社会政策研究者ネットワーク・ニュースレター・No.2
1996/08/19
last update: 20170427
Social Policy Studies Network
SPSNニュースレターNO.2
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◇SPSN:社会政策研究者ネットワーク・ニュースレター・No.2(1996/08/19)◇
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発行 SPSN事務局
〒113東京都文京区本郷7-3-1東京大学文学部社会学(武川)研究室気付
FAX:03-3815-6672, EMAIL:J02667@スパム対策sinet.ad.jp
◆第一回研究会が予定通り,1996年6月19日(金),武蔵大学にて開催されました.
出席者は32名でした.研究会終了後は懇親会も開かれ,交流の場を持つことができ
ました.
◆報告の概要は以下の通りです.
(1-1) 国際化と福祉国家−−長期波動論の視点から
下平好博(明星大学)
「福祉国家」は19世紀の「帝国主義」を否定して歴史の舞台に登場した.帝国主義
期の特徴は,「モノ」「カネ」「ヒト」のすべてにわたって国際化が著しく進んで
いたことにある.福祉国家は,この行きすぎた国際化の動きを否定し,内需主導型
の経済発展を可能にするような,社会経済システムを築いたことにその歴史的な意
味があった.しかし,20世紀末を迎えてわれわれの社会に再び,国際化の大きな波
が押し寄せている.当日の報告では,経済活動の国際化に 100年周期のサイクルが
あることを指摘し,この国際化のサイクルをコンドラチェフの長期経済波動論と結
びつけながら,福祉国家に今後どのような影響が現れるのかを明らかにした.なお
ここでは,コンドラチェフの長期波動論をひとつの理論として紹介したのであって
,コンドラチェフの大予言を行なったわけではない.あくまでも歴史の主体はわれ
われ自身である.
(1-2) 貧困と不平等の社会学
藤村正之(武蔵大学)
本報告の目的は,社会学・経済学・社会福祉学などの各領域で扱われてきた,貧困
や剥奪,不平等の一連の概念群の整理を図り,その論理的関係を考察することであ
った(なお,この内容については『これからの社会福祉 第2巻 貧困・不平等と社
会福祉』有斐閣,近刊に掲載される予定である).▼扱われた主題は河上肇の「貧
乏物語」での論点整理を援用した,以下の3つである.第1に,貧困定義の変容を
,貧困と相対的剥奪の両概念を中心に,それらの定義の絶対性・相対性という科学
論的問題にふれながら考察した.第2に,問題当事者が政策執行者によって政策対
象者とされていく関係性問題として,ストリート官僚論,ジンメルの貧者論を参照
しつつ,貧困と政策実施の関連,公的扶助受給のボーダーラインに潜在化する貧困
のわなのパラドックスについて考察した.第3に,貧困ギャップ,ローレンツ曲線
とジニ係数といった計測方法にふれながら,決してなくなることのない分布問題と
しての不平等について検討した.▼討議の中で,ミニマム設定の背後仮説の論理問
題,ブース研究の動向,生活保護運用の実状などについて,質疑がおこなわれた.
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第2回研究会のご案内
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日時:1996年9月21日(土) 午後1時〜午後5時頃まで
場所:東京大学(本郷キャンパス)法文一号館217教室
(最寄駅:地下鉄丸の内線本郷三丁目または地下鉄南北線東大前,
正門から安田講堂の方へ向かって左側二つ目の建物)
参加費: 500円
1 高齢者介護政策にみる「高齢者支援」の論理
報告者:藤崎 宏子(聖心女子大学)
討論者:田淵 六郎(東京都立大学)
2 フランスの出生・家族政策とその効果
報告者:小島 宏(厚生省人口問題研究所)
討論者:山田 昌弘(東京学芸大学)
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第3回研究会 1996年11月30日開催予定
第4回研究会 1997年1月25日開催予定
◆このニュースレターは,Email addressないしFax no.の登録を行なった方には,
郵送と上記手段の双方にてお送りしています.重複になりますが,当分の間,この
方法を採用します.
◆このニュースレターを研究会出席者以外でお送りした方が良いと思われる方があ
りましたら,事務局までご紹介ください.そのさい通信費の節約のため,その方が
Email addressまたはFax no.をお持ちの場合には,併せてお教えいただければ幸甚
です.
同報受信者:*
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1 #SPSN事務局 GCB01506 96/08/19 16:35
題名:SPSNニュースレターNO.2
REV: 20170427