小澤勲
おざわ・いさお
1938〜2008
last update:20100830
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・1938 神奈川県鎌倉生
・1963 京都大学医学部卒業
・1970 京都府立洛南病院勤務
……
・2008/11/19 逝去
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◆立岩 真也・天田 城介 2011/03/25
「生存の技法/生存学の技法――障害と社会、その彼我の現代史・1」,
『生存学』3:6-90 *お送りできます。
天田 今号〔訂正:→第4号〕に、院生でもあり、新潟青陵大学短大の教員でもある荒木重嗣さんが小澤勲さんの「物盗られ妄想論」についてよい論文を書いているんですけども(荒木[2011])、僕もいろいろやりとりして、なるほどと思ったのは、一つには、例えば、立岩さんが言われたように、研究者がそれこそいろんな「踏み絵」を踏まされるというか、「あんたどっちの立場やねん」といった態度表明を求められ、複数の人たちのあいだに入りこんでいくことが危うくなってしまう。だから、退いてしまうというか、引き下がってしまうということがあったと。ただ、精神医療の供給側、別に中井久夫さんや木村敏さんみたいなメジャーな人ではなくて、もっとマイナー系の小澤勲さんでも誰でもいいんですけれども―小澤さんも「認知症」でずいぶんとメジャーになってしまいましたが―、その人たちが何をどう主張したのかというのをきちんと調べるとよい仕事になるということです。
先ほどは、ざっくりと「反精神医学」は「原因論」として「病気は社会によって作り出される」といったこと(だけ)を言おうとしたわけではないという話をしたけれど、では、彼が「原因論」について言ってないかというと、それなりに一貫した立場でそれを書いているんです(天田[2006])。かつて小澤さんは「僕はいろんな辻褄の合わないことを言っています」みたいな話をされていましたが(小澤・天田[2006])、基本的な「見立て」というのはあまり大きく変わってない。例えば、「認知症」に関して言えば、「中核症状/周辺症状」の二元論的な話をするんだけど、荒木さんが記したように、これって分裂病論における「基底障害理論」を参照・援用している。何らかの原因による「基底障害」が「もと」にあるが、その障害によるさまざまな困難やつまづきが周囲の働きかけや環境等々によっていわゆる「周辺症状」として現れていく。だから、小澤さ<0077<んにとって「周辺症状」である「物盗られ妄想」とは、要するに、認知症になって誰かに強く頼らざるを得ない状況に置かれることで、深い不安と悲しみと対象への依存的心情を感じるが、頼ることは当人の面子やプライドを傷つけるために、逆に、頼らざるを得ない人に攻撃的になってしまうというものです。要は「中核症状」を基底とした「面子・プライドの病気」なんです。
加えて、晩年の小澤さんの「認知症論」にとって極めて重要な概念は「対処(コーピング)」って概念なのですが、この「対処」概念が「中核症状」と「周辺症状」を接続する構造になっているんですね。先ほど言ったように、記憶障害などの「中核症状」は認知症当事者に様々なつまづきをもたらすが、当事者はこうしたつまづきに何とか「対処」しようとするけど、それが更なるつまづきとその不安を惹き起こしてしまい、そのことへの更なる「対処」が今度は様々な「周辺症状」として現れてくる。要するに、この「対処」概念こそが「中核症状→周辺症状」という構図に実質的な内実を与えるような概念になっている。こうした論理構成によって「病気でありながら、私たちの世界と連続している」という「認知症論」が出来上がっている。詳細は荒木論文を参照していただけばと思います。
このように、小澤さんが「認知症」で言ってきたことがそれまでの話とどう繋がっているのか、繋がっていないのか、その二元論で何をいかに誤魔化したのか、あるいはそれはどういった精神医学的主張の脈絡の中で出てきたのか。なぜ彼の「認知症論」は広く受容されていったのか。そういったことさえもほとんど精査・検証されていない。
そういうことって、一つ一つ洗い出せば、いくつも出せる気がするんですよ。そういう意味では、実は、言説・学説を一つ一つ分析していく作業はたくさん残っているんじゃないか。しかも、そこは「踏み絵」を踏むものでもない。
□人に即する
立岩 まずは安全だよね。安全かつやられてない。小澤勲さんが『反精神医学への道標』(小澤[1974])を書いた人だというのは、今日最初の話に出たけど、学生運動が障害者運動と繋がっていたことがあって、例えば、私にしても、名古屋パネル粉砕闘争―先に紹介した
桐原さん作成の
年表によれば一九八二年一二月五日だそうで、学部の四年生の時みたいです、まったく忘れていましたが―とかそういうものを見物したことはあって、知っているといえば知っている。すると、小澤勲さんの本とかちょっと読んでみる人もいるだろう。ちょっとしたことは知っている。そういうことがないから、小澤さんにしても岩波新書(小澤[2003][2005])で認知症のことを書いた優しいお爺さんみたいになっているでしょ。でも、いろいろあるわけじゃないですか。」(立岩・天田[2011:77-78])

◆
荒木重嗣 小澤勲の「認知症論」の精査――もの盗られ妄想生成論批判」,『生存学』4:220-229*
*立命館大学生存学研究センター 編 20110525 『生存学』4,生活書院,251p. ISBN-10: 4903690768 ISBN-13: 9784903690766 2200+110
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お送りできます。→
『生存学』4 ※
■2008
◆小澤 勲 20080509 「認知症を生きる人たち」,上野・大熊・大沢・神野・副田編[2008:219-236]*
*上野 千鶴子・大熊 由紀子・大沢 真理・神野 直彦・副田 義也 編 20080509
『ケアすること――ケア その思想と実践2』,岩波書店,256p. ISBN-10: 4000281224 ISBN-13: 978-4000281225 2310
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◇神戸新聞 20081121 「小澤勲氏死去 精神科医」(11/21 10:52)
http://www.kobe-np.co.jp/knews/0001577664.shtml
「小澤 勲氏(おざわ・いさお=精神科医)19日午後11時50分、肺がんのため京都府宇治市宇治野神1の84の自宅で死去、70歳。神奈川県出身。近親者で密葬を営む。しのぶ会を12月14日に京都市で開く予定。喪主は長男剛(つよし)氏。
著書に「認知症とは何か」などがある。」
◇2008年11月21日13時25分 読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/national/obit/news/20081121-OYT1T00438.htm
「小澤勲氏(おざわ・いさお=精神科医)19日、肺がんで死去。70歳。密葬は21日に親族で行い、12月14日に京都市内でしのぶ会を開く。自宅は京都府宇治市宇治野神1の84。喪主は長男、剛(つよし)氏。
2005年、第2回日本認知症ケア学会・読売認知症ケア賞を受賞した。」
◇毎日新聞 2008年11月21日 22時02分
http://mainichi.jp/select/person/news/20081122k0000m060107000c.html
「訃報:小澤勲さん70歳=精神科医
小澤勲さん70歳(おざわ・いさお=精神科医)19日、肺がんのため死去。葬儀は近親者で済ませた。12月14日に京都市内でしのぶ会がある。自宅は京都府宇治市宇治野神1の84。喪主は長男剛(つよし)さん。
神奈川県出身。著書にロングセラー「痴呆を生きるということ」など。」
*白石さんより(2006.5)
小澤さんへのインタビュー番組が5月15日(月)20:00〜NHK教育
テレビで放映されます。以下に担当ディレクターからの案内を貼り
付けておきますので、どうぞ。
…………
小澤先生の「認知症ケア学」を真正面からうかがった番組の放送が
決まりましたので、お知らせします。
宇治のご自宅に近い萬福寺、重要文化財の方丈をお借りして、お
話をうかがいました。ご覧いただけましたら幸いです。
題名 福祉ネットワーク
認知症 その人の心に寄り添う
精神科医 小澤勲
聞き手 町永俊雄アナウンサー
本放送 5月15日(月)20:00〜20:30 NHK教育テレビ
再放送 5月22日(月)13:20〜13:50 NHK教育テレビ
◆小澤 勲 19740501
『反精神医学への道標』,めるくまーる社,312p. ASIN: B000J9VTS4 1300 ※
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反精神医学
◆小澤 勲 1974 『幼児自閉症論の再検討』 ,ルガール社
◆小澤 勲 編 19750325
『呪縛と陥穽――精神科医の現認報告』,田畑書店,201p. 1100 ASIN: B000J9VTT8
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◆小澤 勲 19841100
『自閉症とは何か』,悠久書房,584p. 4800→20070720 洋泉社,577p. ISBN-10:4862481833 ISBN-13:978-4862481832 5670
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l◆小沢 勲 19980630
『痴呆老人からみた世界――老年期痴呆の精神病理』,岩崎学術出版社,258p. ISBN-10: 4753398072 ISBN-13: 978-4753398072 3150
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◆小澤 勲 20030718
『痴呆を生きるということ』,岩波新書,223p. ISBN:4-00-430847-X 777
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◆小澤 勲・土本 亜理子 200409
『物語としての痴呆ケア』,三輪書店,309p. ISBN: 4895902153
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[kinokuniya] a06
◆小澤 勲 20050318
『認知症とは何か』,岩波新書・新赤版942,208p. ISBN4-00-430942-5 C0247 735(700+)
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◆小澤 勲・黒川 由紀子 編 20060120
『認知症と診断されたあなたへ』,医学書院,136p. ISBN: 4-260-00220-1 1600
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◆小澤 勲 編 20060501
『ケアってなんだろう』
,医学書院,300p ISBN: 4-260-00266-X 2000
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[kinokuniya] ※ c04 a06,
■
◆小澤 勲 198904 「金沢学会・医局講座制解体運動と収容所的精神病院解体闘争の出発点」,『精神医療』18-1
■言及
◆立岩 真也 2006/03/25
「天田城介の本・1」(医療と社会ブックガイド・58),『看護教育』47-03(2006-03):-(医学書院)
◆立岩 真也 2006/04/25
「『認知症と診断されたあなたへ』」(医療と社会ブックガイド・59),『看護教育』47-04(2006-04):-(医学書院)
◆立岩 真也 2006/06/25
「『ケアってなんだろう』」(医療と社会ブックガイド・61),『看護教育』47-06(2006-06):-(医学書院)

◆稲場 雅紀・山田 真・立岩 真也 2008/11/30
『流儀――アフリカと世界に向い我が邦の来し方を振り返り今後を考える二つの対話』
,生活書院,272p. ISBN:10 490369030X ISBN:13 9784903690308 2310
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「☆08
小澤 勲(おざわ・いさお) 一九三八年生まれ、精神科医。
「反精神医学」――と括られたりする――運動の時代の著書・編書として、[1974]
『反精神医学への道標』、小澤編[1975]
『呪縛と陥穽――精神科医の現認報告』。自閉症について――「幻の大著がその全貌を現す!本書の存在を抜きにして自閉症は語れない。」と、再刊された――[1984→2007]
『自閉症とは何か』。さらにその後十数年が経って、[1998]
『痴呆老人からみた世界――老年期痴呆の精神病理』、そして新書として[2003]
『痴呆を生きるということ』が出され、広く読まれた。この本によって多くの人が小澤を知ることになった。その後、共著も含め何冊か。新書では[2005]
『認知症とは何か』。
そして小澤編[2006]
『ケアってなんだろう』。
医学書院の編集者による宣伝の一部。「自閉症研究の先駆者、反精神医学の旗手、認知症を文学にした男……そんなさまざまな顔をもつ小澤氏に、”ケアの境界”にいる専門家、作家、若手研究者らが、「ケアってなんだ?」と迫り聴きます。/第T部は、田口ランディ(作家)、向谷地生良(
べてるの家)、滝川一廣(精神科医)、瀬戸内寂聴(作家)という多様なバックグラウンドをもつ各氏との対談。第U部は、西川勝(看護/臨床哲学)、
出口泰靖(社会学)、
天田城介(社会学)という気鋭の学者三氏による踏み込んだインタビュー+熱烈な小澤論。さらに、小澤氏自身による講演録と、書き下ろしケア論も付いています。」(山田・立岩[2008:157-158]、本文での言及は略)
◆立岩 真也 2009/04/01 「医療者にとっての「社会」――身体の現代・8」,『みすず』51-2(2009-3 no.569):-
資料
◆立岩 真也 2009/12/25
「最終回です。」(医療と社会ブックガイド・101 最終回),『看護教育』50-12(2009-12):-(医学書院)
◆立岩 真也 2009/**/**
「もらったものについて・4」,
『そよ風のように街に出よう』78:,
◆立岩 真也 2011/**/**
「もらったものについて・6」r,
『そよ風のように街に出よう』80:-
◆立岩 真也 2011/05/01 「社会派の行き先・7――連載 66」,『現代思想』39-5(2011-5):-
資料
◆立岩 真也 2011/06/01 「社会派の行き先・8――連載 67」,『現代思想』39-8(2011-6):-
資料
◆立岩 真也 2011/07/01 「社会派の行き先・9――連載 68」,『現代思想』39-(2011-7):-
資料
◆立岩 真也 2011/08/01 「社会派の行き先・10――連載 69」,『現代思想』39-(2011-8):
資料
>UP:20040508 REV:0821 20060107,08 0424,27 0510,19 0624 20080706, 1122, 20090308, 1026, 1105, 20110414, 0516, 0715, 30
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精神障害/精神病
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老い
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身体×世界:関連書籍
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WHO