか?
古木:熊本市内ですね、はい。
立岩:それは何、ネットワークの人に手伝ってもらったりした?
古木:そうですね、家探しとか。はい。
立岩:見つかったでんすか? わりと。
古木:そうですね、けっこう古い建物で一軒家が見つかって、そこで住むようになったんですけど。
立岩:市内の一軒家、古いけど一軒家を、賃貸でですよね。そりゃそうだよね。そこを見つけて、住居はそれで決まると。[01:10:10]
古木:はい。
立岩:あとは何、介助の体制とか?
古木:はい、そうです。そこでちょっと困ったことがあって。呼吸器、夜間につけるんですけども、そのときに、まあ介助者ではつけてはいけない、「ヘルパーがつけてはだめです」って言われて。
立岩:ああ、ちょうどそのころだな。はいはい。
古木:で、どうしようかって迷ってて、じゃあ僕らが「ボランティアにしたらどうですか?」っていう感じで。「つけるときだけ、もう仕事終わってボランティアっていうかたちだったらどうですか?」みたいな感じで言ったら、「大丈夫です」みたいなこと。
立岩:古木さんが、まあ言うたら、実際そうだったんですよ、そのころって。「吸引とかそういうのやってる瞬間はボランティア」みたいなね、「そういう解釈でいける」とかいう話で、僕の周りでもそういうことあったんですけど。古木さんはそれを思いついたみたいな感じ? 「それだったらいけるんじゃないか」っていう。
古木:はい。
立岩:それをヘルパーの人に言ったら、「それでいこう」みたいなことになったってことですか?
古木:そうですね、最初は、はい。
立岩:なるほど。ちなみに古木さんは呼吸器で言うと、いつごろからどんな具合に使い始めたんですか?
古木:気管挿管したときに、21歳ぐらいのときに、
立岩:さっき言った息止まったときってこと?
古木:はい、そうですね。そのとき、呼吸器にするか気管切開するかっていう感じになって。「次の日気管挿管とれなかったら、気管切開するから」みたいに言われて、なんとか取れて、「じゃあ夜間だけつけましょうか」っていう感じになったんです。
立岩:今のその鼻マスクのタイプのやつを、21とかそのぐらいから使い始めたってことですか?
古木:はい。そうですね、夜間だけ。
立岩:寝るときつけて、起きたら外すってこと?
古木:そうですね。
立岩:それは、今はどうですか?
古木:今はずっと、24時間つけて、
立岩:「夜間だけ」から「ずっと」っていうのは、それの変化っていうのはいつごろ?
古木:は、西宮来てから。
立岩:それは西宮来てからか。じゃあ熊本で自立しようって言った2004年ぐらいっていうのは、そのころはまだ夜だけだったってことか。
古木:はい、夜だけ。
立岩:うんうん。でもいわゆるその、今で言うところの「医療的ケアをどうするのか」っていう話はあって、それでそのとき「ボランティアっていう解釈でいこう」っていうことになり、それでヘルパーはどこのヘルパーっていうか、ヒューマンネットワークは介助派遣をするCILなんだっけ?
古木:そうですね。3つか4つぐらい使って。あ、僕は4つぐらい使ったかな、はい。
立岩:古木さん、そうか、事業所3つ、4つ使ったってことですか?
古木:はい。
立岩:その時間数はどのぐらい? 病院から出てから、一軒家で暮らし始めたときの時間数ってのは、どのぐらいだったか覚えてらっしゃいますか?
古木:たぶん340か60ぐらいだったと思います。
立岩:そうすると、1日12時間とかそんなもんか。12時間っていうのは、主にどの時間帯にどういう使い方してたんですか?
古木:昼間に空き時間みたいなの作って、なんか無理やりやってたみたいな。時間数がぜんぜん認められなくて。
立岩:じゃあ昼間は1人で耐えるみたいな時間を作って。で、夜は入れてたって感じですか?
古木:いや、夜は2時間おきに、社会福祉事業団っていうところが回って、巡回してくるって感じです。
立岩:あ、巡回?
古木:はい。ほかの人のところ回ってきながら来るっていう感じで。
立岩:ということは、昼間は1人きりの時間をつくる、夜は巡回、そういうやりくりをして、1日12時間とか10時間とかでなんとかしてたっていう、そんな感じですか?
古木:で、他人介護手当っていうの使って、あと何時間かちょっと埋めてた。だから、
立岩:そうか、他人介護も使ってた。
古木:そうですね。それ使って、14ぐらいか、あんま変わんないけど。
立岩:他人介護使ってたってことは、生活保護取ってたってことだよね。
古木:そうですそうです、生活保護。自立した次の日ぐらいに「お金2万しかないからどうしよう」みたいな感じで。
立岩:え(笑)、ちょっと待って、2万ってのは何ですか? 預金残高がってこと?
古木:はい、預金残高が、
立岩:そりゃやばいですね。
古木:自立するときにもう使ってしまって。
立岩:ああ、引っ越しやら何やら、その転居のために金使っちゃったら、2万しか残ってなかった。
古木:はい。で自立して、ヒューマンネットワークに「お金ないんですけど、どうしよう?」って相談しに行って生活保護受けたみたいな。
立岩:2万円なら、そうですね、正々堂々の生活保護ですね。
古木:はい。
立岩:じゃあ生活保護取って、他人介護料もまあ入って、でまあ14時間ぐらいでって。そうかなるほどね。それが2004年としておきましょう。それでその間(かん)ちょっとあったんだろうと思うんだけど。それで、すごい時間をすっとばすと、2016年の4月ですか? 熊本。その10年余りっていうのは、ヒューマンネットワークで活動をしていたのですか?
古木:そうですね。活動員みたいな感じで、スタッフにはなれなかった感じなんで、その、
立岩:ヒューマンネットワークから月給が出るみたいな、そういう、
古木:っていうのはちょっと難しかったので、ピアカウンセリングでリーダーやったりとか。
立岩:ああ、そんな感じで。
古木:はい、そういう活動はやってましたけど。
。
立岩:そのころの代表って誰だ? 平野さん?
古木:いや、日隈さんっていう人です。
立岩:何くまさん?
古木:日隈さん。サングラスかけた、坊主の人なんですけど。
立岩:そうですか、まあ調べればわかると思う。じゃあ、べったりのスタッフっていうわけじゃないけれども、ピアカウンセリングであるとかそういうときに時々入るみたいな?
古木:はい。それでスタッフになれないことに悩んで、「もう辞める」ってなったときに地震が起きて、
立岩:ああ。古木さんとしては、なりたかったってことですよね?
古木:そうですね、はい。やっぱあの、大事な会議とか出れなかったんで。
立岩:そうか、ちょっと悔しいっていうか。
古木:そうですね。で、あとで来た介助いれない人はもう、すぐスタッフになれるって感じで、それに不満を感じて、「もう辞めたいです」って言って。
立岩:ちょっと待って、地震の前にすでにもう「ここは辞めたいかな」的な感じだったってこと?
古木:そうですね、はい、なってましたね、はい。
■熊本地震 2016
立岩:そうなんですか、なるほど。で、地震起こっちゃいますよね。で、今回臨時っていうかとりあえずぱぱっと検索すると、その当時の記事はかなりいろいろ出てきて、そこんとこだけわかるんですけど、ちょっとね。まず記事に書いてあったのは、あの時、実は僕のところの、僕、今大学院で教えてるんですけど、そこの今、大学院生やってる熊本学園大にいた
権藤〔眞由美〕
っていうのがその当時熊本でばたばたやってて、その当時の話ちょっと聞くことあるんですけど。まず、熊本で受け入れてもらえなかったっていう記事がありましたけど。
古木:ああ、はい。[01:20:36]
立岩:それはそうだったというか、
古木:はい、普通の小学校に1回避難して行ったんですけど、まあ、なんかそうですね、救急車で連れて行かれそうになったんで、「もういいです」って言って出てきたんですけど。
立岩:いったん避難所に、小学校に行った。で、行ったけど、
古木:とりあえず電源借り…、あ、呼吸器、夜中止まってたんで。地震が起きたとき呼吸器止まったんで、
立岩:それは停電で?
古木:はい、そうですね、停電で。
立岩:停電で止まってた、
古木:から、電源借りようと思って、とりあえず小学校に行ってみた、
立岩:そうか、電源借りようと思ってね。
古木:はい。
立岩:そしたら何、「あなた重病人だから」的なことですか?
古木:そうですね、「ここではちょっと面倒みれないんで」みたいな、
立岩:それは何、「どこの病院」的なこと言われました?
古木:いや、どこの病院というより、「とりあえず救急車呼ぶから」って、
立岩:「呼ぶから」って言われて(笑)、
古木:言われたんで、勝手にどっかもう移動したみたいな感じで、それから、
立岩:行って、「救急車で移動する」って言われたんで、「じゃあ」ってなったんですか? それでどうしたんですか?
古木:ああ、そうです。そっからもう1回出てちょっと困ってたら、なんかヒューマンネットワークの人が学園大に避難所を作るからということで、そっちの方に行くことになって。朝まで待って、行ったって感じです。
立岩:古木さんがそのとき住まわれていたその古い一軒家っていうのは、地震でどうなったんですか?
古木:まあ半壊っていう感じで、ガラスがけっこう割れて、壁が落ちてきたみたいな感じで、けっこう、
立岩:じゃあそこには住めないと。
古木:はい、そうですね。
立岩:で、その地震があったその日に避難所に行って、電源借りに行ったんだけど、救急車で連れ出されそうになったんで、で、そこを出て、ヒューマンネットワークに連絡したら、「熊本学園大に避難所ができる」って言われたと。
古木:はい。
立岩:それはその日の話ですか? 地震のあった。
古木:そうです。その日っていうかその次の朝ぐらいです。夜中はずっと起きて、とりあえず事務所に行って待ってたって感じですね。
立岩:ヒューマンネットワークの事務所で夜を明かしたってこと?
古木:そうですね、何人かで。はい。
立岩:それで熊本学園大が、避難所的なものを開いたと。そうなんです。そこに、うちの院生の権藤ってのがいたはずなんですよ。
古木:ああ。
立岩:ええ。それでそっちに行ったんですか?
古木:ああ、そうですね、行った***(01:23:37)。
■西宮に
立岩:そのあと西宮までっていうあたりが、どういうつながりでどうなったのかっていうことなんですけど、
古木:そのときにボランティアで、けっこう関西の方からボランティアで来てて。その人の中に夢宙センター※で、前働いてた。
※自立生活夢宙センター(大阪市)
https://www.npo-muchu.com/
立岩:うん、夢宙センターね、
古木:はい、働いてたひがしさん、
立岩:ひがし?
古木:はい、ひがしさんっていう人がいて、その人が夢宙センター紹介してくれて。で、夢宙センターが、関西で受け入れているところがあるっていうので、メインストリームを紹介してくれたという感じですね。
立岩:ああ。じゃあ熊本の支援で関西から人が入っていて、そこの1人で夢宙センターのひがしさんっていうのが、関西にあるって言うから聞いて、
古木:「受け入れしてるところがある」みたいな感じで、はい。
立岩:で、それがメインストリーム。メインストリーム以外にも受け入れていたんですかね? そのときは。[01:25:05]
古木:そうですね。一応ほかの人のアドバイス聞いて、「メインストリームやったら筋ジスの人もけっこういるから、まあ行ってみたら?」みたいな感じで言われて、はい。
立岩:で、行ったってことはですよ、そのときは一時避難的な気持ちだったのか、
古木:そうです。最初は一時避難だったんですけど、でももう辞めたいというのもあったんで、
立岩:うんうん。地震の前からってことですよね、さっきの話だと。
古木:はい。だから「もう行こうかな」って半分決めて、一時避難したって感じですね。
立岩:一時避難なんだけど、でも、もうちょっと熊本で、ネットワークでっていうこともない、ないっていうか無理っていう中で。じゃあ、「ひょっとすると長居するかな」っていう気持ちもありましたか? そのときに。
古木:いや、僕はその気満々で行った感じです。
立岩:満々だったんですか(笑)。なるほど。じゃあもう行くときに、一時避難っていう名目ではあるけれども、自分としては「もう熊本離れてもいいかな」っていう、
古木:そうですね。
立岩:4月に地震があった。それで7月…、何月ぐらい? 兵庫、西宮に移ってきたのが。
古木:は、もう4月に移ってきた感じです。1か月、
立岩:じゃあけっこう早かったですね。
古木:はい、そうです。地震があって2週間ぐらい経って行ったんじゃないかな。
立岩:2週間か。ちなみに僕はその熊本のそのときの様子をよく知らないんだけれども、その熊学、熊本学園の避難所っていうのは、そこで寝泊まりできはしたんですか?
古木:そうですね、マットが引いてあって。
立岩:2週間そこにいたんですか?
古木:はい、そうです、はい。
立岩:なるほどね。何人か知ってる人たちがそこにいたので。それでもう、そんなに時間が経たずに2週間ぐらいで西宮来て、それ以来っていうことだから、7、8、9、10、もう4年経ったってことですよね?
古木:そうですね、4年経ちますね。はい。
立岩:この4年間っていうのは、最初はメインストリームの、まあ言うたら利用者ってことですかね?
古木:ああ、そうですね、最初は。
立岩:熊本だと、他人介護料含めて14、5時間ってことだったんだけど、西宮ではどんな状態から、介護の方は、
古木:は、もう最初っから24時間っていう感じで、
立岩:それは取れた。
古木:はい、取れた。もう出てる人が多かったんで、けっこう。
立岩:それはすでに西宮では取れてる人が多かったってことですか?
古木:はい、そうです。けっこういたって、はい。
立岩:なるほど。それで24時間利用しながら、利用者としての生活を始めていく。で、利用者でありながらというか、あるのと同時に、まあ今はスタッフでもあるわけじゃないですか? そのへんの参加の具合というか、その経緯っていうのはどうだったんですか?
古木:は、もうけっこう早かったと思いますけど、はい。来て、もう「なりたい」っていう思いがあったんで、
立岩:それはもうはっきり言葉にして言ったわけ? 古木さんが、メインストリームに。
古木:「スタッフになりたいです」って、
立岩:「仕事したいんだ」と、「スタッフになりたいんだ」と。
古木:はい。
立岩:ああ。したら、その相手側、メインストリームの誰か知らないけど、
古木:はい、
廉田〔俊二〕
さん、代表の廉田さんに言ったって感じですね。
立岩:もう代表に直訴というか、直に言ったって感じですね。したら、廉田さん何だって?
古木:「まあメインストリームのやついろいろ厳しいけど、入りたいんやったら、そういう想いがあるんやったら一緒にやろう」みたいな感じでしたね。
立岩:そうね、廉田さん基本そういうノリで。まあいいよね(笑)。厳しいっていうのは、メインストリームにいる人たちがなかなか厳しいとこもあるけどっていう、そういうことだよね?
古木:そうですね。熊本とはちょっと違うと思います。
立岩:まあそうだよね。言葉もね、西宮とか、ちょっと、若干荒っぽいよね。
古木:(笑) はい。
立岩:それで、廉田代表にもう直訴というか、最初から「スタッフやりたいんだ」ってことは伝えて、「じゃあやるならやれよ、やってみろよ」っていう、そういうことか。
古木:はい。そうですね、はい。
立岩:それ以来どうなん? どういう活動をしだして、今は何してるっていうのは、主に何してるっていうのはあるんですか?
古木:最初はそんなに、何やるっていう感じじゃなくていろいろ、「何とか部」みたいな感じでいろいろあるんですけど、そこのどこに入ろうかという感じで、ちょっといろいろ転々としてみて、呼吸器の活動が多くなったんで呼吸器に入ったという感じです。「呼吸器部」っていうとこに入ったみたいな。
■
立岩:(笑) あそこって何、「呼吸器部」っていうのがあるの?
古木:ああ、はい。あとでできたんですけど。
立岩:へえ、呼吸器部ね。なるほど、そこでっていうことか。僕は、古木さんの名前で僕らの研究所のサイト内を検索したら出てきたのが、金沢医王病院に古木さんご自身が出向かれたことがあるってことですか?
※
障害学会大会オンラインシンボジウム
◇2017/10/25
斉藤実
外出 金沢県庁展望台など
斉藤実
をメインストリーム古木隆訪問
古木:ああ、そうですね、
斉藤〔実〕
さんに会いに行った。
立岩:そうか、そうですよね。そういう記録が出てきました。じゃあ斉藤さんのときは古木さん自身もふくめて。古木さんもじゃあ、あのときって医王にどういうふうに移動したの? 車?
古木:ああ、電車。新幹線と、はい。
立岩:新幹線と、
古木:サンダーバードっていう、
立岩:え、大阪まで出てってこと?
古木:そうですね、はい。
立岩:大阪まで出て、サンダーバード乗って、金沢まで行ってってことか。
古木:そうです、そうです。
立岩:じゃあ、斉藤さんは残念ながら亡くなられたけれども、そのときの病院から出る話には古木さんも乗っかかってたっていうか、その活動の一部を担ってたってことですね。
古木:はい。
立岩:ふーん。そのときの様子で何かこう印象に残ってるというか、印象というかな、自分にとってあの活動ってのは、あのときのことってのは何だったってのありますか?
古木:やっぱ病院から出て、そのとき、まあ「コンビニで買い物したい」っていうふうな、単に付いて行ったんですけど(笑)。とか、まあ都庁…、あ、都庁じゃない県庁、に行ってみたいとか言うので、出かけてて。けっこう嬉しそうに斉藤さんがしてたのが、でも僕もすごく嬉しくて。はい、そういうことが印象に残ってます。
立岩:ああ、斉藤さんの外出に同行したというか、
古木:そうですね、「これが夢だった」みたいな感じの。
立岩:コンビニで何買ったか覚えてますか? 斉藤さん。
古木:えー、たぶんいろいろ、けっこういっぱい買ってましたね。
立岩:いっぱい買ってた(笑)。斉藤さんそんなに書いて残したものって多くないけど、「何食べたい」っていうのはけっこうあるよね。
古木:(笑) ああ、そうですね。
立岩:「退院したら何食べたい、これ食べたい」みたいな。なんか
古込〔和宏〕
さんとはまた違って、いいキャラっていうか。
古木:ああ、そうですね。
立岩:僕は会ったことないんだけど、他の人から聞くにそういうことだったのかなと思います。
古木:はい。
立岩:で、どうですか、それからもまた何年か経っちゃったわけだけれども、今現在の古木さんのお仕事っていうか活動っていうのは、どんな感じ?
古木:今は筋ジスプロジェクトで、まあオンライン交流会とかそういうのをやったり、あと主に筋ジス、病院の脱施設化のことについて活動してるって感じですかね、はい。あとはILPとかに関わってると。はい。[01:35:15]
立岩:私ほんとよくわかってなかったとこがあって、やっぱここ2年ぐらい、2、3年かな、メインストリームの人ともともと付き合いはもっと前からあったはあったんですけど。そうか、メインストリームがけっこう早くから筋ジスの人「と」というか、「が」というか、活動してたんだな、っての改めて、その蓄積があったからっていう部分はあるんだなって、ここ数年思ってますけどね。いや、今回メインストリームの筋ジスの人たちが活動してくれているから、これだけできてるんだなって思いますけど。その1人になってるっていうことですよね。
古木:はい。
■
立岩:ありがとうございます。だいたい聞けました。そうか、そういう人だったんだ。中学校でさ、中学校というか、車壊したとかっていう話はほかの人にしてんの?
古木:何人かは。
立岩:何人かは知ってる。ああ、そうですか(笑)。いや、僕はまあ当然というか、そういうこと何も知らなかったんで、ふーん、って思いながら今日、
古木:今、自分史書いてるんですけど、渡辺さんに見てもらいながら。
立岩:ああ、琢さんに?
古木:はい、あ、いや、あの、
立岩:どのわたなべだ?
古木:『こんな夜更けにバナナかよ』の、〔
渡辺 一史
さん〕
立岩:『夜バナ』の渡辺か。ああ、そうですか。いやあの、書いといた方がいいですよ、ほんとに。それは書いといた方がいいと思いますね。渡辺さん何か言ってくれます?
古木:けっこう添削っていうか、
立岩:ああ。じゃあもうほんとに字を書いてるわけだ。
古木:そうですね。
立岩:それを渡辺さんが赤入れてるみたいな、そういうこと?
古木:そうですね、はい。
立岩:えー、じゃあそれが出るのを待ってりゃよかったのかもね。だけど、これ基本公開しますので、そういうものも、自分の原稿書くときに使えるとこがあったら、使っていただくっていうのもあると思うし。だから、しゃべるのもあってもいいし、書いたものもあってもいいって思うんですよ。
古木:ああ、はい。
立岩:同じ1人の人の話でもね。だから書くのはおおいに書いていただいて。それは何か、どういう媒体で発表するとかっていう見込みはあるんですか?
古木:あ、それは来年のNHKの福祉大賞か何かに出そうと思ってて。
立岩:ああ、それをねらってるわけね。
古木:はい。
立岩:あれ、当たると何かいいことあるんですか? そのNHKのやつ。
古木:いや、どうなんですかね。そんな、何があるかわからないけど、一応、
立岩:あれ、賞金くれるのかな?
古木:そこで賞とった人が本出したりとかはしてるみたい。
立岩:ありますよね。
古木:はい、
天畠〔大輔〕
さんとか。
立岩:そうでしたね。で、当たれば、当たればっていうか、ちょっと出版の話もかかるんじゃないかっていう、そういう期待もありっていうことですか?
古木:そうですね、まあ。
立岩:そうか。僕あんまり、なんかこの間(かん)けっこうまあまあ話聞いてきたんですけど、うーん、そうか、職員の車壊したやつは初めてですね。それは今日楽しかったですね(笑)、聞いて、僕は。
古木:けっこう病院のルールとか破ったりするのがあれで、なんかタバコ吸ったりとか、お酒、病院で飲んだりとか。
立岩:それは、その酒とかタバコはどうやって入手するんですか?
古木:あ、最初、中学校のときに、なんかリハビリの先生がリハビリ室に置いてるの知ってたんで、それもらいに行って吸ってたみたいな感じ、勝手に。
立岩:もらいに行ったってことは、「くれ」って言ったってことですか?
古木:いや、勝手に盗って吸ってたみたいな。
立岩:「もらいに行った」ってことは、「盗みに行った」ってことね。
古木:そうですね、あの、どこに入ってるか知ってたんで。
立岩:そっか、そっか、シケモクをってんじゃなくて、新しいやつっていうか、捨てないのがどこに保管っていうか、しまってあるかわかってたから、そこから何本か抜いてきてみたいな。[01:40:13]
古木:ああ、そうです。そこで吸ってた、リハビリ室で。
立岩:それは中学校?
古木:はい、中学校ぐらいの、14歳ぐらいから、はい。
立岩:今は吸ってないですか?
古木:今も吸ってます。
立岩:今も吸ってる?
古木:はい。
立岩:ああ、それなんかどっか検索したら出てきたな。「今でも吸ってる」、出てきましたね。少数派ですよね。
古木:ああ、そうですかね。
立岩:いや、私もずっと吸ってたんですけど。
古木:はい。
立岩:僕はちょっと体調悪くなった時期があって、それを機会にやめちゃったんですけど。酒は? タバコはそうやって。だけどさ、そのリハビリの先生から盗んでくるって、ずっとやれるわけじゃないでしょ?
古木:いや、ずっと。
立岩:ずっと盗んでました?
古木:はい。ばれないっていう感じ、
立岩:気が付かれない。ばれなかったんですか?
古木:いや、どう…、ばれなかったとは思うんですけど。
立岩:ああ。お酒は?
古木:あ、お酒は、勝手に外出して近くのコンビニ行って買ってきて。
立岩:コンビニでね。
古木:はい。とか、隣の恵楓園っていうところに、ハンセン病の施設があるんですけど。
立岩:恵楓園ですね。ちょっと問題になったとこですよね。旅館が宿泊受け入れなくて。
古木:はい。そこに焼き鳥売ってあるの知ってたんで、
立岩:え? 恵楓園と近いんですか?
古木:はい、隣。
立岩:隣なんですか?
古木:はい、すぐ隣にある病院。
立岩:いや、そこに出入りしてた、もとうちの院生もいてね、ちょっとそれで、あの時の事件のことで書いたことがあるもんだから※。
※吉田 幸恵 2010/11 「〈病い〉に刻印された隔離と終わりなき差別――「黒川温泉宿泊拒否事件」と「調査者」の関係を事例に」,
『「異なり」の力学――マイノリティをめぐる研究と方法の実践的課題』
,生存学研究センター報告14,立命館大学生存学研究センター,88-113
古木:はい。
立岩:はあ。え、コンビニで酒買って、恵楓園で焼き鳥買って、飲んで食ってたとか、そういう話ですか?
古木:ああ、そうですね。勝手に行って。
立岩:でもさ、8人部屋なわけじゃない。そうしたときに、同居者っていうかは黙認みたいな、見て見ぬふりしてる感じなのか、一緒に飲んでたのか?
古木:いや、たぶん知らない、知らないと思う。
立岩:知らない。
古木:はい。
立岩:何、隠れて飲んでたってこと?
古木:そうです。勝手に行って自分1人で、
立岩:どこで飲むんですか? 飲むときは。
古木:は、その恵楓園の中とか、
立岩:じゃあ施設の外で飲むわけか。
古木:そうですね。そっと帰ってくるっていう感じで。
立岩:飲んで帰ってくる。
古木:はい。たぶん酒はばれてるけど。
立岩:タバコは外で? どこで?
古木:は、リハビリ室。
立岩:ああ、リハビリ室で、人がいないときに吸ってる。
古木:はい、いないときに。はい。
立岩:そうですか。それおもしろいですね。おもしろいっていうか、そうか、ばれなかったはずだと。まあ23だからね、そんなにめちゃくちゃ長居したわけじゃないんですよね、成人してからね。
■音楽
立岩:もうだいたい伺ったと思うし、その自伝というか出されるっていうんで、そっちに預ければいいやってんで、もういいやって思ってるんですけど。なんかけっこう古い音楽聴かれるんですか?
古木:ああ、そうですね、古い音楽聴きますね、はい。
立岩:ちょっと、だって80年生まれだともう、生まれたときにはもう死んで…、そういう時期のやつですよね。
古木:そうですね、昔の曲が好き。
立岩:何でそういう、そっち系にはまってるというか、なんですか?
古木:最初は服、服とかファッション。ファッションから入って。
立岩:50年代から60年代ぐらいのってこと?
古木:はい。そうですね、アメリカのファッションが好き。
立岩:ああ、それで。
古木:はい。
立岩:今でも聴かれるんですか?
古木:そうです、はい。
立岩:ディスク買ったりして?
古木:いや、そこまではない、というか、インターネットで聴いたりとか。
立岩:ネットでダウンロードしたりして。
古木:はい。
立岩:そうか、ファッションか。でもなんか、ちょっと不良っぽいじゃないですか。ロックンロールの初期とかでしょ?
古木:はい。
立岩:ロカビリーとか言ってたころでしょ?
古木:はい、そうですね、ロカビリー。
立岩:そのロカビリーっていうのと、自分のライフスタイルっていうのは、どっちが先だか、どうなんですかね。音楽、そういう種類のロカビリーとかそういうのは、病院で不良してたときから聴いてたんですか?
古木:いや、そんときはそんなに。でも、聴くときはあれ、ハイロウズとかブルーハーツとかそういうの聴いてましたね。
立岩:ハイロウズ、ブルーハーツは病院にいたときから聴いてた?
古木:はい。
立岩:はいはい。でも何かしら響き合うものがありますよね。それで、もっと古いやつ、ロカビリーにいったのは、いつごろ?
古木:は、最近ですかね、最近。
立岩:最近っていうのは、西宮に越してからぐらいの最近?
古木:そうですね。介助者の人も好きな人がいて、その人の影響もあったりとか、まあ。介助者の中に好きな人がおって。
立岩:じゃあ、何十年もっていうんじゃなくて、ちょっとマイブーム的な感じなんですね。
古木:そうですね、はい。
立岩:じゃあそうか、そうするとライフスタイルの方が先なのね。「ロカビリーに影響されて不良になりました」ってわけじゃなくて、不良が先で、
古木:そうですね、はい。
立岩:それから何十年か経って、何十年っていうか10年とか経ってから、そのころの音楽聴いてもいるっていう、そういう順番なんですね。
■刺青
古木:はい。そして、タトゥーとか入れるようになった、みたいな感じ。
立岩:あ、それも見ましたよ、私。ネットでけっこう。そうそう、タトゥーってあれ、いつ入れたって話になってましたっけ?
古木:あれはタイに行ったとき、最初に入れて。
立岩:タイ?
古木:はい。
立岩:タイ、いつ行ったんですか?
古木:えっと、それが何年前、2年ぐらい前に。
立岩:西宮にいるこの4年ぐらいの真ん中ぐらいのときに。
古木:そうですね。
立岩:タイに何しに行ったんですか? 観光ですか?
古木:まあ職員旅行という感じです。
立岩:メインストリーム、アジア好きだよね。
古木:そうですね。
立岩:へー、タイに行ってタトゥー入れたんですか?
古木:そうですね、最初の1個目は。
立岩:最初はどこに入れたんですか?
古木:腕、上の方の肩の近くに。
立岩:あれってなんか、素人ですのですいませんが聞きますけど、痛かないんですか?
古木:いや、痛いですよ。けっこう痛い。
立岩:痛いけど、した。
古木:はい(笑)。
立岩:それが、タイでやったのが上腕というか。で、また最近、また別のところにやったってそういうことですか?
古木:あ、そうですね、肘の下とかは。上腕のちょっと下ぐらいのところ。ちょっとずつ増えてるって感じで。
立岩:毎回痛い?
古木:はい、毎回痛いです。はい。
立岩:そうか、痛いか。僕痛いの、ちょっと苦手なんですけど。大丈夫ですか?
古木:はい。
立岩:それ、そのわけとか聞かれても困ると思いますけど、何だ? と、自分的には。
古木:えーと、まあ、描いて、彫ってる絵って、デザインというか、そのデザイン作った人がずっと昔なんかブームをつくった人みたいな感じで、
立岩:え、何をつくった人?
古木:タトゥーのブームみたいな、なんか、
立岩:ああ、はいはい。そのデザインというか、絵柄をというか。
古木:はい、そうですね、伝説の彫り師でセーラージェリーっていう人がいるんですけど、その人の絵が好きで。
立岩:ああ、その人の図柄が好きっていうのがあるんだね。
古木:はい、それで入れたいなと思ったんです。
立岩:わかりました。80年生まれだと、40か。
古木:はい、40ですね。
立岩:どうですか? このごろ体調的にはそんな変わらないって感じですか?
古木:そうですね、そんなに変わらないです。はい。
■COVID-19
立岩:メインストリーム、今ほら…、そうか、この研究費一応コロナ名目でもらってんだけど。コロナ流行以後、勤務形態っていうか、どんな感じで今こう活動してる? 在宅が多いですか? [01:50:03]
古木:そうですね、なんか交代交代で行ってる感じですかね。
立岩:ああ。オフィスっていうかあの3階建てのとこは、たとえば週に1回とかは行ってるんですか?
古木:そうですね、行ったり行かなかったりって感じで。
立岩:じゃああそこに行くときもあると。
古木:はい、人数減らして行ってる感じ。
立岩:人数減らして。ああ、常時いる人の数が減ってるわけね、あそこね。
古木:そうですね。
立岩:まあけっこう広々とした建物ではありますよね。
古木:そうですね、はい。
立岩:そこで人数減らして、そこで仕事もあるし。それから何、在宅オンライン仕事っていうのも、
古木:はい、オンラインでILPとかやったり。この前、大分で自立してる芦刈さんっていう人のILP関わったんですけど。
立岩:はいはい。僕たぶん彼にインタビューすることになると思うんだな。
古木:ああ、そうなんですね。
立岩:したいなって思ってるんです。でね、今日の午前中聞いた名古屋の人は、「ILP、まあオンラインでやってるけど、やっぱりあれって2人で連れ立ってっていうか、現場に行って切符買ったりっていうのが、そういうのができないよね」って言ってたけど。あと、「ピアカウンセリングとかもやっぱり、こう肌と肌が触れあう的なシチュエーションがいいっていう人もいるよね」みたいなことを今日は午前中は聞いたんですけど。そのへんの感じ、「いや、けっこうやれるよ」みたいなことなのか、どうですか? 古木さん的には。
古木:えー、やっぱ近くで話したいなっていうのはありますけど、大分まで行ってって簡単じゃないんで。
立岩:そうだよね。
古木:はい。
立岩:ほんとそれは思って。僕もなんか4月の流行ぐらいから、しばらくインタビューとか控え、っていうかな、だけど「いいやオンラインで」って思うことにしてっていうか。で、ちょっとここのところやり始めてみたら、「なんとかなるな」と、「インタビューだったら」っていうふうに思って、まあ今日もお話聞かせていただいているんですけどね。
古木:はい。
立岩:まあ近い方がいいはいいけど、でも遠くまで物理的に行くのも大変だっていう中で、オンラインでできることはしてるっていう感じですかね。
古木:そうですね。あとこの前バリバラに出た加藤さんのILPも関わったりしてるんで。はい。
立岩:バリバラ、4人とか出て何か作る的なやつでしたっけ?※
※
http://www6.nhk.or.jp/baribara/lineup/single.html?i=1029
2020/03/17 「バリバラキャンプ 〜マイノリティーラプソディー〜」
古木:そうです。オンラインで作ってるみたいな感じで、はい。
立岩:そうですか。それ以外に何かコロナ以後、古木さんとこでお変わりというか、何かありますか?
古木:いや、そんなに。
立岩:ヘルパーとかはどうなんだろう? ヘルパーの仕事も変わらないですか?
古木:そうですね、同じ。同じですね、はい。
立岩:ヘルパーって古木さんとこ来るときマスクはする? してる?
古木:はい、マスクと、消毒液でしてますね。
立岩:それは両方してるの?
古木:いや、僕はしてない。
立岩:古木さんはしてなくて、ヘルパーはするっていう、そんな感じですか。
古木:はい。出かけるときはしてるけど。
立岩:ああ出かけるときね。どうなんですか? ベンチレーターユーザーにとっての、人口呼吸器使ってる人にとってのマスクってどうなんですか? 息苦しいとか特にはないですか?
古木:あ、ちょっとつけにくいっていうのはありますけど。
立岩:あ、つけるのがね、装着するっていうか、
古木:はい、そうですね。
立岩:息が苦しいとかはない?
古木:そうですね、息が苦しいとかはない。でもこの前、コロナ疑いで病院に行ったことがあって、
立岩:え? 古木さん自身がですか?
古木:はい、そうです、熱があって、
立岩:検査受けた?
古木:はい、PCR検査受けたんですけど、そのときの呼吸器が、けっこう自分の呼吸器使ったらいけないっていうことで、
立岩:検査をしてるあいだのってこと? [01:55:00]
古木:いや、もう病院に入って、一応隔離になるんですけど、結果がわかるまで。そのとき呼吸器がなんか新しい型の、外の空気を吸って取り入れてってやつじゃなくて、中で循環して、感染予防の呼吸器みたいなの使わされて。
立岩:ああ、そういうの使わなきゃいけないってことで、病院に入ったら「その呼吸器に変えてください」っていう。
古木:そうですね。で、フルフェイスみたいな口と鼻を覆うやつに変えてくれって。飛沫を防ぐためにっていう感じでしたね。
立岩:どうでした? 心地は。
古木:いや、あれがけっこう最初、慣れなくて。で、向こうも使い方がちゃんとわかってなくって、最初酸素下がった。
立岩:そうか、病院にとってもあんまり慣れてないわけだ、それを使わせるっていうのが。
古木:はい、けっこう酸素下がったんですけど
立岩:え、けっこう何?
古木:酸素が、あの、苦しくなったりして。
立岩:酸素、足りなくなってってこと?
古木:そうですね、80パーぐらいになったりとか。
立岩:ああ、苦しくなって(笑)。どのぐらいいたんですか? その病院に。
古木:まあ、えー、ああでも1週間ぐらい。
立岩:1週間そこにいた。
古木:そうですね、「介助者使えない」って言われたんで、「もういいです」って言って退院。まあ肺炎にもかかってたんで。はい。
立岩:「介助者使えない」って言われて、実際使えなかった?
古木:ああ、そうですね。途中から面会禁止になってるんで。
立岩:途中からっていうのは1週間のあいだに?
古木:そうですね。あ、まあ最初から使えなかったんですけど。
立岩:1週間の間にその新式の呼吸器は慣れたんですか?
古木:まあ一応慣れて、なんとか使えたんですけど、声が、口まで覆われてて、全然聞こえないって感じで。
立岩:声出しても聞こえない。
古木:はい、コミュニケーションが大変でしたね。
立岩:それだけど、だめじゃないですかね。声が伝わんない呼吸器、だめなんじゃないですかね。いいんですかね、それで。じゃあ結果としては陰性だったということですか?
古木:そうですね。かかってなかったって感じです。
立岩:その入院はいつごろからいつごろまで?
古木:えーとそれ、いつだったかな、ちょっと前。
立岩:秋になってから?
古木:はい、9月じゃない***(01:57:36)。
立岩:わかりました。いやいや、今、時間見てるんですけど、今16時11分だから、けっこうな時間お話を聞かせていただいて、僕はすごい楽しかったですね。
古木:よかったです。
立岩:ありがとうございます、ほんとに。
古木:ありがとうございます。
■
立岩:画面で見えてるかもしれないんですけど、うちの院生で
坂野久美
さんっていうのがオブザーバーというか、今いるだけれど。坂野さん、何か聞きたいことある? ないかな? 今、アンケート調査の方…、はいはい、あ、出てきた。坂野さん?
坂野:はい、こんにちは。
古木・立岩:こんにちは。
立岩:顔出せないの? 顔?
坂野:あれ、顔、今出してます。
立岩:顔ないよ。これ2回クリックしないとだめなんだよ、Zoom(ズーム)とちょっと違うんだ。「出しますよ」っていうのが出て、それをもう1回クリックしないと出ないんだよ。
坂野:もう1回クリック、はい。あれ? おかしいですね。あ、「ビデオの開始」か。
立岩:そう、「ビデオの開始」ってとこ押すねん。
坂野:あ、はい。映りました。
立岩:出てきた。坂野さんは、古木さん知ってるんですか?
坂野:知らないですけど、バリバラで、出たことありますよね?
立岩:うん、最近出ました。出ましたそうです。
坂野:はい、それくらいですが、衝撃的でした、話が(笑)。
古木:(笑)
立岩:どこらあたり?
坂野:すごいと思いました。でも気持ちはわかります。
立岩:坂野さんは看護師なんですよ。
古木:あ、そうなんですか。
立岩:坂野さん、悪い看護師いるよね。[02:00:05]
坂野:はい。え、でも、ちょっとそこまでは悪質ですよね。
立岩:それはね、看護師、看護師じゃない以前の問題だよな。
古木:まあいい人もいっぱいいますけど
坂野:ちょっとびっくりですね。
立岩:そうね、びっくりだよね。
坂野:でも、なんか復讐は、私精神科にもいたんですけど、精神科の患者さんが、看護師か医者の車の、なんか傷つけに行ったのは知ってますよ。
古木・立岩:(笑)
立岩:うん。いいんですよ、だから。ときどきそういうことしないとね。と、僕は思いますよ、ほんとにもう。復讐しないとね。というわけで、ほかに何か坂野さん聞きたいことある? 質問。
坂野:そうですね、なんかちょっと今までにあまり例のない経緯だったので、あとあとちょっと確認したいところがいろいろあるかもしれないんですけど。あまりに波乱万丈すぎて、ちょっとびっくりですけど。
立岩:はい。じゃあとりあえず、今日はびっくりして終わりでいいですか?
坂野:すいません(笑)、
古木:(笑) いいですよ。
立岩:はいはい。僕ら、これからもみなさんとは、まあ側面的というか裏方というか、何て言うんだろうな、そんな感じではあるけれども、ちょっとずつ関わらせていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
古木:はい、よろしくお願いします。
立岩:ということで、今日は長く、おもしろい、おもしろいって言っちゃいけないのかな。でも、おもしろいと思いました。本もいいんじゃないんでしょうか。聞かせていただきまして、どうもありがとうございました。
古木:ありがとうございました。
坂野:ありがとうございました。
立岩:では失礼いたします。どうもありがとうございました。
坂野:失礼しまーす。
古木:失礼しまーす。ありがとうございます。[02:20:28]
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古木 隆
◇
こくりょう(旧国立療養所)を&から動かす
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筋ジストロフィー
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生を辿り途を探す――身体×社会アーカイブの構築
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病者障害者運動史研究
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HOME (http://www.arsvi.com)
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