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◆立岩 真也 2022/12/05- 「寄付お願い・提案」
http://www.arsvi.com/ts/20220023.htm
◆立岩 真也 2020/11/11 「私たちはそういうことにあまり慣れてないのだが」,DPI日本会議,ご寄付、ご支援について
『人命の特別を言わず/言う』を筑摩書房から出してもらった。それに対応させて『人命の特別を言わず/言う 補註』を作っている。原稿を書きながら作ってきたものではあるのだが、結局、かなり原稿に手をいれたので、結局、できた本をみながら作っていくことになった。その作業を進めていくためにも、毎日毎日の仕事をここに掲載してことにした。今回はその第6回。
■第1章・註
★04 一九四六年オーストラリア生まれ。メルボルンのモナシュ大学にずっといたが、プリンストン大学に移る。最初に邦訳が出たのは共著の本で『アニマル・ファクトリー――飼育工場の動物たちの今』(Singer & Mason[1980=1982])、その後も編書で『動物の権利』(Singer & Regan eds.[1985=1986]、第2版がSinger & Regan eds.[1989])、『動物の解放』(Singer[1975=1988])等が出ている。二〇〇〇年代に入っての翻訳ではパオラ・カヴァリエリ、ピーター・シンガー編『大型類人猿の権利宣言』(Cavalieri & Singer eds.[1993=2001])がある。第4章(◇頁)でこの本に言及するジャック・デリダへのインタビューの聞き手の発言を引用する。
また本書の主題に関わる訳書としては、『人命の脱神聖化』(Kuhse & Singer eds.[2002=2007])がある。クーゼとシンガー編で二〇〇二年に出た、古いものでは一九七〇年代発表のものも含む二四篇の論文を収録したシンガーの論文集があって、そこから論文一一篇とクーゼの序文を選んで訳したという本である。言われていることは、その他の著作と同じである。『週刊読書人』掲載の堀田義太郎の書評(堀田[2007])がある。※全文を『補註』([2022])――本に入り切らない部分があり、リンク先に情報があることがあるから、『介助の仕事』と同時に作って提供している『介助の仕事 補註・文献』と同様、ネット上で『補註』を提供する――に収録した。
またシンガーの論の解説書として山内・浅井編[2008]、その中で本書に関係する章として浅井篤[2008]、村上弥生[2008]。
★05 『グローバリゼーションの倫理学』(Singer[2002=2005])、『「正義」の倫理――ジョージ・W・ブッシュの善と悪』(Singer[2004=2004])といった本がある。
分量も多くわりあい理論的な本とも言えよう『実践の倫理』でも、やはり動物を殺すことの是非が扱われ、貧富の差の問題が論じられ、そして人の生死の主題が平明に論じられる。初版が一九七九年で訳が九一年に(Singer[1979=1991])、第二版が九三年で訳が九九年に出ている(Singer[1993=1999])。そして、さらにわかりやすい本、「一般市民」向けと言ったらよいのか、『生と死の倫理』(Singer[1994=1998])がある。その主張は一貫している。これだけ長い間同じことを言い続けるその熱情は不思議でもあり、一貫していることが立派なことであるとすれば、立派だということにもなるだろう。
訳書の帯には「オーストラリア出版協会賞受賞」とある。日本だとどんな本に対応すると言ったらよいだろうか。あまり手抜きはせず、ただ本の性格ゆえもあってか論理に荒いところはあり、しかし(あるいはゆえに)わかりやすく、読者を説得しようという姿勢で書かれている。著者の論理を、論理に内在して検討するには別の本がよいのだろうが、このような本も、どのような言い方でこの人は言いたいことを伝えようとするのか、それがわかってよいところはある。
生存学研究センターのフェイスブックにあるこの文章と同じものは
http://www.arsvi.com/ts/20222838.htm
にもある。