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福島 智

ふくしま・さとし


last update: 20110505

・1962年生
・東京大学先端科学技術研究センター([外部リンク]所属機関の研究者紹介ページ
・社会福祉法人全国盲ろう者協会理事([外部リンク]団体ホームページ
「異なる身体のもとでの交信――本当の実用のための仕組と思想分担研究者
・科研費データベース http://kaken.nii.ac.jp/d/r/50285079

■研究テーマ

「バリア」と「バリアフリー」について
(詳細は上記の所属機関研究者紹介ページを参照)

■学歴

東京都立大学大学院人文科学研究科博士後期課程単位取得退学

■職歴

上記の所属機関研究者紹介ページを参照

■所属学会等

障害学会ほか

■業績

□新着

◆福島 智 i2018 インタビュー 2019/01/09 聞き手:立岩 真也 於:立命館大学衣笠キャンパス創思館4階・書庫

◆福島 智 20110730 『盲ろう者として生きて――指点字によるコミュニケーションの復活と再生』,明石書店,520p. ISBN-10: 4750334332 ISBN-13: 978-4750334332 2800+ [amazon][kinokuniya] ※ vh. ds.
◆福島 智 2011/04/28 「防災とバリアフリーを経済コストで測るな――被災障害者の危機は人災だ」,『毎日新聞』2011-4-28朝刊:10,「これが言いたい」
◆福島 智 2011/04/21 「各種団体の連携不可欠――識者評論:被災障害者支援」,『神戸新聞』2011-4-21夕刊:6,共同通信社より配信

□単著

◆2011 『盲ろう者として生きて――指点字によるコミュニケーションの復活と再生』,明石書店,520p. ISBN-10: 4750334332 ISBN-13: 978-4750334332 2800+ [amazon][kinokuniya] ※ vh. ds.
◆20100310 『生きるって人とつながることだ!――全盲ろうの東大教授・福島智の手触り人生』,素朴社,236p. ISBN-10: 4903773132 ISBN-13: 978-4903773131 \1680 [amazon][kinokuniya] vh
◆19971125 『盲ろう者とノーマライゼーション――癒しと共生の社会をもとめて』,明石書店,332p. ISBN-10: 4750309826 ISBN-13: 978-4750309828 \2940 [amazon][kinokuniya] ※ vh
◆19951016 『渡辺荘の宇宙人――指点字で交信する日々』,素朴社,221p. ISBN-10: 4915513394 ISBN-13: 978-4915513398 \1575 [amazon][kinokuniya] ※ vh

□共著・分担執筆

◆20020331 「盲ろう者と障害学――『創造的コミュニケーション戦略』の構想」,大阪人権博物館 編 『障害学の現在――リバティセミナー講演集』,大阪人権博物館,83-109.
◆20010731 「『生きる力』に優劣はない」,岩川 直樹・汐見 稔幸 編 『「学力」を問う――だれにとってのだれが語る「学力」か』,草土文化,91-96. ISBN-10: 479450828X ISBN-13: 978-4794508287 \1890 [amazon][kinokuniya] ※
◆20000310 「盲ろう者として生きて」,花園大学人権教育研究室 編 『カオスの中の社会学――閉塞時代を凝視する』,批評社,**-**.ISBN-10: 482650294X ISBN-13: 978-4826502948 \1890 [amazon][kinokuniya]
◆19980727 「複合共生論――『障害』の有無を越えた『共生社会』へ向けて」,佐伯 胖・黒崎 勲・佐藤 学・田中 孝彦・浜田 寿美男・藤田 英典 編 『共生の教育』(岩波講座 現代の教育5),208-228.ISBN-10: 4000108859 ISBN-13: 978-4000108850 \2940 [amazon][kinokuniya]

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□論文,その他書いたもの

・2010年
◆201009** 「絶望の暗闇から抜け出したかった」,『第三文明』第三文明社,609: 68-70.
◆201001** 「コミュニケーションは人権(記念講演)」(全障研第43回全国大会報告集),『みんなのねがい』(516): 20-27.ISSN:03884163
◆2010**** 「アジア地域レポート」(特集「第9回ヘレン・ケラー世界会議」「世界盲ろう者連盟第3回総会」),『コミュニカ』全国盲ろう者協会,40: 38-42.
◆2010**** 「『第9回ヘレン・ケラー世界会議』に出席して」(特集「第9回ヘレン・ケラー世界会議」「世界盲ろう者連盟第3回総会」),『コミュニカ』全国盲ろう者協会,40: 8-15.

・2009年
◆高橋 信行・福島 智 20090625 「盲ろう者のICT利活用における問題」,『季刊福祉労働』123: 36-45.ISSN: 03874044
◆高橋 信行・苅田 知則・福島 智 2009**** 「アクセシビリティに配慮したWebデータベースを用いた盲学校における協働環境の実現」,『愛媛大学教育実践総合センター紀要』27: 171-185.

・2008年
◆羽根 拓也・福島 智 20081202 「羽根拓也の『プロフェッショナル』解体新書(19)――東京大学先端科学技術研究センター教授 福島智氏編 闇と無音の世界の壁を乗り越えた『極限浮上力』」,『日経ビジネスassocie 』7(26): 112-117.ISSN: 13472844
◆牧原 功・金澤 貴之・福島 智 ほか 200803** 「音声認識技術による字幕運用の課題――音声言語を文字化することの問題」,『群馬大学留学生センター論集』7: 33-50.ISSN: 13461605
[外部リンク]機関リポジトリで全文閲覧可.PDFファイル)
◆近藤 武夫・大河内 直之・福島 智 20080118 「指点字の通訳・読解における非言語情報処理」(福祉と知能・情動・認知障害,福祉と音声処理,一般)『電子情報通信学会技術研究報告』107(433/435/437): 71-74.ISSN: 09135685

・2007年
◆福島 みずほ・福島 智 200710** 「福島みずほのいま会いたい いま話をしたい――今月のゲスト:福島智さん」,『社会民主』629: 20-27.ISSN: 13420615
◆200703** 「『ユニヴァーサル・バリアフリー』の発想が将来社会を築く」,『世界と議会』(511): 19-25.ISSN: 09131469
◆福島 智・大河内 直之 20070224 「医療と福祉の一層の連携を――眼科と耳鼻科の間に置かれがちな『盲ろう者』という存在」,『日本医事新報』4322: 101-107.ISSN: 03859215

・2006年
◆200607** 「ことばはいのちの糧――指点字が拓く世界」,『言語』35(7): 20-25.ISSN: 02871696
◆福島 智・星加 良司 20060305 「〈存在の肯定〉を支える二つの〈基本ニーズ〉――障害の視点で考える現代社会の『不安』の構造」,『思想』983: 117-134.ISSN: 03862755
◆福島 智・中野 聡子・金澤 貴之 ほか 2006**** 「音声認識技術を活用した字幕呈示システムの開発研究及び運用における諸課題――利用者の観点を中心に」,『群馬大学教育学部紀要――人文・社会科学編』55: 179-186.ISSN: 03864294
[外部リンク]機関リポジトリで全文閲覧可.PDFファイル)

・2005年
◆福島 智・渡辺 昭代 200505** 「障害者福祉の改革を問う(2)――生存と魂の自由を 応益負担の導入は『保釈金』の徴収だ」,『みんなのねがい』(455): 50-52.ISSN:03884163
◆20050215 「『今後の障害保健福祉施策について(改革のグランドデザイン案)』に関する意見書――生存と魂の自由を 障害者福祉への応益負担導入は,『保釈金』の徴収だ」,『総合ケア』15(2): 86-89.ISSN: 09167013

・2004年
◆大河内 直之・前田 晃秀・苅田 知則・中野 泰志・福島 智 20041215 「盲ろう者のコミュニケーションプロセス分析とニーズ抽出――盲ろう者対応コミュニケーションエイドの開発に向けて」,『ヒューマンインタフェース学会研究報告集』6(6): 15-22.ISSN: 13447270
◆200411** 「哀悼――小島純郎先生逝去に接して」,『点字ジャーナル』東京ヘレン・ケラー協会点字出版局,414: **-**.
◆200402** 「盲ろう者の自立とノーマライゼーション」(2003年度 熊本学園大学付属社会福祉研究所公開研究会記録),『社会福祉研究所報』32: 65-92.ISSN: 02879166

・2003年
◆20030830 「豊かなコミュニケーションを求めて」,『コミュニケーション障害学』20(2): 80-83.ISSN: 13478451
◆福島 智・井上 素子 200308** 「教育――しぜん遊びを楽しもう!」,『婦人之友』婦人之友社,97(8): 122-130.
◆福島 智・成瀬 正次 20030201 「ウォッチング2003――共生の理念とテクノロジー」,『月刊福祉』86(2): 60-67.ISSN: 13416669
◆福島 智・江口 美和子 2003**** 「人をつなぐ――生きていることは,相当すごいことなのだ(Interview 福島智さんに聞く)」,『高校のひろば』48: 4-15.ISSN: 13437070

・2002年
◆雨宮 智浩・檜山 敦・福島 智 ほか 20020610 「盲聾者ナビゲーションのためのウェアラブル指点字インタフェースの研究(人工現実感)」,『映像情報メディア学会技術報告』26(35): 11-14.ISSN: 13426893
◆雨宮 智浩・檜山 敦・福島 智 ほか 20020610 「盲聾者ナビゲーションのためのウェアラブル指点字インタフェースの研究」,『ヒューマンインタフェース学会研究報告集』4(3): 11-14.ISSN: 13447270
◆雨宮 智浩・檜山 敦・福島 智 ほか 20020603 「盲聾者ナビゲーションのためのウェアラブル指点字インタフェースの研究」,『電子情報通信学会技術研究報告』102(109): 11-14.ISSN: 09135685

・2001年
◆20010925 「盲ろう者とIT――ヘレン・ケラーに使ってほしかった電子メール」(特集・情報のバリアフリー),『季刊福祉労働』92: 33-39.ISSN: 03874044
◆200106** 「『バリアフリー』=『差別撤廃』――根元から社会全体変える下地づくりを(インタビュー)」,『ばんぶう』240: 52-55.ISSN: 09128662
◆200106** 「『生きる力』に優劣はない」,『子どものしあわせ』草土文化,603: 14-18.
◆20010505 「バリアフリー――『酸欠の心』に風送ろう」(私の視点 ウイークエンド),『朝日新聞』2001年5月5日朝刊10面

・2000年
◆200008** 「盲ろう者に誇り――私(福島智)は挫折を知らない」,『バンガード』バンガード社,20(8): 56-61.
◆200002** 「『共生』の思想とテクノロジーの未来」,『金沢大学教育学部紀要――教育科学編』49: 67-70.ISSN: 02882523
[外部リンク]機関リポジトリで全文閲覧可.PDFファイル)

・1998年
◆199803** 「障害者福祉の増進は,“サ-ビス利用者”の選択権の保障から」,『地方自治職員研修』31(臨時増刊号57): 181-188.ISSN: 13413929

・1997年
◆小林 巌・小田 浩一・福島 智 ほか 19971122 「盲ろう者によるコンピュータネットワーク利用の可能性と課題」,『電子情報通信学会技術研究報告』97(397): 61-65.ISSN: 09135685
◆福島 智・塩谷 治 199705** 「恩師と会って決意新たに--当事者のための組織目指して活動も継続(talk to talk)」,『視覚障害』149: 27-37.ISSN: 03857476

・1996年
◆1996**** 「指点字」,『コミュニカ』全国盲ろう者協会,13: 25-30.

・1994年
◆199408** 「盲ろう者教育と盲ろう者の生活の質」,『障害者問題研究』22(2): 177-184.ISSN: 03884155
◆19940630 「盲ろう児の言語発達と教育に関する文献的考察――『読み』の指導と想像力の形成を中心に」,『特殊教育学研究』32(1): 9-17.ISSN: 03873374
[外部リンク]CiNiiで全文閲覧可.PDFファイル)
◆19940131 「盲ろう者からみた障害児教育の課題――『想像力』と『幸福』について」,『特殊教育学研究』31(4): 100-101.ISSN: 03873374
[外部リンク]CiNiiで全文閲覧可.PDFファイル)
◆199401** 「盲ろう者とノーマライゼ-ション」,『都市問題』85(1): 69-79.ISSN: 03873382

・1991年
◆19910630 「『発達の保障』と『幸福の保障』――障害児教育における『発達保障論』の再検討」,『教育科学研究(東京都立大学)』10: 55-63.ISSN: 02897121
[外部リンク]CiNiiで全文閲覧可.PDFファイル)

・1990年
◆19900701 「言語行動の三次元的理解の試み――盲聾児教育の視点から」,『教育科学研究(東京都立大学)』9: 15-28.ISSN: 02897121
[外部リンク]CiNiiで全文閲覧可.PDFファイル)
◆199001** 「『ちびくろサンボ』と差別問題を考える」,『教育』40(1): 74-83.ISSN: 03869938

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□学会・シンポジウム報告報告,講演等

◆20070412 「東京大学入学式(学部)祝辞」
[外部リンク]http://www.u-tokyo.ac.jp/gen01/b_message19_03_j.html
◆20061022 「基調講演2」,第2回国際ユニヴァーサルデザイン会議in京都,於:国立京都国際会館
[外部リンク]会議公式ホームページの講演者紹介頁
◆20041214 「生存と魂の自由を――障害者福祉への応益負担導入は,『保釈金』の徴収だ」(「今後の障害保健福祉施策について〔改革のグランドデザイン案〕」に関する意見書),社会保障審議会第22回障害者部会配布資料
◆20030821 「『インフォメーション・ディバイド』と知的障害者のエンパワメント」,第16回アジア知的障害会議基調講演
→(英語版)"'The Information Divide' & the Empowerment of People with Intellectual Disabilities", Proceedings of 16th Asian Conference on Mental Retardation, pp.13-17
[外部リンク]http://www.bfp.rcast.u-tokyo.ac.jp/fukusima/2003p01e.htm
→cf. Archive
◆20021025 「アジア太平洋障害者の新10年:コミュニケーションと解放」,ESCAP「アジア太平洋障害者の十年」行動課題の実施状況の報告及び評価並びに「十年」の次の政策的枠組みの検討・基調講演,於:滋賀県大津市
◆20011201 「盲ろう者とノーマライゼーション」(講演)信州大学医療技術短期大学部特別講義,於:信州大学松本キャンパス 経済学部・第2講義室
→cf. 信州大学医療技術短期大学部(現・信州大学医学部保健学科)
◆20011130 「バリアフリー――『酸欠の心』に風送ろう」(講演),於:松本市障害者自立支援センター「ぴあねっと21」
◆20011111 「"酸欠"社会から潤いあるバリアフリー社会へ」,於:神奈川工科大学 幾徳祭
◆20010623 「盲ろう者と障害学」リバティセミナー『障害学の現在』第3回,於:リバティおおさか(大阪人権博物館)
◆19991105 「共生の思想とテクノロジーの未来」,第5回障害学研究会関東部会,於:東京都障害者福祉会館
◆19990615 「『共生』の思想とテクノロジーの未来」,日本学術会議シンポジウム「身体障害者・高齢者とヒューマンインタフェース」,於:日本学術会議 講堂

■科研費その他研究助成

[外部リンク]https://kaken.nii.ac.jp/ja/r/50285079
◆「大学教養教育にふさわしい障害理解教育実現のための教授法及び教材研究」(代表)(萌芽研究→挑戦的萌芽研究: 2008-2009年度)
◆「異なる身体のもとでのの交信――本当の実用のための仕組みと思想」(分担:代表者・立岩真也)(新学術領域研究〔研究課題提案型〕: 2008-2010年度)
ほか多数(上記外部リンクを参照)

■テレビ・ラジオ出演等

◆20050327 『情熱大陸』(TBS系列 11:15-11:45)
→cf. (出演番組のDVD)20080725 『情熱大陸×村 公一・矢澤知枝・福島 智』,ジェネオン エンタテインメント,75min.\3990 [amazon][kinokuniya]
◆20010514 『盲ろうの研究者 先端科学にいどむ』(〈にんげんゆうゆう〉――シリーズ バリアをこえて NHK教育 19:30-20:00)

■関連書籍等

◆福島 令子 20090530 『さとし わかるか』,朝日新聞出版,225p. ISBN-10: 4022505656 ISBN-13: 978-4022505651 \1680 [amazon][kinokuniya]
◆生井 久美子 20090424 『ゆびさきの宇宙――福島智・盲ろうを生きて』,岩波書店,262p. ISBN-10: 400025409X ISBN-13: 978-4000254090 \1890 [amazon][kinokuniya] ※ vh
◆光成 沢美 20030714 『指先で紡ぐ愛――グチもケンカもトキメキも』,講談社,253p. ISBN-10: 4062113597 ISBN-13: 978-4062113595 \1575 [amazon][kinokuniya] ※
→cf. (コミック版)森尾 理奈 『指先で紡ぐ愛』,講談社(デザートコミックス),171p. ISBN-10: 406365298X ISBN-13: 978-4063652987 \409 [amazon][kinokuniya]
◆山田 宗睦 編 199009** 『手は何のためにあるか』,風人社,268p. ISBN-10: 4938643030 ISBN-13: 978-4938643034 \2415 [amazon][kinokuniya]
◆小島 純郎・塩谷 治 編 19880520 『ゆびで聴く――盲ろう青年福島智君の記録』,松籟社,348+38p. ISBN-10: 4879840939 ISBN-13: 978-4879840936 \3360 [amazon][kinokuniya]

■関連する新聞・雑誌記事等

◆20010221 「福島智さん/大きな化学反応を期待 」,『神戸新聞』20010221社説
◆20010220 「視聴覚障害者初の東大教官――金大・福島助教授『バリアフリー連鎖反応を』」,『北国新聞』
◆20010220 「東大に全盲全ろうの助教授が就任」,『読売新聞』
立岩 真也 2001 「福島智さんのこと――知ってることは力になる・19」『こちら“ちくま”』24
立岩→福島さんへの手紙(1999)


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◆19971125 『盲ろう者とノーマライゼーション――癒しと共生の社会をもとめて』,明石書店,332p. ISBN-10: 4750309826 ISBN-13: 978-4750309828 \2940 [amazon][kinokuniya] ※ vh

第1章 盲ろう者の現状と課題
第2章 盲ろう者のコミュニケーション
第3章 盲ろう者とノーマライゼーション
第4章 盲ろう児の言語教育と「言語の危機」
第5章 これからの障害者と教育・福祉・社会


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◆19951016 『渡辺荘の宇宙人――指点字で交信する日々』,素朴社,221p. ISBN-10: 4915513394 ISBN-13: 978-4915513398 \1575 [amazon][kinokuniya] ※ vh

親父の味
 触れる/心のスクリーン/指点字あれこれ/外出/杖二本/スポーツ
 日本にもヘレン・ケラーが沢山いる!/自立生活について/親父の味
季節は香りから
 願いごと/ダブル・ハンディとともに/香り/病院/読書/私の学生生活
 夢/季節は香りから
SFと現実
 ストックホルム――1989/アメリカ体験記――1990/アドリア海の風
 テレビ出演あれこれ/『徹子の部屋』と『おふくろシリーズ』/メロディー
 結婚/仕事/夏の夜に宇宙を想う/私の好きな作家 小松左京/SFと現実


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◆20010505 「バリアフリー――『酸欠の心』に風送ろう」(私の視点 ウイークエンド),『朝日新聞』2001年5月5日朝刊10面
http://www.asahi.com/

福島 智
ふくしま・さとし 東京大学助教授(障害児教育学)

日本の社会には今なお障害者や高齢者にとって様々な「バリア」が存在する.エレベーターのない建物は「物理的バリア」であり,利用困難なITは「情報のバリア」を生む.また,障害者との結婚やアパートの入居に反対するのは「心のバリア」の表れだと言えるし,障害を理由に,資格や免許の取得を制限する「欠格条項」などの「法制度のバリア」も深刻だ.
「心のバリア」とは,まさしく差別意識であり,そして,この差別意識を実体化させるものが「法制度のバリア」だろう.したがって,たとえば「障害者差別禁止法」などの制定を通して「法制度のバリア」の撤廃をめざすことが重要だ.
しかし,そもそもなぜこうしたバリアが生じるのかを考えると,やはり「心のバリア」の存在に突き当たる.では「心のバリア」はどうすれば除去できるのか.コミュニケーションが鍵を握っているように思う.
私はコミュニケーションは「心の酸素」だと思う.つまり,コミュニケーションが不足すれば,心は「窒息する」ということだ.
18歳で視力に続き聴力をも失った私は,他者とのコミュニケーションが断絶される日々を体験する.それは魂の凍るような孤独の日々だった.やがてコミュニケーションを取り戻し,本当につらいのは「見えない,聞こえない」ことではなく,他者との心の交流が消えることだと確信した.
もちろん,コミュニケーションを持ったからといって,それで「心のバリア」がすぐに取り除かれるわけではない.しかし,多くの差別は対話の不足から生じる.そして,今の社会は,情報の氾濫とは裏腹に,他者とのコミュニケーションに飢えている人が多いように思う.障害者や高齢者と豊かなコミュニケーションを持つことは,「心のバリアフリー」につながるだけでなく,多くの人々が抱えている「酸欠の心」にとって新鮮な風となるだろう.
自然環境に生態系があるように,人間社会にも,人と人とが織りなす「共生の生態系」が存在するのではないか.もしそうなら,ある属性やハンディを持つものが社会の中で軽視され,無視されれば,この「生態系」にゆがみが生じ,ひいては社会の崩壊につながるだろう.バリアフリーの取り組みとは,社会を崩壊から守り,「共生の生態系」を活性化させることなのだと思う.


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◆20010221 「福島智さん/大きな化学反応を期待 」,『神戸新聞』20010221社説
http://www.kobe-np.co.jp/2001/02/21/shasetu9.html

九歳で失明し,十八歳で聴力を失った福島智(さとし)さん(神戸市出身,金沢大教育学部助教授)が,こんど東大先端科学技術センターの助教授になる.視覚と聴覚の障害がある人が,東大の教官に就任するのは初めてのことだ.
「バリアフリーという化学反応を進める上での触媒となり,回りの人に連鎖反応を起こしていきたい」
記者会見で,福島さんはこう語っている.障害のある人を取り囲む壁は少しずつ取り払われつつあるが,まだまだ厚い.福島さんの活動が,大学の内外に広がって,大きな風穴があくことを期待したい.
福島さんは,相手の指を点字タイプのキーにして,自分の指で点字を打って会話する.聴力の低下と大学受験でイライラしていたとき,母の令子さんと口げんかしたのがきっかけとなり,この指点字が生まれた.
東京都立大大学院修了後,重複障害児教育の研究者として活動をするかたわら,障害者組織の役員を務めて,指点字の普及を図り,令子さんと一緒に五年前に吉川英治文化賞を受賞している.
東大先端研では,新しくできるバリアフリー部門に籍を置き,大学院のゼミを受け持つ一方で,教育学部の講義も行う予定だが,福島さんが担う役割はもっと大きい.
ひとつは,科学技術に人間の視点を取り戻すことだろう.
バリアフリー部門では,高齢者や障害者の暮らし,社会活動のために科学技術を生かすことを目的にしているが,使う側の視点が欠けていては何にもならない.
たとえば,鉄道駅などでエスカレーター設置が徐々に進んでいるが,幅が狭くて車いすでは使いにくい.エレベーターも介助者と一緒に乗り込める広さがない.エレベーター内で回転する余裕がないから,頭から突っ込み,降りる際は後ろ向きになる.
科学技術が,安全で,安心できて,安定した社会やシステムをつくることに貢献するためには,人間から目を離さないことだ.自らの体験に加え,障害児教育の研究者として多くの蓄積がある福島さんには,人間のための先端科学開発を期待する.
もうひとつは,大学のバリアフリーを進める役割だ.施設,設備の改善はもちろんだが,福島さんの存在そのものが大学の意識改革につながってほしいと思う.
以前,福島さんは講演で,指点字について,こう話したことがある.「コミュニケーションの基本は,自分が話すのではなく,相手のさまざまな表現を感じ取ることです.一般社会のコミュニケーションも,聞くことから始めるべきです」
聞き取り,感じ取って,大きな化学反応を起こしてほしい.


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◆20010220 「視聴覚障害者初の東大教官――金大・福島助教授『バリアフリー連鎖反応を』」,『北国新聞』
http://www3.nsknet.or.jp/~mita-te/130220.htm

「障害を持つ当事者として自分を東大にぶつけたい」.9歳で失明,18歳で聴力も失った金大教育学部の福島智助教授(38)=神戸市出身=が,福祉やバリアフリーの専門家として東大先端科学技術センター助教授に就任することになり,19日午後,同センターで記者会見した.
大学側によると,視覚,聴覚の障害者が東大の教官になるのは初めてという.
妻の光成沢美さん(31)らが両手の指を使った「指点字」で福島助教授に質問を同時通訳.それを受けて「バリアフリーという化学反応を進める上での触媒となり,周りの人に連鎖反応を起していきたい」と,化学の比ゆを交えて抱負を語った.
センターの大学院生へのゼミや授業を受け持つほか,教育学部の学生にも教える予定.福島助教授は「私のような視聴覚障害者がいることを知ってもらえば,良い意味で東大生の刺激になると思う.まずは自分を東大にぶつけ,私の友人たちも授業に呼んで巻き込んでいきたい」と話した.
福島助教授は96年,国立大初の二重障害者の教官として金大に赴任し,障害児教育論などの授業を受け持った.また,石川県内各地の学校や公民館などで講演したり,金沢市障害者施策推進協議会の委員を務めるなど,障害者が住みやすい街づくりの推進に尽力した.

[写真]
沢美夫人(右)の指点字通訳を受けながら記者会見する福島智金大助教授
=19日午後,東京都目黒区の東大先端科学技術センター


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◆20010220 「東大に全盲全ろうの助教授が就任」,『読売新聞』

(写真:東大助教授となる福島智さん(左).記者会見では夫人の光成沢美さん(右)から指点字で質問を受けた )
東大先端科学技術研究センター(東京都目黒区)は四月から,目と耳が不自由な金沢大教育学部助教授の福島智さん(38)を助教授に迎える.同センターは,障害者らの幅広い社会参加を実現させるため,IT(情報技術)や障害者をめぐる法制度など様々な分野の研究者たちとの共同研究を計画しており,福島さんをその中心に据えたいとしている.東大に全盲,全ろうの教官が就任するのは初めて.
十九日,会見した福島さんは,「これまで障害児教育に取り組んできたが,今後は幅広い社会的弱者とのパイプ役,『触媒』となって社会に化学反応を起こしたい」と抱負を語った.
福島さんは,病気のため九歳で失明,十八歳で耳が聞こえなくなった.通訳が指に点字を打つ「指点字」で相手の言葉を認識し,しゃべって答える.
(2001年2月20日00:35)


UP: 20041215 REV: 20070418, 20080802, 20101101, 20110505, 0829 .. 20200113
盲ろう(者)  ◇障害学  ◇生を辿り道を探る――身体×社会アーカイブの構築  ◇障害者(の運動)史のための資料・人  ◇WHO 
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