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米津 知子

よねづ・ともこ
1948〜

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last update: 20220706

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■New

荒井裕樹 20220621 『凜として灯る』,現代書館,240p. ISBN-10: 4768435920 ISBN-13: 978-4768435922 1800+ [amazon][honto]
*現代書館Webサイト内:http://www.gendaishokan.co.jp/goods/ISBN978-4-7684-3592-2.htm
“【紹介】その人は『モナ・リザ』にスプレーを噴射した。|理由を知るには人生を語る覚悟がいる。|1974年4月20日、東京国立博物館で開催された「モナ・リザ展」一般公開初日。人類の至宝と称される絵画「モナ・リザ」(レオナルド・ダ・ヴィンチ作)に、一人の女性が赤いスプレー塗料を噴射した。女性の名前は米津知子。当時25歳。「女性解放」を掲げたウーマン・リブの運動家だった。取り調べのために連行される警察車両の中で、彼女はクスクス笑いが込み上げていた。極度の緊張と、やっと落とし前をつけられたうれしさの中で。女として、障害者として、差別の被害と加害の狭間を彷徨いながら、その苦しみを「わたしごと」として生きるひとりの、輝きの足跡。”

◆荒井裕樹 2022 「個人は国家に抗うことができるのか――「『モナ・リザ』スプレー事件」を追う」,『imidas』2022年4月18日,(https://imidas.jp/jijikaitai/f-40-231-22-04-g688
“【Exordium】 日本の障害者運動史を研究しはじめて約20年になる。振り返ってみれば、この間、ずっと「国家や社会に抗うマイノリティ」を追いかけてきた。|ただし、私が追い続けてきたのは「巨大権力に立ち向かった果敢な英雄」というわけではない。正確に表現するのが難しいのだが、強いて言えば「自分自身の痛みと向き合い続けていたら、いつの間にか国家や社会に歯向かわざるを得なくなった人生を、結果として歩んでしまった人物」ということになるだろうか。|特にこの4〜5年は、約半世紀前に起きた事件のことを考え続けていた。昨年は文字通り「寝ても覚めても」といった状態だった。その事件は、私に根源的な問いを突きつけてくる。個人は国家に抗うことができるのか。なぜ個人が国家と対峙せざるを得ない状況が生まれるのか。個人が国家に歯向かうことにどんな意味があるのか。こうした問いについて、取り憑かれたように考え続けていた。”

◆「[女性差別 わたしの視点(2)]ダブルマイノリティの立場から――DPI女性障害者ネットワーク・米津知子さんに聞く」
《NHK ハートネット》/記事公開日:2021年12月09日
https://www.nhk.or.jp/heart-net/article/569/
“【趣旨】女性差別を考える上で、今の社会にはどのような視点が欠けているのでしょうか?様々な立場の方へのインタビューを通じて、ジェンダーと差別について別の角度で考えるシリーズ企画です。|第2回は女性の中でも、更なるマイノリティ=ダブルマイノリティの“障害がある女性”という立場から、発信や活動を行ってきたDPI女性障害者ネットワークの米津知子さんに伺います。”

■略歴

SOSHIREN 女(わたし)のからだから メンバー
DPI女性障害者ネットワーク メンバー
優生手術に対する謝罪を求める会 呼びかけ人

1948年東京生まれ。2歳7ヶ月でポリオに罹患。右の手足にまひがある。小学校入学時から長下肢装具をつけて歩く。今は必要に応じて電動車いすも利用。1970年代のウーマンリブ運動に参加して優生保護法の問題を知り、以来、女の運動の中から取り組んでいる。
cf. http://feminism-documentary.com/interviewees/yonedutomoko/
cf. http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/4768434371.html

196704 多摩美術大学デザイン科入学(荒井[2022:43])
19690117 多摩美術大学全学バリケード封鎖((荒井[2022:51])
……

■2018年

◆「[奪われた私・旧優生保護法を問う:中]「不良な子孫」に異議」
『毎日新聞』東京朝刊2018年3月24日
https://mainichi.jp/articles/20180324/ddm/013/040/013000c
“【引用】「胎児に障害があれば、中絶するというのか」。当時、女性運動に関わり、今は「求める会」でも活動する米津知子さん(69)は、そう問うた男性障害者のけんまくを忘れることができない。「怖かったですよ、まるで私が(彼らの)母親であるかのような激しい調子でした」と振り返る。自身、ポリオの後遺症で足に障害を持つ。「女性は男性に選ばれ、結婚・出産して一人前」という時代。小学生のころだ。「母に『私、将来どうなるのかな』と聞くと、母が頭を抱えてしまい、一言も言えなかった」。母もつらいのかと、それ以来何も聞けなくなった。足をかばいながら町を歩くと、人々は目をそらす。自分を障害者と認められない時期を長く過ごした。”/“国会が優生保護法改正を可決する日、米津さんは一時は激しい議論を交わした横田さんと車いすを並べ、見届けた。しかし歴史的瞬間にも、喜びは半ばだった。国は優生保護法の人権侵害を謝罪することはなく、女性の自己決定権に関する議論にも踏み込めなかったからだ。そそくさとした幕引きに悔しさが残った。「くさいものにふたで終わらせたくない」。その思いが「求める会」で活動する原動力の一つでもある。”

優生手術に対する謝罪を求める会 編 20180228 『優生保護法が犯した罪――子どもをもつことを奪われた人々の証言〔増補新装版〕』,現代書館,326p. ISBN-10:4768458270 ISBN-13:978-4768458273 2800+ [amazon][kinokuniya] ※ eg
『[増補新装版]優生保護法が犯した罪――子どもをもつことを奪われた人々の証言』

■対談

◆米津 知子・大橋 由香子 20170501 「女(わたし)のからだから――SOSHIRENと障害者運動がつないできたもの」『現代思想』45-8(2017-5)〔特集=障害者――思想と実践〕,238p. ISBN-10: 4791713427 ISBN-13: 978-4791713424 1400+ [amazon][kinokuniya] ※
*引用:
http://www.arsvi.com/d/2018cafs.htm#04
http://www.arsvi.com/d/2018cafs.htm#12
http://www.arsvi.com/d/2018cafs.htm#16

『現代思想』45-8(2017-5)〔特集=障害者――思想と実践〕

■ドキュメンタリー映画『何を怖れる――フェミニズムを生きた女たち』

◆ドキュメンタリー映画『何を怖れる――フェミニズムを生きた女たち』Website
 http://feminism-documentary.com/
◆ドキュメンタリー映画『何を怖れる――フェミニズムを生きた女たち』Twitter
 https://twitter.com/naniwoosoreru/
◆ドキュメンタリー映画『何を怖れる――フェミニズムを生きた女たち』Facebook
 https://www.facebook.com/naniwoosoreru/

◆松井 久子 編 20141015 『何を怖れる――フェミニズムを生きた女たち』,岩波書店,204p ISBN-10: 4000241710 ISBN-13: 978-4000241717 1400+ [amazon][kinokuniya] ※ f03
『何を怖れる――フェミニズムを生きた女たち』
【内容紹介】
1970年のウーマン・リブ誕生から40数年。第一世代として、批判や攻撃をものともせず、最前線で活躍してきた田中美津、米津知子、滝石典子、井上輝子上野千鶴子樋口恵子加納実紀代、池田恵理子、高里鈴代、中西豊子、田中喜美子、桜井陽子の12人が、自らの人生とフェミニズムへの思いを語った貴重な同時代史。編者が撮影した同名の映画に収めきれなかったインタビューを全面的に活字化!

■参考人発言

◆米津 知子 20030604 衆議院内閣委員会での参考人発言
*発言要旨:http://www.soshiren.org/shiryou/20030604.html

■共著

横田 弘 20040125 『否定されるいのちからの問い――脳性マヒ者として生きて 横田弘対談集』,現代書館,262p. ISBN-10: 4768434371 ISBN-13: 978-4768434376 2310 [amazon][kinokuniya]
優生手術に対する謝罪を求める会 編 20030910 『優生保護法が犯した罪――子どもをもつことを奪われた人々の証言』,現代書館,274p. ISBN:4-7684-6861-6 2400 [amazon][kinokuniya] ※
DPI日本会議・2002年第6回DPI世界会議札幌大会組織委員会 編 20030530 『世界の障害者 われら自身の声――第6回DPI世界会議札幌大会報告集』,現代書館,590p. ISBN-10: 4768434363 ISBN-13: 978-4768434369 3150 [amazon][kinokuniya]
齋藤 有紀子 編 20020910 『母体保護法とわたしたち――中絶・多胎減数・不妊手術をめぐる制度と社会』,明石書店,271p. ISBN-10: 4750316172 ISBN-13: 978-4750316178 2100 [amazon][kinokuniya] ※
◆グループ「母性」解読講座 編 19910630 『「母性」を解読する――つくられた神話を超えて』,有斐閣選書799,278p. ISBN-10: 4641181667 ISBN-13: 978-4641181663 1700 [amazon][kinokuniya] ※

■論文・対談等

横田 弘+米津 知子 20040125 「優生思想、障害、女性の性と生殖の権利」横田[2004:067-105]*
◆米津 知子 20021017 「障害者と女性――連動し補完し合う差別そして解放」第6回DPI世界会議札幌大会「生命倫理分科会・誰が決定をするのか」
*フルペーパー:http://www.soshiren.org/shiryou/20021017.html
◆米津 知子 20020910 「女性と障害者――女で障害者の私が、女の運動の中から考えること」齋藤 有紀子 編[2002:225-239]
◆米津 知子 19910630 「日本の母性はたかだか一〇〇年」グループ「母性」解読講座 編[1991:110-124]

■モナリザ・スプレー事件

荻野 美穂 20140320 『女のからだ――フェミニズム以後』,岩波新書,240p. ISBN-10:4004314763 ISBN-13:978-4004314769 780+ [amazon][kinokuniya] ※ f03
『女のからだ――フェミニズム以後』

◆North43 20180525 「5月25日(月)」『星置日記』
 https://ameblo.jp/lilacbell/entry-12032608794.html
◆ちん さん 20141211 「モナリザ・スプレー事件 あるいは1円玉を3000枚集める方法」『狭筵』
  http://karahutochisimakoukanjouyaku.hatenablog.com/entry/2014/12/11/030105
◆nashika 20140415 「したこと/読書 女のからだ/食事」『武蔵野うら日記』
 http://d.hatena.ne.jp/nashika/20140415
◆鈴木 雅子 20100501 「文学にみる障害者像 岩間吾郎著『晒された名画』」『ノーマライゼーション――障害者の福祉』2010年5月号(30-346)
 http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n346/n346014.html

■言及

立岩 真也有馬 斉 20121031 『生死の語り行い・1――尊厳死法案・抵抗・生命倫理学』,生活書院,241p. 【文献表】 ISBN-10: 4865000003 ISBN-13: 978-4865000009 2000+ [amazon][kinokuniya] ※
◆立岩 真也・天田 城介 20110525  「生存の技法/生存学の技法――障害と社会、その彼我の現代史・2」『生存学』4:6-37 ※
◆立岩 真也 20100906 「障害者運動/学於日本・9――女性たち」 / [English] / [Korean]
◆立岩 真也 20080905 『良い死』,筑摩書房,374p. 【文献表】 ISBN-10: 4480867198 ISBN-13: 978-4480867193 2940 [amazon][kinokuniya] ※

◆立岩 真也 20070331 「障害の位置――その歴史のために」,高橋 隆雄・浅井 篤 編『日本の生命倫理:回顧と展望』,九州大学出版会
 「[…]DPI札幌宣言(DPI[2002a])にはとくにこれらの主題についての直接的な言及はない。DPI札幌綱領(DPI[2002b])の「生命倫理」の項は以下。「私たちは遺伝学や生命倫理の議論で主要な役割を果たすべきである。私たちは異なったままでいる権利を主張しなければならない。「人間」の能力を1セットの揃いでみる概念やそれに関連した議論を私たちは否定しなければならない。学問の領域において、肯定的な視点から障害のイメージを変えようとしている障害学を推進しなければならない。」
 分科会で出された声明はさらに踏み込んだものになっている。「私たちには違ったままでいる権利があり、障害を根拠とする出生前選択は行うべきではない。[…]パーソンという概念は能力とは関係ない」(p.250)、「選択的中絶は、リプロダクティブ・ライツの中に入らない」(p.289)、等。
 そして、この分科会でG・ウォルブリングは次のような発言を残している。「子どもをもつ権利と、特定の子どもをもつ権利とを分けて考えることが必要だと考えてきましたが、それを説明するのに非常に苦労しています。私のような考え方をする人は、北米では少数派だと感じています。今回、前の米津知子さんの発表を聞いて、彼女も私と同じ考えであることがわかりました。」(p.283)

瀬山 紀子 20040613 「複合差別の具体的様相――70年代ウーマン・リブのなかにいた障害をもつ女性の語りから」障害学会第1回大会 於:静岡県立大学
 http://www.jsds.org/june2004p.html
◆立岩 真也 2003/08/25 「その後の本たち・1」(医療と社会ブックガイド・30),『看護教育』44-08(2003-08・09):682-683(医学書院)
◆瀬山 紀子 20021031 「声を生み出すこと――女性障害者運動の軌跡」,石川・倉本編[2002]*
石川 准倉本 智明 編 20021031 『障害学の主張』,明石書店,294p. ISBN-10: 4750316350 ISBN-13: 978-4750316352 2730 [amazon][kinokuniya] ※

◆『週刊金曜日』の記事について
 http://www.asahi-net.or.jp/~bp8t-srsw/macron/macron01.html


*増補:北村 健太郎
UP: 20070103 REV: 20070127, 20110104, 20120618, 20180820, 20220706(村上 潔), 20220722
障害女性  ◇SOSHIREN 女(わたし)のからだから  ◇フェミニズム  ◇優生学・優生思想  ◇障害学  ◇病者障害者運動史研究  ◇生を辿り途を探す――身体×社会アーカイブの構築  ◇WHO 
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