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高橋 晄正
たかはし・こうせい
1918〜2004
このHP経由で購入すると寄付されます
※このファイルの作成:新田千春(立命館大学大学院先端総合学術研究科*・2006入学)/
松枝 亜希子
*
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/gr/gsce/
◆
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E6%A9%8B%E6%99%84%E6%AD%A3
高橋晄正
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
高橋 晄正(たかはし こうせい、1918年6月20日 - 2004年11月3日)は、日本の医師。
秋田県仙北郡西木村(現仙北市)生まれ。1936年(昭和11年)旧制秋田県立角舘中學校を卒業し1941年(昭和16年)東京帝國大學医学部を卒業する。その後物療内科に入局し増山元三郎に推計学を紹介される。
略歴 [編集]
1943年(昭和18年) 徴用され、増山の「少数例の纏め方と実験計画の立て方」を読む。敗戦後、秋田赤十字病院内科。
1948年(昭和23年) 東大物療内科に戻って、ロナルド・フィッシャーの判別関数を用いた診断法を研究する。
1959年(昭和34年) 講師となった。
1960年(昭和35年) 日本消化器病学会に「判別関数による肝臓病の鑑別診断」を発表し、グロンサン研究会で「使った、治った、効いた」の「3た論法」による薬効判断が行われていることに驚愕し、対照実験を主張した。
1961年(昭和36年) 日本消化器病学会で、肝臓薬が外国に無く、日本に有るのは外国では二重盲検で対照実験を行うからであると述べ、薬効検定の重要性を主張した。これにより東大生協がグロンサンの薬効の検討に踏み出した。高橋はアリナミンの調査研究に取りかかった。
1966年(昭和41年) 東大五月祭で「保健薬を診断する」コーナーで、アリナミン無効説が主張された。
1970年(昭和45年) 高橋は有害を主張し、同年大衆保健薬の許可基準に関する質問を提出し(返答無し)、公開質問状に切り替えて提出し、衆議院決算委で参考人として薬効の無い薬を指摘し、二重盲検による大衆保健薬再評価を求めた。この結果、薬効問題懇談会の設置が決定したが、メンバーに不信感をいだいて、「薬を監視する国民運動の会」を組織し、「薬のひろば」(編集人、平沢正夫)を発行した。
1971年(昭和46年) 厚生省にアリナミン販売禁止を求める意見を提出した。
主な著書 [編集]
医学についての概論『新しい医学への道』(1964年(昭和39年))、『現代医学概論』(1968年(昭和43年))、『社会の中の医学』(1969年(昭和44年))などを著述。
また漢方医学(鍼、経絡など伝統中国医学全般)を研究し、1966年(昭和41年)『漢方の認識』(NHKブックス)を出版。その後 論文「西洋医学と東洋医学−科学論の立場から−」(『保健の科学』 37(1):4-、1995年(平成7年))や著作『「漢方薬Q&A』(1990年(平成2年))、『漢方薬は危ない』(リュウブックス 1992年(平成4年))、『漢方薬は効かない』(ワニの本 1993年(平成5年))などで伝統中国医学及び漢方薬(副作用)を批判した。
■紹介
http://www.civic.ninohe.iwate.jp/100W/06/065/index.htm
http://www.civic.ninohe.iwate.jp/100W/06/065/page1.htm
http://www.civic.ninohe.iwate.jp/100W/06/065/page2.htm
http://www.civic.ninohe.iwate.jp/100W/06/065/page3.htm
http://www.civic.ninohe.iwate.jp/100W/06/065/page4.htm
・1918年,秋田県に生まれる。東京大学医学部医学学科卒業。東京大学医学部講師(物療内科)を経て,現在,薬を監視する国民運動の会代表。(高橋・水間[1981]より)
・医学評論家。1955年から「薬を監視する国民運動の会」代表で医薬品、医療、厚生行政に絶え間ないメスをふるい続ける。
**データが見当たりませんでした。◆197608/『どんな薬が安全か』/KKベストセラーズ
◆単著◆
◆1962 『電気治療――その理論と実際』,医歯薬出版, 148p. ASIN: B000JAJX7M
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◆高橋 晄正 19640831
『新しい医学への道――現代医学の矛盾』
,紀伊国屋書店,291p. ASIN:B000JAFIM6 250
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→19940125 『新しい医学への道――現代医学の矛盾』,紀伊国屋書店,精選復刻紀伊国屋新書,291p. ISBN:4-314-00653-6 1835
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[kinokuniya]
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[kinokuniya]
※ ms.d07.
◆19671220
『現代医学概論 第二版』
,東京大学出版会,381p. ASIN:B000JA6CVW \1600
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※ a02
◆19690228
『社会のなかの医学』
,東京大学出版会,UP選書,301p. ASIN: B000JA14RO ISBN:9784130050258 480
[amazon]
/
[kinokuniya]
※ ms. d07. tu1968.
◆高橋 晄正 19691020
『漢方の認識』
,日本放送出版協会,304p. ASIN:B000JA0UOC \794
[amazon]
※ d07/三鷹490
◆高橋 晄正 19700615
『9000万人は何を飲んだか――疑惑の保健薬=0とマイナス』
,医事薬業新報社,356p. ASIN: B000J9NF2M
[amazon]
※ d07
◆高橋 晄正 19700331
『現代医学 医療革命への指針』
,筑摩書房,299p. ASIN:B000JA0MNQ \450
[amazon]
※ ms
◆1971 『医者にかかるまえに――医療矛循を考える』,亜紀書房,228p. ASIN: B000J9VECU
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◆197103
『くすり公害』
,東京大学出版会(UP選書), 325p. ASIN: B000JA0JXE ISBN:9784130050692
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※+
[広田氏蔵書]
d07. m.
◆197104 『アリナミン――この危険な薬』
[amazon]
三一書房,261p. ASIN: B000JA0KU6
◆197201? 『漢方の認識 増補』,日本放送出版協会,322p. ISBN-10: 4140011009 ISBN-13: 978-4140011003
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※
◆1972 『現代医学概論』第2版
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東京大学出版会, 381p. ASIN: B000JA0ISU
◆1972 『中国の医学』,平凡社,300p. ASIN: B000JA24SW
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*◆1973 『日本の医療を告発する』,亜紀書房, 382p. ASIN: B000J9OO86
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※
◆1974 『食品公害のしくみ―合成殺菌料AF−2をめぐって』
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[kinokuniya]
東京大学出版会, 267p. ASIN: B000J9ZY94 ISBN:9784130060318
◆197709(197304) 『薬害・食品公害――消費者主権確立への闘いのすすめ』
[amazon]
有斐閣, 402p. ASIN: B000J8WSV2
◆19771018 『医療革命』
[amazon]
世界政治経済研究所, 251p. 900 ASIN: B000J805GW
◆197810 『フッ素とむし歯―反フッ素宣言』
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[kinokuniya]
三一書房, 307p. ISBN-13: 978-4380780158 ASIN: B000J8LE2Q
◆197811 『無害・有害・薬のひろば―家庭の医学』
[amazon]
日本書籍新社, 247p. ASIN: B000J8KX00
◆198208 『むし歯の予防とフッ素の安全性』
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薬を監視する国民運動の会, 225p. ASIN: B000J7IHHM
◆198307 『市民のための科学的な見方考え方―トリック・アナリシス』
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[kinokuniya]
三一書房, 256p. ISBN-13: 978-4380830068 ASIN: B000J7CGTW
◆19870620(197804) 『薬の選び方便覧―薬屋まかせは危険』
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[kinokuniya]
農村漁村文化協会(健康双書), 327p. ISBN-13: 978-4540870163 ASIN: 4540870165
□内容紹介
病気別買いグスリ、チェック事典
。 1 身の回りに危険なクスリがいっぱい
2 病気と家庭薬の使い方―薬害を最小限に抑えるために(かぜグスリ;アレルギー性の病気のクスリ;頭や手足・関節の痛みのクスリ;むし歯; おなかのクスリ;保健強壮剤;精神・神経のクスリ;心臓、血管、血圧のクスリ;糖尿病のクスリ;腎臓のクスリ;ホルモン剤;外用消毒薬;目グスリ; 予防接種;漢方・生薬)
3 薬品成分小事典
4 クスリの最新知識(増補)
5 わが家の常備薬箱にそろえたいもの
薬局、薬店で売っているクスリをズバリ商品名をあげて安全度と服用の注意点を解説。カゼ、頭痛薬から内科、精神科、歯科、外科薬まで各科ごとに詳説。 成分名からもひける便利な事典。
◆19871125
『危険なインフルエンザ予防接種』
,農山漁村文化協会, 270p. ISBN-13: 978-4540870880 ASIN: 4540870882
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※ b d07
□内容紹介
30年も続いた副作用の悲劇。 体制科学の非科学性と人権侵害を暴き、父母・教師に断固とした拒否を促す批判の書。
序 少女のいのちと目を奪ったもの
第1章 インフルエンザという病気
第2章 ワクチン接種による被害の実態――軽く見せようとする国の研究班
第3章 有効性の論拠を衝く――危険を承知でわが子に受けさせるほど効くのか?
第4章 ワクチン無効の証拠はこんなにある
第5章 そもそもワクチンでは予防できない――無意味な型合わせ
第6章 予防接種は軽症化にも役立たない――発熱・入院・死亡をめぐって
第7章 壮大なバラック・学童定期予防接種――企業に献げられた仔羊たち
第8章 国の責任は免れない
終章 子どもたちをワクチン禍、インフルエンザ禍から守るために
予防・軽症化には役立たず、副作用の危険ばかりのインフルエンザ予防接種。被害の実態、有効論の非科学性を暴き、30年間も続いたワクチン禍の責任を 問う。強制接種廃止に一役買った反クスリ公害の権威者による快著。
◆198907 『自然食は安全か』,農山漁村文化協会, 237p. ISBN-13: 978-4540890734 ASIN: 4540890735
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※
□内容紹介
自然食ブームが盛んだが、自然に帰れば果して安全なのか? 伝染病等から解放されるまでの医学・栄養学の歩みを振返りながら、袋小路に陥りつつ ある消費者運動へ大胆な問題提起を行う。
◆19901220 『効かない!?漢方薬Q&A』
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ラジオ技術社, 165p. ISBN-13: 978-4844309093 ASIN: 4844309099
□内容紹介
第1章 漢方はなぜ生き残っているか?
第2章 漢方の思想とは?
第3章 漢方の思想は有効か?
第4章 本当に漢方薬は効くのか?
第5章 漢方薬の副作用は?
第6章 漢方は聖域か?
◆19911210(19860401) 『新版 からだが危ない―身辺毒性学』
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三省堂, 262p. ISBN-13: 978-4385433240 ASIN: 4385433240
□内容紹介
放射線を浴びた食品、フッ素入り歯みがき、母乳に農薬系ダイオキシンetcの毒性を問う。
1 放射線を浴びた食品―照射処理されたジャガイモ
2 危険な新甘味料―アスパルテームの害作用
3 フッ素でむし歯が防げるか―そのさまざまな害作用
4 子どもたちが危ない―インフルエンザ、日本だけの学童定期接種
5 母乳に強度のダイオキシン汚染
◆19921204 『漢方薬は危ない――恐るべき検証結果 薬効、副作用、安全性のウソを問う』
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経済界, 267p. ISBN-13: 978-4766702262 ASIN: 4766702263
□内容紹介
「漢方薬には副作用がない」「自然物だから安心だ」―そう信じていた"漢方常識"だが、実は恐るべき危険性が隠されていた。漢方薬の副作用の実態を明らかにする。
第1章 知らなかった漢方薬・常識のウソ
第2章 漢方に薬効なしの驚くべき実証
第3章 副作用はこんなに危険だった
第4章 漢方薬副作用小事典
◆19930315 『薬品食品公害の二〇年――『薬のひろば』活動の記録』
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[bk1]
※s
松籟社(シリーズ市民の活動9), 238p. ISBN:4-87984-128-5 2039
□内容説明
1971年〜89年までに発行された『薬のひろば』(「薬を監視する国民運動の会」の機関誌)の内容を、薬品公害、食品添加物などの 分野別に分け、そのあらましを紹介したもの。
プロローグ 会の設立まで
第1部 薬品公害を追って
第2部 栄養学・その後と食品汚染を追って
第3部 食品添加物を追って
第4部 環境汚染とそれによる被害を追って
第5部 薬品・食品公害20年の回顧―私たちは何を見たか
第6部 本会の活動を支えた人びと
◆19930605 『漢方薬は効かない―中国二千年のウソを検証する 見逃せないこれだけの副作用』,ベストセラーズ,295p. ISBN-13: 978-4584008539 ASIN: 4584008531
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※
□内容紹介
1章 見逃せないこれだけの副作用
2章 漢方薬が無審査で保険に採用された裏事情
3章 「漢方薬は効かない」と断言する根拠
4章 「自然の物だから安全」というウソ
5章 中国伝統医学の重大な欠陥とは
付録(なぜ中国で自然科学は発達しなかったのか;哲学者による「中国医学論」を批判する)
◆19940125(19640831) 『新しい医学への道―現代医学の矛盾』
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※
紀伊國屋書店, 291p. ISBN:4-314-00653-6 ASIN: B000JAFIM6
□内容紹介
診断といわれる認識と治療といわれる行動はどの様な特質を持つものであるのか。 現代医学は一つの曲り角にたっている。方法論不在の医学研究や教育,さらには医療制度。 そしてそれが営利主義と結びついたときの新薬の濫造, 薬漬け医療。医師であり,医療ジャーナリストである著者は,みずみずしい情熱をもってこれらの問題に取り組み,今後の医学の方向――コンピュータ 診断,医学教育,薬事行政への具体的提案を行う。
第1章 訣別の言葉
第2章 新しい芽ばえ
第3章 診察という名の官能検査
第4章 検査する機械
第5章 診断する機械
第6章 治療学の危機
第7章 科学としての治療学
第8章 新しい医学への道
■編著・共著・翻訳
◆1953(1951) 高橋晄正・土肥一郎 著 『医学及び生物学研究者のための推計学入門 再版版』
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医学書院, 215p. ASIN: B000JBAZDW
◆1954 鳥居敏雄・高橋晄正・土肥一郎 著 『医学・生物学のための推計学』
[amazon]
東京大学出版会, 361p. ASIN: B000JB89US
◆1962 柏木力・高橋晄正 訳 『医学における統計的推理』
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東京大学出版会, 185p. ASIN: B000JALDHK
◆1966 高橋晄正・堂前章・宮原英夫 訳 『医学における電子計算機の応用』
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東京大学出版会, 215p. ASIN: B000JABYLA
◆196802 高橋晄正・佐久間昭・平沢正夫 編 『保健薬を診断する』
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三一書房, 265p. ASIN: B000JA5XXU
◆1969 高橋晄正 編 『計量診断学』,東京大学出版会, 484p. ASIN: B000JA0Y6Q
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◆197108 増山元三郎 編 『サリドマイド―科学者の証言』
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東京大学出版会, 319p. ASIN: B000J9ZJ1M
◆1972 高橋晄正・宮原英夫 編 『臨床診断とコンピュータ』
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[kinokuniya]
産業図書, 308p. ASIN: B000J9ZIYU ISBN:9784782852248
◆197205 高橋晄正・平澤正夫 著 『薬・この危険な副作用―あなたは知らない』,ベストセラーズ, 287p. ISBN-13: 978-4584001981 ASIN: B000JA0T0W
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◆1973 高橋晄正・金戸真二・花村君枝 著 『光化学スモッグ』,三一書房, 258p. ASIN: B000J9P41C
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◆高橋 晄正・藤木 英雄・森島 昭夫・柳沢 文徳 19730410
『食品・薬品公害――消費者主権確立への闘いのすすめ』
,有斐閣,374p. ASIN: B000J9OA8K 880
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d07 m
◆津山 直一・小林 登・砂原 茂一・高橋晄正・赤石 英 19761210
『注射の功罪――大腿四頭筋拘縮症をめぐって』
,東京大学出版会,244p. ASIN: B000JA09FW \不明
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※ ms
◆高橋晄正・水間典昭 19810125 『裁かれる現代医療――スモン・隠れた加害者たち』,筑摩書房, 264p. 1100 ※ ASIN: B000J81886 ISBN:9784480050298
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[kinokuniya]
◆19820420 E.C.ランバート 著, 高橋晄正 訳 『現代医学の犯した過ち』
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[kinokuniya]
白揚社, 294p. ISBN-13: 978-4826900157 ASIN: 4826900155
◆198504(1970) 高橋晄正・森和 著 『物理療法の実際 改訂第6版』
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[kinokuniya]
南山堂, 588p. ISBN-13: 978-4525207168 ASIN: 4525207167/B000JA0XJY
◆199512 日本フッ素研究会・高橋晄正 編 『あぶない!「フッ素によるむし歯予防」Q&A―フッ素洗口、フッ素入り歯みがき剤を中心に』
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[kinokuniya]
労働教育センター, 247p. ISBN-13: 978-4845002504 ASIN: 4845002507
■論文・他
◆岡本 正・高橋 晄正・
毛利 子来
・
大熊 由紀子
(司会) 19731015 「日本医師会のタテマエとホンネ」(座談会),朝日新聞社編[19731015:161-217]*
*朝日新聞社 編 19731015
『荒廃をつくる構造』
,朝日新聞社,朝日市民教室・日本の医療5,254p. ASIN: B000J9NNZG 500
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※ b
◆高橋 晄正・
中川 米造
・
大熊 由紀子
19731215 「医療の質をどうよくするか」,朝日新聞社編[19731215:133-188]
*朝日新聞社 編 19731215
『どう医療をよくするか』
,朝日新聞社,朝日市民教室・日本の医療7,252p. ASIN: B000J9NNYW 500
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※
「中川 先生の医学論でちょっとね私、危惧をいだくのは、七〇年代の医療は、コンピューターを使った数学中心の、いわゆるシステム医療という形で動いていくと思うんですね。そうすると、先生の考えているのがそっくり「敵側」に利用されてしまう危険があるんじゃないですか。
高橋 科学にしろ統計学にしろ、敵はそうやって歪めて使ってくる。それは十分覚悟の上で、こちらはそれを反撃のために使わなきゃいけない。「むこうは使う」「こっちは使わない」じゃ、もう<0153<ゲバ棒しかないんですよ。(笑)先生が批判しておられる“科学”というのは、資本と権力によって毒された技術ですね。人間性を忘れ、栄誉とカネもうけにつながる技術。それに批判をもっている点はぼくも先生と同じなんですよ。
さらに、科学技術というものは、自然の法則をいかに使うかというものだといっても、無制限に使ったのでは自然破壊がおこる。原則的には、技術はなるべくちぢめていって、自然の中で生きるようにしなければいけない。ただし、現段階では、敵が資本に奉仕する科学技術を使ってやってくるとき、われわれは、やっぱり人民のための科学技術を使わざるをえない。
その意味で、われわれの立場は、「反技術」なんです。しかし、論理と物質性を無視した「非科学」の道はとらない。直観だけではとても勝てないですからね。武田製薬の「飲んでますか、アリナミン」に反撃するためには、こっちも学生たち有志に呼びかけて、いわば人体実験をやって、アリナミンの有害性を立証するデータを用意しなきゃならないんです。」(高橋・中川・大熊[1973:153-154])
◆19820420 「追補=日本医学の犯した過ち」,『現代医学の犯した過ち』:269-294
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白揚社, 294p. ISBN-13: 978-4826900157 ASIN: 4826900155
■言及
◆山田 真 20050725
『闘う小児科医――ワハハ先生の青春』
,ジャパンマシニスト社,261p. ISBN-10: 4880491241 ISBN-13: 978-4880491240 1890
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※ b
「ふたりの医学部の教官がわざわざ九州へ出向き、T君が「H医師糾弾」の当日、まちがいなく九州にいたことを確認しました。
この教官のうちのひとりが、当時人気のあったアリナミンやグロンサンを”効かない薬”と告発しはじめていた高橋晄正さんという研究者だったのです。高橋さんは、T君処分の一件にも科学的精神を発揮して調査に乗<0123<りだしたわけでした。高橋さんたちも「T君はたしかに九州に行っていた」と証言してくださったので、大学側は誤認処分をしてしまったことを認めないわけにはいかなくなりました。」(山田[2005:123-124])
「その頃、東大医学部物療内科の講師であった高橋晄正さんは、薬害の告発を始めていました。高橋さんが最初に糾弾したのはアリナミンやグロンサンといった”総合ビタミン剤”でしたが、当時のアリナミンの売れ行きといったらすごいものでした。ちょうど「高度経済成長まっしぐら」とい<0235<う時代でもあり、国民はバリバリ働くことを国から求められていましたが、バリバリ働いて疲れたからだはアリナミンで回復させるというようなことがいわれていたのです。
しかし、アリナミンはインチキ薬だと高橋さんが告発しました。」(山田[2005:235-236])
◆稲場 雅紀・山田 真・立岩 真也 2008/11/30
『流儀』
,生活書院
◆市田 良彦・石井 暎禧 20101025
『聞書き〈ブント〉一代』
,世界書院,388p. ISBN-10: 4792721083 ISBN-13: 978-4792721084 2940
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※
1970 「地元の川崎に戻るまでの二、三か月は、頼まれて世田谷・三宿の自衛隊中央病院にパートで行ってました。自分の病院をどうやって作るのか、どういう地域医療をどう具体的にやるかまでは定まってなかったけれど、方向性は見えていた。
ひとつは高橋晄正が六九年に出した『社会の中の医学』という本。これ薬害批判の本なんだけど、面白いことに序文で東大闘争のことに触れてるんです。彼は東大の講師だったでしょう。それもあって、東大闘争における自己否定論と結びついた新しい医療運動のあり方に、とにかくひとつのヒントになった。医療批判を軸にした病院経営ができないか、と。それから、中野の病院で実感したことなんだけど、民医連はもう「医療運動」してないのよ。民医連の病院は事務<0148<方主導の「選挙マシーン」であって、医者はいわば「お客さん」にすぎない。」(市田・石井[2010:148])
「国民皆保険制度できちゃってるし、もう開業医の診療所では医療運動にならんと思ったわけ。だとしたらどうやって「地域社会」と関わるのか、そこのところで医療批判が軸になるんじゃないかと思った。党や役員事務員が病院を運動の基地として「借りる」のはもうダメ。あくまで医者と患者の関係を軸に”社会のなか”で医療をやりたい、と。高橋晄正は七〇年三月にも『現代医学――医療革命の指針』という本を出してます。それ自体はどうというほどの本でもないんだけど、医療自体の根本的なところに問題があるんじゃないかと言う。それはどうしたってこちらの頭のなかでは、東大闘争が提起した問題と重なりあって読めてしまうのよ。現代的な医療批判を病院の現場実践として追求できないか、と思ったんです。特に薬害、公害問題とのかかわりだね。」(市田・石井[2010:149])
◆立岩 真也 2011/10/01 「社会派の行き先・12――連載 71」,『現代思想』39-(2011-10):
資料
◆高草木 光一 編 20130222
『思想としての「医学概論」――いま「いのち」とどう向き合うか』
,岩波書店,400p. ISBN-10: 4000258788 ISBN-13: 978-4000258784 4000+
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[kinokuniya]
※
◆
佐藤 純一
「近代医学・近代医療とは何か」,高草木[2002:74-150]
「近代医学と漠方医学を、両方とも科学性が不足している・欠如していると批刊した
高橋晄正
も『現代医学概論』(東京大学出版会、一丸六匕年)を書いています。この医学概論のなかで高橋晄正は、武谷の埋論〔いわゆる式谷三段階論〕を援用して議論していますが、後に武谷の信奉者からは、高橋は武谷理論の解択が間違っていると批判されています。一九犬〇年代末に高橋晄正は「反日共」といわれた人たちとし「共闘」していますので、日共系の式谷シンパから批刊されたという側面もあるようです。」(佐藤[2013:88])
「ちなみに、先にお話しした高橋晄正氏は、東大医学部の研究者時代の一九六〇年に、薬の効果判定の研究に参加しますが、そこで行なわれていた効果判定法が、「一〇〇人の患者に薬を(使いました)、八〇人(治りました)、だから、薬は八〇% (効きました)」というような方法だったので、これを「使った、治った、効いたの三タ方法」として非科学的方法と批判します。ここから、彼の「日本の近代医学は科学的でない」とする批判がスタートするのです。欧米の近代医学では一九五〇年代から、治療効果判定では、先ほど述べたプラシーポを前提とした比較法〔それも、「二重目隠し検査」あるいは「二重盲検法」と言われる方法〕が行なわれていたのに、日本の医学では、その考え方も判定法も、ったく無視して、一九六〇年代まで、「三タ方法」で効果判定していたのです。」(佐藤[2013:109])
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最首 悟
「「いのち」から医学・医療を考える」,高草木[2002:235-315]
「青医連(青年医師連合)」は、一九六六年に結成され、インターン制度撤廃によって闘争勝利したために、一九六八年三年問の活動を終焉させます。そこで活躍した黒岩卓夫は、一九五四年にできた医学連でも活躍した人物です。地縁のない新潟に、田中角栄に直談判して地域医療診療所をつくりあげました。彼はある意味では地域医療の草分けと言ってもいい存在です。青医連は医局から追われますので地域医療に行かざるをえなかったとという面があります。そういう系譜のなかで徳永進の名前は覚えておいていただきたいと思います。「ぼくは臨死の患者が好きだ。治す必要がないから」と私もシンポジストとして出たニ〇一一年の東本願寺でのシンポジウムでも言っていましたが、彼大の医学部闘争の後、地域に出て烏取に「花の診療所」を開きます(徳永進『死の中の笑み』ゆみる出版、一九ハニ年、参照)。また、医師国家試験ボイコットが成立する背景の特殊性を見事に体現しているのが今井澄とという医参議院議員にもなりました。東大医学部を三度退学争処分になり、三度復学しています。諏訪中申央病院に赴任した後に、安田講堂事件の有罪が確定して服役します。茅野市は、有罪確定して服役、出所した者を諏訪中央病院院長に迎えられるように、市の規約を変えたはすです。」(最首[2013:270])
「近代医療には、金がかかります。科学技術を駆使した先端機器を病院は設設置しますが、うちはお金がないので前の「世代」の古い機器を使いますというわけにいきません。技術は「世代」ごとに飛躍的に発展しますから、何億円かかろうとも最新世代の機器を導入しなければいけない。その設備技資を回収するためには患者が必要になります。患者をつくってでも患者を確保しなければならなくなります。
こうした病院医療の矛盾がアメリカで顕在化した頃、WHOが「伝統医療の再評価」を提唱したのです。日本で言えば、鍼灸、漢方となりますが、こうした伝統医療は、文明としての現代科学の正則現象のなかに入らない変則現象ですから、なぜ効くのかは迫求してもわかりません。ともかく、そうした「文化」としての医療を活用していこうという発想が一九七〇年代末に現れてきました(⇒本書、三四八ー三五〇頁)。<0272<
日本の医療は非科学的、非合理的なおまじない医療であった。ドイヅ医学を学んで努力はしたものの、とうてい科学的医学、自然科学をもとにした医学とは言いがたい。とくに薬はおまじない効果に頼っているだけではないのか。これが、東大医学部物療内科の
高橋晄正
の問題提起でした。大学に散々反逆しましたので、講師止まりでした。
彼は薬効に関して科学性を導入するために、ダブル・ブラインド・テスト(二重盲検法)を提唱し、アリナミンは無効なばかりか有害だという主張を押し通しました。『沈黙の春』(原著一九六二年。青樹簗一訳、新潮社、一九六四年、新潮文庫、ニ〇〇四年)を著したレイチェル・カーソンは、大手企業を相手にして、四面楚歌のなかで闘いました。そのような反逆者は、マスコミを通じて、人間性に間問題があるかのような攻撃を受けることになります。高橋晄正は、六八年の東大医学部の冤罪事件を告発することもしているので、よけいに追いやられてしまいます。」(最首[2013:272-273])
REV:..20041203 ..20070214,1126, 20080902, 20090531, 20101231, 20110112, 0908, 20130327
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生を辿り道を探る――身体×社会アーカイブの構築
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病者障害者運動史研究
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