そうして得られるもの、得ようとするものはなにか? 「唯の生」であり、唯の生でしかない。関連して、2004年に、『ALS』(立岩[2004]~[English][Korean])を書き、2008年・2009年に『良い死 / Good Death (?)』(立岩[2008]~[English][Korean])、『唯の生 / Sole Life』(立岩[2009]~[English] )を書いた。「良い死」はここで批判的な意味合いで使われている。そんなものを求めることはない。唯の生でよい。それを、思想によって、そして財の物理的な配置によって妨げるのが私たちの社会であるからそれを批判し、批判するだけでは仕方がないからⅡを要求し、そして実現しようとする。
例えば、Singer, Peter / ピーター・シンガーは各国の障害者運動によって批判されてきたが、そのことは多くの人たちに知られず、動物を擁護する人として肯定的に評価される。そのような思潮が世界のかなりの部分に広がっているように思う。今ある社会を批判し別の世界を描く思想がそんなものであってよいのか。それはよくないと私は考える。だから今また1冊の本(立岩[2022])を用意している。歴史を記録し記憶することと、思考を進めること、両方が同時に必要なのだ。