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Habermas, Jurgen

ユルゲン・ハーバーマス


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* ドイツ語では、Jurgen のuにウムラウトがつきます

◆ハーバーマス関係 日本語文献リスト
 http://www.socio.kyoto-u.ac.jp/~jun/biblio-jh.html


◆Habermas, Jurgen 1994=1996 「民主的立憲国家における承認への闘争」,Gutmann ed.[1994=1996:155-210]

 「文化的伝統やそこで表現される生の形式は通常、それらが形成する人格構造を備えた人々を確信させることによって、すなわち、伝統を生産的に所有して継続させるよう動機づけることによって再生産される。立憲国家は生活世界のこうした解釈学的な文化的再生産の実行を可能にするのだが、しかしそれを保証することはできない。それというのも、存続を保証することは必然的にその構成員から、彼らが自分たちの文化的伝統を所有および保存するのであれば必要とされるところの諾否を表明する自由を奪い去ってしまうからである。文化が反省的なものとなるとき、自らを維持することができる唯一の伝統や生の形式とは、自らを批判的な検証に委ね、後の世代に対しては他の伝統から学習したり、あるいは改宗したり、他国へと移住したりする選択肢を残しながら、同時にその構成員を拘束するようなものなのである。」(Habermas[1994=1996:185])

 「多文化社会において、生の様式の平等な権利を伴った共存とは、すべての市民が差別を受けることなく、ある文化的伝統の世界の内部で成長し、また自分の子供たちをそのなかで成長させる機械を保証することを意味している。それはありとあらゆる文化に直面して、それを伝統的な形式のままで永続させる機会、あるいはそれを変容させる機会を意味している。それはまた、文化の命令を冷やかに拒否するか、あるいは自己批判的にそれと断絶するかして、伝統との意識的な断絶によって駆り立てられて生きる機会、あるいは分裂したアイデンティティを伴ってさえ生き続ける機会を(p.186)を意味しているのである。近代社会において加速された変化はあらゆる停滞的な生の様式を爆破する。文化は、自己自身を変容させる力を自己への批判と自己からの離脱から引き出す場合にのみ生き残る。法的保証の基礎となりうるのは、各人が自分自身の文化的環境のなかでこうした力を再生させる可能性を保持しているという事実だけである。そして逆にこうした力は、自己自身を孤立させることによってのみならず、外国人や見慣れないものとの交渉を通じても、少なくとも同程度に発達するのである。」(Habermas[1994=1996:186-187])

 「憲法中心の愛国心はその倫理的実質において、政治よりも下位のレベルで倫理的に統合された共同体との関係では、法体系の中立性から離れることができない。むしろ、それは多文化社会のなかで共存するさまざまな生の形式の多様性や十全さへの感受性を研ぎ澄まさなければならない。二つのレベルの統合の区別を保持することが重要である。もしその二つが互いに混同されるのであれば、多数派文化は他の文化的な生の形式の平等な権利を犠牲にして国家の特権を強引に手に入れ、それらの相互承認への要求を踏みにじってしまうであろう。国内の倫理的差異に対する法の中立性は、複雑な社会では国民全体はもはや価値についての実質的な合意によって団結するのではなく、正当な法制定や正当な権力行使のための手続きについての合意によってのみ団結することができるという事実から生じている。」(Habermas[1994=1996:190])

 *以下は立岩のデータベースにあったものだけ

◆Borradori, Giovanna ; Habermas, Jurgen ; Derrida, Jacques 2003 Philosophy in a Time of Terror: Dialogues With Jurgen Habermas and Jacques Derrida, University of Chicago Press=20040128 藤本 一勇・澤里 岳史 訳,『テロルの時代と哲学の使命』,岩波書店,ISBN4-00-024009-9 2700 ※ *

Habermas, Jurgen 1969 『社会哲学論集――政治における理論と実践第1』 1969 細谷貞雄訳,未来社,246p. 600
Habermas, Jurgen 1970 『社会哲学論集――政治における理論と実践第2』 1970 細谷貞雄訳,未来社,566p. 700
Habermas, Jurgen 1970 『イデオロギーとしての技術と学問』 紀伊國屋書店  ※/千葉教養E445
Habermas, Jurgen 1973 『公共性の構造転換』 未来社  千葉教養E175
Habermas, Jurgen 1975・ 『理論と実践――社会哲学論集』 1975 細谷貞雄訳,未来社,628+5p.(1970『社会哲学論集』の改版) 2000 千葉社2020共通
Habermas, Jurgen 1977・ 『イデオロギーとしての技術と科学』 紀伊國屋書店  千葉教養E505
Habermas, Jurgen 1977・ 『イデオロギーとしての技術と科学』 1977 長谷川宏訳,紀伊國屋書店,178p.  千葉社1740共通
Habermas, Jurgen 1981 Theorie des kommunikativen Handelns. 3.Aufl Suhrkamp Verlag. 4800 千葉社4411
Habermas, Jurgen 1981 『コミュニケイション的行為の理論下』 198708 丸山高司他訳,未来社,434p. 4800
Habermas, Jurgen 1981 『コミュニケイション的行為の理論上』 198510 河上倫逸他訳,未来社,371p. 4800 千葉社4411上
Habermas, Jurgen 1981 『コミュニケイション的行為の理論中』 198606 藤沢賢一郎他訳,未来社,356p. 4800
Habermas, Jurgen 1990 Strukturwandel der Offentrichkeit : Untersuchungen zu einer Kategorie der burgerlichen Gesselschaft, Suhrkamp=19940630 細谷貞雄・山田正行訳,『公共性の構造転換――市民社会の一カテゴリーについての探究 第2版』,未来社,357p. 3914 千葉社5139共通 *
Habermas, Jurgen 199010 『意識論から言語論へ――社会学の言語論的基礎に関する講義(1970/1971)』 199010 森元孝・干川剛史訳,マルジュ社,200+13p. 2750
Habermas, Jurgen 199107・ Moralbewusstsein und kommunikatives Handeln
Habermas, Jurgen 199107・ 『道徳意識とコミュニケーション行為』 199107 三島憲一他訳,岩波書店,Selection 21,298p. ISBN:4000040669 3300
Habermas, Jurgen 1994=1996 「民主的立憲国家における承認への闘争」,Gutmann ed.[1994=1996:155-210]
*Gutmann, Amy ed. 1994 Multiculturalism: Examining the Politics of Recognition,Princeton University Press
 =19961018 佐々木毅・辻康夫・向山恭一訳,『マルチカルチュラリズム』,岩波書店,240+3p. 2600 ※
Habermas, Jurgen ; Luhmann, Niklas 198408・ 『批判理論と社会システム理論――ハーバーマス=ルーマン論争 上』 198408 佐藤嘉一他訳,木鐸社,181p. 2000 千葉社3053共通
Habermas, Jurgen ; Luhmann, Niklas 198704・ 『批判理論と社会システム理論――ハーバーマス=ルーマン論争 下』 198704 佐藤嘉一他訳,木鐸社,p.183〜539 3000
Habermas, Jurgen 2001 Die Zukunft derMenschlichen Natur: Auf dem Weg zu einer liberalen Eugenik? Suhrkamp Verlag=20041125 三島 憲一 訳 『人間の将来とバイオエシックス』(叢書・ウニベルシタス802),法政大学出版局,150p. ISBN-10: 4588008021 ISBN-13: 978-4588008023 \1890[amazon][kinokuniya]※ en, eg-bg, be

■言及

齊藤 純一 19951231 「ハーバーマス――批判理論の転回と討議的民主主義の展望」
 藤原・飯島編[1995:199-216]*
*藤原 保信・飯島 昇蔵 19951231  『西洋政治思想史・U』 新評論,488p. 4429 ※
◆霜田 求 200003 「実践的討議の道徳性――ハーバーマスとアレクシーを手がかりにして」
 『熊本学園大学経済学部開設三十周年記念論文集』熊本学園大学経済学部編 449-473頁
 http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/eth/mspaper/mspaper05.htm
◆木村 光太郎 20000320 「討議的民主主義――ユルゲン・ハーバーマスの民主主義理論について」
 有賀・伊藤・松井編[2000:144-162]*
*有賀 誠・伊藤 恭彦・松井 暁 編 20000320
 『ポスト・リベラリズム――社会的規範理論への招待』
 ナカニシヤ出版,267p. 3000円

◆Calhoun, Craig ed. 1992 Habermas and the Public Sphere, MIT Press=19990910 山本 啓・新田 滋 訳,『ハーバマスと公共圏』(抄訳),未来社,348p. 3500 ※

◆Jay, Martin ed. 石川 真澄 監訳 19971023 『ハーバーマスとアメリカ・フランクフルト学派』(Habermas and American Frankfurt School),青木書店,343p. 5500 [bk1]

■言及

◆立岩 真也 2004 『自由の平等』,岩波書店

 「☆11 この最初の選択が与えられるとは、たとえ選ばないことを選べるとしても、新たな選択肢を無視することが認められているとしても、今までのあり方に対して別のものが加わることである。それは押しつけられるのではないにせよ、人の前に示されてしまい、このとき現実はそれ以前とは異なったものになる。選択肢の提示とはそこにいる人にとって侵入でもありうる。このことをどう考えるのか。「文明」が流入してくる、「市場経済」が導入される、米国の農産物が入ってくる、病であるかどうか知らないままでいることもできるが知りたいか知りたくないかは予め聞かれる、等々。もちろんこれらについての疑念の内実はそれぞれについていくつもあり、様々に異なるだろう。それらの中のあるものの流入は侵略であり、選択肢の登場などというものではないという指摘もあるだろう。私は、これらを考えることがとても大切だと考えるのだが、やはり、考えられたものをあまり――例えば、入ってくるのは仕方がないのだ、そこで変容しながら生き延びていくものは生き延びていくのだ、と言っているように読める文章としてHabermas[1994=1996:185-187]があったりはするが――読んだことがない。」(立岩[2004:342])

 

◆日独シンポジウム グローバル化と法

主催  ドイツ学術交流会(DAAD)
共催  法理学研究会

 日独シンポジウム
              グローバル化と法

本シンポジウムでは、ドイツの社会哲学者ハーバーマスの弟子で
あり、法哲学者であるクラウス・ギュンター氏(フランクフルト大学)
を迎え、ハーバーマスの著書『事実性と妥当』のさらなる展開を企
図しつつ、グローバル化のもとでの新たな法像を探ります。

日時      2002年11月20日(水)  午後1時30分(1時より受付)

場所      ゲーテ・インスティテュート・京都(川端荒神口)

プログラム

開会挨拶          ウルリヒ・リンス  (ドイツ学術交流会)
基調報告    「法理論問題としてのグローバル化」
              クラウス・ギュンター  (フランクフルト大学)
報  告    「ハーバーマス法理論の再検討と東アジアの法」(仮題)
              阿部    信行     (白鴎大学)
質疑と討論

討論者     村上淳一(桐蔭横浜大学)
通訳      三島憲一(大阪大学)  ・  大貫敦子(学習院大学)
司会      竹下  賢(関西大学) ・  M・フープリヒト(京都産業大学)

問い合わせ先:法理学研究会事務局
  同志社大学法学部 濱真一郎研究室内
  電話番号: 075-251-3555  メールアドレス: shama@mail.doshisha.ac.jp


UP:? REV:...20030202,0402,0613,0722,1123 20040316 20091218
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