>HOME >WHO
森 達也
もり・たつや


このHP経由で購入していただけたら感謝


◆森 達也 20050421 『こころをさなき世界のために――親鸞から学ぶ〈地球幼年期〉のメソッド』,洋泉社,新書y133,206p. ISBN: 4896919092 819 [boople] ※,

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
森 達也
1953年広島県呉市生まれ。テレビディレクター、映画監督、作家。1998年、オウム真理教側の視点で日本社会を見た自主制作ドキュメンタリー映画『A』を発表、ベルリン映画祭に正式招待される。2001年、続編の『A2』が山形国際ドキュメンタリー映画祭で審査員特別賞、市民賞を受賞する
○引用

 「被害者への過剰な感情移入が、いつのまにか主語を社会や国家に委ねていることに気づかない。つまり誰もが当事者の気分であいる。これでは連鎖は続きます。被害者や遺族が加害者を憎むことは当たり前です。僕だってもしも家族を殺されたなら、法の裁きを待つ前に犯人に復讐するかもしれない。当事者ですから。でもその憎悪を、非当事者が引き受けてはならない。
 実弟を殺されながら、死刑廃絶を訴えた原田廃絶を訴えた原田正治さんの著書『弟を殺した彼と、僕』(二〇〇四年、ポプラ社)に、こんなエピソードが記されています。当初は犯人の極刑を願いながら、やがて犯人との面会や文通などを重ねるうちに、そんな復讐心の発露だけでは自分も彼も救われないと考えた原田さんは、街頭で死刑廃絶運動のチララシを撒きます。するとこれを手にした通行人が、「遺族の気持ちを考えろ」と激昂するそうです。ところが彼がその遺族であることを知ると、通行人たちは決まり悪そうに去ってゆく。とてもシンボリックなエピソードです。(58)
 忘却の罪は確かにあるけれど、同じように記憶の罪もあるのです。」(pp.58-59)

 「原田正治さんの著書『弟を殺した彼と、僕』に、「被害者の痛みを知れ」と居丈高になる第三者について、とても印象的なエピソードが記されていることは、第T章で述べました。繰り返しになるけれど、この非当事者の当事者化が、いまとても気になります。被害者の気持ちを知れと居丈高になるいまの世相が、本気で被害者の苦痛や哀しみを共有ししようとしているとは僕には思えない。世論調査では、死刑制度を支持するパーセンテージが急速に上昇しています。その理由の大半は、治安維持と被害者の救済です。でも死刑を廃止したヨーロッパ諸国のデータを見れば、死刑が犯罪抑止効果をもたないことは明らかです。論理的にも破綻しているし、情緒的にも倒錯している。(158)
 国民の大半が死刑を必要とすると本気で思うなら、僕はそれに抗いません。別にヨーロッパ諸国を真似る必要はない。でもね、その根拠があまりにお粗末で一過性であることくらいは、もう少し自覚したほうがいい。ところが「許せない」と叫ぶその声だけは、なぜか常に大きいんですよね。」(pp.158-159)

原田 正治 200408 『弟を殺した彼と、僕。』,ポプラ社,265p. ISBN: 4591082350 [boople] ※

■森 達也 20080120 『死刑』,朝日出版社,328p. 1680 ISBN-10: 4255004129 ISBN-13: 978-4255004129 [amazon]


UP:20050825 REV:20080405
WHO 

HOME(http://www.arsvi.com)