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石牟礼 道子

いしむれ・みちこ
(1927/03/11 - 2018/02/10)

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last update: 20180725


「1927年、熊本県天草郡に生れる。詩人。作家。1969年に公刊された『苦海浄土』は、水俣病事件を描いた作品として注目され、第1回大宅壮一ノンフィクション賞となるが、辞退。1973年マグサイサイ賞、1993年『十六夜橋』で紫式部文学賞、2001年度朝日賞を受賞する。2002年度は『はにかみの国―石牟礼道子全詩集』で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。『石牟礼道子全句集 泣きなが原』(俳句四季大賞)他、作品多数」
https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784865780833

■2018年5月30日『東京新聞』《特報》「現代にも通じる水俣からの問い――患者や支援者、識者20人の講演録:岩波書店、2冊出版」
「「水俣から」には今年二月に亡くなった作家の石牟礼道子さん、患者の浜元二徳[つぎのり]さん、故人となった医師の原田正純さんなどの言葉を収録した。|石牟礼さんは一三年、「まだ解決しておりません」と訴え、「まなざしだけでいいのです。言葉なくても、目で、そのまなざしで、私たちのことを思っていて下さると患者さんに思っていただければ」と呼び掛けた。」
cf.
◆水俣フォーラム編 20180412 『水俣から――寄り添って語る』岩波書店,208p.
 https://www.iwanami.co.jp/book/b355576.html
 「人びとはいかにして水俣病の実相を明らかにしていったのか。分断された地域社会の中で、近代化の果てにむき出された病苦と疎外に向きあい、抗いつづけた者たち。患者、作家、医師、歴史家、法律家、映像作家、社会学者、環境学者――。当事者一人ひとりの声から水俣病の諸相が浮かび上がる。石牟礼道子ら十名の講演を収録。」
 *石牟礼道子:「まぼろしのえにし」・「まなざしだけでも患者さんに」・「形見の声」収録
◆水俣フォーラム編 20180412 『水俣へ――受け継いで語る』岩波書店,208p.
 https://www.iwanami.co.jp/book/b355577.html
 *石牟礼道子「花を奉る」/若松英輔「語らざるものたちの遺言――石牟礼道子と水俣病の叡智」収録

■ETV特集「わが不知火はひかり凪(なぎ) 石牟礼道子の遺言」
 2018年5月5日(土)23:00-24:00 Eテレ(NHK)[再放送:5月9日(水)24:00-25:00]
 http://www4.nhk.or.jp/etv21c/x/2018-05-05/31/5604/2259632/
「今年2月、作家・石牟礼道子さんが亡くなった。享年90。代表作の『苦海浄土』三部作をはじめ、文明の病としての水俣病を、そして近代日本が捨て去ってきた、人と自然がともに生きていた世界を、作品に描き続けてきた。番組では、これまでNHKが記録してきた石牟礼さんの膨大な映像やインタビューに加え、患者さんや関係者の新たな証言、さらに作品の朗読などを交えながら、石牟礼さんが私たちに遺(のこ)したものを見つめる。」

■2018/05/30 『[文藝別冊]石牟礼道子――さよなら、不知火海の言魂』河出書房新社(KAWADE夢ムック)
 http://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309979410/
【目次】
◇エッセイ
藤原新也/志村ふくみ/赤坂真理/米本浩二/姜信子/平松洋子/坂口恭平/永野三智
◇対談
いとうせいこう×若松英輔「石牟礼道子を読むということ」
◇レクチャー:『苦海浄土』を読むための日本近代史
実川悠太/仲田教人/森元斎
◇鼎談
伊藤比呂美×高橋源一郎×町田康「虐げられし者たちの調べ」
◇人物評伝:石牟礼道子が出会った人々
実川悠太・仲田教人・滑川英達・早助よう子・松田潤ほか
◇ブックガイド:水俣病を知るための十二冊
池澤夏樹・仲田教人ほか
◇新しい石牟礼道子へ
臼井隆一郎/古賀徹/今村純子/岡和田晃
◇作品案内:石牟礼道子主要作品読書ガイド
大橋由香子・笠木丈・五所純子・早助よう子・廣田良雄・松田潤・森元斎
◇略年譜

■2018/04/20 『現代思想』46-7(2018年5月臨時増刊号)
《総特集=石牟礼道子》
 http://www.seidosha.co.jp/book/index.php?id=3148

■『現代詩手帖』2018年4月号
《追悼・石牟礼道子》
◇作品:石牟礼道子「神話」(単行本未収録詩篇)
◇座談会:池澤夏樹+伊藤比呂美+谷口絹枝+浪床敬子「石牟礼道子の原点」
◇エッセイ:井坂洋子/姜信子/若松英輔/山福朱実
 http://www.shichosha.co.jp/gendaishitecho/item_2034.html

■『週刊読書人』3233(2018年3月30日)号
▼《特集=追悼 石牟礼道子》
◇石内都「万人に対して開かれていた」
◇姜信子「〈と言うのです。〉」
◇米本浩二「石牟礼さんの「加勢」」
◇福元満治「石牟礼さんという存在」
◇山文彦「かなたの人」
*週刊読書人ウェブ:http://dokushojin.com/article.html?i=3118
「2月、石牟礼道子氏が亡くなられた。90歳だった。代表作『苦海浄土』は、水俣病患者とその家族の苦しみや希望、企業との闘いの過程を克明に描き出し、そして人が人としてあることの罪深さと崇高さを文学として昇華させた文学史に残る傑作であった。また祖母の「おもかさま」を描いたものをはじめ、その他の作品や詩なども、気高さを感じさせるような美しい文章で綴られた印象深いものであった。多くの人たちから惜しまれつつ世を去った石牟礼氏を偲んで、本紙では縁のある方たちに追悼文を寄せていただいた。また読書人のウェブサイトでは、2011年に河出書房新社の「池澤夏樹=個人編集 世界文学全集」から『苦海浄土』三部作が一冊となって刊行された際の、石牟礼氏へのインタビューをアップしたので、そちらもご覧頂きたい。(編集部)」

◆2018/03/30 「[【追悼】2011年2月25日号を公開]石牟礼道子氏インタビュー 近代という病いを見つめて――『苦海浄土』の「世界文学全集」(河出書房新社)収録を機に」(週刊読書人ウェブ)
 http://dokushojin.com/article.html?i=3047
◇第1回:「水俣病の患者たちに対する仕打ちは今もなお続いている」
◇第2回:「「国というものは親さまだと思っていた」徳が抜け落ちた場所から日本は立ち直らなければならない」
◇第3回:「近代の基層のところから内面化する 「もうひとつのこの世」を見てみたい気持ちがある」

■『すばる』40-4(2018年4月号)[2018/03/06|集英社] http://subaru.shueisha.co.jp/
▼《追悼 石牟礼道子》(pp.154-161)
◇平松洋子「魂入れの振る舞いとして」(pp.154-155)
 【引用】「「今日はいつだとか、何月何日だとか、わたくしにはそういう考えがないんです。時間が、ずーっとひと繋がりに続いています」「子どものころから、世の中には自分は合わないと思っておりました」|今も、ですか。あえてお訊きすると、言下に、「はい。今もそう思っております」。」(p.154)/「『苦海浄土』の一節が浮かぶ。[…]荘厳な金いろの光が降り注ぐかのようだ。人間に与えられた恩寵、自然との官能的な結び合いをこれほど輝かしく、誇らしく、かつ精確に表した文章をほかに知らない。」(p.155)/「食べ物ひとつひとつ、石牟礼さんにとって輝ける命のかたちであると同時に、近代化や文明によってもたらされた喪失の表象でもあった。それを踏まえたうえで、料理する、食べる、味わう、いずれも等しく【傍点:魂入れ】の振る舞いと捉え、実践し、水俣の病苦や差別に苛まれる人々を一身に受けたのち彼らの真実を世に送り出すのと同じく、語り言葉をつうじて米や魚や草々を奉っておられた。そのおこないを生涯貫かれたのも、やはり石牟礼道子ただひとりである。」(p.155)
◇姜信子「雲の茜のかなしやなあ」(pp.156-157)
◇若松英輔「荘厳を証[あかし]する者」(pp.158-159)
 【引用】「石牟礼道子の生涯を振り返るとき、彼女が、文学において言葉の奥に潜む意味の深みへ「直入」することで、亡き者たちの声を映しとることに人生の大部を注ぎ込んだことが分かる。|その言葉は、紙の上に記されるとは限らなかった。路上で、多くの人を集めた会場で、住まいの小さな部屋を訪れる者たちに語られた。|晩年の彼女に、『苦海浄土』を書いているときどんな心持だったかを聞いたことがある。そのとき彼女は少し沈黙したあと、荘厳されるようだった、と語った。」(p.159)/「彼女はどこまでも、語らざる者たちの手となって文字を書き、口となって語ろうとした。彼女が残した言葉は、受難を生きた者の悲痛だけではない。耐えがたい労苦を背負った者たちによって荘厳されるという出来事でもあった。」(p.159)
◇齋藤愼爾「泣きなが原幻視行――石牟礼道子さんを悼む」(pp.160-161)

◆RKB×西南学院共催 公開講座「石牟礼道子の世界」――芸術祭大賞の映像作品と取材記者が語る石牟礼像で作品を紐解く
 (2018/03/02|福岡のニュース)
 https://twitfukuoka.com/?p=74705
 【引用】「RKB毎日放送と学校法人・西南学院は、2018年2月10日(土)に逝去した、詩人で小説家の石牟礼道子氏に関する公開講座を、2018年3月16日(金)午後2時から、福岡市早良区の西南学院大学コミュニティセンターで共同開催いたします。
石牟礼氏は著書『苦海浄土 わが水俣病』で、文明の病とされる水俣病を鎮魂の文学として描き、絶賛された事で知られる。この作品をベースに、RKBのドキュメンタリー作家・木村栄文(1935-2011)が制作した「苦海浄土」は、1970年の芸術祭で大賞を受賞しました。
本講座では、テレビドキュメンタリー「苦海浄土」を鑑賞したのちに、石牟礼氏を取材し、第69回読売文学賞の評論・伝記賞を受賞した、「評伝 石牟礼道子 渚に立つひと」(新潮社)の作者、毎日新聞の米本浩二記者に、石牟礼氏の知られざる横顔について伺います。(聞き手・RKB 武田早絵アナウンサー)
公害が社会問題となるきっかけとなった水俣病の患者たちの闘いを支援し、国家の発展の陰で不条理を押しつけられた庶民の世界を描き、人間の復活を願い続けた石牟礼氏の文学的足跡をたどります。尚、この公開講座は毎日新聞社から特別協力をいただいています。」

■文芸誌『アルテリ』
◆「アルテリ五号 できました。」(2018年2月19日『zakka&cafe orange』)
 http://www.zakkacafe-orange.com/2018/02/%e3%82%a2%e3%83%ab%e3%83%86%e3%83%aa%e4%ba%94%e5%8f%b7%e3%80%80%e3%81%a7%e3%81%8d%e3%81%be%e3%81%97%e3%81%9f%e3%80%82/
 【引用】「実は、予定より少し早く出来上がっていました。|石牟礼さんが逝ってしまわれた日の、午後。|天からの便りのように、アルテリが届きました。|巻頭は、石牟礼さんの文章です。|表紙は美しい木版画。|手に取っていただければ幸いです。」
◇青山ブックセンター本店(@Aoyama_book)
「熊本の文芸誌『アルテリ 五号』が入荷しました。田尻久子さん、川内倫子さん、渡辺京二さん、坂口恭平さん、伊藤比呂美さんらが執筆。石牟礼道子さんの未発表作品6点も収録。ぜひ。(山下)」
[2018年2月17日15:45 https://twitter.com/Aoyama_book/status/964752687311962113]
◇Title(タイトル)(@Title_books)
熊本・橙書店が発行する文芸誌『アルテリ』五号が入荷。熊本が誇る書き手が、自由に書きたいことを書く場所。渡辺京二、伊藤比呂美、坂口恭平、川内倫子、吉本由美……等々様々な言葉が楽しめます。巻頭は石牟礼道子さん。この本をまとめる、一本の糸のようです。
[2018年2月17日18:39 https://twitter.com/Title_books/status/964796427766345730]
◇カライモブックス(@KARAIMO_ONLINE)
☆新本『アルテリ 五号』石牟礼道子・渡辺京二・伊藤比呂美・田尻久子・坂口恭平・浪床敬子・川内倫子・村上由紀子・磯あけみ・吉本由美・生田亜々子・関敬、2018年、1,080円http://karaimobooks.shop-pro.jp/?pid=128559778
[2018年2月17日23:26 https://twitter.com/KARAIMO_ONLINE/status/964868550258077696]
◆「『アルテリ』創刊」(2016年2月17日『zakka&cafe orange』)
 http://www.zakkacafe-orange.com/2016/02/%E3%80%8C%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%86%E3%83%AA%E3%80%8D%E5%89%B5%E5%88%8A/
*「“新しい書き手、育てる アルテリ”|今年〔2016年〕2月、熊本市で創刊された文芸誌。作家の石牟礼道子さん、評論家の渡辺京二さん、詩人の伊藤比呂美さん、作家の坂口恭平さんら、熊本ゆかりの文学者が新作を発表。既成雑誌とは一線を画した素朴なレイアウトや、大家や新人が共存する思い切った執筆陣が注目を集め、発行1カ月で重版となった。」(http://mainichi.jp/articles/20160714/ddp/010/040/024000c
◆『アルテリ』創刊号〜(バックナンバー) http://karaimobooks.shop-pro.jp/?mode=srh&cid=&keyword=%A5%A2%A5%EB%A5%C6%A5%EA(カライモブックス オンラインショップ)

◆石牟礼さん死去 京都でも惜しむ声――「心描くこと教えられた」
(2018年2月11日『京都新聞』朝刊26面)
 水俣病に苦しむ患者の世界と闘争を描いた作家石牟礼道子さんが10日死去したことに、ゆかりある京都の人たちに悲しみの声が広がった。
 京都市左京区の環境団体グリーン・アクション代表アイリーン・美緒子・スミスさん(67)は1971年、熊本県水俣市に移住し石牟礼さんに出会った。21歳のアイリーンさんは世界的写真家の故ユージン・スミスさんと共同で水俣病患者の撮影をし、石牟礼さんは「苦海浄土」(69年)に続く「天の魚」を執筆中だった。ともにチッソと闘う自主交渉派の患者と歳月を過ごした。
 「熊本での裁判に一緒にバスで通い、患者さんも私たちも石牟礼さんも宿で雑魚寝して。石牟礼さんが育ったのは『女性は新聞読むな、まして本を書くなんて』という封建的な時代。石牟礼さんは主婦の仕事をこなし、夜にふとんの中で懐中電灯で原稿を書いた。言葉を一つずつ探すような話し方だった。社会運動の中で心を描くことを教えられた」と振り返る。
 ユージンさんと結婚したアイリーンさんが水俣病を告発する写真展を東京で開く際、会場の百貨店から当時無名だったアイリーンさんの名前は外すよう要求された。「水俣病の支援運動も男中心だったから、石牟礼さんに怒りと悔しさをぶつけにいった。自分の方がもっと女性にとって大変な時代だったとは一切言わず、慰めてくれた」と思い出を語り、しのんだ。
 上京区で石牟礼さんの著作を中心に、社会運動や水俣・不知火海の本や物産を扱う古本屋「カライモブックス」を経営する奥田順平さん(38)、直美さん(38)夫婦は、2009年に開店すると、面識のない石牟礼さんから手紙が届いた。カライモ(南九州の方言でサツマイモ)という店名に石牟礼さんは「なんておかしな名前! でもカライモ大好きよ」と喜んでくれた。
 夫婦は11年の東日本大震災の直後、熊本市内の病院に入院中の石牟礼さんに会った。順平さんは「『水俣のどこがそげんよかですかね?』と怖い顔で言われた。いつもほがらかだけど、水俣への愛憎の深さが垣間見えた」と振り返る。直美さんは「水俣病で捨てられた世界と心を寄せる世界をつづった石牟礼さんの文章は、私にとって世界への信頼と希望を取り戻すものでした」と話した。
(岡本晃明)
【写真】キャプション:「インタビューに答える石牟礼道子さん=2015年4月、熊本市内」

米本浩二(西部学芸グループ)「《記者の目》「悶え神」石牟礼道子の伝言――困難を越えるためには」(2018年3月15日『毎日新聞』東京朝刊)
 https://mainichi.jp/articles/20180315/ddm/005/070/010000c

伊藤比呂美「(ひもとく)石牟礼道子のことば――声に出す文芸、紙に叩きつける」(2018年3月4日『朝日新聞』)
 https://www.asahi.com/articles/DA3S13386596.html
 【引用】「石牟礼文学を朗読しようという企画が何度かあった。ところがいざ朗読しようと思うと、東京生まれの東京育ちの私には、どうしてもあの水俣的天草的道子弁が声に出せない。いいところはみんなそれなのだ。」/「標準的な日本語ではなく、古典のことばを聴き取ってそこに憑依[ひょうい]した石牟礼さんがいる。|それで気がついた。いかにも耳から聞こえてくるような石牟礼さんのことばだが、目で読むのが最終形態なんである。」/「石牟礼道子の文学のすごさ(の一つ)は、音だけのことばを、音を持たない人々に向かって、まるで音がありありと見えるように表記して納得させたところである。|説経節、謡曲、声に出して人に伝える文芸はいろいろある。石牟礼さんは、『苦海浄土』から一貫して、そういう声に出す文芸を、力強く紙の上に叩きつけて、私たちの脳内に、声を再現させてきた。」

鎌田慧・米本浩二 20180220 「追悼・石牟礼道子さん――「小さな命」の仇討ちに賭けた生涯(鎌田慧)/「パーキンソン病との闘い」と「ペン」(米本浩二)」(『サンデー毎日』2018年3月4日号)
 https://mainichi.jp/sunday/articles/20180219/org/00m/200/002000d
 【引用】「海と陸のあわいにある渚(なぎさ)や海にそそぐ川岸で、目には見えない虫けらが哭(な)いているのを、石牟礼さんは掬(すく)い上げた。わたしたちがその世界を知ることができたのは、彼女の尋常ではない眼力と聴覚によってである。」/「石牟礼文学が、「ほろぼされるものたちになりかわ」(『苦海浄土』)って、書き留める決意から出発していることを忘れることはできない。」/「「方言を新しい語り言葉として甦(よみがえ)らせてゆけば、水俣の現実をいくらか書けるかなと思って書きはじめたのです」と石牟礼さんは、謙遜した。が、自然の声、水俣死者たちの声を、こころで聴き、地方住民の現実の言葉で描く、あたらしい石牟礼文学が誕生した。」/「緒方さんは、石牟礼さんの「ずれ」について話す。緒方さんも石牟礼さんも「わがまま」なのだという。「“わがまま”とは“我が、まま”どうしようもない自分。自分のまま、そのまま、ということ。探究心。より深く、強く見ようとするから、世の中と、ずれる」」

伊藤比呂美「追悼――石牟礼道子さん 無数の命と肩寄せあう」(2018年2月16日『東京新聞』)
 【引用】「初めて『苦海浄土』を読んだときのことをはっきり覚えている。一九八四年、私が東京から熊本に移り住み、熊本弁がなじんだ頃だ。あのときの衝撃と感動は忘れられない。|日本文学というより世界文学の中の傑作だ。日本の文学、文芸の長い流れの中で、貧しい人たちがみゃくみゃくと伝えてきた芸能としての語り物があった。それを現代の文学に昇華させたのが、石牟礼さんだ。」/「そこには人々の生き死にが描かれる。それは無数の生き物たちの生き死にの中にある。一つ一つの命に、区別もない。差別もない。」

町田康「捨てられた魂に花を――石牟礼道子を悼む」(2018年2月15日『毎日新聞』夕刊)
 【引用】「石牟礼さんの手法のひとつに「聞き書き」というのがあって、人の話を聴きに行き、それを元に文章を書くことによって現実に迫る、現実を言葉に表す、ということらしいが、石牟礼さんは話さぬ人の言葉――それは、いま私たちが聞いてもなんのことだかわからない、言葉と気持ちが一体化した気配のような言葉であるのかもしれない――を聞き、書く人だった。或いはそれは人ですらない犬や猫、野生動物、虫、或いは動物ですらない草や木や、もっというと生物ですらない石ころの話を聞いて書く。|と言うと、「人間だけでなくそうした虫けらや雑草といった下等なものにまで優しい眼差しを注いだ人だったのですね」なんて思うかもしれないが、そういう感じでもなく、もっと等しい感じというか、むしろ虫や草の側にいて、そしてそっちの方が存在として遥かに重いと実感しているような感じがあった。」

辺見庸「石牟礼道子さんを悼む――〈累〉の悲哀紡いだ文学」(2018年2月12日『日本経済新聞』朝刊)
 https://www.nikkei.com/article/DGKKZO26791990Q8A210C1BC8000/
 【引用】「石牟礼さんは、人を現前するただ一個のものとはみない。「むかしむかしのものたちが、幾代にも重なり合って生まれ、ひとりの顔になる」(『十六夜橋』)ととらえ、その〈かさなり〉に、しばしば〈累〉という感じをあてた。[…]いつかの手紙では自作について「悲哀だけで成り立っている」と書き、けっきょくはそのように作品をけんめいに彫琢[ちょうたく]してしまうことの、〈累〉の悲しみから逃れえないさだめをほのめかしている。」/「『苦海浄土 わが水俣病』の深みは、じつのところ、わたしを記者から作家へと転身させる遠因になった。|状況の「悪」をそれとして描くだけでなく、自己内面をも徹底してほりさげる文章の活路はもっぱら彼女から学んだ。」

米本浩二「石牟礼さん死去――水俣病の受難に感応 絶対的な孤独描く」(2018年2月10日『毎日新聞』)
 https://mainichi.jp/articles/20180210/k00/00m/040/227000c
◇笠井光俊・野呂賢治・平川昌範「石牟礼さん死去――水俣の魂紡ぐ 豊かな海と人に寄り添い」(2018年2月10日『毎日新聞』)
 https://mainichi.jp/articles/20180210/k00/00e/040/307000c
◇渡辺亮一・内藤麻里子・棚部秀行「石牟礼道子さん死去――水俣の魂つむぐ(その2止) 世界文学に昇華」(2018年2月10日『毎日新聞』)
 https://mainichi.jp/articles/20180210/dde/041/040/021000c
◇笠井光俊・福岡賢正「石牟礼道子さん死去――水俣病の惨禍、世に 近代、人とは問う(その1)」(2018年2月11日『毎日新聞』西部朝刊)
 https://mainichi.jp/articles/20180211/ddp/041/040/018000c
◇「石牟礼道子さん死去――水俣病の惨禍、世に 近代、人とは問う(その2止)」(2018年2月11日『毎日新聞』西部朝刊)
 https://mainichi.jp/articles/20180211/ddp/041/040/016000c
◇笠井光俊・中里顕・城島勇人・野呂賢治・清水晃平「石牟礼道子さん死去――悼む 患者にとっての「母」/執筆時の姿、今も/その文学、次世代に」(2018年2月11日『毎日新聞』地方版[熊本])
 https://mainichi.jp/articles/20180211/ddl/k43/040/233000c
◇「世代の記憶伝える 故石牟礼道子さん 患者の「思い」くみ取り」(2018年2月10日『西日本新聞』夕刊)
 http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/393169
◇「水俣病「心の声」代弁 石牟礼道子さん死去 近代の闇、問い続け 患者ら「どれだけ力になったか」」(2018年2月11日『西日本新聞』朝刊)
 https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/393287/
◇「評伝 石牟礼道子さん 患者の尊厳思い寄せ 「記録しなければ」怒り原点」(2018年2月11日『西日本新聞』朝刊)
 https://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/393288/
◇水俣病問題取材班「水俣病闘争支えたリーダー 石牟礼道子さん、大きな存在」(2018年2月11日『熊本日日新聞』朝刊)
 https://this.kiji.is/335238988061344865

◇「コラム凡語:石牟礼道子さん」(2018年2月14日『京都新聞』)
 http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20180214000049

◆石牟礼道子に関するトピックス(朝日新聞デジタル)
 http://www.asahi.com/topics/word/%E7%9F%B3%E7%89%9F%E7%A4%BC%E9%81%93%E5%AD%90.html


2016/09/10 『苦海浄土 全三部』,藤原書店,1144p.
 http://www.fujiwara-shoten.co.jp/shop/index.php?main_page=product_info&products_id=1507
「『苦海浄土』は、「水俣病」患者への聞き書きでも、ルポルタージュでもない。患者とその家族の、そして海と土とともに生きてきた不知火の民衆の、魂の言葉を描ききった文学として、“近代”なるものの喉元に突きつけられた言葉の刃である。半世紀の歳月をかけて『全集』発刊時に完結した三部作(苦海浄土/神々の村/天の魚)を全一巻で読み通せる完全版。
[新版あとがき]石牟礼道子
[解説]赤坂真理・池澤夏樹・加藤登紀子・鎌田慧・中村桂子・原田正純・渡辺京二」

▼石牟礼道子「私は何を描こうとしたか――『苦海浄土 全三部』刊行」(『機』〔藤原書店〕293(2016-08): 4-6)
「拙いこの三部作は、我が民族が受けた希有の受難史を少しばかり綴った書と受け止められるかも知れない。間違いではないが、私が描きたかったのは、海浜の民の生き方の純度と馥郁[ふくいく]たる魂の香りである。生き残りのごく少数の人達と、今でもおつき合いをさせていただいている。まるで上古の牧歌の中に生きていた人々と出会うような感じである。」(p.5)
「緒方正人さんはいう。|「チッソの人の心も救われん限り、我々も救われん」|そこまで言うには、のたうち這いずり回る夜が幾万夜あったことか。このような人々を供犠として私たちの近代は、道義なき世界に突入してしまった。|本編に登場するおおかたの人達は、今はこの世にない。思い起こせば、かの人々のえも言えぬ優しい眼差しに慰撫されて、立ち上がれない膝を立て、不自由な指を伸ばして書き継いできたと思う。」(p.6)
◆石牟礼道子 2004/07/15 『[新装版]苦海浄土――わが水俣病』,講談社(講談社文庫),416p.

◆「石牟礼道子さん 水俣病への思いを語る」(朝日新聞社|2018/02/10公開)
 https://youtu.be/__HoHJtGiO0 *動画(2:12)
 “石牟礼道子さんは2016年5月の水俣病公式確認60年記念講演会で、水俣病への思いを語った。作家デビューから近年までのポートレートとあわせ、講演の一部を紹介する。”

◆2018/01/19 2017年度立命館大学産業社会学部「質的調査論(SB)」(担当:村上潔):第15回「古典(3)石牟礼道子」


水俣病

原田 正純
宇井 純
最首 悟
ユージン・スミス
森崎 和江
土本 典昭
栗原 彬
 ◇栗原彬(聞き手:立岩真也・天田城介) 20080307 「特別公開企画「歴史のなかにおける問い――栗原彬先生に聞く」」,立命館大学グローバルCOEプログラム「生存学」創成拠点『時空から/へ――水俣/アフリカ…を語る栗原彬・稲場雅紀』(生存学研究センター報告2),立命館大学生存学研究センター,pp.11-74. *石牟礼道子に関する言及あり


◆石牟礼道子 2018/03 『西南役伝説』講談社(講談社文芸文庫)
 〔「西南戦争」の戦場となった南九州の地で名もなき人々によって語り継がれてきた声に耳を澄ます。『苦海浄土』の著者の原点がここに。〕
◆石牟礼道子 2017/08 『花びら供養』平凡社
 〔ここ十数年の時を経て辿りついた新境地。『石牟礼道子全集』未収録の、主に二〇〇〇年以後に書かれた珠玉のエッセイ四十篇が一冊に。水俣の記憶を磁場に立ち上がる独自のコスモロジーは、一片の花びらに捧ぐ祈りのように、この世をやわらかに包み込み、時に鋭くその不条理を照らし出す。齢九十を迎えた著者が今、現代に伝えたいメッセージとは。〕
◆石牟礼道子・山福アケミ 2016/03 『水はみどろの宮』福音館書店(福音館文庫)
 〔7つになるお葉は、山の湖の底深く、「水はみどろの宮」を浄める千年狐のごんの守と出会い、山の声を聞くようになる。招かれた山の祀りで見た光景は…。作者から子どもたちに贈る、珠玉の物語。〕
◆石牟礼道子 2015/11 『ここすぎて水の径』弦書房
 〔1993年春から2001年秋、石牟礼道子は何を見すえていたのか。『苦海浄土』『十六夜橋』『天湖』『水はみどろの宮』『アニマの鳥』など数々の名作を生んだ思想と行動の源流へと誘うエッセイ集・珠玉の47篇。〕
◆石牟礼道子 2014/07 『祖さまの草の邑』思潮社
 〔「現代詩手帖」連載の表題作をはじめ、震災を前後して書かれた「花を奉る」「わたくしさまのしゃれこうべ」ほか収録。はじめての詩画集。〕
◆石牟礼道子 2013/04 『蘇生した魂をのせて』河出書房新社
 〔人間とは何か、私たちはどこへ行くのか…。破壊し尽くされた自然や人間の悲劇と、その闇の奥底に立ち上がる新しき叡智を語る対談・講演集。受難の時代にこそ響きわたる水俣からの言魂集。〕
◆石牟礼道子 2013/04 『椿の海の記』河出書房新社(河出文庫)
 〔はだしで盲目で、心もおかしくなって、さまよってゆくおもかさま。四歳のみっちんは、その手をしっかりと握り、甘やかな記憶の海を漂う。失われてしまったふるさと水俣の豊饒な風景、「水銀漬」にされて「生き埋め」にされた壮大な魂の世界が、いま甦る。『苦海浄土』の著者の卓越した叙情性、類い希な表現力が溢れる傑作。〕
◆石牟礼道子 2012/09 『食べごしらえおままごと』中央公論新社(中公文庫)
 〔食べることには憂愁が伴う。猫が青草を噛んで、もどすときのように―父がつくったぶえんずし、獅子舞の口にさしだした鯛の身。土地に根ざした食と四季について、記憶を自在に行き来しながら多彩なことばでつづる豊饒のエッセイ。著者てずからの「食べごしらえ」も口絵に収録。〕
◆石牟礼道子 2009/03 『あやとりの記』福音館書店(福音館文庫)
 〔「すこし神さまになりかけて」いるひとたちと楽しみ、また悲しんで、宇宙のはからいを知る幼い「みっちん」の四季。『苦海浄土』で、水俣病によって露になった現代社会の病理を描破した著者が、有機水銀に侵され失われてしまった故郷のむかしを綴る。個人的な体験を超え、子どもたちの前にさしだされた、自然と人間の復権の書。〕

●藤原書店:石牟礼道子
 http://www.fujiwara-shoten.co.jp/shop/index.php?main_page=index&cPath=177_227


◆米本浩二 2014/04/06-(継続中) 「[連載]不知火のほとりで:石牟礼道子の世界」(『毎日新聞』)
 https://mainichi.jp/ch150913328i/%E4%B8%8D%E7%9F%A5%E7%81%AB%E3%81%AE%E3%81%BB%E3%81%A8%E3%82%8A%E3%81%A7
◆米本浩二 2017/03/30 『評伝 石牟礼道子――渚に立つひと』,新潮社,361p.【第69回読売文学賞受賞】
 http://www.shinchosha.co.jp/book/350821/
 〔傑作『苦海浄土わが水俣病』は、いかにして書かれ得たか。石牟礼道子の誕生から文学的彷徨、闘争の日々、創造の源泉と90年の豊饒を描き切る。神話的作家、初めての本格評伝。〕

◆渡辺京二 2013/06 『もうひとつのこの世――石牟礼道子の宇宙』,弦書房,232p.
 http://www.genshobo.com/?p=5508
 〔〈石牟礼文学〉の特異な独創性が渡辺京二によって発見されて半世紀。互いに触発される日々の中から生まれた〈石牟礼道子論〉を集成。現世と併存するもうひとつの現世=人間に生きる根拠を与える、もうひとつのこの世、とは何か。石牟礼文学の豊かさときわだつ特異性はどこにあるのか。その世界を著者独自の視点から明快に解きあかす。〕

◆たかとう匡子 2017/10/31 『私の女性詩人ノートII』,思潮社,210p.【第18回日本詩人クラブ詩界賞受賞】
 http://www.shichosha.co.jp/newrelease/item_1970.html
 〔詩史的な観点をはずさずに、なおも女性の詩にこだわっていきたい。戦後の同時代を生きた詩人から、いま旺盛な活動を展開する書き手まで。石垣りん、石牟礼道子、森崎和江、久坂葉子、石川逸子、宇多喜代子、山本道子、倉田比羽子、井坂洋子、伊藤比呂美、平田俊子、小池昌代――時代に挑戦し、詩の表現について格闘してきた12人をめぐる詩人論ノート、待望の第2冊!〕
「都市生活者として詩をつむぐ石垣りんに共感しつつ、水俣の世界を描きつづける石牟礼道子の巫女的な創作営為に著者の眼差しは熱く注がれていく。「石牟礼道子は今なお立ち迷っている死霊、生霊たちにかわって現代の語り部として、土語を通して自らの負う風土を表現しようと試行してきた」とし、たとえ散文のフォルムをとっていても「そのどこを切り取ってもその作品は一篇の〈詩〉だ。詩的であるということは詩のこころの裏打ちがあるからで、石牟礼道子は徹底して自己の内面をくぐらせながら他者、外部を語る詩人と言えよう」と語る。巫女性とは自己と他者をこころの深部で結びつける魂の呪術なのだろう。」(皆川燈「詩を書くことと〈女性性〉とはどのように交錯しているのだろうか――たかとう匡子『私の女性詩人ノートII』思潮社」『図書新聞』3339(2018-02-17):6)

◆KARAIMO BOOKS(カライモブックス) http://www.karaimobooks.com/
「カライモブックスは、京都西陣にある古本屋です。
取り扱いジャンルは、石牟礼道子、水俣、社会運動、人文、詩、文学、芸術、食、児童書など。100円・200円均一コーナーもおすすめ。
「カライモ学校」と題した勉強会を開催したり、お茶や海産物、石けんなど水俣・天草物産の販売をしたりもしています。
「カライモ」とは南九州でのサツマイモの呼び名だ。
カライモブックスという名前の由来をたどれば、作家・石牟礼道子につながる。
石牟礼道子の言葉は、南九州の土と潮の香りに満ちている。天草、水俣といった不知火海沿岸に生きる人びとの世界を描くその言葉は、上滑りしつづける現実世界の言葉をやすやすと乗り越え、わが心の帰るべき場所さえも指し示しているように思う。
実際にかの地を訪ねてみると、もちろんそこにも現実の生活が流れている。
それでも、水俣の明神崎から不知火海をはさんで天草の島々をのぞむとき、石牟礼道子の言葉がぽとりぽとりと頭に浮かぶ。
私たちにとって、天草や水俣は、そういう場所だ。
京都には明神崎も不知火海もないけれど、石牟礼さんの言葉が心に浮かぶようなそんな本屋にしたい、そんな思いから、カライモブックス、と名づけました。」
◇Kyoko Sugimoto 2014/05/30 「カライモブックスが選ぶ今月の一冊:幼いころのくっきりした体験が描かれた絵本『たぬき』」(『ガジェット通信』)
 http://getnews.jp/archives/586574
【引用】「もともと、順平さんと野口さんは「古本屋をやりたい」と思っていたわけではありませんでした。野口さんが愛読してきた石牟礼道子さんの作品を一緒に読むうちに、「作品の舞台を訪ねてみよう」とふたりで天草や水俣を旅するようになったそうです。いったんは水俣への移住も真剣に検討、でもいろいろ考えた末に京都で暮らすことにしたふたりは「少しでも水俣に関わり続けられる仕事をしよう」と古本屋さんを始めたのでした。」
◆橙書店 http://www.zakkacafe-orange.com/
◇米本浩二「熊本地震:3カ月 「橙書店」被災と復興の物語 文学の拠点、守りたい」(2016年7月16日『毎日新聞』西部朝刊)
 http://mainichi.jp/articles/20160714/ddp/010/040/024000c
【引用】「店を一人で切り盛りする田尻久子さん(47)は、文芸誌「アルテリ」の編集も担当。この小さな店の復旧を、熊本市在住の石牟礼道子さん(89)、渡辺京二さん(85)らが築いてきた熊本の文学的伝統の厚みが支える。」/「「橙書店に集まる文学を救いたい」との願いを込め、石牟礼さんらが新作を発表する文芸誌が近く発刊される。」/「伊藤〔比呂美〕さんの石牟礼さんへの尊敬の気持ちの表れが年1回開催の石牟礼大学だ。伊藤さんが隊長を務める熊本文学隊主催の一大イベントである。予算のない熊本文学隊は伊藤隊長の人脈が頼りだ。サポート役は田尻さん。参加申し込みの受け付けや問い合わせへの回答などを橙書店が引き受けている。」/「水俣病闘争(68〜73年)を主導した石牟礼道子さんと渡辺京二さんの「水俣病を告発する会」も会則や会員名簿がなかった。[…]政治色のない、自由で自在な告発する会の運動は一般の人たちの支持を集め、雪だるまのように膨らんだ石牟礼さんたちのパワーが、効率重視、利益至上の「近代」の暴走にストップをかけることになった。|熊本文学隊と告発する会の両方に石牟礼さんと渡辺さんが関わっているのは偶然ではあるまい。自由で創造的な石牟礼・渡辺イズムは現在も生きているのだ。それを如実に示すのが伊藤さんの活動であり、その伊藤さんを支えているのが橙書店なのだ。」/「伊藤さんに話を聞いて、一番印象に残ったのは次の言葉だ。|「橙書店に集ってくるいくつもの流れの文学を救いたい、という気持ちがあります。集まってきた文学の流れは、どの流れも、すべて、みっちんにつながっている」と言うのだ。みっちんとは石牟礼道子さんのこと。」/「その石牟礼さんは田尻さんらが編集する文芸誌「アルテリ」のメイン執筆者の一人である。今夏に刊行される「アルテリ」第2号に石牟礼さんは高千穂の山中をさまよった20歳の未発表手記を発表する。それで十分なはずだが、最近、「みなさんが地震を書くのなら、私も書きたい」と意欲をもらした。」/「石牟礼大学は熊本文学隊主催の文学イベント。石牟礼道子さんの文学についてトークや意見交換をして、石牟礼さんの文学への理解を深め、石牟礼文学を次世代へ継承するのを目的とする。」
◆熊本文学隊 https://www.facebook.com/kumamotoband/
◆石牟礼大学「いま石牟礼道子を読む」(nagoya wan|2014/11/09公開)
 https://youtu.be/DXYzOk7aebA *動画(2:21:54)
 “熊本文学隊が送る「石牟礼大学」第1回。|石牟礼文学の影のプロデューサーと言われる渡辺京二さんをお迎えして7月20日熊本現代美術館で開催されました。|司会は伊藤比呂美さん、他に谷口絹枝さん、ジェフリー・アングルスさん。石牟礼さんを撮影中の石内都さんもとびいりで。|病身だという渡辺さんの絶好調の語りに、伊藤さんの型破りの司会ぶり。|会場のライブな雰囲気も伝わってきます。”


◇緒方正人 20011015 『チッソは私であった』,葦書房,223p.

◇森下直紀 20101120 「水俣病史における「不知火海総合学術調査団」の位置――人文・社会科学研究の「共同行為」について」(山本崇記・高橋慎一編『「異なり」の力学――マイノリティをめぐる研究と方法の実践的課題』生存学研究センター報告14,pp.319-348【第2部第2章】)


■arsvi.com内の文献情報ページ

◆石牟礼 道子 197707 「島へ――不知火海総合学術調査団への便り」『潮』(1977年7月),pp.168-189.
(再録)20040810『[はは]たちの[くに]:石牟礼道子詩歌文集』講談社,253p. ISBN-10: 4061983776 ISBN-13: 978-4061983779,1200円+税,[amazon]/[kinokuniya]
◆石牟礼 道子 19720428 『水俣病闘争 わが死民』,現代評論社,326p. \600 ※ m34
→20051115 『水俣病闘争 わが死民』,創土社,337p. ISBN-10: 4789300447 ISBN-13: 9784789300445 \2310 [amazon][kinokuniya] m34
◆石牟礼 道子 19840620 『おえん遊行』,筑摩書房,289p. ISBN-10: 4480802363 ISBN-13: 978-4480802361 \1600+税 [amazon][kinokuniya]
学芸総合誌・季刊『環』(KAN)【歴史・環境・文明】Vol.12(特集:近代化の中の「ジェンダー」) 20030130 http://www.fujiwara-shoten.co.jp/kan/kan12.htm 2003年1月刊 菊大判 512頁 本体価格2800円 ISBN4-89434-317-7
◆岩岡 中正・伊藤 洋典 編 20040330 『「地域公共圏」の政治学』,ナカニシヤ出版,212p. ISBN:4-88848-882-7 2730 [amazon][bk1] ※
◆石牟礼 道子 20040430 『石牟礼道子全集・不知火 第2巻 苦界浄土 第一部・第二部』,藤原書店,622p. ISBN-10: 4894343835 ISBN-13: 978-4894343832 \6500 [amazon][kinokuniya]
◆石牟礼 道子 20040715 『石牟礼道子全集 不知火 第1巻』,藤原書店,660p. ISBN-10: 4894343940 ISBN-13: 978-4894343948 \6500 [amazon][kinokuniya]
◆石牟礼 道子 20041130 『石牟礼道子全集 不知火 第4巻 椿の海の記ほか』,藤原書店,586p. ISBN-10: 4894344246 ISBN-13: 978-4894344242 \6500 [amazon][kinokuniya]
◆石牟礼 道子 20041130 『石牟礼道子全集 不知火 第5巻 西南役伝説[せいなんえきでんせつ]ほか』,藤原書店,537p. ISBN-10: 489434405X ISBN-13: 978-4894344051 \6500 [amazon][kinokuniya]
◆石牟礼 道子 20050330 『石牟礼道子全集 不知火 第7巻 あやとりの[]ほか』,藤原書店,574p. ISBN-10: 4894344408 ISBN-13: 978-4894344402 \8500 [amazon][kinokuniya]
◆石牟礼 道子 20050530 『石牟礼道子全集 不知火 第12巻 天湖[てんこ]ほか』,藤原書店,517p. ISBN-10: 4894344505 ISBN-13: 978-4894344501 \8500 [amazon][kinokuniya]
◆石牟礼 道子 20050830 『石牟礼道子全集 不知火 第11巻 [みず]はみどろの[みや]ほか』,藤原書店,665p. ISBN-10: 4894344696 ISBN-13: 978-4894344693 \8500 [amazon][kinokuniya]
◆石牟礼 道子 20060130 『石牟礼道子全集 不知火 第10巻 []べごしらえ おままごと ほか』,藤原書店,635p. ISBN-10: 4894344963 ISBN-13: 978-4894344969 \8500+税 [amazon][kinokuniya]
◆石牟礼 道子 20060530 『石牟礼道子全集 不知火 第9巻 十六夜橋[いざよいばし]ほか』,藤原書店,568p. ISBN-10: 4894345153 ISBN-13: 978-4894345157 \8500 [amazon][kinokuniya]
学芸総合誌・季刊『環――歴史・環境・文明』(KAN)Vol.26(特集:「人口問題」再考)“歴史人口学から日本の少子化問題に迫る!” 2006年8月刊 菊大判 320頁 3360円 ISBN4-89434-531-5 [kinokuniya][amazon] ※
石牟礼 道子 20061030 『苦海浄土 第二部 神々の村』,藤原書店,404p. ISBN-10:4894345390 ISBN-13:978-4894345393 2400+ [amazon][kinokuniya] ※ m34
◆藤原書店編集部 編 20061230 『いのちの叫び』,藤原書店,217p. ISBN-10: 489434551X ISBN-13: 978-4894345515 2100 [amazon] ※ b ts2007a
◆石牟礼 道子 20061230 『石牟礼道子全集 不知火 第6巻 常世[とこよ][]・あやはべるの[しま]へほか』,藤原書店,603p. ISBN-10: 4894345501 ISBN-13: 978-4894345508 \8500 [amazon][kinokuniya]
石牟礼 道子・伊藤 比呂美 20070510 『死を想う――われらも終には仏なり』,平凡社,平凡社新書,211p. ISBN-10:4582853714 ISBN-13: 978-4582853711 \756 [amazon][kinokuniya] ※ a06 d01
◆石牟礼 道子 20071030 『〈石牟礼道子全集・不知火〉第13巻 [はる][しろ]ほか』,藤原書店,780p. ISBN-10: 4894345846 ISBN-13: 978-4894345843 \8500+税 [amazon][kinokuniya]
◆石牟礼 道子・多田 富雄 20080630 『言魂』,藤原書店,216p. ISBN-10: 489434632X ISBN-13: 978-4894346321 2310 [amazon][kinokuniya] ※
◆石牟礼 道子 20081130 『〈石牟礼道子全集・不知火〉第14巻 短編小説[たんぺんしょうせつ]批評[ひひょう],藤原書店,603p. ISBN-10: 4894346591 ISBN-13: 978-4894346598 \8500+税 [amazon][kinokuniya]


*増補:村上 潔(2018/02/12〜)
UP: 20100605 REV: 20100616, 0904, 1212, 1214, 20180212, 13, 14, 15, 18, 19, 20, 21, 23, 25, 27, 28, 0301, 02, 04, 05, 11, 16, 31, 0505, 28, 0611, 0725
身体×世界:関連書籍  ◇水俣・水俣病  ◇WHO
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