| 1990年 国民保健サービス(NHS)とコミュニティケア法 −地域ケア計画策定への利用者の参加を定める 1999年 精神保健のナショナル・サービス・フレームワーク 〔精神保健の基準と基本戦略、10年計画〕 ―基本理念として「精神保健ケア計画と提供への当事者の参加」 2000年 NHS計画〔医療計画〕 ―医療サービスへの患者の参加を定める 2001年 健康、及び社会ケア法 ―サービス利用者の参加を定める |
| (1)個別インタビュー (平成20年6-8月実施) 仕事の概要、仕事を始めた経緯、給料、仕事での困難や楽しみなどについて1対1で話を聴いた (2)自記式調査(電子メール調査) (平成20年8月実施) ユーザーの参加がもたらしたサービスの変化、仕事上でのバリア、ユーザーの専門性を活かす方法などについて尋ねる調査票を電子メールで送り、返送をお願いした |
| 参加者数と性別: 6 名 (男性2名 女性4名) 年齢: 20代(2名)、50代 (3名) 、60代 (1名) 精神科医療利用期間: 1年未満(1名) 1−3年(1名) 3−5年(1名) 5−10年(2名) 15年(1名) 入院期間の合計注): 3 ヵ月 (1名) / 7-8カ月 (2名) サービス参加の期間の合計:1年(1名) 2年(2名) 7年(1名) 12年(1名) 20年(1名) 注)イギリスでは地域医療中心であることを考慮すべきである。イギリスの平均在院日数は、18-19日(保健省、2004)で、日本の338日(厚生労働省、2004)の約18分の1である。 |
| 職場(人数) | 医療機関(3) | 非営利団体(2) | フリーランス(1) |
| 仕事内容 | 地域生活支援(早期介入サービス・危機介入サービス)にユーザーの視点を活かすこと | ・精神保健関係の会議に参加するユーザーへの支援の提供 ・情報提供サービス |
ユーザーの視点を活かした研究調査の実施 |
| 雇用形態(注1) | 常勤(2)・非常勤(1) | 常勤(2) | − |
| 年収(税込)(注2) | 常勤:約370〜500万円 非常勤:約240万円 |
約410-500万円 | 約540万円 |
| 〔組織構造・運営方法〕 ・理事会へのユーザー職員の参加(非営利団体) ・ほとんどすべての事業運営にユーザーが参加する(非営利団体) ・ユーザーによるサービス評価 (医療機関) ・採用試験の面接官としてユーザーが入ること (医療機関) など 〔サービスの理念・視点と内容〕 ・リカバリーアプローチの導入、促進 ((医療機関・非営利団体) ・「精神的な苦痛」に対しての医学的でない見方の導入 (医療機関) など ・ピア・サポートの提供 (医療機関)・ ・ユーザーの視点の反映 (医療機関・非営利団体) ・ユーザーの視点に立った適切で有意義な調査研究の実施 (調査機関) など 〔スタッフの考え方〕 ・言葉遣い (医療機関) ・リスクの考え方 (医療機関) など 注:カッコ内は、回答者の所属機関 |
| 〔サービスの質の向上〕 ・ユーザーが求めるサービスの提供 ・効果的/効率的/創造的なサービスの提供 〔今までと異なる視点・考え方・アプローチ〕 ・医学モデルとは異なる視点、考え方による「精神疾患」「精神障害」の捉え方 ・社会包括、市民権という視点を通しての「ユーザーの置かれた状況」の理解 ・リカバリーアプローチ ・エンパワメントアプローチ ・専門家主導のサービスがいかに抑圧的かの理解とユーザー主導のサービスの重要性の認識 ・ユーザーが、病人、無責任な存在ではなく、生活や精神保健の問題に主体的に取り組める力をもつ存在であることを示すこと |
| 〔プラス点〕 ・社会の中で体験を活かせる役割を得たこと ・人生の意味の獲得 ・エンパワーされる ・やりがいがある ・経済力、新たなアイデンティティ、自信を得られたこと ・回復 ・ありのままの自分でいられ、誇りを持てる仕事を得たこと ・国内外のユーザー、専門職者との出会い など 〔マイナス点〕 ・ストレス ・フラストレーション、怒り、時に絶望 |
| 〔〔組織・システム〕 ・政治家、専門家が利権を持ち続ける柔軟性に欠けるシステム ・ユーザーの視点を求めず、何も実現しない見せかけだけの参加 ・組織の中で低い優先順位にあるユーザーの参加 ・予算がない など 〔専門家・スタッフ〕 ・医学モデルに強く影響された専門家と職場の文化 ・ユーザーの視点の重要性を認識、理解していないシニアマネージャー(上司) ・強固な、差別的な態度。ユーザーの考えに敬意を払わない態度 ・管理的な専門用語 など 〔ユーザー〕 ・自信がない ・集中力に欠ける など 〔その他〕 ・ユーザーのための実践的な支援が限られていること ・ユーザーがサービスに参加するにあたり、十分な情報や研修がない など |
| 〔組織の位置づけ・方針・構造〕 ・ユーザーの参加に関する明確な方針 ・組織構造におけるユーザーの参加に関する明確な位置づけ ・ユーザーの運営への参加 ・ユーザーの役割を明確にすること など 〔専門家・スタッフ〕 ・マネージャー(上司)がユーザーの参加の重要性に関して理解していること ・尊重、敬意、信頼 ・ユーザーの参加に関して学ぶユーザーが行う研修 など 〔支援〕 ・スーパービジョン ・励まし ・柔軟な対応 ・評価 ・ユーザーに対する研修 ・十分な時間の提供 など 〔予算・事務のシステム〕 ・給料の保障 ・必要経費の当日支払いのシステム ・問題の把握、サービス評価のために研究調査費をつけること など |
| 〔システム〕 ・専門家とユーザーの力関係 ・決定過程:透明性と責任の明確化、決定過程へのユーザーの参加 ・ユーザーのための有給の職(ポスト) ・すべての領域(医療・事務手続き・雇用・研修など)へのユーザーの介入 ・代表性:ユーザーに広く意見を聞くメカニズム ・待遇:給料・柔軟な雇用形態・適切な支援の提供 ・研究調査:ユーザーが望むテーマで研究を行い、新たなサービスやアプローチを発展させること(例:医療ではないクライシスハウス、薬の減量支援) 〔専門家・スタッフ〕 ・共感的な専門家とのパートナーシップ ・専門家が、ユーザーの力を信じ、同じ人間、価値ある人間として見ること ・ユーザーの参加の重要性を伝えるための研修の実施 〔支援・配慮〕 ・参加するユーザーへの支援の提供(会議前・後の説明など) 〔ユーザー〕 ・サービスへの参加に関する情報の提供、研修の実施 |
| ・認知: 国、専門家、職員、ユーザーなどがサービスへのユーザーの参加の重要性、ユーザーのもつ力を認識すること ・力の共有: ユーザーが、組織運営における決定に関わること ・組織構造:ユーザーの職を組織構造の中に位置付けると共に、ユーザーの役割を明確にすること ・財源の確保: ユーザーの常勤の職と生活できる額の給料の確保など ・ユーザーの力を引き出す支援:柔軟な勤務条件などの配慮、スーパービジョンなどの保障、研修など |