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病者障害者運動史研究 > 2017年度科学研究費(基盤B)分担研究者

田中 恵美子

たなか・えみこ
https://www.tokyo-kasei.ac.jp/academics/teachers/1633.html

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last update: 20230722

新着

◆長沖 暁子 i2022 インタビュー 2022/03/01 聞き手:田中 恵美子 於:オンライン(Webex)
◆聞き手:田中 恵美子 2021/11/04 「谷口正隆氏インタビュー@」
◆聞き手:田中 恵美子 2021/11/05 「谷口正隆氏インタビューA」


■学歴・学位

200603 日本女子大学大学院人間社会研究科社会福祉学専攻博士課程単位取得満期退学
20070919 日本女子大学大学院 博士(社会福祉学)


■職位

201404 - 東京家政大学大学院人間生活学総合研究科教育福祉学専攻准教授
201404 - 202103 東京家政大学人文学部教育福祉学科准教授
202104 - 現在 東京家政大学人文学部教育福祉学科教授


※教員からのメッセージ
https://www.tokyo-kasei.ac.jp/college/tabid/288/index.php


■単著

『障害者の「自立生活」と生活の資源――多様で個別なその世界』
田中さんの御厚意でこの本の売上げ全額寄付させていただきます。(2011/04/09)


■共著



■論文



■書評



■学会報告



■事例協力



■厚生科学研究報告書



■編纂協力



■その他



■研究会報告





◆20000901
Subject: [jsds:4664] Re: 第八回障害学研究会 (訂正版)

土屋です。
斉藤さん、ご指摘ありがとうございました。訂正したものを再度投稿いたします。

************
2000年8月26日 第八回障害学研究会(関東部会)於:三田障害者福祉会館
13:30〜16:40
田中恵美子「重度障害者の地域生活を支えるシステム――新しい介護サービスの可能性を求めて」

司会:瀬山 紀子
報告、レジュメ参照([jsds:4638] に掲載)。

司会:簡単な質問を。
○練馬区のセンターに登録している人の継続期間と男女比は?
田中:センター自身の発足は90年。長い人は82年から、これは個人的に雇っていたもの。男女比は半々、メンバーは二十人弱。

○「経験知」、「臨床知」の原語は?たくさんあればよいということか?
田中:経験知はエクスペリアンスノレッジで、臨床知は日本語(中村雄二郎著)。知は増加するが、一回一回が異なるもの。
○「知」とは知識か知恵か?
田中:伝えられるものを知識というのであれば、言語や体で伝えるもの。

○介護者を選択する仕組みはどのようになっているのか。
田中:週一で会議を行い、原則全員参加。本人に直接言うか、他の介護者に言う。しかし言い辛さはある。

○障害者の経験知が豊かであり、専門知はなくてもよい、また逆など具体的な例はあるか?
田中:たとえ医療的なものであっても専門知→介護が出来るというわけではない。具体例は以後やっていく。

○聞き取りについて。障害者観や生活歴についてはどうか。
田中:障害者観としては、障害者は、自分を庇護されるものとして見るのではなく、自分の生活を自分で見いだすということがある。介護者は障害者の一部になっていくのが自分の仕事であると考えている。ライフヒストリーについて分析はそれほどしていない。

−−休憩−−

司会:どなたからでもどうぞ。
○「協働知」というのは一種のラポールなのではないか。
田中:ラポール(信頼関係)ももちろんあるが、技術的なものもある。その人との間でやていく知恵もある。
○現実に目の前に障害を持つ人がいたら、何とかうまくお互いやりくりしようというのは出てくる。自分は長い間距離のおきかたを考えてきた。派遣センターの人は続くのか?十年たった時に入れ替わることが出来るのか?
田中:長い人は十年以上。
○二十年つきあってる人に、次が出てくるのか?ということは疑問。
田中:仕事として関わる仕組みを作っている。ボランティアよりは続くと思う。

○「手足になる」ということはある意味で介助者にとっても障害者にとっても楽な面があると思うが、「一体化する」ということは双方にとって辛いこともある。従来の手足論を否定し、「一体化する」ことを是とする根拠は?
田中:辛い面は確かにある。重度の場合は同じ人が長期にわたって介助を続けることによって、わざわざ言葉にしなくて
もよいという面がある。障害者の症状や性格によって異な<る。
○手足論には歴史的文脈がある。家族や施設の中だけで暮らしていた人たちから出てきたアンチテーゼ。協働知は難しいと思う。折り合いを付けるためのパターンはあるが。

○システムのことについて。多様な障害者と多様な介護者がいる。抽象的な議論におとすと行き詰まる。選択の幅をもたせるシステムを作ることが重要なのでは。
田中:一つには、いろいろなシステムがあるのは当然であること。二つ目に介護人を撰ぶことは積極的には行われていないということ。出来るようなシステムを考えたいのだが。

○二者関係にこだわって三つ質問をする。一つめ、一体化という時、従来問題にされてきた施設の職員や親による一体化とどのように異なるのか。二つめ、自己決定出来ることが人間の価値にはつながらないということには同意するが、そこでなお自己決定をせまられた場合、その意義は?三つめ、信頼関係と選択の自由は矛盾するのか、そこで介護関係も崩れてしまうのか。
田中:一つめ。固定化しやすい状況が従来の問題をまねいて来た。経験知や協働知は毎回異なるもの。前回までの知識を前提としないということ。二つめ、最終的には障害者の自己決定が効いてくる、これがどこまで可能で保証されるものであるのかということは保留。三つめについてはやってみないとわからない。
○関係がまずくなることがあるとしたら、介助関係が特殊なのか?
田中:特殊であると思う。他とは比べ辛くセンター特有であるということしか言えない。
○もめた時の解決法は?
田中:一つは障害者が我慢してしまう、二つめに当人同士が話し合いで解決する、全体の会議にかける。
○協働知が試される場面なのでは。センターの中だけで合い解決をはかろうとするのは自己矛盾。第三者的な機関が必要。これからどのような方向性を目指しているのか?
田中:今のところはわからない。そうした解決の仕方を議論していく余地はある。

○対等な関係とは?
田中:仕事として介護に入るということ、雇用者はセンターであることという金銭面でもそうだし、役割において上下関係をつくらないということ。これが即対等かと言われればそうではないが、条件があることがセンターの利点だと思う。

(以上)

土屋 葉(つちや・よう)


*増補:北村 健太郎
REV:20091027, 20170919, 1213, 1217, 1229, 20201122, 20210510, 20210517, 20210518, 1222, 20220527(岩ア 弘泰), 0715(中井 良平), 0722(山口)
病者障害者運動史研究  ◇「病者障害者運動史研究――生の現在までを辿り未来を構想する」  ◇自立・自立生活(運動)  ◇介助・介護  ◇障害学  ◇WHO 

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