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Sen, Amartya K.

セン・アマルティア
(セン関連の研究会・シンポジウム、言及の情報など)

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last update: 20171027

■Sen教授関連の研究会・シンポジウムなど
◆2003/06/02 「民主主義と社会的正義――公共性の再検討」
 シンポジウム「21世紀の公共性に向けて――セン理論の理論的・実践的展開」
 於:立命館大学衣笠キャンパス
◆2003/05/10 夕方5:00〜5:50(50分)NHK衛星第一【312958】
 BSフォーラム「“人間の安全保障”緒方貞子氏たちの提言」
 出演:緒方貞子、アマルティア・セン、ほか
 12日(月)朝10:00〜再放送【752367】 【番号】はGコード
◆2003/05/03 公共研究会
 講師:山森亮氏(東京都立大学)
◆2003/05/02 セン理論に関する学際的研究・第2回研究会
 講師:山森亮氏(東京都立大学)・峯陽一氏(中部大学)
◆2003/04/19 セン理論に関する学際的研究・第1回
 講師:池本幸生氏(東京大学東洋文化研究所)・若松良樹氏(成城大学法学部)
 於:立命館大学衣笠キャンパス
◆2002/06/07 16時〜18時 2002年度 人文科学プロジェクトA 公共研究会 第3回研究会
 後藤玲子「A Perspective on the Theory of Justice a la Rawls and Sen」
 於:修学館2F 第1共同研究会室
◆2001/12/15 発言 人間の安全保障国際シンポジウム
 「テロと人間の安全保障−グローバル化による脅威の多様化の中で──アフガニスタンをケース・スタディとして」(概要)
◆1999/03/08 第3回厚生政策セミナー「福祉国家の経済と倫理」 主催: 社人研
 ビデオ講演「センとの対話ー福祉・自由・正義」で、他にノルウェーの公共経済学者アグナー・サンドモと、鈴村興太郎先生が基調講演を行ないます。


■Sen教授への言及(発行年順)
◆Roemer, John E. 1996 Theories of Distributive Justice, Harvard University Press. = 20010320 木谷 忍・川本 隆史訳 『分配的正義の理論──経済学と倫理学の対話』, 木鐸社, 388p. ※
◆岩崎 晋也 1997 「ハンディキャップ状況をどのように評価すればよいか?──アマルティア・センのケーパビリティ理論の適用可能性」, 『精神障害とリハビリテーション』, Vol.1(2), pp.102-107.
◆岩崎 晋也 1997 「社会福祉と自由原理の関係について──J.S.ミル・L.T.ホブハウス・A.センの比較検討」, 『社会福祉学』, 38-1, 日本社会福祉学会.
◆岩崎 晋也 1998 「社会福祉の人間観と潜在能力アプローチ」, 『人文学報』, No.291(社会福祉学14), pp.57-74.
◆鈴村 興太郎 1998 「機能・福祉・潜在能力──センの規範的経済学の基礎概念」, 『経済研究』, Vol.49.
◆鈴村 興太郎 1999 「厚生経済学から福祉の経済学へ」, 『経済セミナー』,530(1999-3),pp.20-24.
川本 隆史 199903 「経済学の良心あるいは良心の経済学──アマルティア・センの思想と行動」, 『経済セミナー』, 530,pp.010-014.
川本 隆史 1999 「全世界的な福祉(WWW)を求めて」
Arrow, Kenneth J. 1999 “Amartya K. Sen's Contributions to the Study of Social Welfare,” The Scandinavian Journal of Economics.
川本 隆史 1999 「経済学は人間生活の改良の道具たりうるか――アマルティア・センにおける厚生経済学の再生」, 『グラフィケーション』, 105号.(富士ゼロックス)
山森 亮 20000320 「福祉理論──アマルティア・センの必要概念を中心に」, 有賀 誠・伊藤 恭彦・松井 暁 [編] 『ポスト・リベラリズム──社会的規範理論への招待』, ナカニシヤ出版, 267p.
◆立岩 真也 20001215 「二〇〇〇年の収穫」, 『週刊読書人』, 2366, pp.2.
◆立岩 真也 20010115 「二〇〇〇年読書アンケート」, 『みすず』, 42-1(2000-1).
◆鈴村 興太郎・後藤 玲子 2001 『アマルティア・セン──経済学と倫理学』, 実教出版.
後藤 玲子 20020629 『正義の経済哲学──ロールズとセン』, 東洋経済新報社, 466p.
◆立岩 真也 20030602 「(セン先生に)」, 立命館大学大学院先端総合学術研究科開設記念国際シンポジウム 「21世紀の公共性に向けて──セン理論の理論的・実践的展開」
◆若松 良樹 20030625 『センの正義論──効用と権利の間で』,勁草書房,285+21p. ※
◆絵所 秀紀・山崎 幸治 [編著] 20040510 『アマルティア・センの世界――経済学と開発研究の架橋』, 晃洋書房, 243p. ※


■立岩 真也氏によるSen教授への言及
◆立岩真也「自由の平等・4」
★04 「手段は、究極的には何か他のものによって評価されるから、手段の評価をその目的から全く独立に行うことは容易ではない。ジョン・ローマー…は、 この関係を巧みに利用した数学的な帰結を導き、それを…「資源の平等は厚生の平等を意味する」と解釈した。この結果は精巧な公理の集合に基づいているが、 その背後にあるアイデアは、資源の価値をその資源が生み出すものから求めようとするところにある。資源は、それ自体で価値をつけられるものではないので、 このような関係に目を付けるのはもっともなことである。最終的な目的が厚生だけであるようなモデルを作って、「資源の平等は厚生の平等を生み出さなければならない」 というローマーの定理が導き出される。」(Sen[1992=1999:124]、言及されている論文はRoemer[1986]。 ドゥオーキンの主張とローマーの批判の紹介として吉原[1999:167])
★05 もちろんこの提起は当たっており、重要なことではある。だが、言われなくても誰もが知っていることではないか。 またこのことがずっと問題にされてきたのではないか。社会サービス、例えば介護の費用についてどのようなことが考えられ、要求されてきたのか。 それを思い起こしながら見ていくと、効用・厚生をどう捉えるか一つをとっても、微妙にあるいは大きくずれているところがある。 それについて考えることが大切だと思う。それが気にかけられない状況、一方には経済学説があり、他方の社会政策や社会運動に関わる人たちは その学説を自らの主張の「お墨付き」として受け取り、そのようにだけ利用するという状況は、あまり好ましいことと思えない。 例えば、三重野[2000]等で「生活の質」の指標化・測定についての議論が紹介され検討されているのだが、本稿の視点から、 また経済学の立場との関係について、それをどう考えるべきかを考えることがあってよいだろう。また多様な論者の多様な論稿を収録するNussbaum & Sen eds.[1993]も検討の対象になるだろう。
 センの議論の紹介、センへの言及はちかごろ数多いが、経済学(との関係)におけるセンについては鈴村[1999]が簡潔で要を得ている。 また、後藤[1999]がわかりやすくないがおもしろいかもしれないと思わせる。
★06 ローマーはセンが幸福を機能に含めていることを指摘して次のように言う。「分配的正義にとって重要となる優位の尺度の中に、 人のおかれた状態を示す何らかの客観的尺度を考慮に入れるべきであるのは確かであろう。というのは、純粋な主観的尺度だけでは「飼い慣らされた主婦」の 問題を解決できそうもないからである。こうした見通しの下では、センの機能概念がもっとも期待できると思われる。ただし……センとは違って 「幸福」のような主観的な特徴をもつものを機能に含めない方がよいと私は考えている」(Roemer[1996=2001:355]、 この点を含むセンに対する批判の紹介としてRoemer[1996=2001:220-223])。
 つまりローマーはセンの方向を徹底しようとする。しかしこの方向をそのまま肯定できないことを本文で述べた。
★12 「選好を正直に顕示することにまつわる周知の難問」(Sen[1979→1982=1989:194])。
★22 貧困の絶対性と相対性とを巡るタウンゼントとセンとの論争について山森[2000]。6にその中の一文を引用した。

◆立岩真也「自由の平等・6」
 一つに、自分がその身体に何を有しているかにかかわらず、選んだものを得られるとすれば、資源・能力の問題がなくなる、とまでは── 決定できることもまた能力の一部ではあるから──言わないとしても、小さくはなる。多く考えられてきたのは生産、生産に至る場面であるのに対して、 例えばセンがケイパビリティと言うときには、何が得られるか、何を要するかという取得の場面に焦点が当てられている。決めるだけでよいことになるのは解放的である。 センのしごく当然の提案が支持されるのも、彼がそのことを言っているからである。一人ひとりの状態は異なるのだから、 端的に人の状態に応じて異なった手段が与えられるべきだとなる。それは私たちの立場により近い。
★03 このことについては立岩[1998b→2000d:108-109]に記した。できないこと(障害・disability)がある人たちの主張とセンの主張はうまく接合する。 というより、その人たちはかねてからその主張をしてきていた、センの理論はそのお墨付きとして価値があったということだ。 とするとその理論は、既に言われているもっともなことを言う以上のものであるのか、ありうるかが問われることになる。


*作成:立岩 真也 改訂:坂本 徳仁
UP:199? REV:20080717, 20171027
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