“京都で介助に携わりながらヘルパーの働く環境について研究も行う渡邉琢さんによると、「クロさんのような『これって“自立”なの?』というモヤモヤは、ヘルパーの中でも結構話題になる」という。”/“なぜこんなことが起きているのか?渡邉さんは“自立生活の広がり”との関係を指摘。障害者の地域生活をヘルパーが支えるというしくみが始まった20年前くらいには、サービスを受けるのは自立生活プログラム(ヘルパーとの接し方など障害者が自立生活に必要な心構えや技術を学ぶ)を受けるなどした限られた人だったためやってこられたが、制度が整い利用者が増えていく中で、「“自立していること”や“主体性”が地域で暮らすための条件ではないから、ヘルパーが戸惑うことも当然でてくる」のだという。”/“渡邉さんは、「(ヘルパーを利用する障害者が広がる中で、)知的障害や精神障害があり、落ち着いて自分のことを理解して人に何かを伝える・指示を出すこと、また相手(ヘルパー)のことを考えることが難しい人もいる。そうしたケースにも、ヘルパーは立ち向かって行かなきゃいけない。そのときに、ヘルパーが孤立してしまったら身も心もやられてしまう。それをどう支えていくか、またヘルパーの生活をどう向上させていくかが、ものすごく大事な課題だ」と指摘。”
◇NHK-Eテレ《バリバラ》「ヘルパーのお仕事@ オシゴト大解剖」“ヘルパーの働く環境について詳しい渡邉琢さんに話を聞くと、異業種からヘルパーにという人は意外に多く、さらに「ヘルパーとして重度訪問介護に携わるための資格は、2日半くらいで取得できる」という情報も!資格のハードルは低くし、実際にヘルパー先での先輩の指導や利用者との関わりの中でスキルアップしていくことが重要なのだという。介護業界の中でも給与は低い方だという在宅のヘルパーのお仕事だが、ここ数年は国から処遇改善の手当が出て少しずつ収入もアップする傾向にあるとか。”/“その様子を見た渡邉さんは障害者の多くが病院や施設で暮らしている現状をふまえ、「まだまだこうした例は全国でも少ない。病院や施設では消灯時間が決められていて、夜中にインターネットはおろか、お腹が空いたからご飯……ということがまず無理」と語る。”