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西山敦子「震える指先」に寄せて
村上 潔
2016/04/24
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last update: 20260308
■本文
[1/6]西山敦子「震える指先」(『すばる』2016-05: 80-81):書かれ(え)なかった/ない「女たちのことば」に焦点を当てたエッセイ。その「存在しない存在」(=「痕跡」)の(かたちのない)かたちと遍在性、自分とそれとの親密さ、「つきあい」の日常作法が簡潔に語られる。>続
[2016.04.24 21:07]
[2/6]西山敦子「震える指先」:西山さんはここでは主に「書けない」主体(=「おとなの女性」)の内実を提示しているが、私はそれ以上に「書かれなかったことばを読むこと、シェアすること」の内実に興味がある。西山さんの場合は、それを「空気」の中の「波」・「風」を通して行なっている。>続
[2016.04.24 21:08]
[3/6]西山敦子「震える指先」:私の場合は、まったくの他者によって事務的・記号的に書かれた記載が、女たちの「(自他の)生とのかかわり」の様態において、一つのファクターとして機能しているのではないかという指摘を、以前したことがある。→
http://www.arsvi.com/2010/1401mk1.htm
[2016.04.24 21:08]
[4/6]西山敦子「震える指先」:また、地域に生きるまったくの無名の女性作者による文章表現を、その地域の「ひとりひとりの生活者である女性たち」が内包している諸「力」を代表しているものとして読むことの意味と可能性についても考えてきた。→
http://www.arsvi.com/2010/1509mk.htm
[2016.04.24 21:09]
[5/6]西山敦子「震える指先」:「書けない人(女性/マイノリティ)にものを書かせる」試みは、ずっと以前から社会的に存在し、多くの成果・蓄積がある。むしろいまは、「書けない人のことばを読む/もうとする」試み(そのやりかたも含めた模索)こそが必要とされているのではないか、と感じる。
[2016.04.24 21:11]
[6/6]西山敦子「震える指先」:それは文学教育の範疇ではなく、zineに関係する小さな集まりや、フェミニズム/障害者運動の現場の片隅、平日午後の町の図書館の休憩コーナー、といった場所で実践されていくことなるだろう。誰かが「教える」のではなく、各人が自分なりに「つかむ」かたちで。
[2016.04.24 21:11]
[補]西山敦子「震える指先」:女たちの「指先」が生じさせる「空気」の中の「波」・「風」を感じ・読む力。それを文字で記述し、表現して人に伝えるにはどうすればよいか。もとより「波」・「風」自体を知覚することが困難な者は、それにどうアプローチできるのか。このアポリアに私は挑み続けたい。
[2016.04.24 22:19]
■関連事項
「震える指先」について
◇『すばる』2016年5月号(集英社)
http://subaru.shueisha.co.jp/
/
◇
https://twitter.com/cip_books/status/720512243469848577
[2016年4月14日16:21]
◇
https://twitter.com/WenYuju/status/722719768520761344
[2016年4月20日18:33]
◇
https://twitter.com/yukonakamura108/status/723681167803707393
[2016年4月23日10:13]
◇
https://twitter.com/momononaka/status/726360256993857536
[2016年4月30日19:39]
本稿への言及
◇
https://twitter.com/cip_books/status/727326297177759744
[2016年5月3日11:37]
■参考
◇西山敦子(DIRTY)×村上潔 20160331 「ジンを「わたしたち」のものとして生かすために――フェミニスト・ジンへのアプローチとその潜在的可能性」(特集3:フェミニスト・ジンの現在),立命館大学生存学研究センター編[2016:196-226]*
*立命館大学生存学研究センター編 20160331
『生存学 Vol.9』
,生活書院,326p. ISBN-10: 4865000518 ISBN-13: 9784865000511 2200+税
[amazon]
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[kinokuniya]
/
◇20140126
「対談にあたって」
,《第76回西荻ブックマーク》「女子と作文×主婦と労働」(出演:近代ナリコ・村上潔|会場:今野スタジオマーレ)
◇20150924
「企画趣旨――京都編開催にあたって」
,第29回カライモ学校「(トークショー)別府のローカル文学サークル誌を読み直す――初期『文礫』における女性作者の生活者意識を中心に【京都編】」
*作成:
村上 潔
UP: 20160424 REV: 20160504, 20260308
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