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柚木 美恵子

ゆのき・みえこ

『難病ALSとともに!』
http://www1.harenet.ne.jp/~yuta-h/index.htm



1985発病 7年間の在宅療養を経て 国立療養所南岡山病院に入院
1994〜日本ALS協会岡山県支部支部長

◆19870415 「「生」を見つめて」
 日本ALS協会編[1987:020-022]*
*日本ALS協会 編 19870415 『いのち燃やさん』,静山社,278p. 1200

◆2001/02/04 「いのち咲かせて」
 日本福祉文化学会中四国大会特別発表 於:岡山県鴨方町健康福祉センター
 http://www1.harenet.ne.jp/~yuta-h/mieinochi.htm

 「ALSは、癌などと同じく病名告知の問題があり、当時は、患者本人には病名をふせる傾向が強くありました。私が病名を知ったのは、看護婦さんが家族に渡すために持ってきた「特定疾患受給者票」をたまたま家族が席をはずしていたため、私自身が受けとったからでした。病名欄には、「筋萎縮性側索硬化症」と記されてありました。
 自分が病気にかかっていることさえ、まだ気づかずにいた私にとって、それは寝耳に水であり、ましてや聞き覚えのないその病気が、全身の運動機能を奪い取り、果てには自力で呼吸すらできなくしてしまう、難病中の難病であるなどとは、夢にも思いませんでした。病気の全容が、だんだんとわかってきたのは、まだもう少しあとになってからでした。」
 「入院してまもなく、主治医の先生から、将来的に呼吸状態が極めて悪くなった時、人工呼吸器を装着する意思があるかどうかの確認がなされました。数日間、いろいろと考え悩みましたが、人工呼吸器を装着しながらも、なお人間らしく前向きに生きている先輩の人達の情報を踏まえ、「まだ、死にたくない。もっと生きていたい。」という思いから、器械を装着する意思のあることを伝えました。
 この人工呼吸器装着の選択については、ALS患者は大いに悩み迷います。器械装着を希望する患者がいる一方で、「もうこれ以上、家族に迷惑をかけたくない」とか「人工呼吸器をつけてまで生きたくはない」など、いろいろな理由で、器械装着を拒否する患者もいるのです。これまでに、呼吸状態が悪くなり、苦しみあえぎながら亡くなっていかれた病友を何人見送ってきたことでしょう。やりきれない思いが、胸をしめつけます。
 私が、人工呼吸器装着希望の意思を伝えてから、2ヶ月ほどして、私は睡眠中に呼吸困難となり、ただちに気管切開手術がなされ、夜は安全のために呼吸器をつけ、昼はできるだけはずして自発呼吸で頑張る、という生活が始まりました。」

 

立岩の文章における言及

 [191]柚木美恵子(岡山県)は一九八五年・二五歳で発病、七年後、「入院してまもなく、主治医の先生から、将来的に呼吸状態が極めて悪くなった時、人工呼吸器を装着する意思があるかどうかの確認がなされました。数日間、いろいろと考え悩みましたが、人工呼吸器を装着しながらも、なお人間らしく前向きに生きている先輩の人達の情報を踏まえ、「まだ、死にたくない。もっと生きていたい。」という思いから、器械を装着する意思のあることを伝えました。/この人工呼吸器装着の選択については、ALS患者は大いに悩み迷います。器械装着を希望する患者がいる一方で、「もうこれ以上、家族に迷惑をかけたくない」とか「人工呼吸器をつけてまで生きたくはない」など、いろいろな理由で、器械装着を拒否する患者もいるのです。これまでに、呼吸状態が悪くなり、苦しみあえぎながら亡くなっていかれた病友を何人見送ってきたことでしょう。やりきれない思いが、胸をしめつけます。/私が、人工呼吸器装着希望の意思を伝えてから、二ヶ月ほどして、私は睡眠中に呼吸困難となり、ただちに気管切開手術がなされ、夜は安全のために呼吸器をつけ、昼はできるだけはずして自発呼吸で頑張る、という生活が始まりました。」(柚木[2001])

※おことわり
・このページは、公開されている情報に基づいて作成された、人・組織「について」のページです。その人や組織「が」作成しているページではありません。
・このページは、文部科学省科学研究費補助金を受けている研究(基盤(C)・課題番号12610172)のための資料の一部でもあります。
・作成:立岩 真也


UP:20020930 REV:1015
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