◆兵庫県立のじぎく会館 アクセスマップ https://www.hyogo-jinken.or.jp/nojigiku/access
◆0823〜1220:全部32講座 https://blrhyg.thebase.in/categories/4426823
学生は1講座500円で参加できるそうです。
◆ともに生きることと優生思想 社会学者・立岩さんの視点――相模原事件を考える〜公判を前に
立岩 真也 2019/12/26 『毎日新聞』2019-12-26
http://www.arsvi.com/ts/20190036.htm
送った原稿:
人を殺すほどのことをやる人はめったにいないし、いるべきではない。ただ、植松聖被告(29)の考えが、我々の社会とそんなに距離はないことは押さえないといけません。事件の根にあるのは「社会に対する無駄な危機感」です。まず「世の中が悪くなる」という話が本当なのか問わねばなりません。
少子高齢化で働き手が不足し、経済成長も望めない……。現在は苦く未来はもって暗いという世界観を彼も刷り込まれている。しかし、社会が悪くなっていくという見立ては間違っています。高齢者や障害者を養っていると、他の生産的な仕事ができないと言う人がいますが、平均寿命が延びて働けて働きたい期間は長くなっています。するとむしろ定年は、余った人を穏便に退場してもらう仕掛けと考えた方がよい。人か足りない、足りなくなるというのは間違いで、例えば介護といった局所的に足りなくなっている部分は、見合った給料を払っていないからで、足りるようにすることは可能です。「無駄な危機感」の前提を一つずつ検証する必要があります。
優生思想は「他人にとっての損得・価値によって、時に人を生まれないようにし、時に死んでもらおうという考え」です。楽で都合がよいから、私たちには支持してしまう部分がある。その自覚は必要ですが、「根絶は無理」だからと、思考停止するのは最悪です。
優生思想は人を支える負担の重さの下で栄えます。負担そのものはなくせないけれど、1人にかかる重さは減らせます。優生主義を根絶できなくても、その勢力を弱くすることはできます。
とくに老いを考えるなら、障害という問題は全員が巻き込まれていく、既に多くが巻き込まれている問題です。関心がないとか言いたくても言えないことです。ただ、私は、関心がないと言いたがる人たちに、関心をもて理解せよとは言わない。しかし、関心を持とうが持つまいが、してはならないことがあることは認めさせる。人が暮らしたいところに、暮らしやすいように暮らすことを止めることは誰にもできないのです。そして、してはならないことの中には言葉で人を攻撃することも含まれます。言葉による加害は、時に他の形の加害より大きい。そうした害を垂れ流す人たちに、「お前たちはそんなことを言えないのだ」と、毅然とする。同時に、私たちの多くが抱いてまっている不安・危機感について冷静になり、考え、落ち着く。両方が大切だと考えます。
◆立岩 真也 2022/09/** 『人命の特別を言わず*言う』,筑摩書房
◆立岩 真也・杉田 俊介 2017/01/05 『相模原障害者殺傷事件――優生思想とヘイトクライム』,青土社

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