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登丸 福寿

とまる・ふくじ

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■言及

◆立岩 真也 2017/03/01 「施設/脱施設/病院/脱病院 生の現代のために・19 連載・131」,『現代思想』45-(2017-3):-

◆登丸寿一 200903 「当事者中心主義の視点から読み直すコロニー論――日本で最初にコロニーうつくった登丸福寿の理論と実践を通して」,『天理大学社会福祉学研究室紀要』11:25-36(紙上最終講義) 

 「…精神薄弱児施設「県立しろがね学園」の園長となりました。続いて、1956年(昭和31午)に、当時まだ制度化されていない成人のための自由契約施設「こがね寮」を私費を投じて創設し、その後、全国に先駆けて、1958年(昭和33年)に榛名山のふもと群馬郡箕郷町に、地域から土地の無償提供を受けて「コロニーはるな郷」きつくることになったわけです。また、全国の知的障害者施設連盟である財団法人愛護協会(現在は財団法人日本知的障害者福祉協会)の仕事にも、若い頃から関わっておりました。戦後、復興間もない愛護協会の例会が県立しろがね学園で開かれ、そのときに機関紙「愛護」の復刊を決定し、登丸は編集実務の担当となり、その後予算対策委員長、副会長を経て、1968年(昭和43年)から1977年(昭和52年)まで、まさに大学民主化闘争の最中、施設も障害者の人権獲得の改革の嵐が吹きすさんだ時期に10年間日本精神薄弱者愛護協会の会長を務めました。多年にわたり知的障害者の福祉に貢献した功績ということで1978年(昭和53年)度の朝日社会福祉賞を受賞しているというようなことであります。」

◆大塚良一 201503 「日本のコロニー政策とベーテル――福祉活動家が目指したコロニー・ベーテル」、『東京成徳短期大学紀要』48 

 「はじめに
 国立コロニーのぞみの園(現、独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園) は、1971(昭和46)年 4 月 1 日に開園した。施設の名称「国立コロニーのぞみの園」は、福田赳夫元総理大臣の提唱によるもので、入所者が将来に向かって大きな「のぞみ」を持ちながら、その日常生活や治療・訓練及び作業等を通して、大きく育っていくように、という意味を込めているとのことである1)。国立コロニーの建設場所の選定については、当初は伊豆半島の北部地域が調査された。次に、候補地として群馬県が挙げられた。吾妻郡、利根郡、群馬郡などの視察が行われた。しかし、結論として適当な場所がないとのところに落ち着きそうであったが、視察に同行したはるな郷長登丸福寿の進言により、以前、褐炭などの発掘をしたことのある高崎市内の国有地を一度みて欲しいとのことから現地視察を行い、その結果適地であるとの判断に立ち1966(昭和41)年 3 月群馬県高崎市乗附町、通称観音山をコロニー予定地にすることを決定した2)。
 これについて、登丸自身も「群馬愛護三十年史の発刊を喜ぶ」の中で、「国立コロニーを本県に誘致することができて、ここには550名ほどの対象者が入っている。国立コロニーができるときに私は全国の会長をしていたので協力してつくったのである3)。」といっている。
 登丸は1968(昭和43)年から1977(昭和52)年まで精神薄弱者4)愛護協会(現、日本知的障害者愛護協会)の会長をしており、また、群馬県精神薄弱者愛護協会会長も1969(昭和44)年から1982(昭和57)年まで歴任している。精神薄弱者愛護協会は1934(昭和 9 )年10月滝乃川学園の石井亮一を中心として結成される。石井亮一は、発足時会長に選出されたが固辞し、1935(昭和10)年 4 月、第二回総会で再度会長に指名され承諾をしている。さらに、戦争により中断されたが、再建され戦後の知的障害者福祉に大きな影響を与えている。コロニー施策が計画されだした1955(昭和30)年代の精神薄弱者愛護協会会長は国立コロニー初代総長になった菅修であり、菅は1956(昭和36)年から名誉会長となり、1978(昭和53)年10月まで歴任している5)。
 コロニー施策は日本の知的障害者福祉施設プロジェクトの中でも最大であり画期的なプロジェクトであったことはいうまでもない。
 知的障害者福祉施設政策は、社会福祉基礎構造改革から支援費制度、さらに障害者自立支援法へと転換し、コロニーなどの施設施策から在宅福祉中心の施策へと移行した。日本でコロニー施策が検討され始めた、1960年(昭和35)年代には、西欧諸国ではノーマライゼーションの動きと共に、脱コロニーの動きが出ている。また、アメリカでは1962(昭和37)年10月、ケネディ大統領の命によって設けられた大統領精神薄弱委員会は「精神薄弱対策の国家的活動についての建議」を発表した。この中に、施設保護の新しい形を作り出す方策として、診察、通園保護、両親指導を行う小さないきとどいた収容施設を各地域社会につくり、…」


UP:20170211 REV:
病者障害者運動史研究  ◇WHO 
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