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長谷川 保

はせがわ・たもつ


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■著書

◆長谷川 保 1971 『夜もひるのように輝く』,講談社,244p. ASIN: B000J9NFZE [amazon] ※
◆長谷川 保 198212 『老いと死をみとる――聖隷ホスピスのあゆみ』,237p. 柏樹社,ASIN: B000J7IHL8 1050 [amazon] ※


◆wikipedia
 http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%95%B7%E8%B0%B7%E5%B7%9D%E4%BF%9D

◆聖隷クリストファー大学のHP
 http://www.seirei.ac.jp/history-material-pavilion/hitobito.html

長谷川 保(はせがわ たもつ 、1903年9月3日 - 1994年4月29日)は日本の福祉事業家、教育者。
キリスト教徒であった彼は、1930年浜松市にひとりの結核患者のための病舎を建てた。のちにこの病舎はベテルホーム(ベテルはヘブライ語。旧約聖書に出る地名で「神の家」の意)と名づけられる。
1942年、財団法人認可。聖隷保養農園付属病院開設(聖隷三方原病院の前身)。
1961年、日本で初めての特別養護老人ホーム「浜松十字の園」を開設。 1982年、日本で初めてがん末期患者などのための「ホスピス(緩和ケア病棟)」を開設 など病院・福祉施設の拡充につとめる一方、
各種学校遠州キリスト学園を始めとする各種医療関係学校を経営し、福祉・医療教育にも力を注いだ。
また1946年戦後第1回の衆議院議員総選挙に社会党から出馬し当選、以後衆議院議員を7期務めた。在籍中は、自らの実践を元にして、福祉に関する法律の制定に奔走した。
昭和40〜50年代に、浜名湖沿岸に聖隷静岡医科大学を開設しようとしたが、国立の浜松医科大学が誘致されたため計画を中断した。この医科大学構想は、僻地医療を支援する医師を育成しようというものであった。診療技術をコンピュータに蓄積し、短波無線による僻地との交信でどこにいても最先端の診療ができるようにするというものである。現代の衛星や情報技術による遠隔地医療を予見していたともいえる。
生涯私的財産を持たないというポリシーを貫き、病院敷地内のバラック小屋に住み続けた。 遺言で死後も墓を作らず、浜松医大に妻とともに献体。骨格標本となり、医療
者の教育に貢献しつづけている。骨格標本は長らく聖隷短大棟に保管されていたが、現在は聖隷クリストファー大学内の聖隷歴史資料館に展示されており自由に見学することができる。

◆聖隷クリストファー大学のHP
 http://www.seirei.ac.jp/history-material-pavilion/rekishi01.html
 http://www.seirei.ac.jp/history-material-pavilion/rekishi02.html
 http://www.seirei.ac.jp/history-material-pavilion/rekishi03.html
 http://www.seirei.ac.jp/history-material-pavilion/rekishi04.html

◆1961(昭和36年)1月 ディアコニッセ(ハニ姉妹)の尽力により要介護老人のための『十字の園』を開園。(日本で初めての特別養護老人ホーム)
「ディアコニッセのハニ・ウォルフ姉妹の提案を、鈴木生二が現実の形に仕上げた特別養護老人ホームを紹介。高齢者福祉について誰よりも早く取り組み、全国の モデルとなりました。」
 ◇社会福祉法人 十字の園
  http://www.jyuji.or.jp/hojin/index.html
 ◇聖隷三方原病院
  http://www.seirei.or.jp/mikatahara/




◆1962年11月9日 老人の自殺について国会質問

 第041回国会 予算委員会 第5号,昭和三十七年十一月九日(金曜日) 午前十一時三十九分開議
 http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/syugiin/041/0514/04111090514005c.html

「○長谷川(保)委員 時間の関係上、厚生、文教行政の点を二、三伺ってみたいと思います。
 まず厚生関係を伺ってみたいと思います。
 最近、御承知のように、日本人の平均寿命というものが非常に伸びまして、男六十六才、女七十一才というようなことになりまして、大へんけっこうなことでございますけれども、このけっこうなことの裏に、実に痛ましい問題を見るのであります。最近政府でお出しになりました印刷物によりましても、老人の自殺率は世界一だということになっております。人口十万単位六十才以上の老人の自殺数は三十五年で四千六百四十四人。ことに、高年令層になりますと、その自殺率が著しく多いのでありまして、人口十万単位で見まして、六十才から六十四才で自殺率が四二、六十五才から六十九才で五三・七、七十才から七十四才で六三、七十五才から七十九才で八三・五、八十才以上になると八九・一という。この自殺の人口十万単位の全体が三十五年が二二・七ということを見ますと、高年令層では実に四倍というような驚くべき数になっております。これは西欧諸国の二、三倍というようなことでありまして、これに対する十分な対策は、だれが見ても、もはや早急にしなければならぬことは明らかであります。これらに対して厚生省は一体どういうお考えを持っておるか、伺いたい。
○渡海説明員 増加して参りますわが国人口の中に占めます老人層に対しまして深い御認識を持たれました御見識、全く同感でございます。今自殺の問題を取り上げまして老人のことを申されましたが、御指摘の通りでございます。私もその統計をながめまして驚いたような次第でございますが、この老人の人口は逐次増加を続けるのが今後の趨勢であろうと思います。先進国の統計を見ましても、わが国はまだ昭和四十三年度に総人口の一割ということになっておりますが、イギリスあたりではもうすでに三十年ほど前にその数を突破して、現在では一八%になっておると聞いております。わが国も先進国並みに増加させなければならないし、増加して参ると思います。このような趨勢に対しまして、老人対策に抜本的に取り組まなければならないという考えより、政府といたしましても十分の対策を立てるべく鋭意努力中でございまして、厚生省といたしましても、来年度の予算におきましては、特に老人対策に対しましては重点を置きまして、あらゆる新規の事業も加え予算を要求しておるような次第でございますが、なお、根本には、わが国におきまして老人がいかなる地位にあるべきかということを基本とする老人福祉法の制定も、ぜひとも次の通常国会で成案を得て御審議を仰ぐという段階に持っていきまして、老人対策の万全を期したい、かように考えておる次第であります。
○長谷川(保)委員 大蔵大臣も今お聞きの通り、これは実に痛ましい限りの数字が出ておるのであります。今度の来年度予算の概算要求について厚生省の分をちょっと見たのでありますが、老人対策費を六十九億円ほど要求していらっしゃる。これは三十七年度の約二倍に当たる額でありますけれども、ただいまも大蔵大臣のお聞きのように、実に老人の自殺が驚くべき数であるというような事態をお考えになりますならば、私として大蔵大臣に特に注文しておきたいのは、この際やはりこの対策として厚生省の要求は十分満たされまして、――私は厚生省の要求でも実際においては足らぬと思う。この点は十分大蔵大臣は留意されて、このような六十才以上の老人で一年間で四千六百四十四人も自殺をするというような事態をなくしていただきたい。日本の社会保障制度というものについて、これから池田内閣は一生懸命でやって、池田内閣がいつまで続くか知りませんけれども、十年間に西欧諸国の現在の社会保障の下の段階までこぎつけたいというように言っていらっしゃいますけれども、ことに、こういうような老人の自殺をして参ります原因というもの、これは、日本の社会保障制度の非常な足らなさ、そういう点が何といっても大きな原因であろうと思うのであります。そういう点で、この老人対策に対して特別な配慮をしてもらいたいと思うが、大蔵大臣はその点どんなふうにお考えになっておりますか。
○田中国務大臣 お答えいたします。
 老人の自殺による死亡率というものについて、今私は御発言で承知をいたしたわけでありますが、いずれにしても、日本における自殺率は世界の何番目というように非常に高いようであります。老人に対しては、特に老人福祉の面に対して重点的な施策を行なわなければならぬことはもう当然であります。大蔵省といたしましても十分これが対策を考えておるわけでございます。
 なお、来年度の厚生省の老人対策予算としまして、看護ホームというもので三億六千万円でありますか要求しておりますが、三十六年度の老人ホームの利用率は九七・四%というようで、実際まだ一〇〇%まで使われておらない。これは、厚生省の言い方としては、二月、三月ごろ時期の悪いときに死亡率が非常に多いとか、また、自分の居住地に近いホームに入りたいというようなことでありますので、郡部にあるものは利用度が少ないとか、また、居住地の市郡内でつくろうとすれば土地が入れないとか、いろいろな問題がありますが、いずれにしても、お説のように、老人対策については国会においても老人福祉法が制定せられるような気運にありますし、これらの問題に対して真剣に考え、対処していくべきだという考えでございます。
○長谷川(保)委員 今お話しの、老人ホームに一〇〇%定員だけ入っておらないということ、この問題に非常に大きな問題がある。これは、一般の老人ホームでは現在確かに空床がある。どうして空床があるかというと、これは、政府の昭和三十五年度の高齢者の調査によると、六十五才以上の老人の二〇%が病弱または臥床しておる。ところが、こういう方たちは、一般の老人ホームのやり方では、事務費あるいは措置費が少ないために、この人たちを入れたのではやれないのです。経済的に成り立たないのです。ここに大きな問題がある。経済的に経営が成り立たないようになっておる。そこで、この病気を持っておる老人、あるいは臥床しておる人はもちろんでありますけれども、これは一般老人ホームは断わってしまう。入れないのです。そこに空床のできる大きな原因がある。でありますから、今度は、わずかにまだ日本で二つしかありませんけれども、看護老人ホームの方に行ってみますと、入りたいという希望者が殺到しておる。こういう事態をわれわれはよく見なければいかぬと思う。それで、この看護老人ホームの問題を初めて厚生省が今度取り上げまして、正規に予算の要求をなさっておる。あるいは老人保養所も同じようなものでありますけれども、これの予算の新規要求をなさる。これも非常にいい。ただ、問題は、この概算要求を見ましても、老人保養所と看護老人ホーム合わせて三億八千万です、施設補助が。保護費がわずか五千万です。こればかりのものではどうにもならぬ。先ほど申しましたように、やがて一千万にもなろうという人々、その老人たちのうちの二〇%くらいが病気を持っておる人です。でありますから、こんな対策ではどうにもならぬのであります。これは初めて芽を出したことでありますからこういうことでございましょうけれども、こんなことではどうにもならぬ。
 それから、いま一つ考えておかなければならぬことは、なぜ老人が自殺するかということです。これは、スエーデン、デンマークの老人ホームを見ましても、そこで自殺する人が相当ある。それは何かというと、かしこにおいては、あまり社会保障が発達し過ぎたために、肉親の者がもう老人ホームに見舞いにも行かない、こういうことで、肉親に対する愛情に飢えて死ぬわけです。ところが、日本では、社会保障もだめならば、同時に、家族制度が崩壊をして、そこに全く愛情に飢えた老人たちが生きがいを感じなくなった。人間というものはやはり愛の中で、生きがいを感ずるものだと思うのです、若くても年とっても。それが愛情を感じない。この点は一般の老人ホームの経営の点でも考えなければならぬ点だと思うのです。だから、単にりっぱな設備をつくっただけでは老人は満足しない。そこにやはり深い愛情がある施設になりませんと、あたたかい施設になりませんと老人は自殺するという形になってくる。こういう点で、厚生省も大蔵省もともに、措置費、保護費、事務費等を十分にもっと見なければいかぬ、つまり、ほんとうにあたたかいものができていくだけの経済的な裏づけというものをちゃんとしてあげなければいかぬということを思うのです。また、老人ホームをつくっていくときに、そういう愛情のあるもをつくっていかなければならぬ。従って、職員等も、単に役人の古手が回っていけばいいなんという安易な考え方でなくて、もっと真剣に考えてもらいたい。わずか一年間に六十才以上の者が四千六百四十四人も自殺する、こういうようなことが絶対あってはならぬと思います。
 看護老人ホームや老人保養所をつくっていこうという考え方を今お出しになったことについては、私は非常に賛成であります。非常にいいことだと思うのでありますけれども、ただ、問題は、それを経営して参りますのに、聞くところによりますと、たとえば看護老人ホームの看護婦の配置の数、これを、病院ではいわゆる基準看護に一類、二類、三類とあるわけですけれども、これよりも低いものになさるようであります。これは非常な間違いであります。どうして間違いかと申しますと、この看護老人ホームに入るような老人の中には、要するに老耄の人が非常にあるのであります。老耄のために一日じゅううんこを方々になすりつけるというような老人がたくさんあります。あるいは、一日じゅう、夜も昼も大きな声で叫んでおるというような老人があります。私はこの実態をよく見ておるのでありますけれども、その実態を見ていきますと、病院の看護婦ではとてもできない。もっと徹底した老人専門の看護婦でなければこの扱いはできないということをしみじみと思うのであります。そういうような、ふいてやってもまたすぐうんこをなすりつけるというようなことをしている年寄りを見ますし、また、おむつで取らなければならぬという者が非常にたくさんございます。看護老人ホームのおそらく半分はそういう人になると思います。そうなりますと、これは容易なことではありませんで、今厚生省が考えているような一類あるいは二類、三類以下の看護をやろうというようなことでは、ほんとうに長い間日本のために社会のために働いてくれて、その生涯を終わるときに至って、今申しましたような親切な、ほんとうにあたたかい愛情をかけた看護をする、みとりをしてあげるというようなことはとてもできないのであります。そうなりますと、やはりさびしくなって死ぬという形になっていくと思います。でありますから、今初めてこの看護老人ホームあるいは老人保養所というものをつくっていくとしますと、これについて、十分な人員の配置、また、この保護費等を考えてあげる必要がある。厚生省が今考えておるのを私が聞いたところによりますと、そんなことではほんとうのものはできない、こういうことを思うのであります。
 どうか、こういう点は一つ、時間がありませんからこれ以上申しませんけれども十分に考えてこの計画を進めてもらいたい。大蔵大臣にも、ぜひこの点は十分考えてやってもらいたいということをお願いいたしておきたいと思います。
 それから、生活保護のことをちょっと一言だけ伺っておきたいのでありますが、聞くととろによりますと、米価を一二%一月からアップするということでありますが、それと関連して、生活保護の保護費、低所得階層全般にわたることでもありますけれども、要保護の人々と、またその他の低所得階層に対する対策、これについて厚生省はどう考えておるのか。一月から米の値段を上げるということをもしなさるとするならば、当然保護基準の引き上げということも考えなければいかぬと思うのでありますけれども、これは補正予算で出すのか出さないのか、この点を伺っておきたい。あるいは来年度予算ではこれをどう考えておるのか、伺っておきたいと思います。」


UP:200809116 REV:
老い  ◇身体×世界:関連書籍  ◇BOOK

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