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孫 歌

そんか

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last update: 20200125


■著作

書籍

雑誌

■言及

西川 長夫 20081015 「差異とアイデンティティのための闘争の先に見えてくるもの――タゴールの反ナショナリズム論とイリイチの「ヴァナキュラーな価値」を手がかりに」 『生存学研究センター報告4』,350p. ISSN: 1882-6539 ※

 (3)タゴールの反ナショナリズム論に対するこのような当惑と反撥、そして無理解は『ナショナリズム』が収められている『タゴール著作集』第八巻(第三文明社、1981年)の解説者市井三郎にまで及んでいる。二十数年前の文章をここに改めて引きだすのは気がひけるが、この文章は日本のリベラルな知識人がナショナリズムの問題に直面したときの虐弱さを示している。解説者はタゴールのナショナリズム論を全く理解しようとしていない。これと対照的な、私の知る限り、タゴールのナショナリズム論を最も深く理解した文章として、孫歌氏の「理想家の黄昏」を挙げておきたい。『アジアを語ることのジレンマ』(岩波書店、2001年)に収められた論文というよりはエッセーに属するこの文章のなかで、孫歌氏はタゴールのナショナリズム論のなかに現在の最も切実な問題を見出し、歴史の未来の可能性につなげている。私たちは、そこに日中のナショナリズムのはざまで長年苦労し鍛えられた孫歌氏に独自のナショナリズムに対する視座を読みとることができるのであるが、ヴァ―ジニア・ウルフの『自分だけの部屋』への言及は同時に氏のフェミニズムに対する位置の取りかたをも示して興味深い。

作成:安田 智博
UP: 20200125 REV:
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