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二木 立
にき・りゅう


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■著書

◆二木 立 19880905 『リハビリテ−ション医療の社会経済学』,勁草書房,勁草−医療・福祉シリーズ29,259p. 2400 三鷹494
◆二木 立 19910720 『複眼でみる90年代の医療』,勁草書房,231p. ASIN: 4326798734 2520 [amazon][kinokuniya] ※, b m/e01
◆二木 立 19921015 『90年代の医療と診療報酬』,勁草書房,251p. ASIN: 4326798815 [amazon][kinokuniya] ※, b m/e01
◆二木 立 19941125 『「世界一」の医療費抑制政策を見直す時期』,勁草書房,237p. ASIN: 4326798939 2625 [amazon][amazon] ※, b m/e01
◆二木 立 20000420  『介護保険と医療保険改革』 ,勁草書房,272p. ASIN: 4326750448 2940 [amazon][kinokuniya] ※ me.
◆二木 立 20011120 『21世紀初頭の医療と介護――幻想の「抜本改革」を超えて』,勁草書房,308p. ASIN: 4326750456 3360 [amazon][kinokuniya] ※, b m/e01
◆二木 立 20071108 『『医療改革――危機から希望へ』,勁草書房,235p. ISBN-10:4326700572 ISBN-13: 978-4326700578 \2835 [amazon][kinokuniya] ※ e05. r02.

◆二木 立・上田 敏 198010 『世界のリハビリテ−ション――リハビリテ−ションと障害者福祉の国際比較』,医歯薬出版,238p. 4500 



◆二木 立 19731125 「戦後疾病構造の推移」,『ジュリスト』0548(臨増・特集:医療と人権):100-106
◆二木 立 19800500 「障害者福祉,リハビリテーションの国際的動向」,『障害者問題研究』22:32-37  ※COPY
◆二木 立 19810930 「リハビリテーション医療の国際比較」 『ジュリスト増刊総合特集24 障害者の人権と生活保障』:346-351"  ※
◆二木 立 198409 「透析医療の国際比較(医療特集――医療供給体制の諸問題)」,『季刊社会保障研究』20-02:154-162
◆二木 立 1985 「ADLからQOLへ――リハビリテーション医学におけるパラダイムの転換」,『日本福祉大学社会科学研究所紀要』36
◆二木 立 19860925 「リハビリテーションにおける自立概念の転換」,『ジュリスト増刊』44→二木[1988:122-131]
◆二木 立 199004 『90年代の医療――「医療冬の時代」論を越えて』,勁草書房,勁草−医療・福祉シリーズ34,218p. 2100+ ※



 

◆二木 立 19910720 『複眼でみる90年代の医療』 ,勁草書房,231p. ASIN: 4326798734 2520 [amazon][kinokuniya] ※, b m/e01

3章 90年代の医療供給制度
 五 高齢者保健福祉推進十ヵ年戦略(ゴールドプラン)は「みせかけ」か?
 […]
 寝たきり老人ゼロ作戦は「寝たきり」と「寝かせきり」とを混同
 最後に、ゴールドプランの問題点で、一般にはほとんど見落とされている点を指摘したい。それは、<0136<ゴールドプランの「目玉」とされている「寝たきり老人ゼロ作戦」における、「寝たきり」と「寝かせきり」との混同である。これは、私が医師として専門としていたリハビリテーション医学の視点からの検討である。
 私は障害を持った老人の能力は複眼的に評価する必要があると思っている。
 一つは、「自立度」という概念である。これは、他人の介助、監視、あるいは促し、励ましを得ずに、自力でどこまでいろいろな動作ができるかということである。この視点から見ると、たとえ早期からリハビリテーションを徹底して行っても、歩行が自立する老人、つまり狭義の「寝たきり」状態を脱する老人は三分の一しか減らせないというのが、冷厳な事実である<(20)五九頁,(42)二三四頁>
 しかし、これだけにとどまっていると重度の障害老人の切り捨てになる。それを避けるためのもう一つの評価の視点は、他人の介助を受ければ、最大限どこまでの動作ができるかということである。そして、自力では起きられない、あるいは歩けない老人、狭義の「寝たきり老人」のうち、介助をすれば起きられる、歩ける老人が大半なのである。
 私自身の脳卒中早期リハビリテーションの経験でも、発症後早期の「寝たきり老人」のうち約九割は介助をすれば起こしたり、座らせたり、歩かせることができる。それに対して、重篤な心臓疾患や肺疾患などがあり、全身状態が不安定なために医学的な理由から絶対安静を必要とする老人は、一割にすぎない。<0137<
 『寝たきりゼロをめざして』という、厚生省の特別研究の報国書の中でも、老人医療で有名な東京の青梅慶友病院の実践例として、自力では起きたり、歩けない慢性疾患・障害老人のうち、介助をすれば起きたり、歩ける老人が九割だと報告されている<(43)四九頁>。
 大熊由紀子(朝日新聞)が先駆的に明らかにしてきたように、北欧諸国には、「介護の必要なお年寄り」はいるが、「寝たきり老人」がほとんどいないというのは、この意味においてなのである<(38)>。そのため、私は「寝たきり老人ゼロ作戦」というのは不正確な表現で、「寝かせきり老人ゼロ作戦」と言い替えるべきだと思っている。
 早期リハビリテーションを徹底して行うと同時に、慢性期に入った障害老人に維持的・継続的なリハビリテーションを行い、早期リハビリテーションによって達成した「自立度」を維持することは非常に重要である。しかし、先述したように、その効果は限られている。
 そのために、自力では起きたり、歩けない、という意味での「寝たきり老人」を「寝たきり老人」にしないためには、これらの老人を介助によって起こしたり、歩かせるという援助が不可欠である。そして、これを徹底的に行うためには、大量のマンパワーの投入が不可欠で、ゴールドプランとは桁違いの費用がかかる。」(pp.136-138)

(20)二木 立 19880905 『リハビリテ−ション医療の社会経済学』,勁草書房,勁草−医療・福祉シリーズ29,259p. 2400
(43)厚生省大臣官房老人保健福祉部老人保健課 1989 『寝たきりゼロをめざして――寝たきり老人の現状分析並びに諸外国との比較に関する研究』,中央法規出版
(38)大熊 由紀子 19900920 『「寝たきり老人」のいる国いない国――真の豊かさへの挑戦』,ぶどう社,171p. ASIN: 4892400955 1500 [amazon][kinokuniya] ※, b a01

◆二木 立 19921015 『90年代の医療と診療報酬』,勁草書房,251p. ASIN: 4326798815 2415 [amazon][kinokuniya] ※, b m/e01

II 90年代の医療と診療報酬を考える
 5 90年代の在宅ケアを考える――何が変わるか、何を変えるべきか
  四 九〇年代の在宅ケアの理念
  家族介護依存の枠内でも改革すべき二点
  家族介護の積極的意味の再評価
  単なる延命医療の再検討 142-144 *以下、この項目全文引用
 「第二は、在宅障害老人地対する単なる「延命」のための医療の再検討である。
 わが国は世界に冠たる「延命医療」の国であるから、在宅の寝たきり老人の状態が悪化した場合には、病院のICU(集中治療室)に入れられることも少なくない。このことの「再検討」とか「制<0142<限」などというと、「医療費の抑制」とか「患者の人権無視」といった非難をたちどころに浴びせられる可能性がある。
 しかし、ここで考えなければらならないことは、多くの医療・福祉関係者が理想化している北欧諸国や西欧諸国の在宅ケアや施設ケアでは、原則として延命医療は行われていないなことである。
 この点に関しては、有名な老人病院である青梅慶友病院院長の大塚宣夫先生の著書『老後・昨日、今日・明日』(主婦の友社、一九九〇)がもっとも参考になる。同書によると、大塚先生はヨーロッパ諸国を訪ねて「次の二点の真偽」を確かめたかったそうである。「第一は、ヨーロッパの老人施設にはわが国でいういわゆる『寝たきり老人』が極めて少ないこと、第二は、ヨーロッパの国々では高齢者に延命のための医療行為がほとんどなされていないということ」(一一四頁)。そして結論は、二つともその通りであったとのことである。
 あるいは、ドイツの老人ホームを実地調査した『ドイツ人の老後』(坂井洲二著、法政大学出版会、一九九一)によると、ドイツでは人々がホームに入る時期を遅らせ、死期が近づいた状態になってはじめて入る人が増えてきたため、「三〇〇人収容の老人ホームで一年間に三〇〇人も亡くなった」例さえあるという(一〇八頁)。わが国でこんなホームがあったら、たちどころに「悪徳ホーム」と批判されるであろう。
 わが国では、ヨーロッパ諸国の在国ケアや施設ケアという、なぜか「寝かせきり」老人がいない<0144<ことに象徴されるケアの水準の高さのみが強調される。しかし、単なる延命のための医療を行っていないという選択もきちんと理解すべきである。
 誤解のないようにいうと、私は障害老人に対する単なる延命のための医療を一律禁止すべきだ、といっているのではない。しかし、事実として、延命治療よりもそれ以前のケアを優先・選択する「価値観」「文化」を持っている国があることを見落とすべきではない。
 そして、わが国でも、今後は同じような「選択」が必要になるであろう。デンマークの福祉に詳しい有名な有料老人ホーム経営者は、「わが国で、一方ではデンマークやスウェーデン並みのケア、他方で効果の非常に疑問な末期の延命医療を無制限に行うとなると、どんな立場の政府でも、その財政負担に耐えられない」といわれている。」(二木[1992:142-144])
 →『「福祉のターミナルケア」に関する調査研究事業報告書』(1997)〜

◇大塚 宣夫 19900928 『老後・昨日、今日、明日――家族とお年寄りのための老人病院案内』,主婦の友社,225p. ASIN: 4079340109 1400 [amazon][kinokuniya] ※, b a01

◆二木 立 19941125 『「世界一」の医療費抑制政策を見直す時期』 ,勁草書房,237p. ASIN: 4326798939 2625 [amazon][amazon] ※, b m/e01

 「[…]慢性疾患・成人病中心の現代にあっては、平均寿命だけで、先進諸国の医療の質(この場合は治療効果、outcome)を判断・比較することはできず、ADL(日常生活動作)やQOL(生活の質)を加味した指標を用いることが不可欠である。しかし、ADLやQOLの世界共通の評価尺度は未確立であり、この面での医療の質の厳密な国際比較を行うことはできない。
 このような制約下にあって注目すべきことは、朝日新聞論説委員の大熊由紀子氏が、早くから(なんと一九八五年から)「寝たきり老人」(彼女の表現を用いると「寝かせきりにしてしまっていたお年寄り」)が多数見られるのは、先進諸国の中では日本だけなことを発見し、これがわが国の老人医療・福祉の立ち遅れの産物であることを、鋭く指摘してきたことである(21)。この事実は、その後厚生省の委託研究でも確認され、その結果は『厚生白書一九九一』(六三頁)にも掲載された(22、23)。」(p.12)
(21)大熊 由紀子 19900920 『「寝たきり老人」のいる国いない国――真の豊かさへの挑戦』,ぶどう社,171p. ASIN: 4892400955 1500 [amazon][kinokuniya] ※, b a01
(22)厚生省大臣官房老人保健福祉部老人保健課 1989 『寝たきりゼロをめざして――寝たきり老人の現状分析並びに諸外国との比較に関する研究』,中央法規出版
(23)厚生省 編 199104 『厚生白書〈平成2年版〉――真の豊かさに向かっての社会システムの再構築 豊かさのコスト 廃棄物問題を考える』,厚生問題研究会,402p. ASIN: 4324026173 [amazon][kinokuniya] ※(本では『厚生白書一九九一…』とあり)

◆二木 立 20000420 『介護保険と医療保険改革』,勁草書房,272p. ASIN: 4326750448 2940 [amazon][kinokuniya] ※, b m/e01

 「私自身も、一九九二年に、「これからのあるべき在宅ケアを考える場合」には「広義の文化的問題、あるいは価値観に属する問題を再検討しなければならない」と問題提起し、その一つとして「単なる延命治療の再検討をあげたことがある。
 しかし、本報告書第4章「ターミナルケアの経済評価」(鈴木玲子・広井氏執筆)は、定義・将来<0160<予測・仮定がきわめて恣意的で、費用計算の方法も粗雑であり、結論(死亡場所の大幅な変化――病院死から自宅死・福祉施設での死亡へのシフト――により、二〇二〇年に一兆円もの医療費が節減できる)は、誤りである。以下、その理由を示す。」(二木[2000:160-161])
 →『「福祉のターミナルケア」に関する調査研究事業報告書』(1997)〜

◆二木 立 20011120 『21世紀初頭の医療と介護――幻想の「抜本改革」を超えて』 ,勁草書房,308p. ASIN: 4326750456 3360 [amazon][kinokuniya] ※, b m/e01

第3章 わが国の高齢者ケア費用―神話と真実
 「現実に即して終末期を死亡前一ヵ月間に限定すると、わが国の終末期入院医療総額(老人分+「若人」分は一九九八年度で七八五九億円であり、国民医療費のわずか三・五%にすぎない。これは、厚生労働省の外郭団体である医療経済研究機構が発表した『終末期におけるケアに係る制度及び政策に関する研究報告書』(二〇〇〇年)が行っている推計である(9:42)。
 […]終末期医療費をめぐる論争には決着がついたと言える。」(190)


UP:20061120 REV:1201,04,20090502
リハビリテーション  ◇医療経済学  ◇身体×世界:関連書籍  ◇WHO 

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