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不動の身体と息する機械

立岩真也 2004.11.15,医学書院,449p. ISBN:4260333771 2940円(税込)

御注文説明 / 書評・紹介 /  English

表紙写真    「サイボーグたちは、
   真の生命/生活を得んがための
   犠牲といった発想をイデオロギーの源泉
   とすることを拒む。[…]
   生存こそが最大の関心事である。

   (Haraway[1991=2000:339])

   私たちの社会では一方で、身近な、
   とくに善意もなにも必要とせず、
   むしろそれがうっとおしく感じられるような場面で、
   やさしさやふれあいが語られる。
   善意が押しつけがましく押しつけられ、
   それは問題にされない。
   他方で、生死に関わるような場面になると、
   本人の意志を尊重して云々と言う。
   周囲は口を出さないようにしようと言う。
   これは逆さではないか。

   (p.143 第4章6節「「中立」について」)




・2004年の発行ですが、このHP内のALS関連情報と合わせ、「使える」本です。手にとっていただければ幸いです。
・者購入価格(15%off)+送料でお送りします。
 ただ(私の方では嬉々としてお送りしますが)、送料等含めますとほとんど定価と変わらなくなります。
 2940円(税込)→2500円。送料340円。郵便振替料金60円(ATM使用)。計2900円
 他の本といっしょにお求めいただく*か、まとめて何冊か買うとその分割安にはなります。
 *『現代思想』2004年11月号(特集:生存の争い)は、橋本みさおさん、川口有美子さんの2人のALS本人・関係者の文章が掲載されており、おすすめです。
『生きる力』(840円)と合わせ、3100円+送料。
・御注文等は立岩TAE01303@nifty.ne.jpまで。
・また、[amazon]よりお買い求めいただければと思います。
・分量は字数換算で400字詰850枚程(索引・文献表除く)。

◇本を購入された方で、活字が不便な方には、テキスト・ファイルを用意します。医学書院からフロッピーを送付します。あるいはこのHPの会員限定エリアで読んでいただけます。後者については立岩までEメイルで連絡をください。→TAE01303@nifty.ne.jp


■医学書院のHPでの紹介
 http://www.igaku-shoin.co.jp/prd/00133/0013301.html

書評・紹介(別掲)

■著者による紹介・講演等(2004.12.15,21更新)

DM/各種MLへのメイル
◆2004/09/00 「不動の身体と息する機械との生――知ってることは力になる・34」
 『こちら”ちくま”』41:[送:20041110]
◆2004/09/00 「(著者によるコメント)」
 amazon.co.jp
◆2004/12/18「その先を生きること」
 ヘルパー養成講座『進化する介護』 主催:(NPO)ALS/MNDサポートセンター さくら会 於:東京
 http://homepage2.nifty.com/ajikun/sinkasuru_kaigo/2004121218nakano.htm
◆2004/12/25 「ALSの本・1」(医療と社会ブックガイド・44)
 『看護教育』45-11:(医学書院)[送:20041103]
◆2005/01/21 「ALS 不動の身体と息する機械」
 障害学研究会関東部会 第43回研究会
◆2005/01/25 「ALSの本・2」(医療と社会ブックガイド・45)
 『看護教育』46-01:(医学書院)[送:20041206]
◆2005/02/25 「ALSの本・3」(医療と社会ブックガイド・46)
 『看護教育』46-02:(医学書院)[送:20040104]
◆2005/02/01 「「自己決定」「自然な死」を問う」(見出しは編集部による・370字)
 『おそい・はやい・ひくい・たかい』26:98
◆2005/03/03 「ALSと向き合って・社会は人が生きていくための場・中立でなく”生の支持”こそ」
 『聖教新聞』20../03:9 (題・見出しは編集部による)
◆2005/05/13 「『ALS――不動の身体と息する機械』」
 障害学研究会九州部会第4回研究会
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  ◇序章(全文)    ◇文献表    ◇索引

□□ 序章

 □1 ALSという病
 □2 不思議なこと
 □3 書かれたものを読む
 □4 名前を記す
 □5 必然的な限界について
 □6 言えるだろうこと

□□第1章 間違い

 □1 「予後」について言われたこと
 □2 書かれていたこと
 □3 予定通りにならなかった人たち
 □4 なぜ、と思える

□□第2章 まだなおらないこと

 □1 今のところなおらない
 □2 近年試された薬
 □3 その他
 □4 引き換えに払うもの
 □5 なおすための空間になおらない人がいること
 □6 なおらない間にすべきことができないこと
 □7 補・医療の社会(科)学について

□□第3章 わかること

 □1 わかることについてわからないこと
 □2 医師がわかる/わからないこと
 □3 医師から伝えられる/伝えられないこと
 □4 書類・カルテから知る
 □5 医療の方からでなく知る
 □6 ほかに
 □7 家族が知らされる
 □8 わかってしまうこと

□□第4章 わかることについて

 □1 言われたこと
 □2 知るのがよいか、わからない
 □3 ALSに限れば言えること
 □4 だれがどのように
 □5 家族の位置
 □6 「中立」について

□□第5章 呼吸器のこと

 □1 選択、とされること
 □2 事態の到来
 □3 家族が尋ねられる
 □4 本人が決める
 □5 決定の変更
 □6 まず起こること
 □7 知った上で決めればよい、か

□□第6章 既にあったものの出現

 □1 簡略な歴史
 □2 『平眠』(一九七八年)
 □3 普及について

□□第7章 川口武久のこと・1

 □1 略歴
 □2 「人工的」について
 □3 意識の存在・意思の表出
 □4 JALSA

□□第8章 川口武久のこと・2

 □1 苦痛の位置
 □2 死に引き寄せるもの
 □3 よい死という言説・教義
 □4 引き止めたかもしれぬもの
 □5 逝去(一九九四年)

□□第9章 その先を生きること

 □1 危険
 □2 機械の肯定
 □3 無為
 □4 遮断
 □5 世界の受信
 □6 送信

□□第10章 その先を生きること・2

 □1 暮らすこと
 □2 暮らすためのもの
 □3 暮らすためのもの・二〇〇〇年以降
 □4 「医療行為」
 □5 戦略について

□□第11章 死の位置の変容

 □1 『依頼された死』(一九九四年)
 □2 変位
 □3 拒否されているという現実の浮上
 □4 世界に向かって言う
 □5 ここまで:死に寄せられること・引き返すこと

□□第12章 さらにその先を生きること

 □1 自分で決めるという案
 □2 外すこと
 □3 外すこととつけないこと
 □4 条件について
 □5 価値について
 □6 肯定に懸る負荷
 □7 ロックトイン
 □8 発信の可能性について
 □9 世界の受信
 □10 補・死の自由について
 □11 その場にいる人について・無責任について
 □12 再度・引き返すためのもの

□□あとがき

 
 
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●「生きろ」と言える生命倫理
 白石正明(この本の編集を担当) 20../11

  ALS(エイ・エル・エス)とは、「筋萎縮性側索硬化症」という日本名をもつ神経難病だ。手足が動かなくなり、話すことも食べることも、やがて呼吸することも困難になってくる。人工呼吸器を付ければ生きることができるが、必ずしも装着率は高くはない。
  「息が苦しいのに呼吸器を付けない」という不思議な状況に、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の高い生/無意味な延命/自然な死……という口当たりのよい言葉たちが荷担していることを見て取った著者はこう反問する。

  「質のわるい生」に代わるべきは「質のよい生」であって、「美しい死」ではないのではないか? 死の受容などと唱える前にやるべきことがあり、呼びかけるべき声があるのではないか? だいいち、息ができなければ苦しいではないか!

  以来著者は、ALS闘病記(あまり知られていないが、その少なくない数が「ハリーポッター」の静山社から出ている)やホームページから、当事者の語りを渉猟する。彼、彼女たちが舌先で、眼球の動きで、あるいは額のシワの動きで文字どおり必死に語っていること――それを執拗に追うことによって、やがて「生きろと言えない生命倫理」の浅薄さが浮き彫りにされ、人工呼吸器と人がいれば生きられることが証されていく。

  《いつもは、ほとんど人の議論を参照せず、独善的な文章を書いている私だが、こんどのは違う。400字詰850枚の過半を引用が占めている。528の引用に通し番号がついている。私のぐねぐねした文章に読者はあまり悩まされずにすむ。……他の私の本は、できればどうぞくらいだが、この本はぜひ読んでほしい》と著者みずから述べる、渾身の一冊。

 
 
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◆2004/00 「(著者によるコメント)」
 amazon.co.jp 800字 [送:20041111]

  「自分らしく」、「自然に」、はもちろんよいことだと思う。けれど、息が苦しくなったら、自分らしく、自然に、死ぬだろうか。
  筋萎縮性側索硬化症=ALSというやっかいな病気がある。全身の筋肉が動かなくなっていく、まだ治療法のない病気だ。やがて呼吸も苦しくなるから、呼吸を続けるためには人工呼吸器が必要だ。けれど実際にはかなり多くの人がそれを使わず、亡くなる。そして、そのことが、その人によって選ばれた死として、また自然な死として、よいこととされる。それは違う、ように思う。
  私たちは、昨今の決まり文句である、「本人の決定」のための、「中立」の、「情報提供」という路線を、そのまま受け入れてよいのだろうか。死ぬとか生きるとか、こんな時に、こんな時だけ、リベラリストになってしまうのは、妙ではないか。あるいは「機械的な延命」「たんなる延命」に対する「自然な死」「人間的な死」。こんな時だけ、私たちは自然主義者に、人間主義者になってしまう。それもやはり妙ではないか。
  しかし他方、身体がまったく動かなくなるというのは、やはり究極的なことのようにも思う。完全な無為、あるいは身体に閉じ込められる恐怖。そうなって私はやっていけるだろうか。私は、間違いなく臆病な人間だから、息が苦しくなるのは恐怖だ。しかし、私に限ればそれよりはまだましとしても、身体のどこも動かないとはどんなことだろう。その前に生きるのをやめるのも無理のないことなのだろうか。
  これらを知りたいと私は思った。ALSになった人たちが、例えばわずかに動く身体の動きを感知するコンピュータを使って書いた文章がある。そうして作られたHPも多くあり、また本も出版されている。そうした文章をできるだけ集め、並べ、私自身もできるだけ考え、書いた。結果450頁になったこの本に書き切れなかったこと、より詳しい本の紹介、等は私のHP(http://www.arsvi.com)からご覧になれる。

■201006 紀伊國屋書店・ブックファア

Q1……『ALS 不動の身体と息する機械』をどのような思いで書かれたか。あるいは作成時のエピソードなど。

一つには、死ぬほど辛い病気・障害ってものがあるのだろうかという、素朴な?疑問から。そして、すこし動くところを使ったりしてたくさんの人が本やHPにものを書いていることを知った。それを集めることに、しばらく、かなりはまってました。

Q2……成城の人々におすすめする一冊とその理由。
(ケアのことをよく知らない、医療従事者ではない人へ)

自薦です。すいません。立岩真也『良い死』(2009、筑摩書房)。『ALS』と合わせてお読みください。


UP:20041028,1109,10,11,12,15,..24,25 1201,1207(484),13(1203,1400),19(94,81),26(2441),27(493),29(1286),31(1077),20050102(445),03(666,1455),04(657),06(916),08(948,953-10000),11(1147-),12(962-),13(560-),16(2232),18(2851),19(900-9469),23,25(1764-),28(547-637-1429) ..0303,13 ..0414 0521 20061204, 20100601, 0918
ALS  ◇安楽死・尊厳死  ◇立岩真也  ◇医療社会学 

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