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遡行/遡航・4

「身体の現代」計画補足・833

立岩 真也 2022/10/00
https://www.facebook.com/ritsumeiarsvi

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立岩真也『人命の特別を言わず/言う』表紙 立岩真也『良い死/唯の生』表紙

 『遡航』002号(2022/06/30)に掲載された「遡行/遡航」を分載する。その雑誌の(今のところの)表紙頁は
 http://aru.official.jp/m/index.htm
 ※始まったばかりです。「いいね」などよろしくです。※

 1は
遡行/遡航
 2は
1998
 3は
2000
 今回はその4。これで終わり。以下にはリンクがついています。
2005→現在
http://www.arsvi.com/ts/20222833.htm


2005→現在

 これまでいくつか、出版社からでなく、のちにKyoto Booksという名前をつけたところから、当初はPCのプリンターで印刷して、簡易製本機というものを買い込んで1冊1冊製本して、郵送やら学会大会の会場やらで販売してきたものがある。今はそれらを、そして2017年頃から作ってきたものは最初から、電子書籍――といってもたいがいただのワードのファイルであったり、HTMLファイルであったりなのだが――を作って、オンライン決済の仕組みを使って、驚くほど売れないのだが、販売している。2005年の9月に定藤邦子との共編ということで出した『闘争と遡行・1――於:関西+』はその最初のものということになる。さきの註にも記したが、「2」はまだ出ていない。この本というか冊子というかには、堀田義太郎野崎泰伸の論稿、山下幸子・松永真純の現代史に関わる論文を掲載(再録)している。他に、定藤による川嶋雅恵さんへのインタビューの記録、関西の青い芝の会の関連年表・資料が付され、そして、しばらく忘れていたが、さきの『図書新聞』に掲載されたインタビューも再録されているといった具合だ。
 こうして、私は、何度か「闘争と遡行」という言葉を使ってきた。こういう仕事をしている人はわかると思うのだが、いちいち文章や講演に題をつけるというのは面倒な仕事だということもある。ただ、それだけでもなく、そんな気分でやっていこうという気持ちがあってのことだ。そして私は、立場や主張があった上でどうやって前に進むかという闘争、闘争のための仕事と、その場所、その根拠を探す仕事という具合に、この2語を位置づけたようだ。今でもそれはそれでよいと思っている。
 ただ、『闘争と遡行・1』などが既にそのようなものになっているが、「遡行」は、考えるためにも、何があったのか、何が考えられたのか、何が言われたのかを知る、記録するという仕事をも指している。つまり、遡って知る、知ったうえで、あるいは知りながら、さきを考えるという、その前段を指している。
 それは「生を辿り途を探す――身体×社会アーカイブの構築」という現在進行中の企画(文科省科学科学研究費研究・基盤A)の「辿る」、「辿り…探す」ということでもある。それは、その前の科研費研究「病者障害者運動史研究――生の現在までを辿り未来を構想する」から同じだ。2021年に出版した『介助の仕事――街で暮らす/を支える』では第5章が「少し遡り確かめる」になっているのもそういうことだ。
 こうして私は、遡って思考していくこと、考えるためにも過去に遡ること、両方の意味で「遡行」という語を使ってきたようであり、そこにはいくらかの力点の変化もあって、このごろは「現代史」をする、それをやろうという呼びかけとして「遡行」の語を使っているらしい。実際まったく大切なことだと、大切だが、まったく仕事が足りていない部分だと思っている。それで本誌創刊号の緒言も、10分ぐらいで書いたのだが、書いた。そして次に、私は、調査の結果とそこから得られる理論的含意なるものが、一つの文章・論文のなかに常に両方なけれはならないとは考えていない。幾人もの人が、幾つもの仕事をして、それがどのように繋がるのかが示される。そのためにも雑誌があるし、誰かが別の人のなにかを受け取り、そこから先に進めるために、煩雑な文献表示やその方法――ただ本稿はだいぶ正しい方法を崩して書いてしまっているのでよい見本にはなっていない――もあるのだと考える。そのことについては別に、多分次号に、述べる。

文献(刊行年順)

立岩 真也 1998/02/01 「一九七〇年」,『現代思想』26-2(1998-2):216-233→2000/10/23 「一九七〇年――闘争×遡行の始点」,立岩[2000:87-118]→立岩[2020:91-122]
立岩 真也 1998/10/31 「闘争と遡行」,STS Network Japan シンポジウム「医療問題は科学論で語れるか」於:京都大学
立岩 真也 2000/03/25 「闘争と遡行」,『STS NETWORK JAPAN Yearbook '99』:43-48(立岩[1998/10/31]の記録)
立岩 真也 2000/10/23 『弱くある自由へ――自己決定・介護・生死の技術』,青土社,382p.
立岩 真也 2001/01/27 「闘争と遡行――立岩真也氏に聞く 『弱くある自由へ』」(インタビュー、聞き手:米田綱路),『図書新聞』2519:1-2→立岩[2020:359-380]
立岩 真也・定藤 邦子 編 2005/09/00 『闘争と遡行・1――於:関西+』,Kyoto Books,120p.
立岩 真也 2020/01/10 『弱くある自由へ――自己決定・介護・生死の技術 増補新版』,青土社,536p.
立岩 真也 2021/03/10 『介助の仕事――街で暮らす/を支える』,ちくま新書,筑摩書房,238p.
立岩 真也 2022/03/24 「緒言」,『遡航』1:1


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◆立岩 真也 2020/11/11 
「私たちはそういうことにあまり慣れてないのだが」DPI日本会議,ご寄付、ご支援について
◆立岩 真也 2022/12/05- 「寄付お願い・提案」


 生存学研究センターのフェイスブックにあるこの文章と同じものは
http://www.arsvi.com/ts/20222833.htm
にもある。


UP:2022 REV:
生を辿り道を探る――身体×社会アーカイブの構築  ◇『介助の仕事――街で暮らす/を支える』  ◇立岩 真也  ◇Shin'ya Tateiwa 
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