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『詳論 相談支援』
「精神障害者地域生活支援事業(精神障害者地域生活支援センター)実施要綱(素案)」
全国精神障害者社会復帰施設協会 19950119
萩原 浩史
20191210
『詳論 相談支援――その基本構造と形成過程・精神障害を中心に』
,生活書院,資料
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last update:20200719
精神障害者地域生活支援事業(精神障害者地域生活支援センター)実施要綱(素案)
全国精神障害者社会復帰施設協会
1995年1月19日
1.事業の目的
精神障害者地域生活支援事業は、地域で生活する精神障害者の日常生活上の相談、日常生活の支援、地域交流の促進等の活動を行う「精神障害者地域生活支援センター」を運営することにより、精神障害者の地域における生活を支援し、その自立と社会参加の促進を図ることを目的とする。
2.実施主体
この事業の実施主体は、精神障害者社会復帰施設を経営する地方公共団体及び非営利法人とする。ただし、地方公共団体が実施する場合にあっては、その運営を非営利法人に対し委託することができる。
3.実施場所
この事業は、精神障害者生活訓練施設(援護寮)、精神障害者授産施設又は精神障害者福祉ホームに併設した専用施設において実施することを基本とするが、これらの社会復帰施設の施設を活用して実施することもでき、また、社会復帰施設と連携のとれる範囲でこれと別の場所で実施することもできる。
4.利用対象者
この事業は、社会復帰施設やグループホーム、社会適応訓練事業、小規模作業所等の利用者その他入院治療を要せず地域で生活しようとしている精神障害者を対象とする。
5.事業内容
事業内容は次のとおりとする。
(1)日常生活相談
日常生活、社会生活上の諸般の問題解決のための相談、助言、指導を行う。
面接、電話又は訪問で行い、可能な限り夕方、夜間、土曜、日曜等においても行い、急な不安、病状悪化、一人では解決できない悩み等への対応、他施設への連絡等を行う。
(2)日常生活支援
1)デイサービス、イブニングサービス
食事、入浴、洗濯等や、それらを通した団らん、交流の場を提供する。食事サービスは、自炊を基本とするほか、配食サービスの活用等による。
これらは、日常生活技能の支援、指導とともに、対人関係の改善や社会資源の利用方法等の社会生活技能に関する支援、相談、指導等の機能を有する。
2)ショートステイ
一次的な不安回避等のため、在宅、一人暮らし者等を対象に、入所型の社会復帰施設の居室の活用や、独自の施設により、一次的な入所のニーズに対応する。
(3)地域交流活動等
1)当事者活動の場の提供
障害者の自発的な活動を支える場、いつでも立ち寄れるたまり場を提供する。
セルフヘルプグループを育成する。
2)地域住民との交流活動
地域住民のボランティアの導入や、地域住民に開放したイベントの開催等を行い、地域住民の正しい知識の普及と精神障害者の地域生活の支援への理解と協力を深める。
(4)その他
その他、創意工夫に基づき地域の実情に応じた地域生活支援の事業を行う。
6.事業の運営
(1)運営日
原則として毎日実施する。
(2)対象地域
地域生活支援のための概ねの対象地域を定め、地域における関係機関との連携を図る。
(3)職員の配置
1)精神障害者地域生活支援センターには、次の職員を置くものとする。
精神科ソーシャルワーカー 1名
専任職員 1名
相談員 2名(非常勤で可能)
2)職員は、精神障害者に関して理解のある者で、自主的な経験を有していること。
(4)セルフヘルプの助長
仲間作り、リーダー育成の観点から、自主的な活動を援助、誘導する。
相談事業についても、ピアカウンセリングなど、当事者の特性を生かした運営方策を試みる。
(5)ボランティアの育成
地域コミュニティにおけるボランティアの育成、導入を図る。
(6)利用メンバーの登録制
継続的な相談指導の観点から、利用メンバーの登録制を採ることができる。この場合においても、登録外の解放利用も併用すること。
(7)ケアマネジメントの観点
地域生活の支援のため、ケアマネジメントの手法を活用して、問題解決を支援することができる。
(8)関係機関との連携
事業の実施に当たっては、精神保健福祉センター、保健所、福祉事務所、医療機関、社会復帰施設、グループホーム、小規模作業所等の関係機関との連携を図る。
(9)利用者の負担
利用者は、飲食物品、高熱水料など利用者個人に係る費用を負担する。
(10)事業報告
事業の実施者は、毎年定期にその事業の状況を都道府県知事又は指定都市の市長に対して報告するものとする。
7.構造及び設備
精神障害者地域生活支援センターを実施するに当たっては、次の設備を設けなければならない。ただし、事業を実施する社会復帰施設の運営に支障の生じない限りにおいて、社会復帰施設の施設設備との兼用ができる。
1)相談室兼静養室
2)娯楽室兼地域交流活動室
3)調理室、浴室、洗面所、便所
4)事務室又は指導員室
5)その他地域生活支援事業に必要な設備
8.国庫補助
国は、地方公共団体又は非営利法人が実施する精神障害者地域生活支援事業に要する施設の整備又は運営に要する経費について、別に定める国庫補助交付基準により補助するものとする。
9.その他
特別の事情により本実施要綱により難い場合は、別途本職と協議のうえ実施することができる。
*作成:松本 彩見
UP:20191129 REV:20200719
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